JPH051173A - フツ素樹脂多泡体及びその製造方法 - Google Patents
フツ素樹脂多泡体及びその製造方法Info
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- JPH051173A JPH051173A JP15959891A JP15959891A JPH051173A JP H051173 A JPH051173 A JP H051173A JP 15959891 A JP15959891 A JP 15959891A JP 15959891 A JP15959891 A JP 15959891A JP H051173 A JPH051173 A JP H051173A
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- fluorine
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Abstract
(57)【要約】
【目的】微細な独立気泡を有するフッ素樹脂多泡体とそ
の製造方法を提供する。 【構成】テトラフルオロエチレンとパーフルオロ−2,
2−ジメチル−ジオキソールの共重合体のような主鎖に
環構造を有するフッ素樹脂を、パーフルオロ系溶媒に溶
解させ、この溶解液を平板上に噴霧することにより、微
細で独立した気泡を形成する。
の製造方法を提供する。 【構成】テトラフルオロエチレンとパーフルオロ−2,
2−ジメチル−ジオキソールの共重合体のような主鎖に
環構造を有するフッ素樹脂を、パーフルオロ系溶媒に溶
解させ、この溶解液を平板上に噴霧することにより、微
細で独立した気泡を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気絶縁材料などに
好適なフッ素樹脂多泡体と、その製造方法に関する。
好適なフッ素樹脂多泡体と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】四フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合樹脂等のフッ素系樹脂は、その優れた電気的
特性、耐熱性、耐薬品性等に基づき、種々の用途に広く
用いられているが、これを例えば電気絶縁材料として使
用する場合には、電気的特性をより向上させるため、多
孔質化させて使用することが行われている。
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合樹脂等のフッ素系樹脂は、その優れた電気的
特性、耐熱性、耐薬品性等に基づき、種々の用途に広く
用いられているが、これを例えば電気絶縁材料として使
用する場合には、電気的特性をより向上させるため、多
孔質化させて使用することが行われている。
【0003】フッ素系樹脂の多孔質体で独立気孔性のも
のを得るには、これまでに幾つかの方法が提案されてい
る。例えば、有機または無機の化学薬品を発泡核剤入り
樹脂に添加し、その熱分解により発生するガス(主とし
て窒素、二酸化炭素などの不活性ガス)によって発泡さ
せる方法、成形機中で溶融した発泡核剤入り樹脂の中に
前記不活性ガスもしくは炭化水素などの揮発性有機液体
をガス状または液状で高圧にて吹き込み、溶融した樹脂
が成形機を出るときの樹脂内含有ガスが窒化ホウ素、シ
リカ、アルミナなどの発泡核剤を基点として膨張するこ
とを利用して発泡させる方法、さらには適当な有機溶剤
を樹脂に含浸させ、この有機溶剤の沸点以上の温度で含
浸樹脂を成形して発泡させる方法などが知られている
(特開昭58−147439号、特開昭62−3013
1号等参照)。
のを得るには、これまでに幾つかの方法が提案されてい
る。例えば、有機または無機の化学薬品を発泡核剤入り
樹脂に添加し、その熱分解により発生するガス(主とし
て窒素、二酸化炭素などの不活性ガス)によって発泡さ
せる方法、成形機中で溶融した発泡核剤入り樹脂の中に
前記不活性ガスもしくは炭化水素などの揮発性有機液体
をガス状または液状で高圧にて吹き込み、溶融した樹脂
が成形機を出るときの樹脂内含有ガスが窒化ホウ素、シ
リカ、アルミナなどの発泡核剤を基点として膨張するこ
とを利用して発泡させる方法、さらには適当な有機溶剤
を樹脂に含浸させ、この有機溶剤の沸点以上の温度で含
浸樹脂を成形して発泡させる方法などが知られている
(特開昭58−147439号、特開昭62−3013
1号等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融し
た樹脂にガスを圧入する方法は、特殊な構造の装置を必
要とするため設備が高価になり、また揮発性液体あるい
はガスを原料樹脂に含浸してから成形機に供給する方法
は樹脂中の含浸発泡剤量が経時変化するため、安定した
発泡率が得られないなどの問題点がある。また、化学薬
品からなる発泡剤は、粉末状で混合工程における取扱い
が容易であると共に、通常の押出機が使用できるという
利点がある。ところが、フッ素系樹脂の成形温度は発泡
剤の分解温度に比べて高いため、これに適用可能な化学
発泡剤は、耐熱性の点で適当なものが未だ見出されてな
いのが現状であり、現在ある発泡剤は、熱分解後の残渣
により電気的特性が却って低下するという欠点がある。
た樹脂にガスを圧入する方法は、特殊な構造の装置を必
要とするため設備が高価になり、また揮発性液体あるい
はガスを原料樹脂に含浸してから成形機に供給する方法
は樹脂中の含浸発泡剤量が経時変化するため、安定した
発泡率が得られないなどの問題点がある。また、化学薬
品からなる発泡剤は、粉末状で混合工程における取扱い
が容易であると共に、通常の押出機が使用できるという
利点がある。ところが、フッ素系樹脂の成形温度は発泡
剤の分解温度に比べて高いため、これに適用可能な化学
発泡剤は、耐熱性の点で適当なものが未だ見出されてな
いのが現状であり、現在ある発泡剤は、熱分解後の残渣
により電気的特性が却って低下するという欠点がある。
【0005】さらに、これら従来の発泡方法では、いず
れも粘度の高い溶融状態の樹脂を発泡させるため、得ら
れる発泡体の気孔径はそれほど小さくはならない。因み
にガスの圧入による従来の発泡体における気孔径は、小
さくとも50から60ミクロンメートル程度である。し
たがって、絶縁体として使用する場合には、その厚さを
気孔径以下にすることは表面発泡孔を生ずる結果となり
不可能であるから、例えば電線の絶縁体としたときに細
径化が難しいという問題点もあった。
れも粘度の高い溶融状態の樹脂を発泡させるため、得ら
れる発泡体の気孔径はそれほど小さくはならない。因み
にガスの圧入による従来の発泡体における気孔径は、小
さくとも50から60ミクロンメートル程度である。し
たがって、絶縁体として使用する場合には、その厚さを
気孔径以下にすることは表面発泡孔を生ずる結果となり
不可能であるから、例えば電線の絶縁体としたときに細
径化が難しいという問題点もあった。
【0006】そこで、本発明者らはこれらの問題点を解
決するべく鋭意検討を重ねた結果、ある種のフッ素樹脂
を従来とは異なる方法で発泡させたものが、それらの諸
問題を同時に解決できることを見出し、本発明に想到し
たのである。即ち、この発明は、気泡が微細で、電気的
特性に優れ、安定して製造することのできるフッ素樹脂
多泡体と製造方法の提供をその目的とする。
決するべく鋭意検討を重ねた結果、ある種のフッ素樹脂
を従来とは異なる方法で発泡させたものが、それらの諸
問題を同時に解決できることを見出し、本発明に想到し
たのである。即ち、この発明は、気泡が微細で、電気的
特性に優れ、安定して製造することのできるフッ素樹脂
多泡体と製造方法の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明によるフッ素樹脂多泡体では、主鎖に環構
造を有するフッ素樹脂の内部に多数の微細な独立した気
泡を形成した構成とする。
め、この発明によるフッ素樹脂多泡体では、主鎖に環構
造を有するフッ素樹脂の内部に多数の微細な独立した気
泡を形成した構成とする。
【0008】また、かかるフッ素樹脂多泡体は、主鎖に
環構造を有するフッ素樹脂をフッ素系溶媒に溶解し、こ
の溶液を薄膜状に噴霧しながら、薄膜中に含まれるフッ
素系溶媒を除去することにより、多数の微細な独立気泡
を含む多泡体が得られる。
環構造を有するフッ素樹脂をフッ素系溶媒に溶解し、こ
の溶液を薄膜状に噴霧しながら、薄膜中に含まれるフッ
素系溶媒を除去することにより、多数の微細な独立気泡
を含む多泡体が得られる。
【0009】ここで、主鎖に環構造を有するフッ素樹脂
としては、下記の一般式で示されるフッ素系樹脂などを
挙げることができる。
としては、下記の一般式で示されるフッ素系樹脂などを
挙げることができる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】これら一般式で示されるフッ素樹脂の中で
も、特に次のような環構造を有するものが好適に用いら
れる。
も、特に次のような環構造を有するものが好適に用いら
れる。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】このようなフッ素樹脂は、環化重合(米国
特許第3418030号、英国特許第1106344
号、米国特許第3202643号等参照)もしくは環状
モノマーのラジカル重合(米国特許第3978030号
参照)などの方法により製造されるものであり、またフ
ッ素樹脂の電気的特性および溶解性を損なわない程度に
他の単量体を併用して二元共重合あるいは三元共重合さ
せた共重合体であってもよい。
特許第3418030号、英国特許第1106344
号、米国特許第3202643号等参照)もしくは環状
モノマーのラジカル重合(米国特許第3978030号
参照)などの方法により製造されるものであり、またフ
ッ素樹脂の電気的特性および溶解性を損なわない程度に
他の単量体を併用して二元共重合あるいは三元共重合さ
せた共重合体であってもよい。
【0021】ここで、共重合させる単量体としては、ラ
ジカル重合性を有するものであれば、特に限定はされな
いが、フルオロオレフィン、フルオロビニルエーテルな
どの含フッ素モノマーが望ましく、例えば四フッ化エチ
レン、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオ
ロプロピルビニルエーテル、あるいはカルボン酸基やス
ルホン酸基のような官能基を有するパーフルオロビニル
エーテルなどが好適であり、さらにフッ化ビニリデン、
フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなども使用可能で
ある。
ジカル重合性を有するものであれば、特に限定はされな
いが、フルオロオレフィン、フルオロビニルエーテルな
どの含フッ素モノマーが望ましく、例えば四フッ化エチ
レン、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオ
ロプロピルビニルエーテル、あるいはカルボン酸基やス
ルホン酸基のような官能基を有するパーフルオロビニル
エーテルなどが好適であり、さらにフッ化ビニリデン、
フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなども使用可能で
ある。
【0022】そして、分子鎖中に環構造を導入した上記
のごときフッ素樹脂は、特定のフッ素系溶媒に対してご
く限られた量だけ溶解する性質がある。そこで、溶液状
のフッ素樹脂を薄膜状に噴霧し、塗膜中に含まれるフッ
素系溶媒を減圧もしくは加熱、あるいは両者の併用によ
り除去すると、薄膜中に無数の微細な独立気泡が形成さ
れる。この場合、溶液粘度、噴霧機のノズル径、乾燥条
件などを適宜選択することにより、多泡体の気泡径の調
整をすることができる。
のごときフッ素樹脂は、特定のフッ素系溶媒に対してご
く限られた量だけ溶解する性質がある。そこで、溶液状
のフッ素樹脂を薄膜状に噴霧し、塗膜中に含まれるフッ
素系溶媒を減圧もしくは加熱、あるいは両者の併用によ
り除去すると、薄膜中に無数の微細な独立気泡が形成さ
れる。この場合、溶液粘度、噴霧機のノズル径、乾燥条
件などを適宜選択することにより、多泡体の気泡径の調
整をすることができる。
【0023】かかるフッ素系溶媒としては、例えばパー
フルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン等のパーフル
オロアルカンまたはパーフルオロシクロアルカン、これ
らの一部に二重結合の残ったパーフルオロアルケン、パ
ーフルオロテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒ
ドロピランなどのパーフルオロ環状エーテル、パーフル
オロトリブチルアミン、パーフルオロテトラペンチルア
ミン、パーフルオロテトラヘキシルアミン等のパーフル
オロアルキルアミンなどのパーフルオロ溶媒を、前記フ
ッ素樹脂の溶解性、蒸発速度、溶液粘度等を考慮し、単
独もしくは二種以上混合して使用することができる。
フルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン等のパーフル
オロアルカンまたはパーフルオロシクロアルカン、これ
らの一部に二重結合の残ったパーフルオロアルケン、パ
ーフルオロテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒ
ドロピランなどのパーフルオロ環状エーテル、パーフル
オロトリブチルアミン、パーフルオロテトラペンチルア
ミン、パーフルオロテトラヘキシルアミン等のパーフル
オロアルキルアミンなどのパーフルオロ溶媒を、前記フ
ッ素樹脂の溶解性、蒸発速度、溶液粘度等を考慮し、単
独もしくは二種以上混合して使用することができる。
【0024】
【作用】主鎖に環構造を有するフッ素樹脂は、上記フッ
素系溶媒にごく限られた量だけ溶解する。そして、シー
ト状の多泡体とする場合には、適度な粘度に調整した樹
脂溶液をガラス板や金属板等の平らな面に噴霧する。こ
の樹脂溶液は、噴霧機のノズルから放出される際に、そ
の液滴が空気を内部に抱き込み、または液状のフッ素系
溶媒を内部に含んだマイクロカプセルとなって平板表面
に付着する。この塗膜を加熱あるいは減圧、もしくはそ
の両者を併用してフッ素系溶媒を除去すると、本質的に
フッ素樹脂の溶解性が低いために液滴の表面が直ちに固
化しながら隣合う液滴同士で一体化し、無数の独立した
気泡を備えた多孔質フィルムとなる。この方法では、樹
脂溶液を霧状に噴射するので、微細な液滴となり、その
ため内部に封入される気泡も極めて小さなものになる。
素系溶媒にごく限られた量だけ溶解する。そして、シー
ト状の多泡体とする場合には、適度な粘度に調整した樹
脂溶液をガラス板や金属板等の平らな面に噴霧する。こ
の樹脂溶液は、噴霧機のノズルから放出される際に、そ
の液滴が空気を内部に抱き込み、または液状のフッ素系
溶媒を内部に含んだマイクロカプセルとなって平板表面
に付着する。この塗膜を加熱あるいは減圧、もしくはそ
の両者を併用してフッ素系溶媒を除去すると、本質的に
フッ素樹脂の溶解性が低いために液滴の表面が直ちに固
化しながら隣合う液滴同士で一体化し、無数の独立した
気泡を備えた多孔質フィルムとなる。この方法では、樹
脂溶液を霧状に噴射するので、微細な液滴となり、その
ため内部に封入される気泡も極めて小さなものになる。
【0025】
【実施例】以下、本発明のフッ素樹脂多泡体について具
体例をもって説明するが、もちろん実施例に限定される
ものではなく、この発明の技術思想内での変更実施は可
能である。
体例をもって説明するが、もちろん実施例に限定される
ものではなく、この発明の技術思想内での変更実施は可
能である。
【0026】実施例1
主鎖に環構造を有しフッ素系溶媒に可溶なフッ素樹脂と
して、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ−2,2
−ジメチル−1,3−ジオキソールの共重合体〔イー・
アイ・デュポン社製 商品名:テフロンAF2400、
比誘電率1.90(100MHz)〕0.5重量部を、
フッ素系溶媒としてパーフルオロ(2−ブチルテトラヒ
ドロフラン)を主成分とする液体〔スリーエム社製 商
品名:フロリナートFC−72〕99.5重量部に加熱
しながら溶解させた。
して、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ−2,2
−ジメチル−1,3−ジオキソールの共重合体〔イー・
アイ・デュポン社製 商品名:テフロンAF2400、
比誘電率1.90(100MHz)〕0.5重量部を、
フッ素系溶媒としてパーフルオロ(2−ブチルテトラヒ
ドロフラン)を主成分とする液体〔スリーエム社製 商
品名:フロリナートFC−72〕99.5重量部に加熱
しながら溶解させた。
【0027】そして上記フッ素樹脂溶液を、50℃に加
熱したガラス板上に噴霧機を用いて約50センチメート
ルの距離から噴霧することにより、塗膜中に含まれるフ
ッ素系溶媒を直ちに除去し、本発明によるフィルム状の
フッ素樹脂多泡体を得た。このフィルムは厚さが10ミ
クロンメートルの薄膜であるが、内部構造として無数の
微細な独立気泡を有する多孔質構造をなし、その気泡径
は平均して1.5ミクロンメートルであった。即ち、従
来行われているガスの圧入法に比べ微小径の発泡体を得
ることができた。
熱したガラス板上に噴霧機を用いて約50センチメート
ルの距離から噴霧することにより、塗膜中に含まれるフ
ッ素系溶媒を直ちに除去し、本発明によるフィルム状の
フッ素樹脂多泡体を得た。このフィルムは厚さが10ミ
クロンメートルの薄膜であるが、内部構造として無数の
微細な独立気泡を有する多孔質構造をなし、その気泡径
は平均して1.5ミクロンメートルであった。即ち、従
来行われているガスの圧入法に比べ微小径の発泡体を得
ることができた。
【0028】次に、本発明によるフッ素樹脂多泡体の絶
縁材料としての電気的特性を評価するため、上記方法に
よって作製されたフィルムを用いて特性インピーダンス
が50オームの同軸ケーブルを作製し、その伝搬遅延時
間を測定したところ、3.65ns/mであった。この
ことから、このフィルム状フッ素樹脂多泡体の実効比誘
電率は1.20となり、極めて低誘電率の絶縁材料にな
っている。また、その誘電正接は0.0001であっ
た。これは、本発明によるフッ素樹脂多泡体が全く他の
成分を含まないため、フッ素樹脂のもつ誘電損失を維持
していることを示し、従来技術のように樹脂中の発泡核
剤及び化学発泡剤の熱分解残渣によって多泡体の誘電損
失が増大するのに比べ優れた点である。
縁材料としての電気的特性を評価するため、上記方法に
よって作製されたフィルムを用いて特性インピーダンス
が50オームの同軸ケーブルを作製し、その伝搬遅延時
間を測定したところ、3.65ns/mであった。この
ことから、このフィルム状フッ素樹脂多泡体の実効比誘
電率は1.20となり、極めて低誘電率の絶縁材料にな
っている。また、その誘電正接は0.0001であっ
た。これは、本発明によるフッ素樹脂多泡体が全く他の
成分を含まないため、フッ素樹脂のもつ誘電損失を維持
していることを示し、従来技術のように樹脂中の発泡核
剤及び化学発泡剤の熱分解残渣によって多泡体の誘電損
失が増大するのに比べ優れた点である。
【0029】実施例2
化5に示す繰り返し構造を有するフッ素樹脂〔旭硝子社
製 商品名:サイトップ、比誘電率2.1(1GH
z)〕0.5重量部を、フッ素系溶媒としてパーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)を主成分とする液
体〔スリーエム社製商品名:フロリナートFC−72〕
99.5重量部に加熱しながら溶解させた。
製 商品名:サイトップ、比誘電率2.1(1GH
z)〕0.5重量部を、フッ素系溶媒としてパーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)を主成分とする液
体〔スリーエム社製商品名:フロリナートFC−72〕
99.5重量部に加熱しながら溶解させた。
【0030】そして、上記フッ素樹脂溶液を、ガラス板
上に噴霧機を用いて約50センチメートルの距離から噴
霧した後、このガラス板を約70℃の恒温槽内に入れて
フッ素系溶媒を除去し、厚さ10ミクロンメートルのフ
ィルムを得た。このフィルムは、前記実施例と同様に微
細な独立した気泡を有する多泡体であり、その比誘電率
及び誘電正接は、それぞれ1.25、0.0001であ
った。
上に噴霧機を用いて約50センチメートルの距離から噴
霧した後、このガラス板を約70℃の恒温槽内に入れて
フッ素系溶媒を除去し、厚さ10ミクロンメートルのフ
ィルムを得た。このフィルムは、前記実施例と同様に微
細な独立した気泡を有する多泡体であり、その比誘電率
及び誘電正接は、それぞれ1.25、0.0001であ
った。
【0031】なお、上記実施例以外の環構造を有する他
のフッ素樹脂についても、同様な方法で微細な独立気泡
を有する多泡体を形成することができた。
のフッ素樹脂についても、同様な方法で微細な独立気泡
を有する多泡体を形成することができた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によるフ
ッ素樹脂多泡体は、特定のフッ素系溶媒に可溶なフッ素
樹脂を溶液状にして噴霧することにより気泡を形成する
ものであるから、従来よりも微細な独立気孔を有する多
孔質体が得られ、これを絶縁材料として用いれば、電線
やプリント基板等の電子部品の小型化、高性能化を達成
させることができる。なお、このフッ素樹脂多泡体は、
絶縁材料に限らず、従来フッ素樹脂発泡体が使用されて
いた分野への適用はもちろん可能である。
ッ素樹脂多泡体は、特定のフッ素系溶媒に可溶なフッ素
樹脂を溶液状にして噴霧することにより気泡を形成する
ものであるから、従来よりも微細な独立気孔を有する多
孔質体が得られ、これを絶縁材料として用いれば、電線
やプリント基板等の電子部品の小型化、高性能化を達成
させることができる。なお、このフッ素樹脂多泡体は、
絶縁材料に限らず、従来フッ素樹脂発泡体が使用されて
いた分野への適用はもちろん可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】主鎖に環構造を有するフッ素樹脂の内部に
多数の微細な独立した気泡を形成してなるフッ素樹脂多
泡体。 - 【請求項2】主鎖に環構造を有するフッ素樹脂をフッ素
系溶媒に溶解し、この溶液を薄膜状に噴霧しながら、薄
膜中に含まれるフッ素系溶媒を除去することにより多数
の独立した気泡を形成するフッ素樹脂多泡体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15959891A JPH051173A (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | フツ素樹脂多泡体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15959891A JPH051173A (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | フツ素樹脂多泡体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051173A true JPH051173A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=15697200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15959891A Pending JPH051173A (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | フツ素樹脂多泡体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH051173A (ja) |
-
1991
- 1991-06-04 JP JP15959891A patent/JPH051173A/ja active Pending
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