JPH03134913A

JPH03134913A - 絶縁材料

Info

Publication number: JPH03134913A
Application number: JP27350589A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Sato; 喜昭佐藤
Original assignee: Junkosha Co Ltd
Current assignee: Junkosha Co Ltd
Priority date: 1989-10-20
Filing date: 1989-10-20
Publication date: 1991-06-07

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、微小中空球体により電気的特性等を向上せ
しめた絶縁材料に関する。

〔従来の技術〕

含フッ素ポリマーは、一般に他のポリマーに比べて誘電
率が低く、誘電正接も小さいなどの優れた電気的特性を
有することから、電気絶縁材料として広く用いられてい
る。また最近では、電気的特性をさらに向上させるため
、発泡が検討されている。

含フッ素ポリマーの発泡体を得るには、これまでに幾つ
かの方法が提案されている。例えばポリマーに対して有
機または無機の化学薬品を添加し、その熱分解により発
生するガス（主としてＮ２、ＣＯ２などの不活性ガス）
により発泡させる方法、成形機中で溶融したポリマーの
中にＮ２またはＣＯ２のごとき無機の不活性ガス、ある
いは炭化水素などの発揮性有機液体をガス状または液状
で高圧にて吹込み、溶融したポリマーが成形機を出る時
のポリマー内含有ガスの膨張を利用して発泡させる方法
、さらには適当な有機溶剤をポリマーに含浸させ、この
有機溶剤の沸点以上の温度で含浸ポリマーを成形して発
泡させる方法などが知られている（特開昭５８−１４．
７４３９号、特開昭６２３０１３１号等）。

さらに、上記発泡方法およびそれによって得られる発泡
絶縁材料の欠点を改善するものとして、本出願人は、ガ
ラス製微小中空球体等の低誘電率微小中空球体に着目し
、これを四フッ化エヂレン樹脂あるいは他の溶融押出成
形が可能な含フッ素ポリマーに混入することを提案して
いる（特公平］−２５７６９号、特開昭６３−２８４．
２４６号参照）。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、前者の絶縁材料では、成形時に圧延処理が行
なわれ、圧縮等の外力を受けることから、微小中空球体
が破壊されやすい。このため多量に充填しても、その割
には電気的特性は向上しないという問題があり、さらに
製造に手間がかかるばかりか得られる成形物が実質的に
シート状のものに限定されるなど、改善すべき幾つかの
課題が残されていた。

また、後者の絶縁材料にあっては、押出成形機の内部で
微小中空球体がスクリューによって破壊されやすく、し
かも多量に充填すると溶融粘度が急激に上昇して流動性
が低下するので、配合量の上限は多くても１０重量％に
留まり、特性の向上には限界があった。

そこで、この発明はこれら従来技術の課題に鑑み、低誘
電率微小中空球体を破壊することなく大量に充填するこ
とができ、かつ成形物の形状が限定されることのない優
れた電気的特性を有する絶縁材料の提供をその目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

ところで、従来、電気絶縁材料として用いられる含フッ
素ポリマーとしては、ポリ四フッ化エチレン（ＰＴＦＥ
）、四フッ化エヂレンー六フッ化プロピレン共重合体（
Ｆ’　Ｅ　Ｐ　）、四フッ化エヂレンパーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）、ポリ三フッ化
塩化エチレン（ＰＣＴＦＥ）、エチレン−四フッ化エチ
レン共重合体（ＥＴＦＥ）、エチレン−三フッ化塩化エ
チレン共重合体（ＥＣＴＦＥ）などが知られているが、
これら含フッ素ポリマーは化学的に安定で、一般的に溶
剤に不溶であるから、その成形加工は圧縮成形、溶融成
形、溶融成形と切削の併用などによって行なっている。

しかしながら、これらの成形方法では、いずれも圧縮力
、剪断力などの外力が必ず成形材料にかかるので、ガラ
ス製微小中空球体を上記含フッ素ポリマーに充填した場
合には、その破壊が避けられなかった。

そこで、本発明者はこれらの問題を解決するべくさらに
検討を重ねた結果、ある種の含フッ素ボ＝３リマーがこれに最適であることを見出し、本発明に想到
したのである。

すなわち本発明では、フッ素系溶剤に対して溶解性を示
す低誘電率含フッ素ポリマーにより多数の低誘電率微小
中空球体を結着一体化せしめてなる絶縁材料を構成する
。

本発明で用いる低誘電率含フッ素ポリマーは、例えばパ
ーフルオロ（２−ブチルテトラヒドロフラン）、パーフ
ルオロベンゼン等のフッ素系溶剤３、に可溶で、かつ誘
電率の低いものであれば特に限、ｊ゛ °定はされない。その代表的なものとしては、主鎖に環
構造をもつ含フッ素ポリマーを挙げることができるが、
その中でも環構造中にエーテル結合を有するものが望ま
しい。なお、この種のポリマーが特殊なフッ素系溶剤に
可溶である理由は明らかではないが、溶剤とポリマーの
環構造が類似していること、このポリマーの結晶性が低
いこと等が考えられる。

このような含フッ素ポリマーは、環化重合（米国特許第
３４１．８３０３号、英国特許第１１０６３４４号等参
照）あるいは環状モノマーのラジカル重合（米国特許第
３９７８０３０号参照）などの方法によって製造される
ものであり、またポリマーの電気的特性および溶解性を
損なわない程度に共重合成分を使用することは何ら差し
支えがない。

共重合成分としては、フルオロオレフィン、フルオロビ
ニルエーテルなどの含フッ素モノマーが望ましく、例え
ば四フッ化エチレン、パーフルオロメチルビニルエーテ
ル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、あるいはカ
ルボン酸基やスルホン酸基のような官能基を有するパー
フルオロビニルエーテルなどが好適であり、さらにフッ
化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化塩化エヂレンな
ども使用可能である。

また、上記含フッ素ポリマーにより結着一体化される低
誘電率微小中空球体としては、ガラス、セラミック、プ
ラスチックなどの絶縁材料からなる粒径Ｉ〜３００μｍ
程度、好ましくは２０μｍ以下の中空球体が挙げられる
。中でも二酸化ケイ素の含有量が８０重量％以上のガラ
ス製の中空球体が好適に使用される。その中空部には、
窒素、二酸化炭素などの気体が封入されているため、低
誘電率、低誘電正接、低比重となっている。これら微小
中空球体の配合量については特に限定されないが、一般
的には絶縁材料中に１０〜９０重量％の範囲で混入する
ことができ、好ましくは３０〜７０重量％であることが
望ましい。なお、これら微小中空球体の表面をあらかじ
めカップリング剤で処理しておいてもよい。

〔作用〕

本発明において、低誘電率含フッ素ポリマーは特定のフ
ッ素系溶剤に可溶であるから、その溶解液に低誘電率微
小中空球体を混入したものを、例えば導体の外周に塗布
するなど、所望の形状に塗布して溶剤を除去すれば、こ
のポリマーを介して多数の微小中空球体が結着一体化す
るので、きわめて簡単に絶縁体を形成することができる
。

さらに、上記のごとき方法で成形加工される本発明の絶
縁材料では、成形の際に押出成形などの場合のように大
きな力が負荷されることがないので、内部に含まれる微
小中空球体は破壊されずに残る。したがって、低誘電率
で特性の安定した絶縁体となる。

また、低誘電率含フッ素ポリマーの溶解液は、フッ素系
溶剤により自由にその粘度調整ができるから、大量の微
小中空球体を混入した場合においても、良好な作業性が
得られる。

〔実施例〕

以下、具体例をもって本発明の絶縁材料について詳しく
説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものでは
ない。

低誘電率含フッ素ポリマーとして含フッ素脂肪族環構造
を主鎖に含む非晶質のポリマー〔イー・アイ・デュポン
社製　テフロンＡＰ２４００、誘電率１．９０（１００
Ｍ　Ｈｚ）、化学名：　Ｆｌｕｏｒｉｎａｔｅｄ　（ｅ
ｔｈｙｌｅｎｉｃ−ｃｙｃｌｏ　ｏｘｉａｌｉｐｈａｔ
ｉｃ　５ｕｂｓｔｉｔｕｔｅｄ　ｅｔｈｙｌｅｎｉｃ）
　ｃｏｐｏｌｙｍｅｒ）　６０重量部、フッ素系溶剤と
してパーフルオロ（２−ブヂルテトラヒドロフラン）を
含んだ液体〔スリーＭ社製　フロリナー）ＦＣ−７５）
１４７０重量部、および低誘電率微小中空球体としてガ
ラス製微小中空球体〔エマーソンアンドカミング社製ｓ
丁、誘電率１．２０，２０μｍ通過品）４０１！ｉ量部
を加熱しながら低誘電率含フッ素ポリマーが完全に溶解
するまで撹拌した。

次に、この溶液をポリエステルフィルム上に展延し、フ
ッ素系溶剤を乾燥除去したところ、厚さ５０μｍのフィ
ルムが得られた。このフィルムの誘電率は、１．４５で
あった。また、このフィルムを電子顕微鏡により観察し
たところ、ガラス製微小中空球体の破壊を全く認められ
なかった。

なお、実施例には示さないが、例えばシラン系カップリ
ング剤等の表面処理剤であらかじめ微小中空球体の表面
を処理してもよい。この場合には、微小中空球体の表面
に親油性が付与されるので、結着材である低誘電率含フ
ッ素ポリマーとの親和性が増し、機械的強度の向上に大
きな効果がある。

さらに、本発明による絶縁材料には、実用性を向上させ
るために、酸化防止剤、紫外線安定剤等の各種添加剤を
添加することも可能である。

また、低誘電率含フッ素ポリマーを溶解するためのフッ
素系溶剤は、作業性（溶液の粘度、乾燥性など）を考慮
し、適宜の二種類以上を併用してもよい。特に混合溶媒
とする場合には、フッ素系溶剤同志の組合せのほかに、
例えば炭化水素系、塩化炭化水素系、アルコール系など
のフッ素系以外の有機溶剤も使用することができる。

さらにまた、上記溶液を用いて絶縁層を形成する場合に
は、被絶縁物の形状などに応じてロールコータ−法、キ
ャスト法、ディッピング法等の種々の方法を採用するこ
とができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明の絶縁材料は、多数の低
誘電率微小中空球体をフッ素系溶剤に可溶な低誘電率含
フッ素ポリマーにより結着一体化せしめたものであるか
ら、例えばその溶液を連続的に供給される導体の周囲に
コーティングして乾燥させれば、所望の形状を有する独
立気孔性の多孔質絶縁体を、きわめて簡単に、かつ効率
よく形成することができる。

また、従来の押出成形などの方法によって加工されるも
のに比べ、成形時に受ける外力が大幅に低減されるから
、成形後において微小中空球体はほとんど潰れることな
く残る。したがって、低誘電率で特性の安定した絶縁体
となる。

さらに、大量の微小中空球体を使用した場合にも作業性
はほとんど低下しないので、電気的特性の良好な絶縁体
を従来のものよりも安価に形成することができる。

したがって、この発明による絶縁材料を用いれば、例え
ば電線、ケーブル、プリント基板など、各種の電気部品
、電子部品の高性能化、低コスト化に大いに寄与し、そ
の効果はきわめて大なるものがある。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）フッ素系溶剤に対して溶解性を示す低誘電率含フ
ッ素ポリマーにより多数の低誘電率微小中空球体を結着
一体化せしめてなる絶縁材料。