JPH05117209A - m−フエニレンジアミン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

m−フエニレンジアミン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH05117209A
JPH05117209A JP27430891A JP27430891A JPH05117209A JP H05117209 A JPH05117209 A JP H05117209A JP 27430891 A JP27430891 A JP 27430891A JP 27430891 A JP27430891 A JP 27430891A JP H05117209 A JPH05117209 A JP H05117209A
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compound
compounds
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phenylenediamine derivative
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JP27430891A
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English (en)
Inventor
Yasushi Mizuta
泰史 水田
Arihiko Kawahara
在彦 川原
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一または異な
って水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基ま
たは置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、n
は1〜5の整数である)で表されるm−フェニレンジア
ミン誘導体と、このm−フェニレンジアミン誘導体を電
荷輸送材料として含有した感光層を有する電子写真感光
体である。 【効果】 上記化合物は電荷輸送能、光安定性に優れる
ので、高感度でかつ耐久性に優れた電子写真感光体を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンタ等に使用される電子写真感光体におい
て、電荷輸送材料として好適なm−フェニレンジアミン
誘導体と、それを用いた電子写真感光体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機等の画像形成装置における
感光体として、加工性および経済性に優れ、機能設計の
自由度が大きい有機感光体が広く使用されている。ま
た、感光体を用いて複写画像を形成する場合には、カー
ルソンプロセスが広く利用されている。カールソンプロ
セスは、コロナ放電により感光体を均一に帯電させる帯
電工程と、帯電した感光体に原稿像を露光し、原稿像に
対応した静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をト
ナーを含有する現像剤で現像し、トナー像を形成する現
像工程と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写
されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程
とを含んでいる。このカールソンプロセスにおいて、高
品質の画像を形成するには、感光体が帯電特性および感
光特性に優れており、かつ露光後の残留電位が低いこと
が要求される。
【0003】従来より、セレンや硫化カドミウム等の無
機光導電体が感光体材料として公知であるが、これらは
毒性があり、しかも生産コストが高いという欠点があ
る。そこで、これらの無機物質に代えて、種々の有機物
質を用いた、いわゆる有機感光体が提案されている。か
かる有機感光体は、露光により電荷を発生する電荷発生
材料と、発生した電荷を輸送する機能を有する電荷輸送
材料とからなる感光層を有する。
【0004】かかる有機感光体に望まれる各種の条件を
満足させるためには、これらの電荷発生材料と電荷輸送
材料との選択を適切に行う必要がある。電荷輸送材料と
しては、カルバゾール系化合物、オキサジアゾール系化
合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチ
ルベン系化合物等の種々の有機化合物が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ルバゾール系化合物等の従来の電荷輸送材料は、電荷輸
送能が不充分であったり、光安定性が劣っていたりする
という問題があり、従って、この電荷輸送材料を使用し
た感光体は、感度や耐久性が充分でないという欠点があ
った。
【0006】本発明の目的は、電荷輸送能、光安定性に
優れ、電荷輸送材料として好適なm−フェニレンジアミ
ン誘導体と、それを用いた高感度でかつ耐久性に優れた
電子写真感光体とを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための、本発明のm−フェニレンジアミン誘導体
は、一般式(I) :
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同
一または異なって水素原子、置換基を有していてもよい
アルキル基または置換基を有していてもよいアルコキシ
基を示し、nは1〜5の整数である。)で表されるもの
である。また、上記目的を達成するための本発明の電子
写真感光体は、導電性基体上に、上記一般式(I) で表さ
れるm−フェニレンジアミン誘導体を含有する感光層を
設けたことを特徴とする。
【0010】上記一般式(I) で表されるm−フェニレン
ジアミン誘導体は、分子内に、消光剤として知られるタ
ーフェニル構造を導入したため、高い電荷輸送能を発揮
するとともに、光安定性にも優れている。したがって、
上記m−フェニレンジアミン誘導体を電荷輸送材料とし
て含有した感光層は、高い感度を有し、かつ耐久性に優
れたものである。
【0011】上記一般式(I) で表される本発明のm−フ
ェニレンジアミン誘導体が高い感度や光安定性を有する
理由としては、ターフェニル部分で形成されるπ電子共
役系がより大きな拡がりをもっているため、化合物の分
子構造の平面化がより一層促進されて、分子間の重なり
合い等による分子間相互作用が強まるからであると推定
される。
【0012】アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の
炭素数1〜6の低級アルキル基があげられる。アルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブチル
基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキ
シ基等の炭素数1〜6の低級アルコキシ基があげられ
る。
【0013】上記アルキル基またはアルコキシ基に置換
してもよい置換基としては、例えばハロゲン原子、アミ
ノ基、水酸基、エステル化されていてもよいカルボキシ
ル基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のアルコキシ基、アリール基、炭素数2〜6のアル
ケニル基などがあげられる。前記一般式(I) で表される
m−フェニレンジアミン誘導体の具体的化合物として
は、例えば以下に示すものがあげられる。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】本発明のm−フェニレンジアミン誘導体
は、種々の方法で合成することが可能であり、例えば、
下記反応式に示す方法により合成することができる。
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびn
は前記と同じ、Xはハロゲン原子である。)すなわち、
反応式に示すように、式(a) で表されるジアミノターフ
ェニル誘導体に、式(b) で表される化合物を銅触媒およ
び塩基性物質の存在下で反応させて、式(c) で表される
化合物を得る。ついで、この化合物(c) に、式(d) で表
される化合物を銅触媒および塩基性物質の存在下で反応
させることにより、式(I) で表される本発明の化合物が
得られる。なお、式(c) で表されるモノ置換体を得るう
えで、式(a) で表されるターフェニル誘導体のアミノ基
はアセチル化剤にてあらかじめアセチル化しておくのが
好ましい。
【0021】上記反応はいずれも無溶媒または溶媒中に
て行われる。式(b) で表される化合物は、式(a) で表さ
れるターフェニル誘導体に対して2〜20倍モル量、好
ましくは3〜10倍モル量で使用される。また、式(d)
で表される化合物も式(c) で表される化合物に対して2
〜20倍モル量、好ましくは3〜10倍モル量で用いる
のが適当である。反応は、通常、温度150〜250
℃、好ましくは170〜230℃で行われる。
【0022】使用する銅触媒としては、例えば銅粉、酸
化銅、ハロゲン化銅等の銅または銅化合物があげられ、
その使用量は、式(a) で表されるターフェニル誘導体ま
たは式(c) で表される化合物に対して、いずれも0.0
1〜1.0当量、好ましくは0.1〜0.5当量である
のが適当である。塩基性物質としては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム等があげられ、その使用量は、式(a) で表されるタ
ーフェニル誘導体または式(c) で表される化合物に対し
て、いずれも0.5〜10倍モル、好ましくは1〜3倍
モル程度であるのが適当である。
【0023】有機溶媒としては、ニトロベンゼン、ジク
ロロベンゼン、キノリン、N,N−メチルピロリドン、
N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリン等が使用可能であるが、式(b) で表される化合物
または式(d) で表される化合物の過剰量を用いる場合
は、無溶媒で反応を行わせることができる。上記アセチ
ル化は常法に従って行うことができる。アセチル化剤と
しては、例えば酢酸の無水物や塩化物等があげられる。
【0024】また、一般式(I) において、R1 = R2
あるときは、上記アセチル化を行うことなく、一段階の
反応で式(b) または式(d) で表される化合物を反応させ
てもよい。本発明の感光体は、前記一般式(I) で表され
るm−フェニレンジアミン誘導体の1種または2種以上
を電荷輸送材料として含有した感光層を備えたものであ
る。
【0025】感光層には、いわゆる単層型と積層型とが
あるが、本発明は、このいずれにも適用可能である。単
層型の感光体を得るには、電荷輸送材料である前記一般
式(I) で表される化合物と、電荷発生材料と、結着樹脂
等とを含有する感光層を、塗布等の手段により導電性基
体上に形成すればよい。
【0026】また、積層型の感光体を得るには、導電性
基体上に、蒸着または塗布等の手段により電荷発生材料
を含有する電荷発生層を形成し、この電荷発生層上に、
前記一般式(I) で表される化合物と結着樹脂とを含有す
る電荷輸送層を形成すればよい。また、上記とは逆に、
導電性基体上に電荷輸送層を形成し、次いで電荷発生層
を形成してもよい。さらに、上記積層型感光層において
は、電荷発生層にも、電荷輸送材料を含有させてもよ
い。
【0027】電荷発生材料としては、従来より使用され
ているセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、アモル
ファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合物、ジスア
ゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、アンサンスロン
系化合物、ペリレン系化合物、インジゴ系化合物、トリ
フェニルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン
系化合物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キ
ナクリドン系化合物、ピロロピロール系化合物等があげ
られる。これらの電荷発生材料は、所望の領域に吸収波
長域を有するように、1種または2種以上を混合して使
用することができる。
【0028】電荷輸送材料である前記一般式(I) で表さ
れるm−フェニレンジアミン誘導体は、単独で使用する
他、従来公知の他の電荷輸送材料と組み合わせて使用す
ることができる。従来公知の電荷輸送材料としては、種
々の電子吸引性化合物、電子供与性化合物を用いること
ができる。電子吸引性化合物としては、例えば、2,6
−ジメチル−2′,6′−ジtert−ジブチルジフェ
ノキノン等のジフェノキノン誘導体、マロノニトリル、
チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,
8−トリニトロチオキサントン、3,4,5,7−テト
ラニトロ−9−フルオレノン、ジニトロベンゼン、ジニ
トロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアント
ラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無
水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が例示され
る。
【0029】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系
化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物が
例示される。
【0030】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要ではない。結着樹脂としては、
種々の樹脂を使用することができる。例えばスチレン系
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合
体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アル
キド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレー
ト樹脂、ケトン樹脂、ホリビニルブチラール樹脂、ポリ
エーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアク
リレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等
があげられる。これらの結着樹脂は1種または2種以上
を混合して用いることができる。
【0031】単層型および積層型の各有機感光層には、
増感剤、フルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収
剤などの劣化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有させるこ
とができる。また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレン等の公知の増感剤を電荷発生材料と併用しても
よい。
【0032】積層型感光体において、電荷発生層を構成
する電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使用す
ることができるが、結着樹脂100部(重量部、以下同
じ)に対して、電荷発生材料5〜500部、特に10〜
300部の割合で用いるのが好ましい。また、電荷発生
層は、適宜の膜厚を有していてもよいが、0.01〜5
μm、特に0.1〜3μm程度に形成されるのが好まし
い。
【0033】電荷輸送層を構成する前記一般式(I) で表
されるm−フェニレンジアミン誘導体(電荷輸送材料)
と前記結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲およ
び結晶化しない範囲で、種々の割合で使用することがで
きるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に
輸送できるように、結着樹脂100部に対して、前記一
般式(I) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体を1
0〜500部、特に25〜200部の割合で用いるのが
好ましい。また、積層型の感光層の厚さは、電荷発生層
が0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に形
成されるのがが好ましく、電荷輸送層が2〜100μ
m、特に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
【0034】単層型の感光体においては、結着樹脂10
0部に対して電荷発生材料は0.1〜50部、特に0.
5〜30部、前記一般式(I) で表されるm−フェニレン
ジアミン誘導体(電荷輸送材料)は40〜200部、特
に50〜100部であるのが適当である。また、単層型
の感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μm
程度に形成されるのが好ましい。
【0035】単層型電子写真用感光体にあっては、導電
性基体と感光層との間に、また、積層型感光体にあって
は、導電性基体と電荷発生層との間や、導電性基体と電
荷輸送層との間、または電荷発生層と電荷輸送層との間
に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成さ
れていてもよく、感光体の表面には、保護層が形成され
ていてもよい。
【0036】上記各層が形成される導電性基体として
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ、
例えばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の
金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプ
ラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0037】導電性基体はシート状、ドラム状等のいず
れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、ある
いは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導
電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有する
ものが好ましい。上記各層を、塗布の方法により形成す
る場合には、前記例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、
結着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、例え
ば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシ
ェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して
塗布液を調製し、これを公知の手段により塗布、乾燥す
ればよい。
【0038】塗布液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能で、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等があげられる。これらの溶剤は1種または2種以上
を混合して用いることができる。
【0039】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、染工性等をよくするために界面活性剤、レベリン
グ剤等を使用してもよい。なお、上述したように、電荷
発生層は、前記電荷発生材料を蒸着することにより形成
してもよい。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。実施例1 〈前記式(1) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉 (i) 3′,6′−ジアミノ−1′,2′−ターフェニル
の130gおよび酢酸160gを反応容器内に仕込み、
50〜70℃に加熱後、無水酢酸110gを徐々に滴下
した。ついで、70℃で約1時間攪拌後、反応物を水中
に注ぎ、30分間攪拌した。析出した結晶をろ取し乾燥
して、N,N′−ジアセチル−3′,6′−ジアミノ−
1′,2′−ターフェニル133gを得た(収率77.
8%)。
【0041】(ii)得られたN,N′−ジアセチル体13
3gを、m−ヨードトルエン169.6g、炭酸カリウ
ム70gおよび銅粉11gと共に、反応容器内に仕込
み、反応容器内に窒素ガスを導入しながら、180〜2
20℃まで加熱し、この温度で24時間反応させた。反
応により生成する水は水分離器により反応系外へ除去し
た。冷却後、40%水酸化カリウム水溶液230gを加
え、110〜120℃に昇温し、14時間反応させ、加
水分解を行った。反応液をろ過し触媒を除去した後、m
−ヨードトルエンを留去し回収した。残渣をn−ヘキサ
ン中に注いで晶析を行い、N,N′−ジ(3−メチルフ
ェニル)−3′,6′−ジアミノ−1′,2′−ターフ
ェニル137.1gを得た(収率80.1%)。
【0042】(iii) 得られたN,N′−ジ(3−メチル
フェニル)−3′,6′−ジアミノ−1′,2′−ター
フェニルの137.1gを、m−ヨードトルエン13
5.9g、炭酸カリウム52gおよび銅粉7.5gと共
に、反応容器内に仕込み、反応容器内に窒素ガスを導入
しながら、180〜220℃まで加熱し、この温度で4
8時間反応させた。反応により生成する水は水分離器に
より反応系外へ除去した。冷却後、反応物にトルエン3
00gを加えて溶解し、不溶分をろ別し、ついでトルエ
ンおよびm−ヨードトルエンを留去し回収した。残渣を
酢酸エチルで再結晶して、N,N,N′,N′−テトラ
(3−メチルフェニル)−3′,6′−ジアミノ−
1′,2′−ターフェニル154.2gを得た(収率7
9.8%)。
【0043】生成物の分析結果を以下に示す。 元素分析結果 C46402 として 計算値(%): C 88.99 H:6.49 N:4.51 実測値(%): C:89.99 H:6.52 N:4.50 質量分析結果 m/e=620 (計算値620.9)実施例2 〈前記式(2) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例1の工程(iii) で使用したm−ヨードト
ルエンに代えて、p−ヨードトルエンを同量で用いたほ
かは、実施例1と同様にしてN,N′−ジ(3−メチル
フェニル)−N,N′−ジ(4−メチルフェニル)−
3′,6′−ジアミノ−1′,2′−ターフェニル15
6.9gを得た(収率81.2%)。
【0044】生成物の分析結果を以下に示す。 元素分析結果 C46402 として 計算値(%): C:88.99 H:6.49 N:4.51 実測値(%): C:88.97 H:6.54 N:5.47 質量分析結果 m/e=620 (計算値620.9)実施例3 〈前記式(3) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例1の工程(ii)および(iii) でそれぞれ使
用したm−ヨードトルエンに代えて、工程(ii)ではp−
ヨードトルエンを実施例1と同量で、工程(iii) ではp
−ヨードトルエンの135.3gをそれぞれ用いたほか
は、実施例1と同様にしてN,N,N′,N′−テトラ
(4−メチルフェニル)−3′,6′−ジアミノ−
1′,2′−ターフェニル153.2gを得た(収率7
9.6%)。
【0045】なお、工程(ii)における生成物、N,N′
−ジ(4−メチルフェニル)−3′,6′−ジアミノ−
1′,2′−ターフェニルの収量は136.6g(収率
79.8%)であった。生成物の分析結果を以下に示
す。 元素分析結果 C46402 として 計算値(%): C:88.99 H:6.49 N:4.51 実測値(%): C:88.98 H:6.50 N:4.50 質量分析結果 m/e=620 (計算値620.9)実施例4 〈前記式(4) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例1の工程(iii) で使用したm−ヨードト
ルエンに代えて、p−ヨードアニソール143.1gを
用いたほかは、実施例1と同様にしてN,N′−ジ(3
−メチルフェニル)−N,N′−ジ(4−メトキシフェ
ニル)−3′,6′−ジアミノ−1′,2′−ターフェ
ニル154.7gを得た(収率77.6%)。
【0046】なお、工程(ii)における生成物、N,N′
−ジ(3−メチルフェニル)−3′,6′−ジアミノ−
1′,2′−ターフェニルの収量は134.5g(収率
78.6%)であった。生成物の分析結果を以下に示
す。 元素分析結果 C46402 2 として 計算値(%): C:84.63 H:6.18 N:4.29 実測値(%): C:84.60 H:6.16 N:4.33 質量分析結果 m/e=652 (計算値652.8)実施例5 〈前記式(5) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例3の工程(iii) で使用したp−ヨードト
ルエンに代えて、p−ヨードアニソール144.2gを
用いたほかは、実施例3と同様にしてN,N′−ジ(4
−メチルフェニル)−N,N′−ジ(4−メトキシフェ
ニル)−3′,6′−ジアミノ−1′,2′−ターフェ
ニル157.1gを得た(収率78.2%)。
【0047】この場合、工程(ii)における生成物の収量
は135.6g( 収率79.2%)であった。生成物の
分析結果を以下に示す。 元素分析結果 C46402 2 として 計算値(%): C:84.63 H:6.18 N:4.29 実測値(%): C:84.65 H:6.20 N:4.27 質量分析結果 m/e=652 (計算値652.8)実施例6 〈前記式(6) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例1の工程(ii)および(iii) でそれぞれ使
用したm−ヨードトルエンに代えて、いずれもp−ヨー
ドアニソールを用いた(工程(ii)では182.1g、工
程(iii) では146.2gを使用した)ほかは、実施例
1と同様にしてN,N,N′,N′−テトラ(4−メト
キシフェニル)−3′,6′−ジアミノ−1′,2′−
ターフェニル170.1gを得た(収率79.6%)。
【0048】なお、工程(ii)における生成物、N,N′
−ジ(4−メトキシフェニル)−3′,6′−ジアミノ
−1′,2′−ターフェニルの収量は147.4g(収
率80.3%)であった。生成物の分析結果を以下に示
す。 元素分析結果 C46402 4 として 計算値(%): C:80.68 H:5.89 N:4.09 実測値(%): C:80.70 H:5.88 N:4.07 質量分析結果 m/e=684 (計算値684.8)実施例7 〈前記式(7) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例1の工程(ii)および(iii) でそれぞれ使
用したm−ヨードトルエンに代えて、工程(ii)ではヨー
ドベンゼン158.7gを、工程(iii) ではp−ヨード
アニソール145.3gをそれぞれ用いたほかは、実施
例1と同様にしてN,N′−ジフェニル−N,N′−ジ
(4−メトキシフェニル)−3′,6′−ジアミノ−
1′,2′−ターフェニル155.7gを得た(収率8
0.4%)。
【0049】なお、工程(ii)における生成物、N,N′
−ジフェニル−3′,6′−ジアミノ−1′,2′−タ
ーフェニルの収量は127.9g(収率79.8%)で
あった。生成物の分析結果を以下に示す。 元素分析結果 C44362 2 として 計算値(%): C 84.59 H:5.81 N:4.48 実測値(%): C:84.58 H:5.78 N:4.54 質量分析結果 m/e=624 (計算値624.8)実施例8 〈前記式(8) で表されるm−フェニレンジアミン誘導体
の合成〉実施例1の工程(i) で使用した3′,6′−ジ
アミノ−1′,2′−ターフェニルに代えて、3′,
6′−ジアミノ−4,4″−ジメチル−1′,2′−タ
ーフェニルの144gを使用したほかは、実施例1と同
様にしてN,N,N′,N′−テトラ(3−メチルフェ
ニル)−3′,6′−ジアミノ−4,4″−ジメチル−
1′,2′−ターフェニル161.6gを得た(収率8
0.0%)。
【0050】生成物の分析結果を以下に示す。 元素分析結果 C48442 として 計算値(%): C 88.85 H:6.83 N:4.32 実測値(%): C:88.84 H:6.87 N:4.30 質量分析結果 m/e=648 (計算値648.9)実施例9〜16および比較例1(積層型感光体) 下記式(A) で表される電荷発生材料2部、ポリビニルブ
チラール樹脂1部、テトラヒドロフラン120部を、ガ
ラスビーズ(2mm径) を用いたペイントシェーカーに
て2時間分散させた。得られた分散液をアルミニウム素
管の表面に浸漬法によって塗工し、100℃で1時間乾
燥し、0.5μmの電荷発生層を得た。
【0051】
【化8】
【0052】この電荷発生層上に電荷輸送材料1部、ポ
リエステル樹脂1部をトルエン9部に溶解した溶液を浸
漬法にて塗工し、100℃で1時間乾燥し、22μmの
各電荷輸送層を得た。比較例1としては、下記式(B) で
表される化合物を電荷輸送材料として使用したほかは、
上記実施例9〜16と同様にして、積層型感光体を作製
した。
【0053】
【化9】
【0054】実施例17〜24および比較例2(単層型
感光体) 前記式(A) で表される電荷発生剤1部およびテトラヒド
ロフラン60部を、ガラスビーズ(2mm径) を用いたペ
イントシェーカーにて2時間分散させた。得られた分散
液に、ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン溶液50
部および電荷輸送材料10部を加え、さらに1時間分散
を続けた。得られた分散液をアルミニウム素管の表面に
浸漬法にて塗工し、20μmの感光層を得た。
【0055】比較例2は前記式(B) で表される化合物を
電荷輸送材料として使用したほかは、上記実施例17〜
24と同様にして、単層型感光体を作製した。上記各実
施例、比較例の電子写真感光体について、以下の試験を
行い、その特性を評価した。初期表面電位の測定 各電子写真感光体を、静電式複写試験装置(ジェンテッ
ク社製の商品名ジェンテックシンシア30M)に装填
し、その表面を正または負に帯電させて、初期表面電位
Vs.p.(V)を測定した。
【0056】半減露光量および残留電位の測定 上記初期表面電位の測定で帯電状態となった電子写真感
光体を、静電式複写試験装置の露光光源であるハロゲン
ランプを用いて、露光強度10lux の条件で露光して、
その表面電位が1/2となるまでの時間を求め、半減露
光量E1/2 (lux ・sec )を算出した。
【0057】また、上記露光開始後、0.15秒を経過
した時点の表面電位を測定し、残留電位V1r.p.(V)
とした。光安定性の測定 上記電子写真感光体を、静電式複写機(三田工業社製の
型番DC−111)に装填して1000枚の連続複写を
行った後、上記と同様にして、繰り返し露光後の残留電
位V2r.p.(V)を測定した。そして、前記残留電位V
1r.p.とV2r.p.との差ΔVr.p.(V)を求めた。
【0058】積層型感光体(実施例9〜16および比較
例1)の試験結果を表1に、単層型感光体(実施例17
〜24および比較例2)の試験結果を表2にそれぞれ示
す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】これらの試験結果から、各実施例の感光体
は、積層型、単層型の何れのものも、表面電位VS.P.に
ついては比較例とほとんど差はないが、半減露光量E1/
2 が小さく、かつ残留電位V1r.p. が低いことから、感
度が著しく改善されていることがわかる。また、上記各
実施例の感光体は、比較例に比べてΔVr.p.が小さいこ
とから、何れも、耐久性に優れたものである。
【0062】
【発明の効果】以上のように、この発明のm−フェニレ
ンジアミン誘導体は、高い電荷輸送能を有し、かつ、光
安定性に優れているため、このm−フェニレンジアミン
誘導体を電荷輸送材料として用いることにより、高感度
で、かつ耐久性に優れた電子写真感光体が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一または異な
    って水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基ま
    たは置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、n
    は1〜5の整数である。)で表されるm−フェニレンジ
    アミン誘導体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、上記一般式(I) で表され
    るm−フェニレンジアミン誘導体を含有した感光層を設
    けたことを特徴とする電子写真感光体。
JP27430891A 1991-10-22 1991-10-22 m−フエニレンジアミン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体 Pending JPH05117209A (ja)

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