JPH05117110A - 除草剤及び除草方法 - Google Patents

除草剤及び除草方法

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JPH05117110A
JPH05117110A JP27563191A JP27563191A JPH05117110A JP H05117110 A JPH05117110 A JP H05117110A JP 27563191 A JP27563191 A JP 27563191A JP 27563191 A JP27563191 A JP 27563191A JP H05117110 A JPH05117110 A JP H05117110A
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JP
Japan
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herbicide
herbicidal
diphenyl ether
aminolevulinic acid
salt
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JP27563191A
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English (en)
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Toru Tanaka
徹 田中
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 5−アミノレブリン酸又はその塩とジフェニ
ルエーテル系除草剤とを含有する除草剤。 【効果】 殺草効果が著しく高く、しかも使用量を大幅
に低減することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は除草剤及び除草方法に関
し、さらに詳しくは殺草効果が高く使用量の大幅な低減
が可能な除草剤及び除草方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、除草剤等の化学物質に対する安全
性について注意が喚起されており、十分に安全性が確認
された除草剤においてさえも、なるべくその使用量を低
減することが望まれている。
【0003】このような状況において、天然物であって
分解性が大きく、自然界での残留性が無く、しかも極め
て毒性の低い5−アミノレブリン酸又はその塩を除草剤
に使用しようという研究がなされている(特表昭61−
502814号、特開平2−138201号)。
【0004】一方、ジフェニルエーテル系の除草剤は、
広い殺草スペクトルと強力な殺草力を有し、人体に対す
る毒性の小さい除草剤として広く用いられている。ジフ
ェニルエーテル系の除草剤の殺草メカニズムについて
は、従来、植物体中において、プロトポルフィリンにマ
グネシウムを導入するためのマグネシウムキラターゼを
強く阻害し、殺草効果を示すものと推定されてきた。こ
のマグネシウムキラターゼは、人間等の動物には存在し
ない、植物に特有の酵素であり、マグネシウムキラター
ゼの阻害剤であるジフェニルエーテル系除草剤は、本質
的に安全なものと考えられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記5
−アミノレブリン酸又はその塩の殺草能力は同一重量で
比較した場合、他の合成除草剤に対して劣ることが多
く、さらに、5−アミノレブリン酸又はその塩が高価で
あるため、いまだ実用化には至っていない(Chemi
cal Week,October,29頁,1984
年)。
【0006】一方、最近の研究によれば、ジフェニルエ
ーテル系除草剤の一次作用点は、プロトポルフィリノー
ゲンIXを酸化してプロトポルフィリンIXを生成するため
のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼであることが
明らかになった(Biochem.J.,260巻,2
31頁,1989年)。このプロトポルフィリノーゲン
オキシターゼは、動物中にも存在し、また、実験によっ
てマウスの本酵素がジフェニルエーテル系除草剤によっ
て阻害されることが確認されている(日本農薬学会第1
6回大会講演要旨集102頁,1991年)。
【0007】動物と植物の光に対する作用の違い等から
ジフェニルエーテル系除草剤は、やはり依然として安全
性の高い除草剤ではあるが、これらの作用機構の解明に
より、ジフェニルエーテル系除草剤についても、その使
用量を低減する努力が要求されてきた。また、ジフェニ
ルエーテル系除草剤の中には高選択性、高安全性等の効
果を追求した結果、高度な化学修飾を行った化合物も多
く、その結果、原体の価格が高価となっているものも多
くあり、実用化に対する問題点の一つとなっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み5−アミノレブリン酸又はその塩及びジフェニ
ルエーテル系除草剤の植物に対する生理活性について鋭
意検討した結果、意外なことに、両者をともに含有する
除草剤がすぐれた殺草効果を有しており、しかも使用量
の著しい低減が可能であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、5−アミノレブリン
酸又はその塩とジフェニルエーテル系除草剤とを含有す
ることを特徴とする除草剤を提供するものである。
【0010】さらに、本発明は、5−アミノレブリン酸
又はその塩をジフェニルエーテル系除草剤散布の前1日
又は後2日以内に散布することを特徴とする除草方法を
提供するものである。
【0011】5−アミノレブリン酸及びその塩は前述の
ように、それ自体でも高濃度においては除草活性を有す
るが、本発明においては、単独では十分な除草活性を示
しえない低濃度のものを同様に低濃度のジフェニルエー
テル系除草剤と併用することにより良好な活性を示す除
草剤が得られる。また、本発明の5−アミノレブリン酸
又はその塩及びジフェニルエーテル系除草剤をともに含
有する除草剤が示す除草活性の程度は、それぞれの活性
の和をはるかに超えるものであり、このことは今日まで
知られていなかった驚くべき現象である。
【0012】本発明において用いられる5−アミノレブ
リン酸又はその塩は、公知の化合物であり、化学合成、
微生物による生産、酵素による生産の何れの方法によっ
ても製造することができる。微生物又は酵素による生産
方法を用いる場合、その生産物は本発明の効果を損なわ
ない限りにおいて、分離精製することなくそのまま用い
ることができる。
【0013】5−アミノレブリン酸の塩としては、例え
ば、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸
塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の酸付加塩及びナトリ
ウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩が挙げら
れる。5−アミノレブリン酸又はその塩は、それぞれ単
独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0014】本発明除草剤及び除草方法に使用する5−
アミノレブリン酸又はその塩の濃度及び量は、茎葉処理
の場合で面積10a当り液剤100〜300lを使用す
る標準的な場合、10−1000mg/l、好ましくは3
0〜900mg/l、さらに好ましくは300〜800mg
/l、また、土壌処理の場合、面積10a当り10〜1
000g、好ましくは30〜900g、さらに好ましく
は300〜800gであることが望ましい。この場合、
濃度又は使用量が上記範囲より低すぎると十分な効果を
上げることができず、また、多すぎると効果は十分であ
るが不経済である。
【0015】上記5−アミノレブリン酸又はその塩は、
本発明に使用されるもう一方のジフェニルエーテル系除
草剤と混合等により一体化し除草剤として使用すること
が簡便であり好ましいが、ジフェニルエーテル系除草剤
散布の前1日、又は後2日以内であれば、別々に散布し
ても、混合使用の場合と同等程度の効果が得られる。
【0016】本発明に使用されるジフェニルエーテル系
除草剤とは、除草効果を得るために光を要し、プロトポ
ルフィリンIXの光分解により活性酸素を生じ、殺草効果
を示すものであり、本機構により殺草効果を有するもの
であれば、分子構造的にジフェニルエーテル構造の有無
を問うものではない。
【0017】本発明に好適に使用されるジフェニルエー
テル系除草剤としては、例えば、ニトロフェン(nit
rofen)、クロルニトロフェン(chlornit
rofen)、フルオロニトロフェン(fluoron
itrofen)、SL−55、DNCDE、フルオロ
ジフェン(fluorodifen)、TOPE、DM
NP、クロメトキシニル(chlomethoxyni
l)、オキシフルオフェン(oxyfluorfe
n)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオ
フェンナトリウム(acifluofen−sodiu
m)等が挙げられる。
【0018】上記ジフェニルエーテル系除草剤の好まし
い使用量は、用いるジフェニルエーテル系除草剤によっ
てそれぞれ異なる。例えば、茎葉処理の場合で面積10
a当り100〜300lを散布する場合、使用する乳剤
や水和剤の量は、一般に、液剤で1000〜3000m
l、粉剤で500〜1500gであるが、本発明の5−
アミノレブリン酸又はその塩との組み合わせにより10
〜3000ml、又は5〜1500gの範囲で用いること
ができる。また、土壌処理の場合、面積10a当り2〜
5kgの粉剤、粒剤、粉粒剤を散布するのが一般的である
が、本発明の5−アミノレブリン酸又はその塩との組み
合わせにより20g〜5kgの範囲で用いることができ
る。
【0019】上記組み合わせにおいて、十分な殺草効果
をできるだけ少量のジフェニルエーテル系除草剤で得た
い場合には、5−アミノレブリン酸又はその塩の使用量
を、先に記載した使用範囲で増加させることが好まし
い。
【0020】上記の如く、本発明除草剤及び除草方法は
その使用成分量を大幅に低減することができる。すなわ
ち、従来の除草剤通常使用量の100分の1程度まで低
減することが可能であり、その場合でも十分な殺草能力
を保持している。
【0021】本発明除草剤には、本発明の効果を阻害し
ない範囲内で他の添加剤を使用することができる。ま
た、2,2′−ジピリジル、EDTAのようなキレート
剤や、界面活性剤は、本発明除草剤の効果をさらに高め
るために添加することができる。
【0022】本発明除草剤の剤形としては、粉末剤、粒
剤、液剤等が挙げられるが、これらの剤形とするために
は通常除草剤に用いられる溶剤、分散媒、増量剤等を本
発明除草剤の効果に悪影響のない範囲で用い、常法に従
って製造することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明除草剤及び除草方法は、著しく除
草活性の向上したものであり、しかも使用成分量を従来
の除草剤及び除草方法に比べ大幅に低減してもなお、良
好な殺草効果を保持するものである。従って、除草剤大
量散布にともないしばしば生ずる副作用を未然に防止す
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 元肥として化成肥料をN換算で10kg/10a施した畑
土壌を充填した1/5000aのポットにキュウリ(青
長地這)を播種し、芽生え後1本立てとし、ガラス温室
内で通常の管理にて栽培した。本葉2枚となった7月2
2日によくそろった30鉢を選びジフェニルエーテル系
除草剤であるNIP水和剤(NIP50%含有、日本農
薬(株)製)及び5−アミノレブリン酸塩酸塩(以下、
「5−ALA」という。)を表1に示す各濃度で含む水
溶液にヤマト展着剤(トモノ農薬社製)を2000倍希
釈となるように添加し、噴霧機にて1ポット当り2mlず
つ該キュウリに噴霧した。その後、通常の管理を行い、
2日後の7月24日に本葉部分の枯死率(面積%)を測
定した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1より明らかなように、5−ALAとN
IP剤との併用により殺草効果が著しく高められてお
り、例えばNIP剤1g/lの場合、NIP剤単独では
5%以下の枯死率しか与えないのに対し、5−ALAの
添加により枯死率は高まり、5−ALA1000mg/l
の添加で90%の枯死率を示す。
【0028】5−ALA単独では1000mg/lの処理
でも5%以下の枯死率しか示さないことから本実施例の
枯死率の向上は明らかにNIP剤と5−ALAとの相乗
効果によるものと言える。植物体にとってほぼ完全な枯
死につながる90%枯死率を比べると、5−ALA無添
加の場合、通常はNIP剤10g/lが必要なのに対し
て、1000mg/lの5−ALAの添加によって、1g
/l、すなわち1/10にNIP剤使用濃度(使用量)
の低減がなされている。また、50%枯死率を与えるの
に、十分なNIP剤使用量も5−ALA無添加の場合の
3g/lに対して5−ALA1000mg/lにて0.3
g/lと、やはり1/10にNIP剤使用量の低減がな
されている。5−ALA濃度を100mg/lと低量に
し、NIP剤を1g/lとした場合でも、70%の枯死
率が得られている。
【0029】実施例2 実施例1と同様にして調製したキュウリに、5月13日
NIP原体(和光純薬社製)と5−アミノレブリン酸塩
酸塩(以下、「5−ALA」という。)を表2に示す各
濃度で含む水溶液に展着剤ネオエステリン(クミアイ化
学工業社製)を1000倍希釈となるように添加し、噴
霧機にて1ポット当り1mlずつ噴霧した。4日後の5月
17日に本葉部分の枯死率(面積%)を測定した。結果
を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2より明らかなように、5−ALAとN
IPとの併用により殺草効果が著しく高められており、
実施例1の場合と同様除草剤使用量をNIP原体単独使
用に比べ約1/10に低減可能なことが判る。
【0032】実施例3 実施例1と同様にして調製したキュウリに、5月27日
CNP除草剤であるサンケイMO乳剤(有効成分2,
4,6−トリクロルフェニル−4−ニトロフェニルエー
テル20%含有、サンケイ化学(株)製)と5−アミノ
レブリン酸塩酸塩(以下、「5−ALA」という。)を
表3に示す各濃度で含む水溶液に展着剤ネオエステリン
を1000倍希釈となるように添加し、噴霧機にて1ポ
ット当り2mlずつ噴霧した。2日後の5月29日及び1
0日後の6月6日に本葉部分の枯死率(面積%)を測定
した。結果を表3及び表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】表3及び表4より明らかなように、5−A
LAとサンケイMO乳剤との併用により除草剤の殺草効
果が高められているが、5−ALA濃度1000mg/l
以下の5−ALA単独使用では殺草効果が認められな
い。従って、この高められた殺草効果は、5−ALAと
サンケイMO乳剤との相乗効果によることが判る。さら
に、表4では、5−ALA1000mg/lの添加により
サンケイMO乳剤使用量を通常使用量である20ml/l
の1/100、すなわち0.2ml/lに低減しても十分
な殺草効果が見られ、また、5−ALA濃度を100mg
/lとしても、十分な殺草効果を保ちつつ、サンケイM
O乳剤使用量を通常使用量の1/30以下に低減できる
ことが判った。
【0036】実施例4 実施例3と同時に、実施例1と同様にして調製したキュ
ウリに、5月25日、26日、27日、28日、29日
及び30日にそれぞれ5−アミノレブリン酸塩酸塩(以
下、「5−ALA」という。)を100mg/lの濃度で
含む水溶液に展着剤ネオエステリンを1000倍希釈と
なるように添加し、噴霧機にて1ポット当り2mlずつ噴
霧した。5月27日にすべてのポットにサンケイMO乳
剤を2ml/lの濃度で含む水溶液に展着剤ネオエステリ
ンを1000倍希釈となるように加え、噴霧機にて1ポ
ット当り2mlずつ噴霧した。6月6日に本葉部分の枯死
率(面積%)を測定した。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】表5及び表5と表4との比較から明らかな
ように、前記組み合わせ除草剤及び本組み合わせ除草方
法により、各単剤もしくは各単剤を用いる除草方法を上
回る効果が得られていることが判る。
【0039】表5から、5−ALA散布日とMO乳剤
(ジフェニルエーテル系除草剤)散布日とが近接してい
る方が除草効果は大きいが、ジフェニルエーテル系除草
剤散布の前1日又は後2日以内であれば十分に実用的使
用に耐えうる除草効果を示していることが判る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5−アミノレブリン酸又はその塩とジフ
    ェニルエーテル系除草剤とを含有することを特徴とする
    除草剤。
  2. 【請求項2】 5−アミノレブリン酸又はその塩をジフ
    ェニルエーテル系除草剤散布の前1日又は後2日以内に
    散布することを特徴とする除草方法。
JP27563191A 1991-10-23 1991-10-23 除草剤及び除草方法 Pending JPH05117110A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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