JPH05116925A - フラーレン類の製造装置 - Google Patents

フラーレン類の製造装置

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JPH05116925A
JPH05116925A JP3282929A JP28292991A JPH05116925A JP H05116925 A JPH05116925 A JP H05116925A JP 3282929 A JP3282929 A JP 3282929A JP 28292991 A JP28292991 A JP 28292991A JP H05116925 A JPH05116925 A JP H05116925A
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JP
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plasma
raw material
carbon
inert gas
anode
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JP3282929A
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English (en)
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Takahiro Irie
隆博 入江
Katsuhide Murata
勝英 村田
Masabumi Matsumoto
正文 松本
Naoki Hatta
直樹 八田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラーレン類の製造装置の連続運転時間を長
くする。 【構成】 反応室22内に陰極26とリング状の陽極2
4とが配置され、それらの間に直流電源28から直流電
圧を印加することによりプラズマを形成する。このプラ
ズマに向って黒鉛粉34を気流搬送して供給し、フラー
レン生成反応を進行させる。反応ガスはクウェンチング
ガス供給管52から供給されるHeガスによって冷却さ
れ、フラーレン類を含むすす54となる。このすす54
に含まれるフラーレン類はすすと共に回収板50に付着
して捕集される。 【効果】 電極が減耗せず、長期間にわたって連続して
装置の運転を行なうことができる。電極間距離が一定し
ており、アークが安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラーレン類の製造装置
に係り、特に電極交換サイクルが著しく長くなり、連続
的に長時間フラーレン類を製造することができるフラー
レン類の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フラーレン類はC60,C70などの高炭素
数の閉殻炭素同素体である。C60は切頭正20面体のサ
ッカーボール様の格子構造を有したものである。
【0003】従来のフラーレン類の製造装置を第8図に
示す。反応室10内に黒鉛ベースの陰極12と黒鉛棒よ
りなる陽極14とが設置され、不活性ガス(通常はH
e)が配管16から導入される。反応室10内は排出管
18を介してポンプ20によって減圧可能とされてい
る。
【0004】12a,14aは電流導入ピンであり、水
冷機構が付設されている。陽極14は手動によって陰極
12に向って前進可能とされている。
【0005】He約100Torrの雰囲気中で原料と
なる炭素棒を陽極14としてアーク放電させると、陽極
14から蒸発した炭素がHeでクウェンチされ、C60
どフラーレン類を含んだすす(煤)が生成される。この
すすは水冷回収板21の表面に付着して捕集される。こ
の捕集された反応生成物は、ソックスレー抽出器等で抽
出処理後、液体クロマトグラフィーなどの分離法によっ
てC60,C70などに分離される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のフラーレン
類の製造装置においては、陽極炭素棒それ自体を炭素原
料としているため、運転の経過と共に陽極14が少しず
つ減耗する。そして、陽極14が短くなる度に新品と交
換する必要があるため、連続して運転できる時間が短い
という問題があった。
【0007】また、上記従来のフラーレン類の製造装置
においては、 (1) 陽極が消耗するため、消耗量に応じ炭素棒を供給し
ないと、電極間隔が変化し、アークが不安定となる。 (2) アークプラズマの温度制御、形状制御が難しい。な
どの問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のフラーレン類
の製造装置は、陽極及び陰極並びに不活性ガス導入手段
を備え、これら電極間に発生させたアークによってプラ
ズマが生成される反応室と、該反応室内に炭素原料を供
給する炭素原料供給手段と、該反応室内で発生した反応
生成物を冷却するための不活性ガス導入手段と、反応生
成物を含むガスが接触され、表面に反応生成物が付着さ
れる捕集部材と、を備えてなるものである。
【0009】請求項2のフラーレン類の製造装置は、請
求項1のフラーレン類の製造装置において、前記炭素原
料供給手段は、粉末原料を不活性ガスで気流搬送するも
のであるものである。
【0010】請求項3のフラーレン類の製造装置は、請
求項1のフラーレン類の製造装置において、前記炭素原
料供給手段は、棒状又はワイヤ状の炭素原料を前記陽極
と陰極との間の部分に向って送り出すものであり、且つ
この棒状又はワイヤ状の炭素原料に正電圧を印加する手
段が設けられているものである。
【0011】請求項4のフラーレン類の製造装置は、陽
極及び陰極並びに不活性ガス導入手段を備え、これら電
極間に発生させたアークによってプラズマが生成される
プラズマ生成室と、該プラズマ生成室からプラズマを取
り出すプラズマ取出手段と、該プラズマ取出手段中に炭
素原料を供給する炭素原料供給手段と、該炭素原料供給
手段よりもプラズマ流通方向下流側においてプラズマ取
出手段中に冷却用不活性ガスを導入する手段と、該冷却
用不活性ガスが添加された反応生成物を含むガスが接触
され、表面に反応生成物が付着される捕集部材と、を備
えてなるものである。
【0012】請求項5のフラーレン類の製造装置は、不
活性ガス導入手段及び炭素原料供給手段を有すると共
に、プラズマ発生用の高周波コイルが設けられた反応室
と、該反応室内で生じた反応生成物を含むプラズマに冷
却用不活性ガスを添加する手段と、該冷却用不活性ガス
が添加された反応生成物を含むガスが接触され、表面に
反応生成物が付着される捕集部材と、を備えてなるもの
である。
【0013】請求項6のフラーレン類の製造装置は、ア
ーク放電させてプラズマを発生させるための陽極及び陰
極を備えた反応室と、該反応室内に不活性ガスを導入す
る手段と、反応生成物の捕集部材とを備えてなるフラー
レン類の製造装置において、前記陽極は炭素繊維のワイ
ヤよりなり、該ワイヤを前記陰極に向って連続的に送り
出す送出装置を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】請求項1のフラーレン類の製造装置において
は、電極間にアークが発生されてHe等の不活性ガスの
プラズマが形成される。そこに炭素原料が供給され、炭
素が気化する。この気化した炭素を含むプラズマが、H
e等の希ガスにより冷却されてフラーレン類を含んだす
すが生成する。このすすが捕集部材に付着することによ
りフラーレン類が捕集される。
【0015】この請求項1のフラーレン類の製造装置に
おいては、電極は炭素源となっておらず、装置運転を継
続しても電極は殆ど減耗しない。従って連続して長時間
運転を継続できる。また、電極間距離も一定しており、
アークが安定し、プラズマの温度や形状の制御が容易で
ある。
【0016】請求項2のフラーレン類の製造装置では、
請求項1のフラーレン類の製造装置において、炭素原料
粉末が気流搬送されてプラズマ生成域に供給される。こ
のため、原料炭素の反応性が良く、フラーレンの生成効
率が高いものとなる。
【0017】請求項3のフラーレン類の製造装置では、
請求項1のフラーレン類の製造装置において、炭素棒又
はワイヤがプラズマ生成域に供給される。この炭素棒又
はワイヤも陽極の一部として機能し、その先端から炭素
が活発に蒸発する。なお、アークは炭素棒やワイヤ以外
の陽極と陰極との間で主として発生するため、アークが
安定する。
【0018】請求項4のフラーレン類の製造装置におい
ては、プラズマが専用のプラズマ生成室内で生成され、
この生成室から取り出されたプラズマ中に炭素原料が供
給され、次いで冷却用不活性ガスが添加され、フラーレ
ン類を含むすすが生成する。このすすが捕集部材で捕集
される。
【0019】この請求項4においても、電極が消耗せ
ず、長期間の連続運転が可能である。また、アークが安
定し、プラズマの温度及び形状制御が容易である。
【0020】請求項5のフラーレン類の製造装置におい
ては、不活性ガスが高周波コイルによって形成される高
周波交番電界を通過することによりプラズマが生成す
る。このプラズマに炭素原料が添加される。次いで冷却
用不活性ガスが添加されることによりフラーレン類を含
むすすが生成する。このすすが捕集部材によって捕集さ
れる。
【0021】この請求項5においては、電極が用いられ
ておらず、長期間の連続運転が可能である。また、プラ
ズマを電界中にとじ込めることにより、その温度や形状
制御を容易に行なえる。
【0022】請求項6のフラーレン類の製造装置におい
ては、陰極とワイヤよりなる陽極との間でアーク放電が
起り、プラズマが生成する。この陽極を構成するワイヤ
が炭素よりなるため、ワイヤ先端から炭素が蒸発し、プ
ラズマ中に添加され、フラーレン類を含むすすが生成す
る。このすすが捕集部材で捕集される。
【0023】この請求項6においては、棒状炭素に比べ
きわめて長いワイヤを用いるから、長期間連続運転でき
る。
【0024】
【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。なお、以下の実施例ではHeガスが用いられている
が、Ar,Neなど他の希ガスまたは、N2等の不活性
ガスやこれらいずれかの組み合わせの混合ガスを用いて
も良い。
【0025】第1図は本発明の請求項1、2の実施例に
係るフラーレン類の製造装置の断面図である。
【0026】反応室22内にリング状の水冷陽極24
と、棒状の水冷陰極26とが設けられており、これら陽
極24と陰極26との間に直流電源28から電圧を印加
し、アークを発生可能としている。反応室22には、配
管30を介してアークガスとしてのHeが導入可能とさ
れている。また、反応室22には、炭素原料の供給装置
32により炭素原料としての黒鉛粉34が供給可能とさ
れている。黒鉛粉34は容器36内に挿入されており、
配管38から供給されるフィードガスとしてのHeによ
り気流搬送され、途中で配管40でキャリアガスとして
のHeが添加され、配管42によって反応室22内に導
入される。反応室22を取り巻くように電磁石コイル4
4が設けられており、アークに回転振動を与えてプラズ
マ領域を拡大可能としている。
【0027】反応室22には配管46を介してすす回収
室48が接続されており、この回収室48内にはすす回
収板50が設けられている。また、配管46にはプラズ
マを急冷するためのクウェンチングガスとしてHeを供
給するための配管52が接続されている。
【0028】このように構成されたフラーレン類の製造
装置において、直流電源28によって陽極24及び陰極
26の間に電圧を印加させ、これら電極間にアークを発
生させ、プラズマを形成する。このプラズマ形成領域に
黒鉛粉34が気流搬送されて供給され、黒鉛が気化す
る。気化した炭素を含んだプラズマは配管46を通って
回収室48に送られるが、この途中においてクウェンチ
ングガスが供給され、急冷される。この急冷によりプラ
ズマ中に含まれていた炭素物質はフラーレン類を含んだ
すす54となり、すす回収板50に付着する。
【0029】このフラーレン類の製造装置によると、運
転継続中に陽極24及び陰極26は殆ど減耗せず、長時
間にわたって連続運転することができる。また、電極間
距離も一定となっており、アークが安定し、プラズマの
温度や形状の制御が容易である。なお、本実施例では電
磁石コイル44に交番電流を流すことにより、アークに
回転振動を与えてプラズマ領域を拡大している。
【0030】第2図は本発明の請求項1、2の別の実施
例に係るフラーレン類の製造装置の断面図である。反応
室56内に水冷陽極(本実施例では炭素材よりなる。)
58と、陰極(本実施例ではタングステンや炭素材料な
どよりなる。)60が設置されており、直流電源62に
より直流電圧が印加され、アーク放電させてプラズマを
形成させる。このプラズマ形成域に向って炭素材粉末を
Heガスで気流搬送して供給するように供給管64が設
けられている。66はHeガスの供給管、68は排気管
である。
【0031】このように構成された第2図のフラーレン
類の製造装置において、電極58、60間のアークによ
ってプラズマが形成され、ここに炭素材粉末が供給され
る。反応生成物は、配管66から供給されたHeガスに
より冷却され、フラーレン類を含むすす54が生成す
る。このすす54はすす回収板50で回収される。
【0032】本実施例においても、原料炭素は粉末状と
して供給され、電極は運転期間中殆ど減耗しない。その
ため、連続して長時間運転を継続できる。また、電極間
距離を一定に保つことができ、アークが安定し、プラズ
マの温度や形状の制御が容易である。
【0033】第3図は請求項3のフラーレン類の製造装
置の実施例を示す断面図である。本実施例では、反応室
56内に炭素原料として炭素棒又は炭素繊維ワイヤ70
を反応室外から送り込むように構成されている。この炭
素棒又は炭素繊維ワイヤ70はホルダ72によって保持
されており、このホルダ72には直流電源62から直流
電圧が印加されている。また、前記配管66は電極5
8、60間に直接にHeガスを供給し得るように反応室
56内に長く延設されている。その他の構成は第2図と
同様であり、同一部分に同一符号を付してその説明を省
略する。
【0034】本実施例においても、第2図の装置と同様
に、長時間運転を安定して継続することができる。ま
た、アークが安定し、プラズマの温度や形状の制御が容
易である。なお、炭素繊維ワイヤ70は、従来の炭素電
極に比べその長さを著しく大きなものとすることがで
き、長時間の連続運転が可能である。また、炭素棒の場
合であっても、従来の電極と異なり、それが減耗した場
合にはアークを消滅することなく新品の炭素棒ときわめ
て素早く交換することができる。従って、炭素棒が減耗
しても装置を停止することなく運転を継続することがで
き、長時間連続運転が可能である。
【0035】なお、第3図の実施例装置では、炭素棒又
は炭素繊維ワイヤ70を陽極として利用しているため、
これら炭素棒や炭素繊維ワイヤからの炭素の気化速度が
きわめて大きく、フラーレン類の生成速度が大きい。
【0036】第4図は本発明の請求項4の実施例装置を
示す断面図である。プラズマ生成室72内にリング状の
水冷陽極74と水冷陰極76が設けられており、配管7
8からHeガスが導入される。陽極74、陰極76間に
直流電源80から直流電圧を印加し、プラズマを生成さ
せ、このプラズマをプラズマ取出管82内に送り込む。
このプラズマ取出管82内にジェット状に送り出された
プラズマに対し、供給装置32から粉末状の炭素原料が
導入され、プラズマ取出管82内において炭素粉末が気
化し、フラーレン類の生成反応が進行する。この炭素反
応物を含んだプラズマに対し配管52からクウェンチン
グガスとしてHeガスが供給され、フラーレン類を含む
すす54が生成する。このフラーレン類を含むすす54
は、回収室48内のすす回収板50に付着して捕集され
る。なお、粉体供給装置32の構成は第1図と同様であ
り、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】本実施例においても、陽極74及び陰極7
6は実質的に全く減耗せず、長期間にわたって安定して
運転を継続することができる。また、陽極74、陰極7
6間の距離が一定しており、プラズマを安定して送り出
すことができる。
【0038】第5図は請求項4の別の実施例に係るフラ
ーレン類の製造装置の断面図である。本実施例では、プ
ラズマ取出管82内に炭素原料として炭素繊維ファイバ
ーのワイヤ84が連続的に供給される。その他の構成は
第4図と同様であり、同一部分に同一符号を付してその
説明を省略する。本実施例でも第4図の装置と同様の作
用効果が奏される。
【0039】なお、第5図では炭素繊維のワイヤ84が
用いられているが、炭素の棒を用いても良い。この炭素
棒は、炭素繊維のワイヤに比べると長さは短いが、炭素
電極に比べると十分に長さの大きなものとすることがで
き、また、電極と異なりその新品への交換もきわめて素
早く行なうことができるから、炭素棒が減耗した場合で
も装置の運転を中断することなく新品の炭素棒を装填し
て運転を継続することができる。
【0040】第6図は請求項5の実施例に係るフラーレ
ン類の製造装置を示す断面図である。反応室86の回り
に高周波コイル88が巻装されており、高周波電源90
によって高周波電圧を印加可能としている。配管92か
らHeガスが供給されると共に、配管94から黒鉛粉末
がHeガスによって気流搬送されて導入される。Heガ
スは、高周波コイル88によって生ずる高周波電界によ
って励起されてプラズマとなり、このプラズマ中に黒鉛
粉末が供給され、炭素が気化してフラーレン生成反応が
行なわれる。この反応ガスにHeクウェンチングガスが
配管96から供給され、フラーレン類を含むすす54が
発生する。このすす54は回収室48内のすす回収板5
0に付着して捕集される。
【0041】このように、本実施例ではプラズマを高周
波コイルによって発生させるようにしており、アーク電
極が用いられておらず、長期間安定して運転を継続でき
る。
【0042】第7図は請求項6の実施例に係るフラーレ
ン類の製造装置の断面図である。反応室100内に水冷
陰極(本実施例では銅、タングステン、炭素材などより
なる。)102が設置されると共に、炭素繊維ワイヤよ
りなる陽極104が該陰極102に向って送り出し得る
ようになっている。106はワイヤよりなる陽極104
の送り出し装置であり、この送り出し装置106と前記
水冷陰極102との間に直流電源108によって直流電
圧を印加し、アーク放電させてプラズマを形成可能とし
ている。このプラズマ形成域に向ってクウェンチングガ
スとしてのHeガスを供給するための配管110が設け
られている。112は反応室100内の雰囲気を全体と
してHe雰囲気とするためのHeガス供給管、114は
排気管である。陽極104と陰極102との間のアーク
放電によってプラズマが形成されると共に、陽極104
の先端の炭素が気化し、プラズマ中においてフラーレン
生成反応が進行する。クウェンチング用のHeガスが配
管110から供給されることによりフラーレン類を含む
すす54が生成し、すす回収板50に付着して捕集され
る。
【0043】本実施例においては、陽極104は装置運
転の継続に伴って減耗するが、この陽極104は炭素繊
維のワイヤよりなるため、長時間にわたって連続的に送
給することができ、装置を長期間連続的に運転すること
ができる。
【0044】なお、本発明において原料として用いる炭
素材料は、黒鉛のほか、結晶性の悪い炭素、各種カーボ
ンブラック、コークスなど炭素質の各種の原料さらに
は、フラーレン類を分離回収した後のフラーレンを含ま
ない回収すすも用いることができる。
【0045】
【発明の効果】以上の通り、本発明のフラーレン類の製
造装置は、いずれも長期間にわたって連続的にフラーレ
ン製造運転を継続することができる。
【0046】なお、請求項1の装置にあっては、アーク
が安定し、プラズマの温度や形状の制御が容易である。
【0047】請求項2においては、さらに、粉末炭素原
料を供給するため、炭素の反応性が良く、フラーレン類
の生成効率が高い。
【0048】請求項3の装置にあっては、炭素棒やワイ
ヤが陽極を兼ねているため、炭素の気化が効率良く行な
われ、フラーレン類の生成効率が高い。
【0049】請求項4の装置にあっては、アークが安定
し、プラズマの温度及び形状制御が容易である。
【0050】請求項5の装置にあっては、電極が用いら
れておらず、長期間連続運転が可能であり、しかもプラ
ズマを電界中にとじ込めることによりその温度や形状制
御を容易に行なうことができる。
【0051】請求項6の装置にあっては、極めて長いワ
イヤを原料として用いることにより、長期間連続運転を
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例装置の断面図である。
【図2】実施例装置の断面図である。
【図3】実施例装置の断面図である。
【図4】実施例装置の断面図である。
【図5】実施例装置の断面図である。
【図6】実施例装置の断面図である。
【図7】実施例装置の断面図である。
【図8】従来装置の断面図である。
【符号の説明】
10 反応室 12 陰極 14 陽極 22 反応室 24 陽極 26 陰極 28 直流電源 48 回収室 50 すす回収板 56 反応室 58 陽極 60 陰極 70 炭素棒又は炭素繊維ワイヤ 72 プラズマ生成室 74 陽極 76 陰極 80 直流電源 82 プラズマ取出管 84 炭素繊維ワイヤ 86 反応室 88 高周波コイル 90 高周波電源 100 反応室 102 陰極 104 炭素繊維ワイヤよりなる陽極 106 ワイヤ送り出し装置 108 直流電源
フロントページの続き (72)発明者 八田 直樹 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極及び陰極並びに不活性ガス導入手段
    を備え、これら電極間に発生させたアークによってプラ
    ズマが生成される反応室と、 該反応室内に炭素原料を供給する炭素原料供給手段と、 該反応室内で発生した反応生成物を冷却するための不活
    性ガス導入手段と、 反応生成物を含むガスが接触され、表面に反応生成物が
    付着される捕集部材と、を備えてなるフラーレン類の製
    造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のフラーレン類の製造装置にお
    いて、前記炭素原料供給手段は、粉末原料を不活性ガス
    で気流搬送するものであるフラーレン類の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1のフラーレン類の製造装置にお
    いて、前記炭素原料供給手段は、棒状又はワイヤ状の炭
    素原料を前記陽極と陰極との間の部分に向って送り出す
    ものであり、且つこの棒状又はワイヤ状の炭素原料に正
    電圧を印加する手段が設けられているフラーレン類の製
    造装置。
  4. 【請求項4】 陽極及び陰極並びに不活性ガス導入手段
    を備え、これら電極間に発生させたアークによってプラ
    ズマが生成されるプラズマ生成室と、 該プラズマ生成室からプラズマを取り出すプラズマ取出
    手段と、 該プラズマ取出手段中に炭素原料を供給する炭素原料供
    給手段と、 該炭素原料供給手段よりもプラズマ流通方向下流側にお
    いてプラズマ取出手段中に冷却用不活性ガスを導入する
    手段と、 該冷却用不活性ガスが添加された反応生成物を含むガス
    が接触され、表面に反応生成物が付着される捕集部材
    と、を備えてなるフラーレン類の製造装置。
  5. 【請求項5】 不活性ガス導入手段及び炭素原料供給手
    段を有すると共に、プラズマ発生用の高周波コイルが設
    けられた反応室と、 該反応室内で生じた反応生成物を含むプラズマに冷却用
    不活性ガスを添加する手段と、 該冷却用不活性ガスが添加された反応生成物を含むガス
    が接触され、表面に反応生成物が付着される捕集部材
    と、を備えてなるフラーレン類の製造装置。
  6. 【請求項6】 アーク放電させてプラズマを発生させる
    ための陽極及び陰極を備えた反応室と、該反応室内に不
    活性ガスを導入する手段と、反応生成物の捕集部材とを
    備えてなるフラーレン類の製造装置において、 前記陽極は炭素繊維のワイヤよりなり、該ワイヤを前記
    陰極に向って連続的に送り出す送出装置を備えたことを
    特徴とするフラーレン類の製造装置。
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