JPH05115761A - 混合溶液の分離方法 - Google Patents

混合溶液の分離方法

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JPH05115761A JP28584191A JP28584191A JPH05115761A JP H05115761 A JPH05115761 A JP H05115761A JP 28584191 A JP28584191 A JP 28584191A JP 28584191 A JP28584191 A JP 28584191A JP H05115761 A JPH05115761 A JP H05115761A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気化浸透法による工法で混合溶液を性能高く
分離し、さらに分離液の透過速度を実用レベルまで高め
る。 【構成】 複数の液成分が混合された混合溶液2の蒸気
を溶液室3から減圧室1へと透過膜4を透過させること
によって、気化浸透法で混合溶液2中の特定の液成分を
分離する。この透過膜4としてシリコーン多孔質膜4a
を用いる。混合溶液2中のシリコーンに親和性の高い液
成分はシリコーン多孔質膜4aの細孔を通過して溶液室
3側から減圧室1側に透過され、液分離をおこなうこと
ができる。非多孔質の透過膜4のように液成分を透過膜
4中に拡散させて浸透させることによって透過させる場
合に比べて、分離される液成分が透過膜4を透過する速
度が極めて速くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気化浸透法とも称すべ
き透過膜を用いた混合溶液の分離方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】水とアルコールとの混合溶液など、2以
上の液成分が混合された混合溶液からアルコールなど特
定の液成分を透過膜を用いて分離する工法として、浸透
気化法と称される方法が従来から知られている。この浸
透気化法は、槽内を透過膜で上側の溶液室と下側の減圧
室とに仕切り、上側の溶液室内に混合溶液を導入して透
過膜に溶液を接触させた状態で減圧室内を減圧すること
によって、混合溶液中の特定の液成分を透過膜に優先的
に浸透拡散させると共に透過膜を透過したこの液成分を
透過膜の表面から減圧室に気化させるようにしたもので
あり、このようにして透過膜を浸透透過させた減圧室の
成分を捕集することによって混合溶液から特定の液成分
を分離採取することができるのである。しかし、この浸
透気化法においては混合溶液が透過膜に直接接触する状
態にあり、一般に高分子材料で形成される透過膜は混合
溶液によって膨潤されることが多い。そしてこのように
透過膜が膨潤されると透過膜の膜機能が低下し、透過膜
による混合溶液の分離性能は著しく損なわれるおそれが
ある。
【0003】このために本発明者等によって気化浸透法
とも称すべき手法が開発されており、この気化浸透法を
用いた混合溶液の分離方法は特開昭63−162003
号公報等で既に提供されている。すなわちこの方法は図
3にその原理を示すように、減圧室1と混合溶液2が導
入される溶液室3とを混合溶液2に接触させないように
透過膜4で仕切り、減圧室1を減圧して溶液室3内で発
生する混合溶液2の蒸気を透過膜4に浸透させると共に
溶液室3側から減圧室1側に透過させるようにしたもの
である。この方法では透過膜4は混合溶液2に接しない
ために透過膜4の膨潤による膜機能の低下という問題が
なく、透過膜4による混合溶液2の分離性能を高く得る
ことができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように気化浸透
法においては浸透気化法よりも高い分離性能で混合溶液
2を分離することができるのであるが、浸透気化法と同
様に液成分を透過膜4に拡散させて浸透透過させること
によって分離をおこなうようにしているために、液成分
が透過膜4を透過する速度が遅く、十分な透過速度で透
過膜4に液を透過させて液分離をおこなうことが困難で
あり、液分離の生産性の上で問題があって実用が難しい
ものであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、気化浸透法による工法で分離液の透過速度を実用
レベルまで高めることができるようにすることを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る混合溶液の
分離方法は、複数の液成分が混合された混合溶液2が導
入される溶液室3と減圧室1との間に混合溶液2が接触
されない状態で透過膜4を設け、減圧室1を減圧して溶
液室3内で発生する混合溶液2の蒸気を溶液室3側から
減圧室1側へと透過膜4を透過させることによって、混
合溶液2中の特定の液成分を分離するにあたって、透過
膜4としてシリコーン多孔質膜4aを用いることを特徴
とするものである。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。図1は既述
の気化浸透法に基づく本発明による液分離の原理装置の
一例を示すものであり、透過膜4で分離槽5を上側の減
圧室1と下側の溶液室3とに仕切り、溶液室3内に導入
される混合溶液2の液面と透過膜4の下面との間に空間
を形成させて透過膜4には混合溶液2が接触しないよう
にしてあり、減圧室1には真空ポンプなどを接続して減
圧するようにしてある。
【0008】本発明において上記透過膜4としては、表
裏に連通する多数の細孔を有するシリコーン多孔質膜4
aが用いられる。このシリコーン多孔質膜4aとしては
連通する細孔を有するシリコーン樹脂の膜であれば特に
制限されることなく使用することができるが、例えば特
願平3−171190号として本出願人等によって提供
されたもの、すなわち水分の除去によってエラストマー
を形成する水性のオルガノポリシロキサンエマルジョン
を冷凍して凍結し、これを解凍することなく水を昇華さ
せて乾燥することによって作成したものを用いることが
できる。またシリコーン多孔質膜4aは細孔の大きさ
が、その平均直径が1×10-3μ〜5μの範囲のものを
用いるのが好ましい。細孔の大きさがこれよりも大きい
と、シリコーン多孔質膜4aによって液分離の作用を受
けないで細孔を通過してしまう成分が多くなって、液の
分離性能を高く得ることができなくなるものであり、ま
た逆に細孔の大きさがこれよりも小さいと、液成分は細
孔を容易に通過することができなくなって、分離液の透
過速度を実用レベルにまで高めることができなくなるも
のである。ここで本出願において細孔の直径は、細孔の
面積と同じ面積の円を想定したときのこの円の直径とし
て定義されるものであり、平均直径は各細孔の直径の平
均値として定義されるものである。またこの多孔質膜の
表面積に占める細孔の面積の割合、すなわち空孔率は5
%以上のものを用いるのが好ましい。空孔率がこれより
低いと、液成分の透過量が少なくなって分離液の透過速
度を実用レベルにまで高めることが難しくなる。
【0009】そして本発明にあって混合溶液としては、
例えば醗酵アルコールからアルコールを濃縮分離する場
合における水とアルコールとの混合溶液など、シリコー
ンに対する親和性の低い液成分とシリコーンに対する親
和性の高い液成分が混合されたものを用いるものであ
り、混合溶液からシリコーンに対する親和性の高い液成
分を分離することができる。
【0010】しかして図1の装置において、減圧室1内
を減圧するとシリコーン多孔質膜4aの細孔を通して溶
液室3内も減圧状態になり、溶液室3内において混合溶
液2から各液成分の蒸気が発生し、各液成分の蒸気がシ
リコーン多孔質膜4aに至る。ここで、シリコーン多孔
質膜4aに至った各液成分の蒸気のうち、シリコーンと
親和性の高い液成分、例えばアルコールはシリコーン多
孔質膜4aの表面に親和して細孔を容易に通過し、シリ
コーン多孔質膜4aを溶液室3側から減圧室1側へと容
易に透過するが、シリコーンと親和性の低い液成分、例
えば水はシリコーン多孔質膜4aの表面にはじかれて細
孔を通過し難く、シリコーン多孔質膜4aを溶液室3側
から減圧室1側へと容易に透過することができない。こ
のようにして、混合溶液2中の各液成分のうちシリコー
ンと親和性の高い液成分を優先的にシリコーン多孔質4
を透過させて、混合溶液2から所定の液成分を分離して
この液成分の濃度が高い液を得ることができるものであ
る。このとき、必要とする液成分をシリコーン多孔質膜
4aを透過させて液分離する場合には減圧室1に至った
液を回収すればよく、逆に不要な液成分をシリコーン多
孔質4を透過させて液分離することによって必要とする
液を溶液室3内に残す場合にはこの液を溶液室3内から
回収すればよい。
【0011】そしてこのように気化浸透法の工法におい
てシリコーン多孔質膜4aを用いて液分離をおこなうに
あたって、分離される液成分はシリコーン多孔質膜4a
の細孔を通過して溶液室3側から減圧室1側に透過され
る。従って既述の特開昭63−162003号公報等に
おいて気化浸透法で用いる非多孔質の透過膜のように液
成分を透過膜中に拡散させて浸透させることによって透
過させる場合に比べて、分離される液成分がシリコーン
多孔質膜4aを透過する速度は極めて速くなり、実用的
なレベルの透過速度を得ることが可能になるのである。
【0012】図2は本発明において用いることのできる
液分離装置の他の態様を示すものであり、溶液室3内に
空気等のガスを導入することができるようにしてある。
例えば図2に示すようにコック9等を設けたパイプ10
をシリコーン多孔質膜4aと混合溶液2の液面との間に
導入するように溶液室3内に接続し、コック9を開いて
空気等のガスをパイプ10から供給することによって、
溶液室3内に空気等のガスを導入することができるもの
である。溶液室3内に供給するガスとしては空気の他に
窒素ガスなど各種のものを用いることができるものであ
り、特に限定されるものではない。この図2の装置で
は、上記のように減圧室1を減圧して液分離の操作をお
こなうにあたって、さらにコック9を開いてパイプ10
から空気等のガスを溶液室3に供給しながら液分離の操
作をおこなうことによって、混合溶液2の分離性能を高
めることができるものである。分離性能が高まる理由は
明らかではないが、例えば次のように考えることができ
る。すなわち、溶液室3に供給される空気等のガスは減
圧室1が減圧されているためにシリコーン多孔質膜4a
の細孔を通過して減圧室1へと移流することになるが、
空気等のガスの分子は一般に混合溶液2の蒸気の粒子よ
りもはるかに小さいためにシリコーン多孔質膜4aの細
孔に容易に入り込んで通過することになり、この結果混
合溶液2の蒸気の各液成分はガスの分子に邪魔されてシ
リコーン多孔質膜4aの細孔に入り難くなって蒸気はシ
リコーン多孔質膜4aの近傍に滞留し、シリコーン多孔
質膜4aによる液の分離作用を蒸気の各液成分が十分に
受けることになって、混合溶液2を分離する性能が高ま
るのではないかと考えられる。このように溶液室3内に
ガスを供給することによって、シリコーン多孔質膜4a
を透過させて分離する液成分の濃度を高めることができ
ることになるのであり、ガスの供給量を多くするとこれ
に伴って分離性能が高まり、シリコーン多孔質膜4aを
透過する液成分の濃度も高めることができる。しかし、
ガスの供給量を多くするに従って液成分がシリコーン多
孔質膜4aを透過する速度が遅くなり、透過速度を高く
保つことができなくなる。このために、ガスの供給量は
シリコーン多孔質膜4aにおける液の分離性能と透過速
度のバランスを考慮し設定するのが好ましい。
【0013】以上のようにして液分離の操作をおこなう
にあたって、溶液室3内の混合溶液2を加熱すると共に
シリコーン多孔質膜4aを冷却するのが好ましい。図1
や図2のように混合溶液2の加熱は溶液室3を加熱浴7
に浸漬しておこなう他、溶液室3の外周に加熱ジャケッ
トを取り付けたり、溶液室3内にヒータを取り付けた
り、さらには分離槽5の全体を加熱したり、任意の方法
でおこなうことができる。この加熱は、少なくとも分離
槽5が置かれている雰囲気温度よりも高い温度に混合溶
液2を昇温させるようにすればよく、加熱の温度は何等
規制されない。シリコーン多孔質膜4aの冷却は、例え
ばシリコーン多孔質膜4aの周囲にジャケット8を取り
付けてジャケット8に冷媒を通すことによっておこなう
ことができる。この冷却はシリコーン多孔質膜4aの温
度が溶液室3の混合溶液2の液温より低く保つことがで
きるものであればよい。このように混合溶液2を加熱す
ると共にシリコーン多孔質膜4aを冷却しながら液の分
離操作をおこなう場合には、混合溶液2として沸点が異
なり、且つ沸点の低い液成分がシリコーンと親和性が高
いと共に沸点の高い成分がシリコーンと親和性が低い2
以上の液成分が混合されたもの、例えば水とエタノール
( 沸点78. 3℃)との混合溶液2や水とメタノール(
沸点64. 1℃) との混合溶液2などを使用するもので
ある。
【0014】このものにあって、減圧室1を減圧して液
分離の操作をおこなうにあたって、上記のように溶液室
3内の混合溶液2を加熱すると、混合溶液2の各成分の
うち沸点の低い液成分が蒸発され易いために、シリコー
ン多孔質膜4aに達する蒸気は沸点の低い液成分の濃度
が高くなっており、そして沸点の低い液成分はシリコー
ンに親和性があるためにこの沸点の低い液体がシリコー
ン多孔質膜4aを優先して透過されることになり、シリ
コーン多孔質膜4aを透過させて分離する液成分の濃度
を高めることができ、混合溶液2の分離性能を高めるこ
とができる。しかもこのとき、上記のようにシリコーン
多孔質膜4aを冷却することによって、混合溶液2の分
離性能を一層高めることができる。その理由は明らかで
はないが、溶液室3において混合溶液2から蒸発した蒸
気がこのシリコーン多孔質膜4aに至ると、シリコーン
多孔質膜4aによる冷却作用で蒸気中の沸点の高い液成
分は沸点の低い液成分よりも凝縮され易く、従って沸点
の高い液成分は会合され易くなって分子の集合形態が大
きくなり、この結果、沸点の高い液成分はシリコーン多
孔質膜4aの細孔をより透過し難くなると共に、これに
伴って沸点の低い液成分がシリコーン多孔質膜4aの細
孔をより優先して透過されることになるためであると予
想される。このように混合溶液2を加熱すると共にシリ
コーン多孔質膜4aを冷却することによって、シリコー
ン多孔質膜4aを透過させて分離する液成分の濃度を高
めることができるのである。このとき、このようにシリ
コーン多孔質膜4aを冷却して液分離の操作をおこなう
にあたって、シリコーン多孔質膜4aには混合溶液2を
加熱して蒸発された蒸気が作用するためにシリコーン多
孔質膜4aはこの蒸気で加熱されてしまい、シリコーン
多孔質膜4aを冷却することによる効果を十分に得るこ
とができなくなるが、上記のように溶液室3に空気等の
ガスを供給することによってこのガスでシリコーン多孔
質膜4aを冷却することができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によって例証する。実施例1 ジメチルポリシロキサンエマルジョンとして東レ・ダウ
コーニング・シリコーン株式会社製の水性シリコーンゴ
ム液「SE−1980」を用いた。このジメチルポリシ
ロキサンエマルジョンの性状は、外観:乳白色液状、固
形分:45重量%、溶媒:水、エマルジョン粒子径:
0.5〜1.0μm、pH=11である。
【0016】まずこのジメチルポリシロキサンエマルジ
ョンを先ず50Torrの減圧下20分間放置して脱泡
した後、直径95mmφ、深さ15mmのテフロン製ペ
トリ皿に厚み2mmになるように流し込み、ペトリ皿の
上面の開口をアルミニウム箔で密閉し、この試料を−6
℃の温度で3時間、予備冷却した。次にこの試料を−2
5℃の冷凍機に入れて15時間冷却することによってジ
メチルポリシロキサンエマルジョンを凍結させた。この
後、試料を冷凍機から取り出してタイテック社製凍結乾
燥機「VD−80」の真空チャンバーに入れ、減圧度
0.05Torr、コールドトラップ温度−80℃の条
件で、解凍することなく6時間真空乾燥することによっ
て、厚み2mmのシリコーン多孔質膜を得た。このシリ
コーン多孔質膜は平均径が70μmの多数の気泡が平均
径3μmの孔で連通する連続気泡を有するものであっ
た。
【0017】そしてこのシリコーン多孔質膜4aを用い
ると共に混合溶液2として10重量%のエタノールを含
む水−エタノール溶液を用い、図1の装置で、溶液室3
内の混合溶液2を40℃の加熱浴7で加熱すると共に透
過膜4を0℃のジャケット8で冷却し、減圧室1を10
-1Torrの条件で減圧することによって、液の分離操
作をおこない、減圧室1においてエタノールの濃度が高
められた液を捕集して回収した。
【0018】実施例2 実施例1で得たシリコーン多孔質膜4aを用いると共に
混合溶液2として10重量%のエタノールを含む水−エ
タノール溶液100ccを用い、減圧室1の容積が10
0cc、溶液室3の容積が350cc、シリコーン多孔
質膜4aの有効面積が20cm2 に形成された図2の装
置で、溶液室3内の混合溶液2を40℃の加熱浴7で加
熱すると共にシリコーン多孔質膜4aを0℃のジャケッ
ト8で冷却し、溶液室3に室温(25℃)の空気を18
0cc/minの供給量でパイプ10から供給しつつ、
減圧室1を10-1Torrに減圧作動させた真空ポンプ
で減圧することによって、液の分離操作をおこない、減
圧室1においてエタノールの濃度が高められた液を捕集
して回収した。
【0019】比較例 透過膜として非多孔質のポリジメチルシロキサンフィル
ム(東レダウコーニング社製「SE−9520」)を用
いた。あとは実施例1と同様にして液分離操作をおこな
い、減圧室1においてエタノールの濃度が高められた液
を捕集して回収した。
【0020】実施例1,2及び比較例において減圧室か
ら回収した液のエタノールの濃度を透過液濃度として測
定すると共にこの液が透過膜を透過する速度を透過速度
として測定し、さらにエタノールの分離係数αを測定し
た。この分離係数αは次式で定義されるものである。 α=(Y1 /Y2 )/(X1 /X2 ) 式中X1 とX2 は溶液室に導入される混合溶液のエタノ
ールの重量分率と水の重量分率を、Y1 とY2 は減圧室
で捕集された溶液のエタノールの重量分率と水の重量分
率をそれぞれ示すものであり、従ってαが1以上の数値
であると、透過膜を透過する液はエタノールの分量が水
の分量よりも大きいということになり、αの数値が大き
い程エタノールが優先的に透過膜を透過するということ
を意味する。これらの測定結果を「表1」に示す。
【0021】
【表1】
【0022】「表1」にみられるように、非多孔質の透
過膜を用いた比較例のものでは分離係数は良好であるが
透過速度が著しく低いために実用化は困難である。これ
に対して多孔質の透過膜を用いた実施例1のものでは透
過液濃度や分離係数として所定のレベルを得ることがで
きると共に、透過速度が極めて速くなっているために、
実用化が可能である。また多孔質のシリコーン多孔質膜
を用いると共に溶液室への空気の供給をおこなうように
した実施例2のものでは、実施例1のものよりも透過液
濃度を高めることができることが確認される。
【0023】
【発明の効果】上記のように本発明は、透過膜としてシ
リコーン多孔質膜を用いるようにしているので、シリコ
ーン多孔質膜に至った混合溶液の各液成分の蒸気のう
ち、シリコーンに親和性の高い特定の液成分はシリコー
ン多孔質膜の表面に親和して細孔を容易に透過するが、
シリコーンに親和性の低い他の液成分はシリコーン多孔
質膜の表面にはじかれて細孔を透過し難く、シリコーン
多孔質膜によって混合溶液から所定の液成分を分離する
ことができるものであり、しかも分離される液成分はシ
リコーン多孔質膜の細孔を通過して減圧室側から溶液室
側に透過されるものであって、非多孔質の透過膜のよう
に液成分を透過膜中に拡散させて浸透させることによっ
て透過させる場合に比べて、分離される液成分がシリコ
ーン多孔質膜を透過する速度は極めて速くなり、実用的
なレベルの透過速度を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる気化浸透法による液分離の原理
装置の改良例を示す断面図である。
【図2】本発明で用いる気化浸透法による液分離の原理
装置の他の改良例を示す断面図である。
【図3】気化浸透法による液分離の原理装置を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 減圧室 2 混合溶液 3 溶液室 4a シリコーン多孔質膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の液成分が混合された混合溶液が導
    入される溶液室と減圧室との間に混合溶液に接触されな
    い状態で透過膜を設け、減圧室を減圧して溶液室内で発
    生する混合溶液の蒸気を溶液室側から減圧室側へと透過
    膜を透過させることによって、混合溶液中の特定の液成
    分を分離するにあたって、透過膜としてシリコーン多孔
    質膜を用いることを特徴とする混合溶液の分離方法。
  2. 【請求項2】 溶液室内にガスの供給をおこなうことを
    特徴とする請求項1に記載の混合溶液の分離方法。
  3. 【請求項3】 混合溶液として水−アルコール溶液を用
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の混合溶液
    の分離方法。
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