JPH0511427A - マイクロカプセル塗布装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロカプセルを選択的にフィルム等の支
持体に塗布する装置を提供することを目的とする。 【構成】 マイクロカプセルの外郭部を光導電層で形成
し、接地された導電性の担持ローラと、前記担持ローラ
に近接して、コロトロンと露光装置が設けられている。
前記コロトロンには高圧電源が、また露光装置には信号
発信機が接続され、さらに前記露光装置は、ハロゲン等
のランプと画素形成するライトバルブになる液晶板とか
ら構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルム等の支持体に
マイクロカプセルを塗布するマイクロカプセル塗布装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、染料前駆体と光硬化性物質等を封
入したマイクロカプセルが塗布された感光シートを、露
光手段を用いて画像情報に基づいて露光し、マイクロカ
プセルを画像情報に基づいて硬化させ、その後前記マイ
クロカプセルに封入された染料前駆体と反応し変色する
顕色剤が塗布された普通紙等の支持体と密着させた状態
で圧力現像し、硬化しなかったマイクロカプセルを圧壊
ローラにて破壊し、マイクロカプセルより流出する染料
前駆体と顕色剤とを反応させて画像を形成する装置が実
用化されている。このような画像形成装置に使用されて
いる感光シートは、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
イミド等のフィルム上に、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリエチレン等のバインダーを
用いてマイクロカプセルを塗設したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像形成装置においては、初めからマイクロカプセルが
塗設された感光シートを用いており、前記感光シートは
使い捨てであり、しかも感光シートに使用されているポ
リエチレンテレフタレートやポリイミドは高価なので不
経済であった。そのためマイクロカプセル塗布装置が望
まれているが、実願平２−２６０５号、特願平２−８５
１６８号の願書に添付した明細書及びその図面等におい
て記載されている顕色剤塗布装置をそのままマイクロカ
プセル塗布装置に応用すれば、選択塗布ができないとい
った欠点があった。

【０００４】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、フィルム等の支持体にマイクロ
カプセルを選択塗布する、マイクロカプセル塗布装置を
提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のマイクロカプセル塗布装置は、担持手段の少
なくともマイクロカプセルと接触する面を導電層で形成
すると共に、マイクロカプセルの表面を光導電特性を有
した材料で構成し、さらに、前記光導電性を有したマイ
クロカプセルを一様に帯電させるための帯電手段と、帯
電したマイクロカプセルを露光し、静電潜像を形成する
潜像形成手段とを有する。

【０００６】

【作用】上記の構成を有する本発明のマイクロカプセル
塗布装置においては、フィルム等の支持体に選択的にマ
イクロカプセルを塗布することが可能となる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。

【０００８】図１は本発明を具体化して適用したマイク
ロカプセル塗布装置の一実施例を示すものである。

【０００９】マイクロカプセル塗布装置３０は、Ｙ（イ
エロー）、Ｍ（マゼンダ）、Ｃ（シアン）いずれかの染
料前駆体物質が封入されたマイクロカプセルを、フィル
ム等の支持体に選択的に塗布する装置である。

【００１０】マイクロカプセル塗布装置３０は、図１に
おいて左側にフィルムの搬送ユニット１０が、また、右
側にはマイクロカプセル１の供給ユニット１３が設けら
れている。搬送ユニット１０と供給ユニット１３は所定
間隔ｄを配して対向している。

【００１１】前記搬送ユニット１０は、高圧電源Ｅ１が
接続された電極ローラ１２から構成されている。また、
フィルム４は、図示していない給紙ロールから取り出さ
れ、前記電極ローラ１２を通って、図示していない巻取
りロールへ巻取られるように構成されている。

【００１２】前記供給ユニット１３は、マイクロカプセ
ル１を貯蔵しているホッパー５と、接地された導電性の
担持ローラ６と、前記担持ローラ６にマイクロカプセル
１を担持させるために補助的に設けられた供給ローラ９
と、前記担持ローラ６にマイクロカプセル１を一定の厚
さで担持させるための層規整ブレード１４と、前記担持
ローラ６に担持され転写されずに残った余剰のマイクロ
カプセルを取り除く除去ブラシ１７とから構成されてい
る。さらに、前記担持ローラ６に近接して、コロトロン
７と露光装置８が設けられている。前記コロトロン７に
は高圧電源Ｅ２が、また露光装置８には信号発生器１１
が接続されている。前記露光装置８は、ハロゲン等のラ
ンプ１５と画素形成するライトバルブになる液晶板１６
とから構成されている。

【００１３】また、前記マイクロカプセル１は図２に示
すように、内包される液状成分２と、光導電性物質で形
成された外郭部３より成る。

【００１４】前記液状成分２としては、少なくとも、顕
色剤と反応してそれぞれＹ、Ｍ、Ｃに発色する染料前駆
体が含まれている。前記染料前駆体としてはジフェニル
メタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ビスフ
ェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン
系化合物、フルオラン系化合物、スピロピラン系化合物
等及びそれらの混合物が用いられる。

【００１５】前記光導電性物質としては、例えばポリ−
Ｎ−ビニルカルバゾール、ポリ−Ｎ−ビニルアントレセ
ン等の光を透過する有機感光物質が用いられる。さら
に、前記光導電物質は、ＹのマイクロカプセルはＢ光、
ＭのマイクロカプセルはＧ光、Ｃのマイクロカプセルは
Ｒ光に感光波長を持っていることが望ましい。

【００１６】次にマイクロカプセル塗布装置について、
その動作を説明する。

【００１７】図１において、担持ローラ５及び供給ロー
ラ９は反時計方向に回転する。するとホッパー５内に貯
蔵されているマイクロカプセル１は供給ローラ９の回転
に伴って担持ローラ６に向けて搬送される。この時、供
給ローラ９には、層規整ブレード１４が設けられている
ので、マイクロカプセル１は担持ローラ６に均一に担持
される。そして担持ローラ６に担持されたマイクロカプ
セル１は、コロトロン７により一様に帯電させられる。
一方露光装置８には、スキュナー等で読み込んだ画像情
報が信号発生器１１によって送られてきており、そのた
め帯電したマイクロカプセル１は露光装置８において、
ＬＣＤによって画像情報に応じて静電潜像が形成され
る。

【００１８】電極ローラ１２には高圧電源Ｅ１によって
所定の高電圧が印加されているので、アースされている
担持ローラ６と電極ローラ１２との間、つまり転写領域
１６を含むその周辺には電界が形成されている。担持ロ
ーラ６に担持され化学潜像及び静電潜像が形成され転写
領域１６まで搬送されてきたマイクロカプセル１は、光
が照射されずに帯電しているもののみ、転写領域１６に
存在する電界に従って電極ローラ１２の方向へ静電引力
により引き付けられる。その結果、フィルム４にマイク
ロカプセル１が選択的に塗布されることとなる。

【００１９】また、光が照射され電荷を有しないマイク
ロカプセル１は、転写されずにそのまま担持ローラ６上
に残る。その余剰のマイクロカプセル１は、除去ブラシ
１７により残らず取り除かれ、何度でも使用可能であ
る。

【００２０】次に、本発明におけるマイクロカプセル塗
布装置３０を用いた画像形成装置を図３を参照して説明
する。

【００２１】図３は、マイクロカプセル塗布装置３０の
一実施例を備えたカラー画像記録装置４０の概略断面図
を示すものである。

【００２２】この画像形成装置４０は、大きく分けて４
つのユニットから構成されている。即ち、原稿４５をス
キャナー４６で読み取る原稿読み取り装置４１と、給紙
ロール４３から取り出されたフィルム４にマイクロカプ
セル１を選択的に塗布するマイクロカプセル塗布装置３
０と、マイクロカプセル１が選択的に塗布されたフィル
ム４とあらかじめ普通紙等の支持体の上に顕色剤が塗布
された顕色紙４８とを圧着させることにより発色させ、
顕色紙４８にカラー画像を形成させる圧力現像装置４７
と、顕色紙４８に形成された画像に良好な発色を与え、
且つ画像表面に光沢をもたせるための熱定着装置４９と
から構成されている。

【００２３】前記原稿読み取り装置４１は画像装置４０
の最も上部に設けられており、マイクロカプセル塗布装
置３０は上部左側に位置し、画像形成装置４０の略中央
部に圧力現像装置４７が、さらに最も低部には熱定着装
置４９が設けられている。

【００２４】前期原稿読み取り装置４１は、原稿４５か
ら画像情報を読み取り、信号発生器に情報を送るための
装置であり、原稿カバー５０と、原稿４５を読み取るス
キャナー４６とから構成されている。なお原稿４５は図
においてスキャナー４６の上部に置かれる。

【００２５】前記圧力現像装置４７は、ローラ間に圧力
が加えられている１組の加圧ローラ５１から構成され、
さらに顕色紙カセット５２から送りローラ５３によって
取り出された顕色紙４８とマイクロカプセル塗布装置３
０によって選択的にマイクロカプセル１が塗布されたフ
ィルム４とが、ガイドローラ５４によって密着した状態
で加圧ローラ５１に送り込まれ、顕色紙４８に画像が形
成される。前記圧力現像装置４７を通過したフィルム４
および画像が形成された顕色紙４８は、圧力現像装置４
７の下方に設けられたガイドローラ５６で分離され、フ
ィルム４は巻取りロール４４に、また画像が形成された
顕色紙４８は熱定着装置４９へと搬送される。

【００２６】前記熱定着装置４９は、約１４０℃に保持
できる熱源５７が設けられ、画像が形成された顕色紙４
８に熱を加えることにより、画像の定着作用が行なわれ
る。

【００２７】次に、本装置の動作について説明する。

【００２８】図示していない画像形成装置４０のスター
トボタンを押すことにより、スキャナー４６が作動し、
原稿４５を読み取り画像情報を発信機１１に送り込む。
と同時にマイクロカプセル塗布装置３０が作動し、上記
したようにフィルム４にマイクロカプセル１が画像情報
に基づいて選択的に塗布される。

【００２９】マイクロカプセル１が選択的に塗布された
フィルム４は、ガイドローラ５４を経て圧力現像装置４
７へと送られる。一方顕色紙４８も送りローラ５３によ
って送り出され、ガイドローラ５４にて、前記マイクロ
カプセル１が塗布されたフィルム４と重ね合わされた状
態で、圧力現像装置４７の加圧ローラ５１間に送られて
圧力現像される。ここで、マイクロカプセルに内包され
ている染料前駆体物質と顕色剤とが反応し、カラー画像
が前記顕色紙４８に形成される。

【００３０】前記圧力現像装置４７によってカラー画像
が形成された後の顕色紙４８は、熱定着装置４９によっ
て画像の定着作用が行なわれ、ガイドローラ５８を通過
して外部に排出される。また、圧力現像装置４７を通過
したフィルム４は、巻取りロール４４によって巻取られ
る。

【００３１】尚、以上の本考案のマイクロカプセル塗布
装置は本実施例にとらわれることなく、その趣旨を逸脱
しない範囲内で変更は可能である。

【００３２】例えば、巻取りロール４４付近に圧力現像
によって破壊されたマイクロカプセル１を取り除く手段
を設けると、フィルム４は何度でも使用可能となる。

【００３３】本実施例においては、あらかじめ普通紙等
に顕色剤が塗布してある顕色紙を用いたが、顕色剤塗布
手段を設けることにより、任意の支持体に画像が形成可
能となる。なおこの時、フィルム４に選択的に塗布され
たマイクロカプセル１は電荷を帯びているので、マイク
ロカプセル１が塗布されているところのみに顕色剤を選
択的に塗布することが容易にできる。

【００３４】

【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
本発明によれば、フィルム等の支持体に選択的にマイク
ロカプセルを塗布することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】マイクロカプセル塗布装置の概略断面図であ
る。

【図２】マイクロカプセルの拡大図である。

【図３】本発明のマイクロカプセル塗布装置を備えた画
像形成装置の概略断面図である。

【符号の説明】

１ マイクロカプセル ２ 液状成分 ３ 外郭部 ４ フィルム ６ 担持ローラ ７ コロトロン ８ 露光装置 ９ 供給ローラ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 マイクロカプセルを担持する担持手段
   と、前記担持手段にマイクロカプセルを供給する供給手
   段と、マイクロカプセルが塗布される支持体を搬送する
   搬送手段とを有するマイクロカプセル塗布装置におい
   て、 前記担持手段の、少なくともマイクロカプセルと接触す
   る面を導電層で形成すると共に、前記マイクロカプセル
   の表面を光導電特性を有した材料で構成し、 さらに、前記光導電性を有したマイクロカプセルを一様
   に帯電させるための帯電手段と、帯電したマイクロカプ
   セルを露光し、静電潜像を形成する潜像形成手段とを有
   するマイクロカプセル塗布装置。