JPH0511389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はリーチフオークリフトのような産業
車両に設けられたデイスクブレーキ装置の改良に
関する。

（従来の技術） 従来リーチフオークリフトのように作業機が前
後方向にリーチする産業車両には、作業を容易に
するためブレーキペダルを踏圧すると解放され、
踏圧を解除すると制御されるデイスクブレーキが
装着されている。

上記デイスクブレーキは第４図ないし第６図に
示すように、制動すべきデイスクａを挟むように
一対のレバーｂが設けられていて、これらレバー
ｂのデイスクａと対向する面にパツドｃが設けら
れている。

また各レバーｂの開放端側にはパツドｃをデイ
スクａへ押付ける方向へ付勢する圧縮ばねｄが設
けられていると共に、各レバーｂの端部に螺合さ
れた調整ねじｅの間にカムｆが設けられている。

そして上記カムｆのカム軸ｇに設けられたレバ
ーｂとブレーキペダルｉの間が第４図に示すよう
にリンクｊにより接続されていて、上記ブレーキ
ペダルｉを踏圧するとカムｆが回転して各レバー
ｂの間を拡開し、デイスクａを解放すると共に、
ブレーキペダルｉを離すと圧縮ばねｄの作用でパ
ツドｃかデイスクａに圧接されてデイスクａが制
動されるようになつている。

（考案が解決しようとする課題） しかし上記従来のデイスクブレーキ装置では、
長期間使用している間にパツドｃが摩耗すると、
調整ねじｅの先端とカムｆの間に設けられていた
隙間ｋがなくなつて調整ねじｅの先端がカムｆに
当接し、パツドｃがデイスクａに圧接できなくな
るため制動力が低下する。

このため従来ではパツドｃが摩耗する毎に調整
ねじｅを回転して、調整ねじｅとカムｆの間に常
に一定の隙間ｋが保持されるように調整しなけれ
ばならず、調整作業が面倒であるなどの不具合が
あつた。

この考案は上記不具合を改善する目的でなされ
たもで、パツドの摩耗に応じて調整ボルトとカム
の間の隙間が自動調整されるようにした産業車両
のデイスクブレーキ装置を提供しようとするもの
である。

（課題を解決するための手段及び作用） この考案は上記目的を達成するために、一端側
がピンにより互いに枢着され、他端側が圧縮ばね
により閉合方向に付勢された一対のレバーの間に
駆動系に接続されたデイスクを設け、かつ上記各
レバーのデイスクと対向する面にパツドを設ける
と共に、上記レバーの他端部に調整ねじを設け、
これら調整ねじ間に、ブレーキペダルにより回転
されるカムを隙間を介して設けた産業車両のデイ
スクブレーキ装置において、上記レバーの他端側
に各レバーの先端がカム面と接するように調整カ
ムを回転自在に設けて、上記レバーを付勢する圧
縮ばねの押付け力で上記調整カムが回転するよう
にすると共に、上記調整カムに設けたギヤと調整
ねじに設けたギヤを噛合させたことにより、パツ
ドが摩耗するのにともない上記調整カムにより調
整ねじを回転して、調整ねじとカムの間の隙間が
常に一定に調整できるようにした産業車両のデイ
スクブレーキ装置を提供するものである。

（実施例） この考案の一実施例を第１図ないし第３図に示
す図面を参照して詳述すると、図において１は制
動すべきデイスクで図示しない駆動系に取付けら
れている。２に一端側がピン３により枢着された
一対のレバーで上記デイスク１を挟むように設け
られていると共に、デイスク１と対向する面にパ
ツド４が取付けられている。

また各レバー２の開放端側にはばね杆５が貫通
されていて、このばね杆５の上端はナツト５ａを
介して一方のレバー２に係止されている。

ばね杆５の下端側にはばね受け５ｂが設けられ
ていて、このばね受け５ｂと他方のレバー２に当
接されたばね座５ｃの間に圧縮ばね６が介在さ
れ、この圧縮ばね６により各レバー２に設けられ
たパツド４がデイスク１へ圧接される方向に付勢
されている。

一方上記各レバー２の開放端側には調整ねじ７
がそれぞれ螺挿されていて、これら調整ねじ７の
先端間に隙間８を介してカム９が設けられてい
る。

上記カム９はカム軸９ａに設けられたレバー
（図示せず）を介して従来と同様なブレーキペダ
ルｉに接続され、ブレーキペダルｉを踏圧する
と、カム９により各レバー２の間が拡開されてデ
イスク１が解放され、ブレーキペダルｉを離すと
圧縮ばね６の作用で各レバー２のパツド４がデイ
スク１へ圧接されて、デイスク１が制動されるよ
うになつている。

そして上記各レバー２の開放端部に上記調整ね
じ７とカム９の隙間８を自動調整する自動調整機
構１０が設けられている。

上記自動調整機構１０は各レバー２毎に調整カ
ム１１を有していて、これら調整カム１１のカム
面１１ａに上記レバー２の開放端が設けられたロ
ーラ１２が当接されている。

上記各調整カム１１はほぼＵ字形をなす支持部
材１３に軸受け１４を介して回転自在に支承され
ていると共に、調整カム１１に形成されたカム面
１１ａは調整カム１１が１回転したときの段差が
例えば３mmとなる傾斜面となつていて、調整カム
１１の回転に伴い各レバー２を拡開調整できるよ
うになつている。また各調整カム１１にはギヤ１
１ｂが設けられていて、これらギヤ１１ｂに調整
ねじ７の頭部に設けられたギヤ７ａが噛合されて
いる。

なお図中１５は板ばねよりなるラチエツト爪
で、ギヤ７ａが一方向へのみ回転するように係止
している。

次に作用を説明すると、ブレーキペダルｉを踏
圧するとデイスク１の制動が解除され、離すとデ
イスク１が制動されるのは従来のデイスクブレー
キと同様であるが、使用している間にパツド４が
摩耗すると、圧縮ばね６の作用で各レバー２が矢
印イ方向に押されるため調整カム１１のカム面１
１ａに当接されているローラ１２の面圧が上昇
し、これによつて調整カム１１が回転される。

調整カム１１の回転によりギヤ１１ｂ，７ａを
介して調整ねじ７がカム９と離間する方向へ回転
されるため、パツド４が摩耗しても調整ねじ７と
カム９の隙間８は一定に保持される。

ちなみに調整カム１１のカム面１１ａの段差を
３mm、調整ねじ７のねじピツチを1.5とすると、
ギヤ１１ｂとギヤ７ａの歯数比は約２：１にとれ
ばよく、これによつてパツド４の最大摩耗代は３
×l₁／ｌ＋Jl₁／l₂に設定できる。なおＪは隙間８
の間隙である。

（考案の効果） この考案は以上詳述したように、使用している
間にパツドが摩耗しても自動調整機構により調整
ねじとカムの間の隙間が常に一定になるように自
動調整されることから、制動力が低下することが
ないと共に、従来のようにパツドが摩耗する毎に
調整ねじを回転して隙間調整する必要もないので
整備性が大幅に向上する。

また圧縮ばねの押圧力を利用して調整カムを回
転し、調整ねじを調整する簡単な構成のため、容
易かつ安価に実施することが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は平面図、第２図は側面図、第３図は第２図
方向からの矢視図、第４図ないし第６図は従来の
説明図である。 １……デイスク、２……レバー、３……ピン、
４……パツド、６……圧縮ばね、７……調整ね
じ、７ａ……ギヤ、８……隙間、９……カム、１
１……調整カム、１１ａ……カム面、１１ｂ……
ギヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端側がピン３により互いに枢着され、他端側
   が圧縮ばね６により閉合方向に付勢された一対の
   レバー２の間に、駆動系に接続されたデイスク１
   を設け、かつ上記各レバー２のデイスクと対向す
   る面にパツド４を設けると共に、上記レバー２の
   他端部に調整ねじ７を設け、これら調整ねじ７間
   に、ブレーキペダルｉにより回転されるカム９を
   隙間８を介して設けた産業車両のデイスクブレー
   キ装置において、上記レバー２の他端側に、各レ
   バー２の先端がカム面１１ａと接するように調整
   カム１１を回転自在に設けて、上記レバー２を付
   勢する圧縮ばね６の押付け力で上記調整カム１１
   が回転するようにすると共に、上記調整カム１１
   に設けたギヤ１１ｂと、調整ネジ７に設けたギヤ
   ７ａを噛合させてなる、産業車両のデイスクブレ
   ーキ装置。