JPH05113119A - ２次空気供給装置付汎用内燃機関 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浄化効率が良好でコンパクトな２次空気供給
装置付汎用内燃機関を供する点にある。 【構成】 汎用内燃機関１は、排気脈動を利用し、大気
から空気清浄器10、ジョイントチューブ42およびリード
バルブを介して２次空気を排気ポートに供給する２次空
気供給装置43を備えており、排気ポートと排気ガス浄化
機能を有する消音器６とは、排気パイプ７で接続され、
排気パイプ７よりも長いテールパイプ21の上流端は消音
器６に接続され、かつテールパイプ21は冷却風通路23の
下流側に配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排気脈動を利用して２
次空気を排気系に供給する２次空気供給装置と、該２次
空気供給装置により供給された２次空気を排気ガスと反
応させる排気ガス浄化機能を有する消音器とを備えた汎
用内燃機関に関するものである。

【０００２】

【従来技術および解決しようとする課題】環境保全の面
から自動車に搭載されている内燃機関のみならず、小型
の汎用内燃機関迄も、その内燃機関から排出される排気
ガス中のＨＣ，ＣＯ，ＮＯx 等の有害ガスを除去する要
請が高まってきている。

【０００３】これら有害ガスを除去するために、消音器
に排気ガス浄化機能を具備させた汎用内燃機関では、こ
の消音器を排気ポートにできるだけ接近させ、排気ガス
に２次空気を混合させた混合ガスの温度が低下しない内
に、この混合ガスに酸化還元反応を起させる必要があ
る。

【０００４】また排気脈動を利用して２次空気を排気系
に供給する２次空気供給装置において、排気脈動作用を
有効に働かせて２次空気の供給効率を向上させるには、
汎用内燃機関のように回転数が低いものでは、排気口か
ら大気開口迄の排気通路長が長い方がよい。

【０００５】しかるに、汎用内燃機関では、利用分野が
多岐に亘り色々な設置個所に運搬する必要上、この汎用
内燃機関を軽量、小型にまとめなければならないが、前
記した要求に適合した小型、軽量の汎用内燃機関を得る
ことが困難であった。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用効果】本発明
は、このような難点を克服した２次空気供給装置付汎用
内燃機関の改良に係り、排気脈動を利用しリードバルブ
を介して大気から２次空気を排気系に供給する２次空気
供給装置を備えた汎用内燃機関において、排気ポートか
ら排気ガス浄化機能を有する消音器に接続する排気パイ
プを短かくし、該排気パイプの長さよりも、該消音器か
ら大気に開口するテールパイプの長さを長く設定し、該
テールパイプを内燃機関の冷却風通路下流側に配置した
ことを特徴とするものである。

【０００７】本発明では、前記したように排気脈動を利
用しリードバルブを介して大気から２次空気を排気系に
供給する２次空気供給装置を備えた汎用内燃機関におい
て、排気ポートから排気ガス浄化機能を有する消音器に
接続する排気パイプを短くしたため、前記２次空気供給
装置から供給された２次空気と排気ガスとの混合ガスの
温度が低下しない内に、該混合ガスを前記消音器に流入
させて、該消音器内で確実に酸化還元反応を起させるこ
とができ、ＨＣ，ＣＯ，ＮＯx の有害ガスを充分に除去
することができる。

【０００８】また本発明においては、前記消音器から大
気に開口するテールパイプの長さを前記排気パイプの長
さよりも長く設定したため、排気口から大気開口迄の排
気通路長さを長くすることができ、排気脈動作用を有効
に働かせて２次空気の供給効率を増大させ、排気ガス浄
化率を充分に向上させることができる。

【０００９】さらに本発明では、前記テールパイプを内
燃機関の冷却風通路下流側に配置したため、排気ガス浄
化機能を有する消音器内で、２次空気と排気ガスとの混
合ガスが酸化反応を起し、この反応ガスの温度上昇によ
り、前記テールパイプが高温に加熱されても、前記内燃
機関を冷却した後の冷却風で、該テールパイプを冷却す
ることができ、該テールパイプの損傷を避けることがで
きるとともに、該テールパイプ付近の内燃機関の補機の
加熱も未然に防止することができる。

【００１０】さらにまた本発明の適用対象となる内燃機
関は、所定の定格回転数で運転される汎用内燃機関であ
るため、該定格回転数において、最も脈動効果を引出す
ことができる排気通路長に適合するように、テールパイ
プの長さを適宜選定することにより、排気ポートから排
気パイプ、消音器およびテールパイプを介して該テール
パイプの開口端迄の排気通路長を適正に設定することが
でき、頗る高い脈動効果を発揮させて、２次空気を充分
に排気ガス中に供給することができる。

【００１１】しかも本発明では、テールパイプを、汎用
内燃機関の最外側部を通る直方体空間内の空隙部にはわ
せることができるので、汎用内燃機関をコンパクトにま
とめることができる。

【００１２】

【実 施 例】以下、図面に図示された本発明の一実施
例について説明する。汎用内燃機関１では、シリンダ２
が斜上方に傾斜し、クランクシャフト３を枢支している
クランクケース４の上方に燃料タンク５が配置されてい
る。

【００１３】またシリンダ２の上方に消音器６が配設さ
れ、シリンダ２の手前側側方から上方へ起立する短い排
気パイプ７でもって消音器６は汎用内燃機関１の排気ポ
ート27に接続されている。

【００１４】さらにシリンダ２を挟んで排気パイプ７と
反対側のシリンダ２の奥側側方に気化器９が配設され、
その上方に空気清浄器10が配置されている。

【００１５】本実施例における消音器６は、排気ガス中
に残留しているＨＣ，ＣＯ等の未燃焼ガス分を酸化させ
ることができるサーマルリアクターであって、その消音
器上部ケーシング11と消音器下部ケーシング12とは、薄
鋼板製であり、中央部をそれぞれ上方および下方に膨出
させた薄鋼板製の上部仕切板13および下部仕切板14は背
中合せに重合せて最中状に形成され、該最中状の第１チ
ャンバー15が消音器６内の空間の略中央部に位置するよ
うに、上部仕切板13および下部仕切板14の端縁部が消音
器上部ケーシング11および消音器上部ケーシング11の端
縁部で挟まれ、消音器上部ケーシング11の端縁部が下方
へＵ字状に弯曲されて、カシメ付けされることによっ
て、消音器６が構成されている。

【００１６】また上部仕切板13の中央膨出部に連通孔16
が開口されるとともに、上部仕切板13および下部仕切板
14の中央膨出部と端縁部との中間部分にも連通孔17、18
が開口され、消音器６において、消音器上部ケーシング
11と上部仕切板13とで第２チャンバー19が画成されると
ともに、消音器下部ケーシング12と下部仕切板14とで第
３チャンバー20が画成され、排気パイプ７は消音器下部
ケーシング12および下部仕切板14を貫通して、排気ポー
ト27は排気パイプ７を介して第１チャンバー15と連通さ
れている。

【００１７】さらに下部仕切板14を貫通してその上端が
第３チャンバー20に開口しているテールパイプ21では、
排気パイプ７よりも長く、しかも排気ポート８から排気
パイプ７、消音器６およびテールパイプ21を介して大気
に開口する迄の排気通路長が、汎用内燃機関１の定格回
転数にて、最も脈動効果を引出すことのできる長さに適
合するように、テールパイプ21の長さが設定されてい
る。

【００１８】さらにまた汎用内燃機関１の冷却ファンシ
ュラウド22内には、汎用内燃機関１のクランクシャフト
３と一体に回転する冷却ファン８が設けられ、該冷却フ
ァン８によって発生した冷却風の一部は気化器９とシリ
ンダ２とに当って、気化器９とシリンダ２は冷却される
とともに、前記冷却風の残部は後記リードバルブ36を冷
却する冷却風通路23ａ，23ｂ（図２でハッチを入れた部
分）を通過した後、冷却風通路23ａ，23ｂの開口部から
テールパイプ21に当り、テールパイプ21はその冷却風で
冷却されるようになっている。

【００１９】またシリンダ２の頂部のシリンダヘッド24
には、燃焼室25とこれに連通する吸気ポート26と排気ポ
ート27とが形成され、燃焼室25に対して吸気ポート26お
よび排気ポート27を開閉自在に開閉する吸気弁28および
排気弁29がシリンダヘッド24に嵌装されており、該吸気
弁28および排気弁29は通常の動弁機構によってクランク
シャフト３が２回転する毎にそれぞれ１回開弁されるよ
うになっている。

【００２０】さらにシリンダヘッド24の下側部には、図
４および図５に図示されるように外側方に上方膨出部30
および下部膨出部31が突設され、該上方膨出部30および
下部膨出部31に仕切壁32が架設され、シリンダヘッド24
の下側面と該上方膨出部30と下部膨出部31と仕切壁32と
で前記冷却風通路23ａが形成されている。

【００２１】さらにまた仕切壁32の外側面に凹部33が形
成され、仕切壁32およびシリンダ２を貫通して、排気ポ
ート27と凹部33とを連通する２次空気パイプ34が嵌着さ
れ、凹部33にはゴム製のシール材35を介してリードバル
ブ36が嵌合され、その外側開口部は冷却風導入板37で密
閉されて、ボルト38でもって冷却風導入板37はシリンダ
２に固定され、凹部33と冷却風導入板37とでリードバル
ブ室39が形成されるとともに、シリンダヘッド24と冷却
風導入板37とで冷却風通路23ｂが形成されている。

【００２２】しかも冷却風導入板37には膨出部40が形成
され、この膨出部40よりチューブ受管41が突設され、チ
ューブ受管41にジョイントチューブ42の下端が嵌着さ
れ、ジョイントチューブ42の上端は空気清浄器10に接続
され、これら２次空気パイプ34、リードバルブ36、リー
ドバルブ室39およびチューブ受管41でもって２次空気供
給装置43が構成されている。

【００２３】図示の実施例は前記したように構成されて
いるので、汎用内燃機関１が運転した状態では、排気弁
29の開閉に伴なう排気ガスの脈動により大気圧以下の負
圧が間欠的に発生し、この負圧によりリードバルブ36が
開放され、空気清浄器10よりジョイントチューブ42およ
び２次空気パイプ34を介して排気ポート27に２次空気が
供給されて、排気ガスと混合された後、排気パイプ７を
介して消音器６内の第１チャンバー15内に流入し、酸化
反応を起して、排気ガスが浄化される。

【００２４】この場合に、排気ポート27、排気パイプ
７、消音器６およびテールパイプ21の排気通路の長さ
が、汎用内燃機関１の定格回転数にて、最も脈動効果を
引出すことのできる長さに設定されているため、２次空
気の供給量が大きく、しかも２次空気パイプ34内を通過
する間にシリンダ２の熱によって高温に加熱されるた
め、排気ガス浄化効率が高い。

【００２５】また冷却風の一部が冷却風通路23を通過し
てリードバルブ36のシール材35を冷却した後、テールパ
イプ21に当るため、排気ガス中の未燃焼ガス分の酸化反
応でテールパイプ21が、高温に加熱されていても、冷却
され、テールパイプ21およびその付近の補機等の損傷を
未然に防止することができる。

【００２６】前記実施例では、消音器６はサーマルリア
クターであったが、上部仕切板13および下部仕切板14に
触媒を担持させることにより、排気ガスに酸化、還元反
応を起させるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る２次空気供給装置付汎用内燃機関
の一実施例を図示した正面図である。

【図２】その側面図である。

【図３】その平面図である。

【図４】図１の要部拡大縦断正面図である。

【図５】図２の要部拡大欠截側面図である。

【図６】前記実施例にかける消音器の縦断正面図であ
る。

【図面の説明図】

１…汎用内燃機関、２…シリンダ、３…クランクシャフ
ト、４…クランクケース、５…燃料タンク、６…消音
器、７…排気パイプ、８…冷却ファン、９…気化器、10
…空気清浄器、11…消音器上部ケーシング、12…消音器
下部ケーシング、13…上部仕切板、14…下部仕切板、15
…第１チャンバー、16，17，18…連通孔、19…第２チャ
ンバー、20…第３チャンバー、21…テールパイプ、22…
冷却ファンシュラウド、23…冷却風通路、24…シリンダ
ヘッド、25…燃焼室、26…吸気ポート、27…排気ポー
ト、28…吸気弁、29…排気弁、30…上方膨出部、31…下
部膨出部、32…仕切壁、33…凹部、34…２次空気パイ
プ、35…シール材、36…リードバルブ、37…冷却風導入
板、38…ボルト、39…リードバルブ室、40…膨出部、41
…チューブ受管、42…ジョイントチューブ、43…２次空
気供給装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気脈動を利用しリードバルブを介して
   大気から２次空気を排気系に供給する２次空気供給装置
   を備えた汎用内燃機関において、排気ポートから排気ガ
   ス浄化機能を有する消音器に接続する排気パイプを短か
   くし、該排気パイプの長さよりも、該消音器から大気に
   開口するテールパイプの長さを長く設定し、該テールパ
   イプを内燃機関の冷却風通路下流側に配置したことを特
   徴とする２次空気供給装置付汎用内燃機関。