JPH05112537A - 殺菌性トリアゾールビス(トリフエニルボラン)およびその誘導体 - Google Patents

殺菌性トリアゾールビス(トリフエニルボラン)およびその誘導体

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JPH05112537A
JPH05112537A JP3045045A JP4504591A JPH05112537A JP H05112537 A JPH05112537 A JP H05112537A JP 3045045 A JP3045045 A JP 3045045A JP 4504591 A JP4504591 A JP 4504591A JP H05112537 A JPH05112537 A JP H05112537A
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Tsze H Tsang
エツチ.ツアング ツゼ
Jon L Strutzel
エル.ストルツツエル ジヨン
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    • A01N55/08Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, containing organic compounds containing elements other than carbon, hydrogen, halogen, oxygen, nitrogen and sulfur containing boron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • C07F5/027Organoboranes and organoborohydrides

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 この発明は、農業用殺菌剤として特に有用な
式Iの化合物を提供する。 【構成】 一般式(I)を有する有機トリアゾール化合
物、その製造方法ならびに式(I)の化合物を菌の生息
環境に施用する菌の防除方法、式(I)の化合物を含有
する殺菌剤。 (式中、R、R1 およびR2 は1また2個のF、Cl、
Br、CF3からなる置換基を有するフェニル基ならび
にフェニル基からえらばれる) 【効果】 式(I)の化合物はベト病、斑点病、立枯れ
病、ボトリチス病等の農作物の植物体に発生する病気な
らびに貯蔵病害の予防に効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ある種のトリアゾー
ルビスボラン錯体およびその誘導体に関する。さらにこ
の発明は、殺菌剤、特に農業用殺菌剤としてのかかる錯
体の使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】4種の病原菌が原因で、植物に発生する
病気により、毎年収穫量の大幅な減少および作物への大
きな障害が発生している。その4種とはすなわち、子嚢
菌類(Ascomycetes)(各種葉斑病、胴枯れ
病、土壌病害および収穫後の病気((貯蔵病害)の原
因)、不完全菌類(Deuteromycetes)
(これも、各種の葉斑病、胴枯れ病、土壌病害および収
穫後の病気の原因)、担子菌類(Basidomyce
tes)(銹病、黒穂病、麦類の黒穂病および土壌病害
の原因)、および藻菌類(ベト病、葉枯病および土壌病
害の原因)である。
【0003】レプトスフェリア属(Leptospha
eria)、マイコスフェリラ属(Mycosphae
rella)、アルテルナリア属(Alternari
a)およびヘルミンソスポリウム属(Helminth
osporium)の種によって誘発されるような葉斑
病および胴枯れ病は、トウモロコシ、コムギ、バナナお
よびナス科植物といった多数の作物に障害を与え、それ
らの病気を予防するのは難しい。
【0004】ボトリチス属(Botrytis)のさま
ざまな種によって、多くの野菜、鑑賞用植物および匍匐
性植物に多大の損失を生じさせる病気が発生する。ベン
ズイミダゾール類およびジカルボキシミド類といった現
在の殺菌剤は、病原菌に耐性が生じるため、これらの病
気を充分に防除することができない。
【0005】例えば、フィトフトラ属(Phytoph
thora)およびプラスモパーラ属(Plasmop
ara)によってひきおこされる斑点病およびベト病と
いった植物の病気は、ブドウおよびナス科作物(例え
ば、ジャガイモ、トマト)に対して極めて壊滅的であ
る。これらの病気も、用いられる主要な浸透性殺菌剤へ
の耐性のため、防除することが難しい。
【0006】従って、植物の病気の予防に有効で、特に
斑点病、ベト病およびボトリチス由来の病気の場合に
は、病原体の交差耐性に関係なく、また植物に重度の障
害を与えない(すなわち、比較的薬害のない)新たな殺
菌剤の開発が望まれている。
【0007】米国特許第3,062,708号には一般
に、ある種のルイス塩基とトリフェニルボランのアミン
錯体が抗菌活性を有することが開示されている。この特
許によれば、イミダゾール、ピリジン、およびその他の
多くのルイス塩基とトリフェニルボラン錯体がインビト
ロでの活性を示し、またトマトの夏枯れ病、マメの銹
病、斑点病および種子の腐敗病(Pythium ul
timum)に対しては、ピペリジン、ピリジンおよび
4−エチルピリジンとの錯体を含むある種のトリフェニ
ルボランアミンがインビボでの活性を示す。
【0008】米国特許第3,211,679号には、ピ
リジンまたは種々の置換ピリジンとのトリフェニルボラ
ンアミン錯体は防食ペイント用毒物として有用であり、
それらのペイントは木製構造に付着する海洋穿孔類に対
する残留毒性に大きく関与することが開示されている。
【0009】米国特許第3,268,201号は、トリ
フェニルボラン−ピペラジン、トリフェニル−ピペラジ
ン、トリフェニル−ピリジン、トリフェニル−イミダゾ
ールなど、ルイス塩基とトリフェニルボランとの錯体
が、土壌病害から種子を保護するための種子粉衣剤とし
て使用されることを開示する。
【0010】米国特許第3,686,398号は、ある
種の10,9−ボロキサロフェナンスレンは菌の防除に
有用であり、マメの銹病およびセロリの斑点病を予防す
ることを開示する。
【0011】米国特許第3,696,103号は、ある
種のジ(置換および非置換フェニル)アザボロリジン類
は、殺菌、殺虫、殺ダニおよび除草活性を呈することを
開示する。殺菌活性は多岐にわたることが記載されてお
り、マメの炭疸病(Collectrotrichum
lindemythianum)、トマトのベト病
(斑点病)(Phytophthora infest
ans)、タバコのベト病(青かび)(Peronos
pora tabaci)、キュウリのベト病(Ery
siphe cichoracearum)およびコム
ギの銹病(Puccinia glumarum)に対
して、水溶液100リッターあたり活性物質10ないし
200gで有効であることが記載されている。
【0012】米国特許第4,613,373号には、複
素環式アミンと錯体を形成したある種のテトラ(置換お
よび非置換フェニル)ボランは、工業用にさまざまな応
用面をもち、防食剤、防腐剤および殺菌剤として有用で
あること及びある種の菌に対する特許化合物のうち数種
のもののインビトロでの阻害活性が、該特許明細書の第
4表に示されている。
【0013】ダーウェント(Derwent)のアブス
トラクトによれば、日本国特許出願公開第62−277
307号には、殺虫剤、殺ダニ剤および殺線虫剤として
有用なアミン類および窒素含有複素環とトリ(置換フェ
ニル)ボランとの錯体について記載されている。ダーウ
ェントのアブストラクト5188957によれば、19
89年3月3日に公開された日本国特許出願公開第平−
1−056684号は、農業用および工業用殺菌剤とし
て有用なある種のテトラフェニルホウ素−オニウム錯体
を開示する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ある種の
植物の病原菌に対して殺菌活性を有し、多数の作物に対
して薬害がないか、許容レベルの薬害しか示さない化合
物を提供する。本願の化合物の中には、セプトリア(S
eptoria)によって誘発される広範囲スペクトル
のボトリチス病、ベト病、胴枯れ病および葉斑(lea
f spots)ならびに葉枯病(leaf blig
ht)に対して予防的または治療的活性を示し、かつそ
の他の殺菌剤に対する病原菌の交差耐性による影響は受
けないものもある。本願化合物の中には、本来は予防的
殺菌剤として有効であるが、ある種の病気に対しては根
絶剤としての効果を有するものもある。
【0015】この発明は、下式Iを有するトリアゾール
ビス(有機ボラン)錯体を提供する。
【化5】 式中、R、R1 およびR2 はそれぞれ別個に、フッ素、
塩素、臭素およびトリフルオロメチルからなる群より選
ばれる1または2個の置換基を有する置換型フェニル
基、ならびにフェニル基からなる群よりそれぞれ別個に
選ばれる。
【0016】さらにこの発明は、担体および殺菌に有効
な量のこの発明の化合物またはその混合物からなる殺菌
用組成物を提供する。
【0017】この発明はまた、菌に対する予防または制
御法を提供するが、それは、菌の発育を抑制もしくは阻
害または停止させるのに有効な量の式Iの化合物または
その混合物を、そのような菌またはその生息環境に処理
するものである。
【0018】さらにこの発明は、病気の原因となる病原
菌の発育を抑制する有効量の式Iの化合物またはその混
合物を植物に処理することからなる、植物の病気を予防
または制御する方法を提供する。
【0019】この発明はまた、化学的中間体および式I
の化合物の製造方法を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】以下にこの発明に関する
詳細を述べる。
【0021】以下に述べる実施例1〜3を参照すること
により、式Iで表わされる代表的な化合物については理
解されよう。
【0022】殺菌効果および活性スペクトル、および/
または化合物製造の容易さの点では、R、R1 、および
2 が、それぞれ別個にフッ素および塩素からなる群よ
り選ばれる単一置換基を有する置換型フェニル基、また
はフェニル基である化合物が好ましい。
【0023】抗菌活性の程度もしくは抗菌活性スペクト
ル、および/または作物への安全性の面から、R、R1
およびR2 がそれぞれ別個にフェニルまたはフルオロフ
ェニル、特には4−フルオロフェニル基である化合物が
好ましい。
【0024】化合物、1,2,4−トリアゾール−ビス
(トリフェニルボラン)および1,2,4−トリアゾー
ル−ビス〔トリ(4−フルオロフェニル)ボラン〕は、
特に優れた予防的殺菌活性を示す。
【0025】製造の容易さでは、R、R1 およびR2
同一である化合物が好ましい。例えば、下式(IA)。
【化6】 式中、R3 は上でRについて規定したとおりである。
【0026】定義 特記しない限り、ここで用いられる以下の用語は、次の
ような意味を持つ。「アルキル」とは、直鎖および分枝
の両アルキル基を示す。「低級アルキル」とは、全炭素
数1ないし6(1ないし4が好ましい)のアルキル基を
示し、1級、2級および3級アルキル基などが挙げられ
る。一般的な低級アルキルには、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブ
チル、ペンチル、ヘキシルなどがある。
【0027】「低級アルコキシ」とは、R′が低級アル
キルである−OR′基を示す。
【0028】「ハロ」とは、一般には、フッ素、塩素、
臭素およびヨウ素を示し、特には、フッ素、塩素および
臭素を示す。
【0029】「アラルキル」とは、以下の基を示すが、
以下の基
【化7】 式中、R′は、炭素数1ないし4の低級アルキル、好ま
しくはメチルまたはエチル基である。
【0030】「低級ハロアルキル」とは、炭素数1ない
し4の化合物であって、フッ素、塩素、臭素からなる群
よりそれぞれ別個に選ばれるハロ原子数1ないし3のハ
ロアルキル化合物を示す。低級ハロアルキル基は、炭素
数1ないし2のものが好ましい。
【0031】「1,2,4−トリアゾールビス(トリフ
ェニルボラン)」とは、以下の化合物をいう。
【化8】
【0032】「室温」または「周囲温度」とは、約20
〜25℃を指す。
【0033】合成 式Iの化合物は、適当な置換または非置換フェニルグリ
ニャール試薬を三フッ化ホウ素エーテラートと反応さ
せ、得られたホウ素中間体を1,2,4−トリアゾール
と反応させることによって、適宜製造することができ
る。すなわち、一般に式Iで示される所定の化合物がそ
のままの状態(in situ)で得られる。
【化9】 式中、Rは上記のとおりであつて、R4 は低級アルキル
基、好ましくはエチル基である。
【0034】この方法の第一段階は、グリニャール反応
であって、一般にグリニャール試薬Aを三フッ化ホウ素
エーテラートBと反応条件下で接触させることによって
行うが、不活性有機溶媒中で実質上無水条件下にて行う
のが好ましい。一般には、この段階は、約15℃ないし
80℃(20℃ないし35℃が好ましい)の温度範囲
で、約2ないし24時間(約2ないし4時間が好まし
い)、化合物B1モルあたり約3ないし9モル(3ない
し6モルが好ましい)のグリニャール試薬Aを用いて行
う。
【0035】有機溶媒として適当なものには、例えば、
テトラヒドロフラン、アルキルエーテル(例えば、エチ
ルエーテル)、ヘキサンなど、およびそれらに適合する
混合物がある。一般に、溶媒としてテトラヒドロフラ
ン、エチルエーテルまたはグライムを用いたときに、最
良の結果が得られる。
【0036】フェニル基が異なるか置換されたグリニャ
ール試薬混合物(すなわち、RMgBr+R1 MgBr
+R2 MgBr)を用いることによって、また場合によ
っては各段階で別のグリニャール試薬を用いて数段階で
反応させることによって、異なったフェニル置換基を有
する生成物を製造することができる。
【0037】第二段階は、中間体CをトリアゾールDと
様々な反応条件下(不活性な有機溶媒中が好ましい)で
接触させることによって行う。一般には、この反応は、
中間体Cを分離せずにそのままの状態で行う。
【0038】一般には、この反応段階は、化合物C1モ
ルあたり約0.4ないし1モル(約1/2モルが好まし
い)の化合物Dを用いて、約15ないし80℃(約20
ないし40℃が好ましい)の反応温度範囲で、約2ない
し24時間行う。
【0039】不活性有機溶媒として適当なものには、例
えば、既にグリニャール反応で使用した溶媒がある。こ
の反応段階は一般にそのままの状態で生じるので、第一
段階で用いたものと同一の溶媒がこの段階でも通常用い
られるであろう。
【0040】式Aの出発物質はグリニャール試薬であ
り、例えば、「P.E.パーソン、D.コウワン、J.
D.ベッカー、J.Org.Chem.,24,504
(1959)」などに記載された常法で製造することが
でき、式Dのトリアゾール出発物質は、もちろん既知の
化合物であって、「有機合成」第5巻、1070〜10
74ページ、1973年(John Willey &
Sons,Inc.)に記載されているような既知の
方法で製造することができる。
【0041】フェニル生成物の混合物(すなわち、R、
1 および/またはR2 が同一のときも異なるときもあ
る)を製造する場合には、混合物からある化合物を分離
することによる損失を避けるため、一般に混合物として
の生成物を用いるのが好ましい。R、R1 、および/ま
たはR2 基がそれぞれ異なる化合物が必要な場合には、
以下に示すような合成方法を用いるのが好ましい。
【0042】式Iの化合物は、以下に図式する方法によ
っても調製することができる。
【化10】 式中、R、R1 およびR2 は上記のとおりであり、R5
およびR6 はそれぞれ別個に水素または低級アルキル基
(水素またはメチル基が好ましい)であって、Zは、塩
素、臭素またはヨウ素である。
【0043】この方法の第一段階はグリニャール反応で
あって、一般には化合物Bをグリニャール試薬Aと反応
条件下にて接触させることによって行われるが、不活性
有機溶媒中で実質的に無水条件下にて行うのが好まし
い。一般にはこの段階は、約15℃ないし80℃(20
℃ないし35℃が好ましい)の温度範囲にて、約2ない
し24時間(2ないし4時間が好ましい)、化合物B′
1モルあたり1ないし3.5モル(1ないし3モルが好
ましい)のグリニャール試薬を用いて行う。
【0044】有機溶媒として適当なものは、例えば、テ
トラヒドロフラン、アルキルエーテル(例えば、エチル
エーテル)、ヘキサンなど、およびそれらの混合可能な
混合物である。最良結果は一般に、溶媒としてテトラヒ
ドロフラン、エチルエーテルまたはグライムを用いたと
きに得られる。
【0045】第二段階は、中間体C′を適当な置換型ま
たは非置換型トリアゾールD′と反応条件下(不活性有
機溶媒中が好ましい)で接触させることによって行うこ
とができる。第二段階は、中間体IIを分離せずそのま
まの状態で適宜行うことができる。
【0046】一般にこの段階は、約20℃ないし35℃
(20℃ないし25℃が好ましい)の温度範囲にて、約
2ないし24時間(10ないし24時間が好ましい)、
トリアゾールD1モルあたり約1ないし2.5モル(約
2モルが好ましい)の化合物C′を用いて行う。一般に
は、トリアゾールD1モルあたり約1ないし3モルの塩
基が用いられる。
【0047】不活性有機溶媒として適当なものは、例え
ば、第一段階で列挙した溶媒およびそれらの混合物であ
る。第二段階はそのままの状態で行うことが最も都合よ
く、一般に第二段階でも第一段階と同一の溶媒が用いら
れる。
【0048】出発物質B′の製造については、例えば、
「Y.ラシールおよびH.K.ツィンマーマン、An
n.649,111(1961)」または「R.L.レ
スチンガーおよびI.スクーグ、J.Am.Chem.
Soc.77,2491(1955)」に記載されてお
り、またR1 およびR2がフェニル基で、R5 およびR
6 が水素の場合は、市販品がある。式(B′)の出発物
質は、以下の製造例Aに示すP.デニセビッチ法によっ
て、対応する任意置換型トリフェニルボランの水酸化ア
ルカリ金属付加物を加水分解および酸化することによっ
ても製造することができる。R1 およびR2 が異なる場
合には、「D.ギラウドら、CompteRendus
Hebdomadaires des Sceanc
es de1′Academie des Scien
ces、319頁、254巻、1962年」に記載され
ている方法を、式Iの化合物のボラン中間体C′の製造
に用いることができる。
【0049】式Iの化合物も一般に、P.ケニーの方法
で、トリアゾールと(RR1 2 )ホウ素−アンモニア
錯体との交換反応を利用して適宜製造することができ
る。
【化11】 式中、R、R1 およびR2 は、上記のとおりである。
【0050】この方法に従って、化合物Eを化合物Dと
様々な反応条件下で接触させるが、不活性有機溶媒中で
実質的には無水条件下にて行うのが好ましい。
【0051】この方法は、約0℃から還流温度(約20
℃ないし25℃が好ましい)までの温度範囲で1ないし
72時間、化合物E1モルあたり約1ないし0.5モル
の化合物Dを用いて行うのが好ましい。不活性有機溶媒
として適当なものは、例えば、ハロゲン化アルカン類
(例えば、クロロホルム、塩化メチレン)、低級アルケ
ノール類(例えば、メタノール、エタノール)、アセト
ンなど、およびそれらの適合性混合物である。式Eの出
発物質は、例えば、「D.ギラウドら、(Compte
Rendus Hebdomadaires des
Sceances de l′Academie d
es Sciences、319頁、254巻、196
2年」またはその変法(例えば、適当な置換型反応体お
よび適当な溶媒の使用)に記載されている既知の方法に
よって製造することができる。化合物Eは、中間体C′
をアンモニアと反応させることによっても適宜製造する
ことができる。
【0052】式Iの非置換型フェニル化合物、すなわち
1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス(トリフェニ
ルボラン)は、トリフェニルボランと1,2,4−トリ
アゾールとの反応によっても製造することができる。こ
の反応は、不活性有機溶媒(例えば、塩化メチレン、ク
ロロホルムなどの液体ハロゲン化アルカン類)中で行う
のが好ましい。この反応は、一般には約20ないし40
℃(20ないし25℃が好ましい)の温度範囲にて約3
ないし10時間、トリアゾール1モルあたり約2ないし
3モルのトリフェニルボランを用いて行う。
【0053】一般的反応条件 上記の方法では、生成物はそれぞれの反応生成物混合体
から、例えば、抽出、トリチウム化および再結晶化とい
った適当な分離および精製のいかなる方法によっても回
収することができる。
【0054】適当な分離および精製法は、例えば、後述
の実施例中で説明する。
【0055】一般に、上記の諸反応は液層での反応とし
て生じるため、反応が還流によって生じる場合には、温
度の影響を受ける(沸点)ほどには圧力の影響を有意に
受けることはない。従って、これらの反応は一般に、約
300ないし3,000mmHgの圧力で行われ、ほぼ大
気圧または周囲圧で都合よく行われる。一般的または好
ましい方法での諸条件(例えば、反応温度、時間、反応
物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられているときに
は、特記しない限り、その他の方法の条件も使えること
が考慮されるべきである。最適な反応条件(例えば、温
度、反応時間、モル比、溶媒など)は、使用する特別な
試薬または有機溶媒にともなって変えることもできる
が、ルーチンで最適な方法に基づいて決めることができ
る。
【0056】用途 この発明の化合物は、ベト病、斑点病、葉斑、立枯れ
病、ボトリチス病および貯蔵病害など、植物の病気の予
防に効果的である。化合物の中にはこれ以上に広範な活
性スペクトルを呈するものもあり、特殊な真菌性の病気
に対して一層特異的に作用するものもある。ある化合物
に対して特殊な活性スペクトルは、以下の実施例5に述
べるようなルーチンの試験によって決定することができ
る。それらの化合物は一般に、予防性殺菌剤として根絶
性殺菌剤より効果的である。これらの化合物の多くは、
ある種のボトリチス病、ベト病、ナス科作物の疫病、お
よび/またはセプトリア(Septoria)菌による
斑点病の予防に特に効果的である。
【0057】これらの化合物は、対象となる植物に殺菌
剤としての有効量を用いる。予防性殺菌剤として用いる
場合には、これらの化合物は植物への感染の検出前には
予め定めた時期、検出後はただちに用いるのが好まし
い。殺菌剤としての至適有効量は、宿主、菌の型、気象
条件、およびこの発明の特別な化合物といった、いくつ
かの因子に当然左右されよう。しかし一般に、それらの
化合物は、予防的に用いる場合には1ヘクタールあたり
約0.2ないし2.5kgの割合で、また根絶的に用いる
場合には1ヘクタールあたり1ないし3kgの割合で用い
るのが好ましい。これらの化合物は、種子の処理にも用
いられることがある。一般にこれらの化合物は、種子処
理用に種子100kgあたり0.5ないし32gの割合で
用いられる。たいていの農薬の場合と同様に、この発明
の殺菌剤を一般に最大限には使用することはなく、通常
は活性な殺菌性化合物の分散を容易にする、従来の一般
的な生物学的には不活性な増量剤または担体と混合して
用いられる。そのため、剤形および処理方法によって殺
菌活性が影響されることがわかる。従って、この発明の
殺菌剤は、目的とする処理方法に応じて、粒剤、粉剤、
水和性液剤、乳化性濃縮物、溶液、またはその他の既知
製剤に製剤化して用いることができる。
【0058】水和剤は、水中またはその他の分散媒中で
容易に分散する、微細粉末状である。これらの組成物
は、通常約5%ないし80%の殺菌剤を含み、残りは、
分散剤、乳化剤および湿潤剤などからなる不活性物質で
ある。水和剤は、乾燥微粉状態または好ましくは水中懸
濁状態で、土壌に処理する。一般的な担体の例として、
フラー土、カオリン粘土、シリカ、その他の吸着性が高
く易湿潤性の無機希釈剤が挙げられる。一般的な湿潤
剤、分散剤または乳化剤の例として、以下のものが挙げ
られる。すなわち、アリルおよびアルキルアリールスル
ホネートならびにそれらのナトリウム塩;脂肪酸メチル
タウリン酸塩などのアルキルアミドスルホネート;アル
キルアリールポリエーテルアルコール、硫化高級アルコ
ール、およびポリビニルアルコール;ポリエチレン酸化
物、スルホン化動物性および植物性油;スルホン化石
油、多価アルコールの脂肪酸エステル、ならびに長鎖メ
ルカプタンとエチレンオキシドとの生成物およびエチレ
ンオキシド付加物。これら以外にも多数の有用な表面活
性剤が市販されている。表面活性剤の使用量は、一般に
殺菌剤組成物の1ないし15重量%である。
【0059】粉剤は、毒性物質の分散剤および担体とし
て働く、滑石、天然粘土、多孔質ケイ藻土、パイロフィ
ライト、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カ
ルシウムおよびマグネシウム、イオウ、石灰、小麦粉、
ならびにその他の有機および無機固体などの粉末固体と
活性な殺菌剤との流動性混合物である。これら粉末固体
の平均粒度は、50ミクロンにも満たない。ここで用い
られる一般的な微粉製剤は、75%のシリカと25%の
毒性物質とからなる。
【0060】有用な液状濃縮物には乳化性濃縮物がある
が、それらは水またはその他分散媒中で分散しやすい均
一な液体またはペースト状成分であって、全体が液体状
または固体状乳化剤と殺菌剤とからなることも、キシレ
ン、重芳香族ナフサ類、イソホロン、およびその他の非
揮発性有機溶媒などの液体状担体を含むこともある。使
用にあたって、これらの濃縮物は水またはその他の液体
状担体中に分散させて、処理領域に通常スプレーする。
【0061】殺菌剤を適用するのにその他の有用な製剤
の例には、アセトン、アルキル化ナフタレン、キシレ
ン、またはその他の有機溶媒といった、目的とする濃度
で完全に溶解する分散媒中に、活性殺菌剤を分散させた
単一溶液がある。殺菌剤は粗い粒子とに担持されている
粒剤の場合には、空中散布または被蓋作物への浸透に特
に有用である。加圧式スプレーも用いられ、その典型と
しては、低沸点の分散媒担体が揮発する結果、活性成分
が粉末状で分散している、フレオンのようなエアロゾー
ル剤がある。殺菌剤のこれら製剤化法および使用法はす
べて、技術的にはよく知られたものである。殺菌剤の重
量%は、組成物の使用法および剤型の特殊性によって変
えられるが、一般には重量比率で殺菌剤成分の0.05
%ないし95%の薬効成分を含み、組成物をそのまま使
用するのか使用前に希釈するのかによって決まる。それ
らの化合物は、約0.1ないし5kg/ヘクタールの割合
(0.2ないし3kg/ヘクタールが好ましい)で使用す
るのが一般的であり、また葉面散布にも使用する。
【0062】殺菌剤組成物は、湿潤剤、乳化剤、補助
剤、安定剤など、および他の殺菌剤、殺虫剤、殺線虫
剤、殺黴剤、植物成長調節薬、肥料などのその他の適合
性有効成分を含むその他の成分と共に、製剤化および/
または使用することができる。
【0063】以下の非限定的な製造例および実施例で、
この発明についての理解を一層深めることができる。そ
こでは、特記しない限り、温度および温度範囲はすべて
摂氏で示し、「周囲温度」または「室温」とは約20〜
25℃を示す。「パーセント」または「%」は重量パー
セントであって、「モル」はグラムモル数を示す。「当
量」とは、一定モル数または一定重量もしくは容量の意
味で、以下の実施例または製造例で用いた。反応前後の
物質のモル当量に等しい試薬量である。
【0064】
【実施例】
製造例および実施例 製造例A 2−アミノエチルジフェニルボリネート
【化12】
【0065】ここでは、P.デニセビッチ・ジュニアの
方法による、表題の化合物の製造例を示す。
【0066】22.5gのトリフェニルボラン・水酸化
ナトリウムを含む溶液250gに、10重量%の塩酸水
溶液をゆっくり添加する。塩酸の添加は、pHが1.2
になるまで続ける。添加中、反応混合物の温度を30℃
以下に保つため、冷却を行う。80mlのエチルエーテル
を添加し、混合物を1晩(約10〜12時間)室温で攪
拌するが、その間、混合物にゆっくりと一定量の気流を
通す。蒸発による損失を補うため、50mlのエチルエー
テルを添加する。反応混合物は、2層系となる。エチル
エーテル層を分離して水で洗浄した後、4.9gの2−
アミノメタノールに添加する。その混合物は、室温にて
1時間攪拌後、濾過する。回収した固体を水洗して、1
4.4gの表題の化合物が得られる(融点186〜18
8℃)。
【0067】例1 1,2,4−トリアゾール−2,4
−ビス〔トリ(3−フルオロフェニル)ボラン
【化13】
【0068】この実施例では、10mlのジエチルエーテ
ルに溶かした0.065モルの臭化3−フルオロフェニ
ルマグネシウムを、20mlのジエチルエーテルに溶かし
た0.021モルの三フッ化ホウ素エチルエーテラート
〔すなわち、BF3 ・O(C 2 5 2 〕に室温で滴下
する。得られた混合物を室温で1晩(約14〜16時
間)攪拌後、40℃で2時間加熱する。次いで、0.0
21モルの1,2,4−トリアゾールを添加して、混合
物を3時間攪拌する。その後、10重量%の塩酸水溶液
100mlをゆっくり添加して、反応を停止させる。生成
混合物を200mlのエチルエーテルで2回抽出する。2
つの抽出物を一緒にして、これを水で洗ってから、塩化
ナトリウム水溶液で洗浄する。そして、エチルエーテル
層を取り出し、硫酸マグネシウム上で乾燥して蒸発乾固
したところ、黄色固体の表題化合物が得られる(融点1
96〜198℃)。
【0069】同様に、適当な開始物質を用いて上記の方
法を行うことによって、以下の化合物を製造することが
できた。
【0070】1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス
〔トリ(2−クロロフェニル)ボラン〕;1,2,4−
トリアゾール−2,4−ビス〔トリ(3−ブロモフェニ
ル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビ
ス〔トリ(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラ
ン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔トリ
(3−クロロフェニル)ボラン〕;1,2,4−トリア
ゾール−2,4−ビス〔トリ(4−ブロモフェニル)ボ
ラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔ト
リ(3−トリフルオロメチルフェニル)ボラン〕;1,
2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔トリ(2−フル
オロフェニル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−
2,4−ビス〔トリ(2−クロロ−4−トリフルオロメ
チルフェニル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−
2,4−ビス〔トリ(3,4−ジクロロフェニル)ボラ
ン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔トリ
(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)ボラン〕;1,
2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔トリ(3,5−
ジブロモフェニル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾー
ル−2,4−ビス〔トリ(2,6−ジクロロフェニル)
ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス
〔トリ(2,4−トリフルオロメチルフェニル)ボラ
ン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔トリ
(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ボ
ラン〕;および、1,2,4−トリアゾール−2,4−
ビス〔トリ(4−ブロモ−2−トリフルオロメチルフェ
ニル)ボラン〕。
【0071】同様に、適当なグリニャール試薬混合物を
用いて同じ方法を行うことによって、以下の化合物を調
製することができる。
【0072】1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス
〔(4−ブロモフェニル)−ジ(2−クロロフェニル)
ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス
〔(3−クロロフェニル)−ジ(4−フルオロフェニ
ル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビ
ス〔(2−フルオロフェニル)−ジ(3−トリフルオロ
メチルフェニル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール
−2,4−ビス〔ジ(3−フルオロフェニル)(4−ト
リフルオロメチルフェニル)ボラン〕;1,2,4−ト
リアゾール−2,4−ビス〔(2−ブロモフェニル)−
ジ(2,4−ジクロロフェニル)ボラン〕;1,2,4
−トリアゾール−2,4−ビス〔(4−クロロフェニ
ル)−ジ(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェ
ニル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−
ビス〔(3−ブロモフェニル)−ジ(3,4−ジクロロ
フェニル)ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,
4−ビス〔(3,5−ジブロモフェニル)−ジ(2,4
−トリフルオロメチルフェニル)ボラン〕;1,2,4
−トリアゾール−2,4−ビス〔(3−ブロモフェニ
ル)(4−クロロフェニル)(2−フルオロフェニル)
ボラン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス
〔(2−クロロフェニル)(3−トリフルオロメチルフ
ェニル)(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラ
ン〕;1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔(3
−ブロモフェニル)(4−フルオロフェニル)(2−ク
ロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン〕;
1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔(4−ブロ
モ−2−トリフルオロメチルフェニル)(4−クロロフ
ェニル)(2,4−ジフルオロフェニル)ボラン〕;
1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔(2−クロ
ロ−3−フルオロフェニル)(3,4−ジクロロフェニ
ル)(2,6−ジ−フルオロフェニル)ボラン〕;およ
び、1,2,4−トリアゾール−2,4−ビス〔(3,
5−ジクロロフェニル)(3−フルオロ−4−ブロモフ
ェニル)(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェ
ニル)ボラン〕。
【0073】例2 1,2,4−トリアゾール−2,4
−ビス(トリフェニルボラン)
【化14】 表題の化合物は、室温で窒素存在下、20mlのジエチル
エーテルに溶かした0.08モルのトリフェニルボラン
へ0.04モルの1,2,4−トリアゾールを添加する
ことによって製造できる。その混合物は、不活性状態下
(例えば、窒素存在下)室温で6時間攪拌する。表題の
化合物を、沈澱物として回収する(融点94〜96
℃)。
【0074】例3 1,2,4−トリアゾール−ビス
(ジフェニル−4′−フルオロフェニルボラン)
【化15】 40mlのジエチルエーテル中に0.013モルの2−ア
ミノジフェニルボリネートを含む混合物を攪拌しなが
ら、これに0.04モルの臭化4−フルオロフェニルマ
グネシウムを室温で添加して、表題の化合物を調製する
ことができる。その混合物を、3時間攪拌後、次いで1
0mlのジエチルエーテルに溶かした0.0065モルの
1,2,4−トリアゾールを添加し、室温で1晩(約1
4〜16時間)攪拌する。5重量%の塩酸100mlで希
釈し、ジエチルエーテルで抽出し、エーテル抽出物を蒸
発させることによって、表題の化合物を分離することが
できた。
【0075】同様に、実施例1に挙げた化合物群も、対
応する出発物質を用いてこれと同じ方法を行うことによ
って製造することができた。
【0076】例4 同様に、適当な出発物質を用いて実
施例1および2に記載した一般的方法によって、下記の
表1に示した化合物を製造することができた。
【化16】
【表1】 表 1 化合物 番号 R 融点 ℃ 1 フェニル 94〜96 2 3−フルオロフェニル 196〜198 3 4−フルオロフェニル 181〜182 4 4−クロロフェニル 179〜181
【0077】例5 以下に記載する方法によって、ある
種の植物の病気の予防効果について、上記の表1に示し
た化合物を試験した。下記の表2に試験結果を示した
が、そこでの「化合物番号」は、表1のそれぞれの化合
物に付された「化合物番号」に対応する。
【0078】トマトの斑点病(TLB) トマトの斑点病病原菌(Phytophthora i
nfestans)に対して、この発明の化合物の予防
効果を調べた。3ないし6週齢のトマト〔栽培変種植
物、ボニー・ベスト(Bonny Best)〕の苗木
を用いた。トマトの苗木に、アセトン、水および非イオ
ン性乳化剤に溶かした500または200ppm の試験化
合物懸濁液をスプレーした。スプレーして1日後、苗木
に病原菌を接種し、環境調節室で19℃ないし20℃、
相対湿度100%で16ないし24時間インキュベート
した。インキュベート後の苗木は約7日間温室に放置し
た。この試験化合物による病気の予防効果は、未処理の
苗木に対する病気発生率の低下で評価した。表2に平均
の結果を示す。
【0079】イモチ病(RB) 10ないし14日齢のイネの苗(カルローズM−9変
種)を用いて、イモチ病病原菌(Piriculari
a oryzae)に対するこの発明の化合物の予防効
果を調べた。苗に、アセトン、水および非イオン性乳化
剤に溶かした500または200ppm の試験化合物をス
プレーした。1日後、スプレーした苗に環境調節室で病
原菌を接種した。接種後、苗を環境調節室にて22℃な
いし24℃で相対湿度約100%の条件下で約48時間
放置した。インキュベーションの後、苗を温度約27℃
の温室で床に水を流しながら約12ないし16日間放置
した。この試験化合物による病気の予防率は、未処理の
苗における病気発生率に対するパーセントで示した。平
均の結果を表2に示す。
【0080】セロリの斑点病(CLB) セロリの斑点病試験は、11週齢のセロリ(Utah)
の苗を用いて行なった。セロリの斑点病病原菌は、セプ
トリア・アピイ(Septoria apii)であ
る。セロリの苗に、アセトン、水および非イオン性乳化
剤と混合した、500または200ppm の試験化合物溶
液をスプレーした。スプレー後1日してから苗に病原菌
を接種し、環境調節室にて温度19℃ないし20℃、お
よび相対湿度100%で約48時間インキュベートし
た。インキュベートした後に苗を乾燥させて、温室に約
14日間放置した。1種類の化合物あたり1本の苗を用
いた。各スクリーニング群の化合物に対する対照とし
て、6本の未処理苗を用意した。この毒性物質による予
防効果は、未処理の苗での病気発生率に対して病気低下
率のパーセントに基づくものである。結果を表2に示
す。
【0081】マメのウドンコ病(BPM) この発明の化合物を用い、マメのウドンコ病病原菌(E
rysiphe polygoni)の防除について試
験した。発芽中のマメの苗木に、アセトン、水および非
イオン性乳化剤中500または200ppm の試験化合物
溶液をスプレーした。苗木にスプレーしてから1日後
に、病原菌を接種した。苗木は、夜間20℃、日中22
ないし27℃の温度にて、相対湿度を40%ないし60
%に保って10日間放置した。1化合物あたり1本の苗
木を用いた。各スクリーニング群の化合物の対照とし
て、未処理の苗木6本を用いた。この試験化合物によつ
て得られた病気抑制率は、未処理の対照苗木に対する病
気低下率に基づいて求めた。結果を表2に示す。
【0082】マメの銹病(BR) 葉の銹病試験は、ピント・ビーン(pinto bea
n)を用いて行った。病原菌は、ウロミセス・ファセオ
リ・チピカ(Uromyces phaseoli t
ipica)を用いた。マメの苗木に、非イオン性乳化
剤を含むアセトン−水混合物に溶かした試験化合物50
0または200ppm の溶液をスプレーした。処理した苗
に病原菌を接種し、環境調節室にて約20時間、相対湿
度100%、温度20℃ないし21℃でインキュベート
した。その後苗を調節室から取り出して乾燥し、温室で
相対湿度60%ないし80%にて放置した。葉への感染
率は、約14日後に判定した。この試験化合物によって
得られた病気の予防率は、未処理の苗に対する病気の低
下率で表した。結果を表2に示す。
【0083】同様にマメのボトリチス病についても評価
した。その結果も表2にあわせて示す。
【0084】
【表2】 表2 予防的殺菌活性 (特記しない限り、用量は200ppm ) 予防率 化合物 番号 TLB RB CLB BPM BR BB 1 78 86 100 100 0 NA 2 65 73 0 100 90 0 3 87 0 100 0 100 100 4 100 0 0 0 0 100 TLB=トマトの斑点病 RB=イモチ病 CLB=セロリの斑点病 BPM=マメのウドンコ病 BR=マメの銹病 BB=マメのボトリチス病 NA=試験結果なし
【0085】発明の精神と範囲を逸脱することなく、上
述したように、明らかにこの発明の様々な修飾および変
形について実施することができる。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式I 【化1】 (式中、R、R1 およびR2 はそれぞれ別個に、フッ
    素、塩素、臭素およびトリフルオロメチル基からなる群
    より別個に選ばれた1または2個の置換基を有する置換
    型フェニル基、ならびにフェニル基からなる群より選ば
    れる)で示される化合物。
  2. 【請求項2】 R、R1 およびR2 はそれぞれ別個に、
    フッ素および塩素からなる群より選ばれた単一置換基を
    有する一置換型フェニル基、ならびにフェニル基からな
    る群より選ばれる、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 上記の化合物が下式 【化2】 (式中、R3 は請求項1のRで定義した通り)を有する
    請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R3 がフッ素、塩素、臭素およびトリフ
    ルオロメチル基からなる群より選ばれた置換基を有する
    一置換型フェニル基、ならびにフェニル基からなる群よ
    り選ばれる、請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R3 がフェニル、3−フルオロフェニ
    ル、4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、2
    −クロロフェニル、3−クロロフェニルおよび4−クロ
    ロフェニル基からなる群より選ばれる、請求項3記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】 R3 がフェニル基である、請求項3記載
    の化合物。
  7. 【請求項7】 R3 が4−フルオロフェニル基である、
    請求項3記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R3 がトリフルオロメチルフェニル基で
    ある、請求項3記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R3 が4−トリフルオロメチルフェニル
    基である、請求項8記載の化合物。
  10. 【請求項10】 R3 がブロモフェニル基である、請求
    項3記載の化合物。
  11. 【請求項11】 R3 が4−ブロモフェニル基である、
    請求項10記載の化合物。
  12. 【請求項12】 請求項1の化合物の殺菌に有効な量を
    菌またはその生息環境に処理することからなる、菌の防
    除法。
  13. 【請求項13】 請求項3の化合物の殺菌に有効な量を
    菌またはその生息環境に処理することからなる、菌の防
    除法。
  14. 【請求項14】 請求項6の化合物の殺菌に有効な量を
    菌またはその生息環境に処理することからなる、菌の防
    除法。
  15. 【請求項15】 請求項7の化合物の殺菌に有効な量を
    菌またはその生息環境に処理することからなる、菌の防
    除法。
  16. 【請求項16】 殺菌に有効な量の請求項1の化合物と
    これと混合可能な担体とからなる殺菌用組成物。
  17. 【請求項17】 殺菌に有効な量の請求項3の化合物と
    これと混合可能な担体とからなる殺菌用組成物。
  18. 【請求項18】 殺菌に有効な量の請求項6の化合物と
    これと混合可能な担体とからなる殺菌用組成物。
  19. 【請求項19】 殺菌に有効な量の請求項7の化合物と
    これと混合可能な担体とからなる殺菌用組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1のR、R1 、R2 置換型化合
    物の製造方法であって、1,2,4−トリアゾールを反
    応条件下で下式の化合物 【化3】 または 【化4】 (式中、R、R1 およびR2 は、請求項1で規定した通
    りで、R4 は、炭素数1ないし6の低級アルキル基、R
    5およびR6 はそれぞれ、水素および炭素数1ないし6
    の低級アルキル基、Zは、塩素、臭素またはヨウ素であ
    る)と接触させる工程からなる製造方法。
  21. 【請求項21】 上記の1,2,4−トリアゾールを不
    活性有機溶媒中にて約15ないし85℃の温度範囲で
    1,2,4−トリアゾール1モルあたり約1ないし2.
    5モルの上記の化合物Cと接触させる、請求項20記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 化合物Cの置換基R4 がエチル基であ
    る、請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 上記の1,2,4−トリアゾールを不
    活性有機溶媒中にて約20ないし35℃の温度範囲で
    1,2,4−トリアゾール1モルあたり約1ないし2.
    5モルの化合物C′と接触させる、請求項20記載の方
    法。
  24. 【請求項24】 上記の化合物C′のR5 およびR6
    分が、それぞれ別個に水素およびメチル基からなる群よ
    り選ばれる、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 上記の1,2,4−トリアゾールを不
    活性有機溶媒中にて約20ないし40℃の温度範囲で
    1,2,4−トリアゾール1モルあたり約2ないし3モ
    ルのトリフェニルボランと接触させる、請求項20記載
    の方法。
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