JPH05112447A - 長時間持続性の経皮投与用消炎鎮痛剤 - Google Patents

長時間持続性の経皮投与用消炎鎮痛剤

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JPH05112447A
JPH05112447A JP10105591A JP10105591A JPH05112447A JP H05112447 A JPH05112447 A JP H05112447A JP 10105591 A JP10105591 A JP 10105591A JP 10105591 A JP10105591 A JP 10105591A JP H05112447 A JPH05112447 A JP H05112447A
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analgesic
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】長時間持続性の経皮投与用消炎鎮痛剤の提供。 【構成】経皮吸収能をもつ消炎性薬物及び鎮痛性薬物の
少くとも1つを収容封入しているマイクロカプセルと、
該マイクロカプセルと混合された基剤とから成る経皮投
与用消炎・鎮痛剤。この消炎・鎮痛剤は、薬物を収容封
入しているマイクロカプセルと、これに混合された基剤
との混合物の層がシート状支持体に塗布されてあり、貼
付剤の剤型である。マイクロカプセルは薬物の放出能の
相異なる2種以上のものから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筋肉痛,肩凝り,腰
痛,関節痛,打身,捻挫,神経痛等の治療に際し、消炎
及び(又は)鎮痛の目的をもって患部の皮膚表面に貼布
又は塗布する経皮投与用の消炎剤及び(又は)鎮痛剤
(以下では、単に消炎・鎮痛剤という)に関するもので
ある。
【0002】更に詳しくは、本発明はその薬効が長時間
一定に持続できる経皮投与用の消炎・鎮痛剤に関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の経皮投与用消炎・鎮痛剤
としては、シート状のパップ剤(貼付剤),軟膏,液状
剤が広く知られているが、いずれの剤型においても、一
般に有効成分の薬物の徐放性が劣り、短時間に薬効が消
失する欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決すべき課題】上記の欠点の解決策の一つと
して、特公昭60−7966号公報に示された発明で
は、薬物の放出速度の異なるベースポリマーを用い、貼
付図面の図5に示すごとく、ストライプ状に二次元的に
シート状支持体に塗布配置し、面平均として薬効の持続
性を持たせる提案をしている。即ち、この従来の発明で
は、具体的には、添付図面の図6に示すごとく、短時間
域では、ベースポリマーA部が、中間時間域では、ベー
スポリマーB部が、長時間域ではベースポリマーC部が
薬効に寄与するように構成させることが提案される。
【0005】しかしながら、この提案は次のような重大
な欠点を有している。
【0006】1.薬物の拡散移動度の異なるベースポリ
マーの種類をむやみに増加することが、物理的,生産
的,コスト的観点からできないので、時間域間の継ぎ目
での血中薬物濃度のバラツキが大きく、薬効が一定して
いない。
【0007】その上、薬効の長時間持続性もまだ不完全
である。
【0008】2.剤型がシート状パップ剤では、上記の
手段が可能であるが、軟膏,液状の経皮投与用消炎・鎮
痛剤には、この手法を用いることが出来ない。
【0009】3.ストライプの幅、等の分割単位が粗い
と、貼付部の位置によりあるストライプ部分は短時間で
薬効が消失し、他のストライプ部分は一定時間経過後に
初めて薬効が生ずると言う好ましくない非常に不均一な
薬効発現特性が現われてしまう。
【0010】従って、おのずと分割単位を非常に小さく
する必要が生じてしまう。その結果、複数回のスクリー
ン印刷、エッチング等の手法がストライプの形成に必要
となり、生産工程が複雑になり、コストが高価なものと
なるから、実用的でなくなる。
【0011】4.特公昭60−7966号公報の発明で
も限定しているごとく、ベースポリマーの必須要件とし
て配合された薬物の移動距離が非常に大きいため薬物が
ベースポリマー内部を容易に移動できる必要があり、ポ
リマーの使用可能な種類の範囲がかなり限定されてしま
う。
【0012】5.パップ剤性能として、このベースポリ
マーに対し、この薬物の移動性のみならず保水性、保形
性等の総合性能を同時に満たすことが要求されるが、現
実問題としてはその選択が難かしいのが実情であった。
【0013】6.その上、臨床的には、このポリマーが
皮膚と直接接する形となるので、皮膚かぶれ発生の恐れ
もあり、この点からも大きな制約があった。
【0014】例えば、特公昭60−7966号公報に示
された貼付剤の薬効の長時間持続性を具体的に検討する
と、この貼付剤を添付図面の図7に示す如く、シート状
支持体に塗布された薬物含有ポリマー層と、これの頂面
に付着された保護膜とからなるシート状パップ剤として
構成した場合にも、図8の特性曲線に示すごとく薬効持
続が0.5〜3時間程度と非常に短く、使用に当っては
そのたび毎に新しいものと交換が必要となり大変面倒で
あった。
【0015】
【課題を解決するための手段】他方、作用物質をマイク
ロカプセルに収容、封入させた形で利用することは知ら
れている。一般に、マイクロカプセルは、径が数μから
数百μの間の微小容器で、この容器の内部に封じ込まれ
た作用物質を芯物質とし、容器の殻をカプセル壁として
いる。マイクロカプセルの技術は種々の分野で利用され
る。
【0016】本発明者は、経皮投与用薬剤の薬効持続時
間が短かい等の欠点を克服すべく、種々研究を重ねた。
その結果、長時間薬効が持続可能である全く新規で画期
的な剤型の経皮投与用消炎・鎮痛剤を作り得ることを見
い出した。
【0017】即ち、本発明者は、経皮吸収能をもつ消炎
・鎮痛性の薬物をマイクロカプセル化できること、また
その放出能が相異なった2種又はそれ以上のマイクロカ
プセルに収容封入させることにより、薬効持続時間の延
長の目的を達成できることを見出した。
【0018】詳しくは、本発明の要旨とするところは、
経皮吸収能をもつ消炎性薬物及び鎮痛性薬物の少くとも
一つを収容封入しているマイクロカプセルと、該マイク
ロカプセルと混合された基剤とから成ることを特徴とす
る、経皮投与用の消炎・鎮痛剤にある。
【0019】本発明では、薬物を封入しているマイクロ
カプセルは薬物の放出能の相異なる2種又はそれ以上の
マイクロカプセルにより構成できる。この場合、マイク
ロカプセルの壁部の細孔率が相異なった2種又はそれ以
上のマイクロカプセルに薬物を封入してあることができ
る。そして、薬物放出能が夫々異なった品質のマイクロ
カプセル壁材で作られた2種又はそれ以上のマイクロカ
プセルに薬物を封入できる。
【0020】それら2種又はそれ以上のマイクロカプセ
ルはマイクロカプセルの壁厚及び(又は)粒径が同一で
ないものであるとすることができる。
【0021】特に、本発明は薬物を収容封入しているマ
イクロカプセルと、これに混合された基剤との混合物の
層がシート状支持体に塗布されてあり、貼付剤の剤型す
なわちシート状パップ剤の形であることを特徴とする消
炎・鎮痛剤を包含する。
【0022】一般的には、本発明の消炎・鎮痛剤は、シ
ート状パップ剤,軟膏,液状体のいずれの剤型をもとり
得る。
【0023】シート状パップ剤の剤型とする場合は、薬
物を封入した薬物放出速度の相異なるマイクロカプセル
と基剤との混合物をシート状支持体に塗布し、必要に応
じて保護フィルム等を設ける。基剤は、吸熱剤、水分保
持剤、粘着剤又は保型剤、等、あるいはこれらの二種又
はそれ以上の混合物から構成される。
【0024】カプセルに封入される消炎・鎮痛剤の薬物
としては、サリチル酸メチル,dl−メントール,dl
−カンフル,ハッカ油,ボルネオール,ユーカリ油,チ
モール,インドメタシン,サリチル酸グリコール,サリ
チル酸アミド,サリチル酸ナトリウム,ホウ酸,塩酸ジ
フェンヒドラミン,ケトブロフェン,マレイン酸クロル
フェニラミン,グリチルリチン酸アンモニウムが適して
いる。シート状支持体としては不織布が用いうる。吸熱
剤としては、カオリン,ベントナイト,酸化亜鉛,タル
ク,カルボキシメチルスターチ,デンブン等がよい。水
分保持剤として、グリセリン,多価アルコール(プロピ
レングリコール,エチレングリコール),ソルビトー
ル,ソルビット,キシリトール,グリコースポリアクリ
ル酸ナトリウム等を用いる。
【0025】又、粘着剤としてポリブテン,エステルガ
ムが最適であり、保型剤としてポリソルベート,精製
水,ポリビニルアルコール,ゼラチン等を用いてもよ
い。
【0026】保護フィルムは、セロファン,ポリエチレ
ン,ポリプロピレン等のプラスチックフィルムを用い
る。
【0027】軟膏及び液状剤の剤型にする場合は、シー
ト状パップ剤の支持体,保護フィルムの構成要素が不要
であり、保型剤も少量用いるかないし使用しなくてもよ
い。
【0028】液状剤とする場合は、薬物を封入したマイ
クロカプセルの粒径は、1〜数十μのものが適してい
る。このマイクロカプセルを水分保持剤又は液状担体中
に分散させる。
【0029】本発明の消炎・鎮痛剤を貼付剤の剤型で構
成した場合の実施態様において、封入された薬物を高い
放出速度で放出できる高放出カプセル、中程度の放出速
度で放出できる中放出カプセル及び低い放出速度で放出
できる低放出カプセルという薬物放出能の相異なる3種
のカプセルを基剤ポリマーと混合させ、その混合物をシ
ート状支持体に塗布し、その塗布層の表面に保護フィル
ムを設けた場合の本発明実施例の貼付剤の断面図解図を
添附図面の図1に示す。
【0030】図1において、薬物封入マイクロカプセル
A,B及びCを混合、含有するポリマー質の基剤22が
これら物質の混合物の層としてシート状支持体21の上
に均一に塗布されてある。前記の混合物の塗布層の表面
には、保護膜(フィルム)23が被着されてある。図1
の実施例においては、薬物放出能の相異なった3種のマ
イクロカプセルは、高放出カプセルA(白丸)、中放出
カプセルB(半分黒塗りの白丸)、低放出カプセルC
(黒丸)の組合せであり、基剤層の中に分散されて含有
される。
【0031】高放出カプセルA:遅延放出性がなく、薬
物の放出速度が高い。
【0032】中放出カプセルB:薬物の中程度の遅延放
出速度を持つ。
【0033】低放出カプセルC:遅延放出性があり、薬
物放出速度がやや低い。
【0034】マイクロカプセルとして高放出カプセルA
単独を含むパップ剤を身体皮膚面に貼り着けて保持した
時の薬物濃度の推移を計測すると、添附図面の図2で曲
線1−1で表わされる血中薬物濃度増加を示す。また中
放出カプセルB及び低放出カプセルCを各々単独に含む
パップ剤について夫々に同様に計測すると、図2で夫々
に曲線1−2及び曲線1−3で表わされる血中薬物濃度
増加を示す。
【0035】しかし、図1に示された実施例の貼付剤か
ら保護膜23を取除いた後に、身体皮膚面に貼り着けて
保持した時に薬物マイクロカプセル含有の基剤層から放
出されて血液中に入る薬物の血中靴濃度変化を計測する
と、添附図面の図3で曲線Tにより表わされるパターン
で薬物濃度が変化する。曲線Tは破線の曲線A,B及び
Cの変化の綜合を現わす。
【0036】図3から明らかなように、短時間域は高放
出カプセルA,中時間域は中放出カプセルB、長時間域
は低放出カプセルCが作用し、図3に示すごとく、一定
かつ長時間に渡って薬物濃度が維持され、それに応ずる
薬効が得られる。
【0037】尚、上記説明では、薬物放出能の異なるカ
プセルとしてA,B,Cの三種のものを用いたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、2種以上であれば
何種でもよい。
【0038】本発明においては、薬物放出能の相異なる
マイクロカプセルは、以下のいずれか一つ、あるいはこ
れらを組み合せることにより得られる。
【0039】1.壁の細孔率の異なったマイクロカプセ
ル 2.壁の材質又は品質の異なったマイクロカプセル 3.壁厚及び(又は)粒径の異なったマイクロカプセル このマイクロカプセルは、天然又は合成高分子の物質か
ら作られるが、カプセルの薬物の放出能を異ならしめる
第1の方法は、カプセル壁の孔の多少あるいは孔の大小
により薬物の放出される速度、遅延性を制御することか
ら成る。
【0040】即ち、細孔が大きく、多いものはパップ剤
として皮膚に貼りつけられる応用の場合に体温,発熱患
部,皮膚中の水分,パップ剤中の水分とのなじみが早
く、遅延性がほとんどなく、薬物の放出速度も早い。逆
に細孔が小さく、少ないものはなじみが遅く、遅延性が
生じ薬物の放出速度も遅い。
【0041】具体的に細孔率を制御するには、マイクロ
カプセル壁形成時の壁材高分子の重合度を変える、ある
いは皮膜形式反応の終了度を変える等の手法を用いる。
【0042】その第2の方法は、マイクロカプセル壁材
の種類により、封入された薬物の拡散移動度の高いもの
と低いものあるいは遅延性の強いもの、弱いものとがあ
ることを利用する。厳密には、壁材の種類,薬物の種類
により決まってくるが、一般に親水性(極性)ポリマー
系のものは拡散移動度が大きく遅延性が弱い。一方、疎
水性(無極性)ポリマー系のものは拡散速度が小さく、
遅延性が強い。即ち、一般に消炎・鎮痛性のサリチル酸
メチル,メントール,ハッカ油,チモール等々は、極性
物質になじみがよい。
【0043】従って、例えば、放出速度の高く非遅延性
のものは親水ポリマーで、低放出速度で、遅延性のもの
は、疎水ポリマーであり、中放出速度で中遅延性のもの
は両性ポリマーでマイクロカプセルを形成し、これらを
組み合せることにより所定の長時間持続性の薬効が得ら
れる。
【0044】具体的なマイクロカプセル壁材料として
は、親水性のポリマーとしてはゼラチン,アラビアゴ
ム,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,
エチルセルロース,ポリアクリル酸ナトリウム,アルギ
ン酸ナトリウム,カルボキシビニルポリマー,ポリビニ
ルアルコール,アルブミン,デキストラン,スターチ,
カゼイン,アガー,グルテン等が適している。
【0045】疎水性ポリマーとしては、塩化ビニル,ポ
リカーボネート,ポリビニルポルマール,セルロースア
セテート,ポリウレタン,ポリスチレン,スチレン−マ
レイン酸共重合体,ポリアクリル,ポリアミド,ポリイ
ミド,塩ビ,酢ビ共重合体,ポリエステル,酢酸プロピ
オン酸セルロース,天然ゴム,ケトン樹脂,ニトロセル
ロース,セラックシリコーン,フッ素系ポリマー等々が
適している。
【0046】これらの壁材を用い、化学的手法の界面重
合法,in situ重合法,液中硬化被覆法,あるいは物理
化学的手法のコアセルベーション(相分離)法,界面沈
殿法,あるいは物理的手法のスプレードライ法,気中懸
濁被覆法,高速気流中衝撃法等によりマイクロカプセル
化する。
【0047】その第3の方法は、カプセル内部からの薬
物の放出速度が、大略次の関係にあることを利用したも
のである。
【0048】
【0049】v:放出速度 S:壁の表面積 d:壁の厚さ 即ち、壁の厚さに反比例して、放出速度が低下し、表面
積に比例して放出速度が増大する。従って、仮にカプセ
ル集合体重量が同じ場合、カプセル径が小さい程表面積
が大きくなり、放出速度が大きくなることを利用したも
のである。又、壁の表面積、厚さは、体温,水分とのな
じみとの関係から、遅延性にも一定の関係を持ってい
る。即ち表面積が大きく、壁が薄いものは遅延性が少な
い。具体的に、カプセル壁の厚さを制御するには、マイ
クロカプセル作成時のpH,温度,反応時間,芯物質と
壁物質の割合等を制御することにより各種の厚さのマイ
クロカプセルが得られる。
【0050】又、表面積は、粒径の制御することにより
各種のものが得られる。この粒径は、カプセルの芯物質
となる薬物の粘度,あるいは反応時の攪拌条件(攪拌回
転数,攪拌羽根の形状,位置),反応時間により制御で
きる。
【0051】上記3方法以外に、次のようなモディファ
イされた方法も本発明に含有される。即ち、消炎・鎮痛
作用は同じで、放出能が異なる薬物を封入するとか、同
一薬物でもカプセル中の濃度,量を変える等の方法が挙
げられる。更に、マイクロカプセルの形体として、放出
能の異なる多重カプセルも本発明として有効である。
【0052】尚、マイクロカプセルは、微小粉体の集合
系なので、そのマイクロカプセルの製法を制御すること
により、添附図面の図4に示すごとく薬効の半値幅を広
くすることが可能であり、図3に示される薬物濃度の変
化の例においても曲線A−B,曲線B−Cの間の継目で
の薬物濃度のバラツキをほとんどなくすことが可能とな
る。
【0053】なお、添附図面の図5は、特公昭60−7
966号公報に示された、分割形成された薬物含有ポリ
マー層を支持体に塗布させた型式の貼付剤の斜視図を示
す。こゝで支持体31の上に、分割形成されたストライ
ブ状として薬物含有ベースポリマーA(3A),薬物含
有ベースポリマーB(3B)及び薬物含有ベースポリマ
ーC(3C)の各層が別々に塗着されてある。図6は、
図5に示された型式の貼付剤の全体から経皮的に血中へ
放出された薬物の経時的濃度の総合的変化を示す曲線M
を示す。破線の曲線A,B及びCは夫々にベースポリマ
ーA部,B部及びC部から放出される薬物の濃度変化を
示す。鎖線aは薬効発現に必要な有効最小濃度を表わ
す。
【0054】図7は、従来慣用の貼付剤の断面図であ
り、支持体51の上に薬物含有ポリマー層52が塗布さ
れてあり、その上に保護膜53が設けられる。図8は図
7の貼付剤からの薬物放出による薬物濃度変化の曲線図
である。鎖線aは図6と同じ意味を表わす。
【0055】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の消炎・
鎮痛剤では、薬物をその放出能が異なるマイクロカプセ
ルに封入してあるため、薬効が非常に長時間に渡って一
定に持続できる。
【0056】又、マイクロカプセルを利用しているた
め、シート状パップ剤,軟膏,液剤等いずれの消炎・鎮
痛剤にも利用することが出来る。
【0057】他の従来の提案と異なり、本発明では、貼
付剤の剤型とした場合には、薬物をマイクロカプセル化
しているため次のような利点がある。
【0058】(i) 製造工程が従来慣用のベタタイプと
同様に簡便である。
【0059】(ii) カプセル壁は、非常に薄いため、必
ずしも薬物の移動拡散度が高いものでなくてもよいの
で、薬物の種類の選択幅が広い。
【0060】(iii) 特公昭60−7966号公報に示さ
れた分割形成タイプと異なり、保水性,保型性,粘着性
をカプセルが必ずしも満たさなくてもよい。これらの機
能を満たすものを加えることができる。
【0061】(iv) マイクロカプセル径は数μ〜数百μ
としうるので位置的に薬効の均質性のすぐれたものがで
きる。又、半値幅も広くできるので、時間的にも均質性
のすぐれたものができる。
【0062】(v) 皮膚カブレ等がないので安定した総
合特性が出せる。
【0063】
【実施例】次に以下に実施例により、本発明をより具体
的に説明する。
【0064】実施例1 薬物としてサリチル酸メチル及びハッカ油を含有封入さ
せた下記の放出能の相異なる3種のマイクロカプセル
A,B及びCを作成した。これらのマイクロカプセルの
5部に、吸熱剤としてカオリン500部を混和し、さら
に水分保持剤としてプロピレングリコール300部及び
ソルビトール100部、粘着剤としてエステルガム50
部を加えて良く混和した。その混和物をシート状のプラ
スチック支持体上に塗布成膜し、この上に保護膜を被着
させることにより、添付図面の図1に示す本発明の実施
例の貼付剤型の消炎・鎮痛剤を得た。
【0065】(1) カプセルA:コアセルベーション法に
より親水性で気孔率が大きいゼラチン−アラビアゴムを
カプセル壁とする平均粒径5μの高放出カプセルを作成
した。
【0066】(2) カプセルB:同様にコアセルベーショ
ン法により両性の酢酸フタール酸セルロースをカプセル
壁とする平均粒径20μの中放出マイクロカプセルを作
成した。
【0067】(3) カプセルC:界面沈殿法により疎水性
で細孔率の小さい、ポリスチレンをカプセル壁とする平
均粒径100μの低放出マイクロカプセルを作成した。
【0068】尚、比較のため、従来のパップ剤を比較例
1として、特公昭60−7966号の貼付剤を比較例2
として用いた。
【0069】このようにして作成した本発明の貼付剤型
の薬剤を、蒼白度試験(特公昭60−7966号公報参
照)により評価した。結果は、表1及び添付図面の図3
に示す通りである。
【0070】本発明では、100時間以上も薬効が一定
に持続している。
【0071】一方、比較例1及び2の両方とも、本発明
に較べると持続性がはるかに劣っている。
【0072】
【0073】評価点は次のとおりである。
【0074】0:変化なし 1:貼付け面がわずかに白ぽい 2:コーナ2箇所が明瞭に白変 3:コーナすべてが非常に明瞭に白変 本発明は、以上述べられた範囲に限定されるものでな
く、色々の変形も可能である。
【0075】例えば、本発明の経皮投与用消炎鎮痛剤
は、貼布又は塗布することにより体温及び皮膚表面の水
分等となじんだあと、これらの助けを借りて薬効を生ず
るようになるが、マイクロカプセルの特長を生かして手
で加圧することにより圧力による崩壊性が異なる薬物含
有カプセルを崩壊させることにより、そのつど薬物を放
出させ薬効を生じさせるという変形もありうる。
【0076】他の変形として、従来の裸の薬物,吸熱
剤,水分保持剤,粘着剤及び保型剤を含有するベタポリ
マー層中に、本発明の薬物含有マイクロカプセルを加え
ることによっても、その効果を発揮できる。即ち、短時
間域の薬効を従来の薬物が任ない、カプセル化された薬
物が中,長時間の薬効を任なう。
【0077】以上は消炎・鎮痛性の薬物のマイクロカプ
セル化をはかったものであったが、低湿度乾燥環境下に
おいて威力を発揮するものとして、水又は保水成分を単
独にマイクロカプセルに封入して追加的に配合させても
よい。水分不足時,加圧崩壊することにより水分の放出
が起きて必要な保水力が確保でき、薬効が発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消炎・鎮痛剤の貼付剤型の一例を示す
断面図である。
【図2】図1に示された各種マイクロカプセルの夫々の
薬物放出能を示す説明図である。
【図3】図1に示された本発明の貼付剤の性能を示す特
性図である。
【図4】薬効の半値幅の説明図である。
【図5】従来の一つの型式のハップ剤の構成を示す図解
図である。
【図6】図5に示されたハップ剤の特性図である。
【図7】従来の別の型式のハップ剤の構成を示す図解図
である。
【図8】図7に示されたハップ剤の特性図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経皮吸収能をもつ消炎性薬物及び鎮痛性
    薬物の少くとも1つを収容封入しているマイクロカプセ
    ルと、該マイクロカプセルと混合された基剤とから成る
    ことを特徴とする、経皮投与用消炎・鎮痛剤。
  2. 【請求項2】 薬物を封入しているマイクロカプセルは
    薬物の放出能の相異なる2種またはそれ以上のマイクロ
    カプセルにより構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の消炎・鎮痛剤。
  3. 【請求項3】 マイクロカプセルの壁部の細孔率が相異
    なった2種又はそれ以上のマイクロカプセルに薬物を封
    入してあることを特徴とする請求項2記載の消炎・鎮痛
    剤。
  4. 【請求項4】 薬物放出能が夫々異なった品質のマイク
    ロカプセル壁材で作られた2種又はそれ以上のマイクロ
    カプセルに薬物を封入していることを特徴とする請求項
    2記載の消炎・鎮痛剤。
  5. 【請求項5】 2種又はそれ以上のマイクロカプセルは
    マイクロカプセルの壁厚及び(又は)粒径が同一でない
    ものであることを特徴とする請求項2記載の消炎・鎮痛
    剤。
  6. 【請求項6】 薬物を収容封入しているマイクロカプセ
    ルと、これに混合された基剤との混合物の層がシート状
    支持体に塗布されてあり、貼付剤の剤型であることを特
    徴とする請求項1記載の消炎・鎮痛剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0739626A2 (en) * 1995-04-28 1996-10-30 Lead Chemical Company Ltd. Release controlled transdermal therapeutic system
JP2010280609A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Amato Pharmaceutical Products Ltd 肩こり、腰痛、筋肉痛、打撲、捻挫、頸肩腕症候群及び外傷による内出血の治療剤

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JP2010280609A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Amato Pharmaceutical Products Ltd 肩こり、腰痛、筋肉痛、打撲、捻挫、頸肩腕症候群及び外傷による内出血の治療剤

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