JP3192494B2 - 経皮投与用消炎・鎮痛剤 - Google Patents

経皮投与用消炎・鎮痛剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筋肉痛、肩凝り、腰
痛、関節痛、打身、捻挫、神経痛等の治療に際し、消炎
及び(又は)鎮痛の目的をもって患部の皮膚表面に貼
又は塗布する経皮投与用の消炎剤及び(又は)鎮痛剤
(以下では、単に消炎・鎮痛剤という)に関するもので
ある。
【0002】更に詳しくは、本発明はその薬効が長時間
持続できる経皮投与用の消炎・鎮痛剤に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の経皮投与用消炎・鎮痛剤
としては、シート状のパップ剤(貼付剤)、軟膏、液状
剤が広く知られているが、いずれの剤型においても、一
般に有効成分の薬物の徐放性が劣り、短時間に薬効が消
失する欠点を有していた。
【0004】具体的な従来例として、シート状支持体に
塗布された薬物含有ポリマー(基剤)層と、これの頂面
に付着された保護膜とからなるシート状貼付剤が知ら
れ、この貼付剤を添付図面の図4に示す如く、構成した
場合にも、後記で説明される添付図面の図5の(イ)の
曲線に示すごとく薬効持続が0.5〜3時間程度と非常
に短く、使用に当っては新しいものとたびたび交換が必
要となり大変面倒であった。
【0005】この解決法として、基剤中に配合する薬物
の量を多くし、薬効を長くしようという試みもあるが、
全く不適切である。
【0006】即ち、前記の従来型の貼付剤では、薬効を
長くしようと基剤中に含有された薬物量を多くしても、
経皮吸収された薬物について貼付時間に対する血中の薬
物濃度曲線の型は図5の曲線(ロ)の如くなり、曲線
(イ)に比べて全く変化しない。また、そのため、あま
り薬物量を多くすると、薬物の許容最大血中濃度(図5
に鎖線bで表わす)以下であるべきという人体的制約条
件を越えてしまうので人体に害を及ぼす恐れのため不適
当である。
【0007】従って、従来品では、薬物発現に必要な薬
物の最小有効濃度(図5に鎖線aで表わす)と許容最大
濃度bとの間の範囲にあるべきである条件を満たそうと
すると、薬効持続性のごく短い延長しか期待出来なかっ
た。
【0008】又、従来の貼付剤は次のような欠点を有し
ている。即ち、一般に従来の貼付剤はそれの複数枚を薬
物揮散防止のためアルミニウム−ポリエチレン製の二重
シール袋に合わせて封入されている。しかし、使用に当
って、貼付剤が複数枚入ったシール袋を開封してしまう
と、未使用で残った一枚又は複数枚の貼付剤は薬物の蒸
発・揮散が急速に進行し、残存薬物量が激減し、次後の
使用に当って十分な薬効を発揮できなかったのが現状で
あった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、経皮投与用
薬剤の薬効持続時間が短かい等の欠点を克服すべく、種
々研究を重ねた。その結果、長時間薬効が持続可能であ
る全く新規で画期的な剤型の経皮投与用消炎・鎮痛剤を
作り得ることを見い出した。
【0010】即ち、研究の結果、本発明者は、経皮吸収
能をもつ消炎・鎮痛剤の薬物と液状希釈剤との混合物を
マイクロカプセル内に収容封入してマイクロカプセル化
できること、該混合物中の薬物濃度を変えることによ
り、マイクロカプセル壁からの薬物の放出速度を制御で
きて薬物の放出能の相異なったマイクロカプセルが得ら
れること、このようなマイクロカプセルを基剤中に混合
してなる膏体組成物、あるいはこれを支持シートに塗着
した貼付剤は薬効持続性延長の目的を達成できることを
見出した。マイクロカプセルは、一般に径が数μから数
百μの間の微小容器で、この容器の内部に封入された物
質を芯物質とし、容器の殻をカプセル壁としている。
【0011】詳しくは、本発明の要旨とするところは、
経皮吸収能をもつ消炎性薬物及び鎮痛性薬物の少なくと
も1つを5〜40重量%の割合で混合してある、液状希釈
剤との混合物を収容封入しているマイクロカプセルであ
って、しかも壁の細孔率、壁の材質、壁の厚さ、カプセ
ル径のうちの少なくとも1つを変えることにより薬物の
放出を制御したマイクロカプセル(a)と、該マイクロカ
プセルと混合された基剤(b)、あるいは基剤と前記薬物
の少なくとも1つとの混和物(b′)とから成ることを特
徴とする、経皮投与用の消炎・鎮痛剤にある。
【0012】特に、本発明は5〜40重量%の割合での
物と液状希釈剤との混合物を収容封入しているマイクロ
カプセルであって前記の特定要件の1つを変えることに
より薬物の放出を制御したマイクロカプセル(a)と、こ
れに混合された基剤(b)、あるいは基剤と薬物との混和
物(b′)とよりなる膏体組成物の層がシート状支持体に
塗布されてあり、添付図面の図1に示される如く、貼付
剤の剤型すなわちシート状パップ剤の形であることが好
ましい。
【0013】しかしながら、一般的には、本発明の消炎
・鎮痛剤は、シート状パップ剤ばかりでなく、軟膏、液
状体のいずれの剤型をもとり得る。
【0014】シート状パップ剤の剤型とする場合は、薬
物と液状希釈剤との混和物を封入したマイクロカプセル
並びに基剤あるいは基剤と薬物との混和物よりなる膏体
組成物をシート状支持体に塗布し、必要に応じて保護フ
ィルム等を設ける。基剤は、吸熱剤、水分保持剤、粘着
剤又は保型剤、等、あるいはこれらの二種又はそれ以上
の混練物から構成される。
【0015】カプセル内に希釈剤との混合物の形で封入
される消炎・鎮痛剤の薬物としては、サリチル酸メチ
ル、1−メントール、d1−カンフル、ハッカ油、ボル
ネオール、ユーカリ油、チモール、インドメタシン、サ
リチル酸グリコール、サリチル酸アミド、サリチル酸ナ
トリウム、ホウ酸、塩酸ジフェンヒドラミン、ケトプロ
フェン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチ
ン酸アンモニウムが適している。
【0016】又、カプセル内に薬物との混合物として封
入される液状希釈剤としては、オイル類、アルコール
類、水類等が適している。尚、複数種の薬物を同一マイ
クロカプセル中に封入する時は、結果的に特定の薬物濃
度は(特定薬物量)/(複数種の薬物総量)となり、カ
プセル内で希釈された形になるので、本発明にこれを包
含するものとする。
【0017】オイル類の具体例には、オリーブ油、ユー
カリ油、シリコーン油、ビタミン油、ヒマシ油、ローズ
油、レモンオイル等々、アルコール類では、グリセリ
ン、プロピレングリコール、ソルビトール、エタノー
ル、メタノール等々がある。また水類の例には、水ある
いはゼラチン水溶液、アルン酸ナトリウム水溶液等々
が用いられる。これらは1種のものを使用してもよい
し、複数種を組み合せてもよい。
【0018】本発明におけるマイクロカプセル内におけ
る薬物と希釈剤との混合物中の薬物濃度は5〜40重量
%程度であることが望ましい。即ち薬物濃度が40%以
上だとカプセル内と外方の基剤(あるいは基剤と薬物と
の混和物)との薬物濃度差が大きすぎ、作成後から使用
までの保存中に薬物が大幅にカプセル外の基剤(あるい
は基剤と薬物との混和物)中に放出されるためである。
従って、作成直後に使用するか、例えば3ヶ月保存後に
使用するかで、薬効持続性が異なってしまうためであ
る。
【0019】一方マイクロカプセル中の前記の薬物濃度
が5%以下だと、逆に、外方との薬物濃度勾配が緩やか
すぎて、マイクロカプセル内からの薬物の放出が遅すぎ
実用的役割を果し得ない点と所定の薬物量を得ようとす
ると多量のマイクロカプセルを配合することが必要とな
り、基剤中に他に配合されるいくつかの材料が持つ機
能、例えば吸熱性、水分保持性、保型性、粘着性等の機
能が十分発揮できなくなるためである。
【0020】なお、本発明では、マイクロカプセルに混
合される基剤中にも所望の薬物を添加、配合してなる基
剤と薬物との混和物を使用する場合も包含し、これによ
りマイクロカプセル内外の薬物濃度の勾配を制御でき
る。
【0021】消炎・鎮痛性薬物の総配合量は、基剤及び
マイクロカプセル両者の混合物からなる膏体組成物の全
重量に対し1〜20重量部が適してる。
【0022】これは、従来の貼付剤で薬物の総配合量が
1〜5重量部と通常は制限されることに較べるとかなり
増量できることが分かる。
【0023】即ち、従来の貼付剤として、単純に基剤中
に薬物を混入した膏体を支持シートに塗着してなる貼付
剤は、薬効を長くしようと薬物量を多くしても、得られ
る貼付時間に対する血中薬物濃度の変化の曲線の型は、
添付図面の図5の如く変らないため、薬物の許容最大血
中濃度の制約から薬物総配合量は1〜5重量部が限度と
なり、それ以上に増量しても長時間の薬効持続性に寄与
しなかった。
【0024】一方、本発明では、薬物と希釈剤との混合
物のマイクロカプセル化の作用により貼付時間に対する
血中薬物濃度の変化の曲線の型が薬物徐放化を反映した
ものとなるため、薬物総配合量を1〜20重量部と増加
しても、所与の貼付時間における薬物許容最大血中濃度
をオーバーすることがない。このため、薬物総配合量を
従来以上に増加できることと、マイクロカプセルによる
徐放作用との関連によって、極めて長時間の薬効持続性
が得られる。この点は、本発明の非常に重要な利点、特
長と言える。
【0025】尚、本発明で使用するマイクロカプセル
は、壁の細孔率、壁の材質、壁の厚さ、カプセル径を変
えることによっても、カプセルからの薬物の放出を早め
たり、遅くしたり制御することが可能である。
【0026】具体的なマイクロカプセル壁材料として
は、ゼラチン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアク
リル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシ
ビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アルブミン、
デキストラン、スターチ、カゼイン、アガー、グルテン
等、がある。また、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポ
リビニルホルマール、セルロースアセテート、ポリウレ
タン、ポリスチレン、スチレン−マレイン酸共重合体、
ポリアクリル、ポリアミド、ポリイミド、塩ビ−酢ビ共
重合体、ポリエステル、酢酸プロピオン酸セルロース、
天然ゴム、ケトン樹脂、ニトロセルロース、セラックシ
リコーン、フッ素系ポリマー等々も適している。
【0027】これらの壁材を用い、化学的手法の界面重
合法、in situ 重合法、液中硬化被覆法、あるいは物理
化学的手法のコアセルベーション(相分離)法、界面沈
殿法、あるいは物理的手法のスプレードライ法、気中懸
濁被覆法、高速気流中衝撃法等によりマイクロカプセル
化する。
【0028】本発明の消炎・鎮痛剤を貼付剤として製剤
化する場合、シート状支持体としては不織布、リント布
等が用いうる。吸熱剤としては、カオリン、ベントナイ
ト、酸化亜鉛、タルク、カルボキシメチルスターチ、デ
ンプン等がよい。水分保持剤として、グリセリン、多価
アルコール(プロピレングリコール、エチレングリコー
ル)、ソルビトール、ソルビット、キシリトール、グリ
コースポリアクリル酸ナトリウム等を用いる。
【0029】又、粘着剤としてポリブテン、エステルガ
ムが最適であり、保型剤としてポリソルベート、精製
水、ポリビニルアルコール、ゼラチン等を用いてもよ
い。
【0030】更に、粘稠剤としてメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム等を用いる。
【0031】保護フィルムは、セロファン、ポリエチレ
ン、ポリプロチレン、ポリエステル等のプラスチックフ
ィルムを用いる。
【0032】他方、本発明の消炎・鎮痛剤を軟膏及び液
状剤の剤型にする場合は、シート状パップ剤の支持体、
保護フィルムの構成要素が不要であり、保型剤も少量用
いるかないし使用しなくてもよい。液状剤とする場合
は、薬物を封入したマイクロカプセルの粒径は、1〜数
十μのものが適している。このマイクロカプセルを水分
保持剤又は液状担体中に分散させる。
【0033】本発明の消炎・鎮痛剤を貼付剤の剤型で構
成した場合の実施態様において、薬物と希釈剤との混合
物を封入したマイクロカプセルを基剤ポリマーと混合さ
せて得られた膏体組成物をシート状支持体に塗布し、そ
の塗布層の表面に保護フィルムを設けた場合の本発明実
施例の貼付剤の断面図解図を添付図面の図1に示す。
【0034】図1において、薬物と希釈剤との混合物を
封入したマイクロカプセル14を混合、含有するポリマ
ー質の基剤12からなる膏体組成物が塗着層としてシー
ト状支持体11の上に均一に塗布されてある。前記の膏
体組成物の塗着層の表面には、保護膜(フィルム)13
が被着されてある。
【0035】図1に示された実施例の貼付剤から保護膜
13を取除いた後に、身体皮膚面に貼り着けて保持した
時に薬物含有マイクロカプセル14を含有する基剤12
よりなる膏体組成物層から放出されて経皮的に血液中に
入る薬物の血中濃度は、皮膚に一定時間貼付けた後に、
皮膚から剥された貼付剤の膏体組成物中に残存、保持さ
れる薬物濃度と、大筋で一定の相関関係があることが判
っている。従って、皮膚に貼付された貼付剤の薬効持続
性は、貼付された貼付剤の膏体組成物中の薬物の保持率
(又は残存率)の経時的変化を測定することにより評価
できる。添付図面の図2は、後記の実施例1及び2で調
製された貼付剤を皮膚貼付テストにかけた時の貼付剤の
膏体組成物中に残存する薬物の保持率の、貼付時間に対
する経時的変化の曲線を示す。添付図面の図3は、後記
の比較例で調製された従来技術の貼付剤を上記と同様に
皮膚貼付テストにかけた時の膏体組成物中の薬物の保持
率の経時的変化の曲線を示す。
【0036】なお、添付図面の図4は、従来慣用の貼付
剤の断面図であり、支持体41の上に薬物含有基剤層4
2が塗布されてあり、その上に保護膜43が設けられ
る。図5は図4の貼付剤からの薬物放出による薬物血中
濃度変化の曲線図である。鎖線aは薬効発現に必要であ
る薬物の最小有効血中濃度であり、鎖線bは許容最大血
中濃度である。
【0037】実施例1 サリチル酸メチル濃度が30重量%であるサリチル酸メ
チルとオリーブ油(希釈剤)との混合物をマイクロカプ
セル中に封入した。このマイクロカプセルはゼラチン〜
アラビアゴムを壁材として平均粒径20μに作成したも
のである。
【0038】後記の表1の組成でグリセリン、水、カル
ボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロー
ス、カオリン、アクリル酸ナトリウムを混和してなる基
剤組成物中にl−メントール及びdl−カンフルと一緒
に前記マイクロカプセルを混合、練合して膏体組成物を
調製した。これを基布(支持シート)に塗布し、保護フ
ィルムで被覆して本発明貼付剤を作成した。次に、これ
をシール袋に密封収納して保存した。保存の数日後、あ
るいは2ヶ月後にシール袋を各々開封し、貼付剤を取出
して人の腕に貼りつけ貼付テストを実施した。
【0039】所定の貼付時間の経過毎に、剥して貼付剤
中の薬物であるサリチル酸メチルの残存量を測定した。
この残存量の測定は、貼付剤をエタノール中に浸漬、超
音波振動を加え溶出させた後、ガスクロマトグラフィに
より分析定量して行った。その測定結果を薬物保持率に
換算して図2の変化曲線に示す。図2においては、上記
の試験の貼付時間の経過につれて貼付剤膏体中の薬物の
サリチル酸メチルの保持率が変化する関係の曲線を示す
ものである。曲線aは数日間保存の貼付剤、曲線a′は
2ヶ月間保存のものの測定結果を示す。尚、薬物保持率
は貼付0時間時の薬物含有量を100とした時の任意の
貼付時間での薬物含有量の百分率(%)として表わされ
る。
【0040】
【0041】数日間保存の貼付剤試料(測定結果は曲線
aで表わす)並びに2ヶ月間保存の試料(曲線a′で表
わす)とも、貼付10時間後においても膏体中に薬物
(サリチル酸メチル)を65%以上の保持率で保持して
おり、このことから薬効の持続性が高いことが分かる。
【0042】上記、膏体中の薬物保持率の定量分析の試
験に加え、貼付テストでは皮膚感覚官能テストも実施し
た。3人の被験者の平均で、実施例1の貼付剤では30
分後ぐらいから非常に強い薬効感が生じ10時間後で
も、かなり強い薬物の有効感があった。
【0043】更に数日間保存の貼付剤試料を用い、シー
ル開封直後と、開封1日後の膏体中のサリチル酸メチル
含有量を分析した。その結果、開封直後では100重量
部の膏体に対しサリチル酸メチル量は3.57重量部、
1日後では3.37重量部であって、仕込み値(3.6
重量部)の90%以上を保持しており、揮散がほとんど
ないことが分かる。
【0044】実施例2 芯物質として、薬物のサリチル酸メチル、l−メントー
ル、dl−カンフル及び希釈剤のオリーブ油をサリチル
酸メチル:l−メントール:dl−カンフル:オリーブ
油=1.5:1:1:4の比率で含有する混合物を収容
封入した平均粒径40μのマイクロカプセルを作成し
た。カプセルの壁物質はゼラチン−アラビアゴムを用い
た。
【0045】このマイクロカプセルを表1の組成の基剤
組成物中に混合、練合して膏体組成物を調製し、これを
用いて実施例1と同様に貼付剤を作成し、シール袋に密
封した後、貼付テストを実施した。実施例1と同様の方
法でサリチル酸メチル含量の保持率(%)を計測して、
その結果は、図2に示す。数日間保存の貼付剤試料(曲
線bで表わす)並びに2ヶ月間保存の試料(曲線b′で
表わす)とも、貼付10時間後においても薬物(サリチ
ル酸メチル)が70%以上残存しており、薬効の持続性
が高いことが分かる。
【0046】皮膚感覚官能テストでは、30分位から鋭
い薬効感が得られ、10時間後もかなりの薬効感が続い
た。
【0047】尚、シール袋開封後の薬物(サリチル酸メ
チル)の保持性は、開封直後が1.46重量部、1日後
が1.42重量部であり、仕込み値(1.5重量部)の
90%以上を示し、非常に高いことが判明した。
【0048】比較例1 表1の組成の基剤組成物中に直接にサリチル酸メチル、
l−メントール及びdl−カンフルを混和して従来型の
貼付剤を作成、シール袋に密封収納した。実施例1と同
様の貼付テストを、密封数日間保存の貼付剤試料並びに
密封2ヶ月間保存の貼付剤試料について実施した。
【0049】薬物保持率の計測を実施例1と同様に行な
い、その結果は、図3に示す。数日間保存の試料の計測
結果は曲線cで表わし、2ヶ月間保存の試料のそれは曲
線c′で表わす。両方の試料とも、貼付10時間後の薬
物が30%以下しか残存しておらず薬効持続性が悪い。
【0050】比較例1の貼付剤の皮膚感覚官能テストで
は、貼付後30分ぐらいから薬効感が生じたが、3人の
被験者とも3時間を経過すると薬効感が全くなくなっ
た。
【0051】シール袋開封後の薬物の保持テストでは、
仕込み値(1.5重量部)に比べて開封直後のサリチル
酸メチルの残存量は、1.45重量部であるが、1日後
では0.90重量部となり、大幅に揮散しており、十分
な薬効を示すことができない。
【0052】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の消炎・
鎮痛剤では、薬物と希釈剤との混合物をマイクロカプセ
ル中に封入することで薬物の徐放性を制御しているた
め、薬効が非常に長時間に渡って持続できる。
【0053】更に、本発明の最大の特長は、本剤作成後
に例えば市場の流通過程中に1ヶ月〜3年間保存又は貯
蔵した後も、作成直後と同様の非常に高い薬効持続性を
示すことが可能な点である。
【0054】又、薬物の揮発がほとんどないため、シー
ル袋開封後も長時間所定の薬効を示すことが出来る。こ
れにより、実用面では従来品より包装シールの簡便化が
可能となりコスト低減にも役立つ。
【0055】本発明は、シート状パップ剤、軟膏、液剤
等いずれの消炎・鎮痛剤にも利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消炎・鎮痛剤を貼付剤の型に製剤した
実施例の一例の断面図である。
【図2】本発明の実施例1に用いた貼付剤の薬物保持性
能を示す特性の曲線図である。
【図3】比較例1に用いた貼付剤の薬物保持性能を示す
特性の曲線図である。
【図4】従来の一つの型式のパップ剤の構成を示す断面
図解図である。
【図5】図4に示されたパップ剤の薬物保持性能の曲線
図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経皮吸収能をもつ消炎性薬物及び鎮痛性
    薬物の少なくとも1つを5〜40重量%の割合で混合して
    ある、液状希釈剤との混合物を収容封入しているマイク
    ロカプセルであって、しかも壁の細孔率、壁の材質、壁
    の厚さ、カプセル径のうちの少なくとも1つを変えるこ
    とにより薬物の放出を制御したマイクロカプセルと、該
    マイクロカプセルと混合された基剤、あるいは基剤と前
    記薬物の少なくとも1つとの混和物とから成ることを特
    徴とする、経皮投与用消炎・鎮痛剤。
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