JPH05112024A - サーマルプリントヘツドの製造方法 - Google Patents

サーマルプリントヘツドの製造方法

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JPH05112024A
JPH05112024A JP9943392A JP9943392A JPH05112024A JP H05112024 A JPH05112024 A JP H05112024A JP 9943392 A JP9943392 A JP 9943392A JP 9943392 A JP9943392 A JP 9943392A JP H05112024 A JPH05112024 A JP H05112024A
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dissipation plate
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Kuniaki Nakamura
邦昭 中村
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルプリントヘッドにおけるヘッド基板
と放熱板とを接着剤にて貼り合わす場合において、その
貼り合わせに要するコストを、その接着強度の低下を招
来することなく、低減できるようにする。 【構成】 発熱抵抗体2を備えたセラミック製のヘッド
基板1と、金属製の放熱板3との接着に、空気(酸素)
との接触を遮断し、且つ、金属に接触したとき硬化する
ようにした嫌気性接着剤Aを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ又はプリ
ンタ等に使用されるサーマルプリントヘッドを製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のサーマルプリントヘッド
は、例えば、特開昭56−126180号公報又は特開
昭57−24272号公報等に記載されているように、
発熱抵抗体を備えたセラミック製のヘッド基板を、アル
ミ等の放熱板に対して接着剤にて接着する構成にしてい
ることは、周知の通りであり、そして、前記ヘッド基板
を放熱板に対して接着するための接着剤として、加熱に
よって硬化するようにしたいわゆる加熱硬化型接着剤、
又は硬化剤の混合によって常温で硬化するようにしたい
わゆる常温硬化型接着を使用し、これらの接着剤を、前
記ヘッド基板及び放熱板のうちいずれか一方又は両方に
塗布したのち、前記ヘッド基板と放熱板とを貼り合わせ
るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ヘッド基板を
放熱板に対して接着するための接着剤として前者の加熱
硬化型接着剤を使用する場合には、ヘッド基板を放熱板
に対して貼り合わせたあとにおいて、全体を適宜温度に
加熱する工程、つまり、接着剤を硬化するための加熱装
置を必要とするから、サーマルプリントヘッドの製造設
備が複雑化すると共に大型化し、製造コストのアップを
招来するのである。
【0004】また、ヘッド基板を放熱板に対して接着す
るための接着剤として後者の常温硬化型接着剤を使用す
る場合において、その硬化剤として硬化速度の早いもの
を使用すると、ヘッド基板と放熱板とを貼り合わせるま
での間において硬化が進行して、接着強度が低下するこ
とになるから、前記の硬化剤としては硬化速度の可成り
遅いものを使用しなければならず、従って、貼り合わせ
たあとにおける硬化に長い時間を必要とするから、これ
また製造コストのアップを招来するのであった。
【0005】本発明は、これらの問題を解消した製造方
法を提供することを技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため第1の発明は、発熱抵抗体を備えたセラミック製
ヘッド基板の表面及び金属製放熱板の表面のうちいずれ
か一方又は両方に、空気(酸素)との接触を遮断し、且
つ、金属に接触したとき硬化するようにした嫌気性接着
剤を塗布したのち、前記ヘッド基板と前記放熱板とを貼
り合わせるものである。
【0007】また、第2の発明は、発熱抵抗体を備えた
セラミック製ヘッド基板の表面及び金属製放熱板の表面
のうち金属製放熱板の表面に、レドックス触媒等のよう
な金属表面活性剤を塗布し、次いで、発熱抵抗体を備え
たセラミック製ヘッド基板の表面及び金属製放熱板の表
面のうちいずれか一方又は両方に、空気(酸素)との接
触を遮断し、且つ、金属に接触したとき硬化するように
した嫌気性接着剤を塗布したのち、前記ヘッド基板と前
記放熱板とを貼り合わせるものである。
【0008】
【作 用】ヘッド基板の表面及び放熱板の表面のうち
いずれか一方又は両方に嫌気性接着剤を塗布したのち、
前記ヘッド基板と前記放熱板とを貼り合わせると、前記
嫌気性接着剤は、大気空気と遮断された状態になると共
に、金属製の放熱板に対して接触する状態になるから、
当該嫌気性接着剤の硬化は、前記の貼り合わせを行った
あとから常温の状態で始まることになる。
【0009】すなわち、接着剤の硬化に加熱することを
必要としないのであり、しかも、前記ヘッド基板と放熱
板とを貼り合わせるまでの間において、前記嫌気性接着
剤の硬化が始まることがないから、接着剤による接着強
度の低下を招来することがないのである。また、ヘッド
基板の表面及び放熱板の表面のうちいずれか一方又は両
方に嫌気性接着剤を塗布するに先立って、第2の発明の
ように、放熱板の表面にレドックス触媒等のような金属
表面活性剤を塗布ことにより、この金属表面活性剤によ
る放熱板における表面の活性化にて、前記嫌気性接着剤
の硬化速度を促進することができると共に、接着強度を
向上することができるのである。
【0010】
【発明の効果】従って、第1の発明によると、ヘッド基
板を放熱板に対して接着剤にて接着する場合において、
前記接着剤による接着強度の低下を招来することなく、
且つ、硬化するための加熱装置を必要としないから、ヘ
ッド基板を放熱板に対して確実かつ強固に貼り合わせる
ことができると共に、サーマルプリントヘッドの製造コ
ストを大幅に低減できると言う効果を有するのであり、
また、第2の発明によると、前記接着剤における常温状
態での硬化速度を促進できるから、生産性を向上できて
製造コストを更に低減できると共に、ヘッド基板の放熱
板に対する接着強度を向上できる効果を有する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面について説明す
る。図において符号1は、セラミックにて長さLに形成
したヘッド基板を示し、その上面には、発熱抵抗体2が
一直線のライン状に延びるように形成されている。符号
3は、アルミ製の放熱板を示し、この放熱板3の上面に
対して、前記ヘッド基板1を、これらの長手方向に沿っ
ての略中央において長さSにわたって部分的に塗布した
接着剤Aを介して接着する。
【0012】そして、前記の接着剤Aとして、空気(酸
素)との接触を遮断し、且つ、金属に接触したとき硬化
するようにした嫌気性接着剤を使用して、この嫌気性接
着剤Aを、前記ヘッド基板1及び放熱板3のうちいずれ
か一方又は両方に塗布したのち、その両者を互いに貼り
合わせる。すると、前記嫌気性接着剤は、大気空気と遮
断された状態になると共に、金属製の放熱板3に対して
接触する状態になるから、当該嫌気性接着剤Aの硬化
は、前記の貼り合わせを行ったあとから常温の状態で始
まることになる。
【0013】しかも、前記嫌気性接着剤Aの硬化は、ヘ
ッド基板1と放熱板3とを貼り合わせるまでの間におい
て始まることがないから、接着強度の低下を招来するこ
とがないのである。また、ヘッド基板1と放熱板3とを
嫌気性接着剤Aによって貼り合わせるに際して、金属製
放熱板3の表面に、予め、レドックス触媒等のような金
属表面活性剤を、メチレンクロライド等の溶剤にて溶か
して塗布しておくことにより、この金属表面活性剤にて
放熱板3の表面が活性化するから、前記嫌気性接着剤A
の硬化速度を促進することができると共に、接着強度を
向上できるのである。
【0014】この場合、本発明者の実験によると、放熱
板3の表面に金属表面活性剤を予め塗布しない場合にお
ける嫌気性接着剤Aの硬化時間は、約30分であった
が、放熱板3の表面に金属表面活性剤を予め塗布した場
合における嫌気性接着剤Aの硬化時間は、約1〜2分に
なるのであった。ところで、この種のサーマルプリント
ヘッドは、そのヘッド基板1における発熱抵抗体2が発
熱すると、セラミック製のヘッド基板1と金属製の放熱
板3との間における熱膨張差のために、当該サーマルプ
リントヘッドにおける長手方向の両端部がプリンタ又は
ファクシミリ等におけるプラテンに接近しサーマルプリ
ントヘッドにおける長手方向の中央部がプラテンから離
れる形態、つまり、プラテンに対して凹型の湾曲状に反
り変形する傾向を呈するものである。
【0015】そこで、前記サーマルプリントヘッドに
は、予め、当該サーマルプリントヘッドにおける長手方
向の両端部がプラテンから離れサーマルプリントヘッド
における長手方向の中央部がプラテンに接近する形態、
つまり、プラテンに対して凸型の湾曲状を呈する形態の
反りを付与し、この凸型の湾曲状を呈する反りを付与し
た状態でプリンタ又はファクシミリ等に装着することが
行われる。
【0016】本発明者の実験によると、ヘッド基板1を
放熱板3に対して、前記嫌気性接着剤Aにて接着する場
合において、嫌気性接着剤Aを、前記したように、長手
方向に沿っての略中央において長さSにわたって部分的
に塗布するようにすると、この嫌気性接着剤Aの硬化に
よって、サーマルプリントヘッドの全体が、図2に二点
鎖線で示すように、その長手方向に沿って湾曲状に反り
変形し、しかも、その反り変形は、プラテンに対して凸
型になるのであった。また、このように反り変形すると
きの反り寸法eは、前記嫌気性接着剤Aの塗布長さSに
比例するものであった。
【0017】従って、サーマルプリントヘッドに、予
め、プラテンに対して凸型に湾曲する反りを付与するこ
とが、当該サーマルプリントヘッドにおけるヘッド基板
1を放熱板3に対して嫌気性接着剤Aを使用して接着す
ることによって達成できるものでありながら、その反り
寸法eを、前記嫌気性接着剤Aにおけるサーマルプリン
トヘッドの長手方向に沿っての塗布長さ寸法Sを増減す
ることによって、任意に設定することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるサーマルプリントヘッド
を分解した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例によるサーマルプリントヘッド
の斜視図である。
【符号の説明】
1 ヘッド基板 2 発熱抵抗体 3 放熱板 A 嫌気性接着剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱抵抗体を備えたセラミック製ヘッド基
    板の表面及び金属製放熱板の表面のうちいずれか一方又
    は両方に、空気(酸素)との接触を遮断し、且つ、金属
    に接触したとき硬化するようにした嫌気性接着剤を塗布
    したのち、前記ヘッド基板と前記放熱板とを貼り合わせ
    ることを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】発熱抵抗体を備えたセラミック製ヘッド基
    板の表面及び金属製放熱板の表面のうち金属製放熱板の
    表面に、レドックス触媒等のような金属表面活性剤を塗
    布し、次いで、発熱抵抗体を備えたセラミック製ヘッド
    基板の表面及び金属製放熱板の表面のうちいずれか一方
    又は両方に、空気(酸素)との接触を遮断し、且つ、金
    属に接触したとき硬化するようにした嫌気性接着剤を塗
    布したのち、前記ヘッド基板と前記放熱板とを貼り合わ
    せることを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方
    法。
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