JPH0511160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、米の包装体に係わり、特に１回の消
費量等の少量の精白米を包装するのに適した米の
包装体に関する。

〔従来の技術〕

従来、スーパーマーケツトやコンビニエンスス
トアあるいは米穀店等で販売されている米は、１
Kgから25Kg入りのポリエチレン袋や紙袋等で包装
されており、使用者は米を別の保存容器に移して
保存し、使用に際してはこの保存容器から１回の
必要量を取出して洗米し炊飯していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上述のものでは、１包装単位の米
の量が多いために別の保存容器が必要であり、ま
た少量の米を必要とする場合には、米の計量等の
余計な手間や米の無駄を生じていた。さらに現在
では、核家族化やパン食の増加、さらには各家庭
における孤食や個食機会の増加によつて、米の消
費量が低下すると共に１回に消費される米の量も
少量化しつつあり、１回の消費量を包装単位とす
る包装体が求められている。

そこで本考案は、１回の消費量等、比較的少量
の米を包装するのに好適で、米を炊飯する際の洗
米が容易にできる米の包装体を提供することを目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記した目的を達成するために、本考案は、箱
状容器の開口部の一側部を米粒より小径の通水孔
を有する透水性の部材で覆い、さらに該透水性の
部材の外方の前記開口部全体を非透水性の部材で
被覆したことを特徴としている。

〔作用〕

従つて、非透水性の部材を取除いて箱状容器内
に水を注入して洗米し、洗米後の水を透水性の部
材部分から排水でき、洗米を容易に行なうことが
できる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は包装体の蓋材を取除いた状態を示す斜
視図、第２図は包装体の断面図、第３図は排水時
の状態を示す包装体の斜視図である。

米の包装体１は、米２を収納する箱状容器３
と、該箱状容器３の開口部３ａの外縁面３ｂに剥
離可能に貼着される非透水性の部材よりなる蓋材
４及び開口部３ａの段部３ｃに貼着され、開口部
３ａの一側部を覆う米粒より小径の透水孔５ａを
有する透水性の部材である水切板５とで構成され
ている。

前記箱状容器３は、耐水性の材料により形成さ
れるもので、熱可塑性の合成樹脂、例えばポリ塩
化ビニル、ポリスチレン等あるいは耐水紙や金属
板等の成形品が用いられる。蓋材４は、合成樹脂
製の非透水性のフイルム、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の
単体フイルムあるいは積層フイルムにより形成さ
れ、また水切板５は、合成樹脂製のフイルムや板
に多数の通孔を形成したもの、あるいは不織布や
プラスチツクネツト等が用いられる。

この水切板５は、洗米や排水が容易に行なえる
ように、開口部３ａの面積の約25％乃至50％の範
囲に設けることが好ましく、箱状容器３を傾けて
排水を行なう際に米２が流れ落ちないように開口
部３ａの一側の少なくとも２辺に連続して設けら
れる。

水切板５の通水孔５ａの大きさは、箱状容器３
内に収納された米２が通過せずに、また洗米時の
水や汚れ等を排出できるように、約２mm以下好ま
しくは0.5〜１mmに形成される。

そして包装体１は、箱状容器３に１回の消費
量、例えば数10gから数100gの米２を収納し、開
口部３ａを蓋材４で密封されて供給される。

炊飯にあたつては、箱状容器３の蓋材４を剥離
して開口部３ａを開口させ、該開口部３ａから水
を注入して前記水切板５の設けられていない側か
ら箱状容器３内に手等を挿入して内部の米２を洗
米する。洗米後の水は、第３図に示すように箱状
容器３を前記水切板５の設けられた側を下にして
傾けることにより排水され、内部の米２が散逸す
ることなく米糠や搗精時の粉等の精白米に付着し
た汚れを容易に洗い落すことができる。

このように包装体１に１回の炊飯に必要な量の
米２を包装しておくことにより、箱状容器３のま
ま洗米して、炊飯器等に移すだけで１回分の炊飯
を容易にかつ無駄なく行なうことができ、米２を
別の保存容器に移したり、米２の量を図る必要も
なく、さらに洗米のために別の容器を用意する必
要もない。

また箱状容器の形状や大きさは、収納する米の
量や販売場所の条件等により最適な形状を選定で
き、さらに保存性を必要とする場合には、ガスバ
リヤー性や防湿性に優れた材料を用いたり、不活
性ガスによるガス置換や脱酸素剤の封入あるいは
真空包装等の保存性を高める包装手段を用いるこ
とも可能である。

尚、本考案の包装体には、精米後に洗米した米
を収納することもできる。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、箱状容器の開口
部の一側部を米粒より小径の通水孔を有する透水
性の部材で覆い、さらに前記開口部全体を非透水
材の部材で被覆したから、非透水性の部材を取除
いて箱状容器のまま洗米でき、米を散逸させるこ
となく洗米後の水を透水性の部材の部分から排水
できるので洗米が容易になる。特に１回の消費量
の米を包装しておくことにより、包装体から別の
容器に移すことなく洗米して炊飯することがで
き、炊飯に際しての手間を省けるとともに米を無
駄にすることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は包装体の蓋材を取除いた状態を示す斜
視図、第２図は包装体の断面図、第３図は排水時
の状態を示す包装体の斜視図である。 １……包装体、２……米、３……箱状容器、３
ａ……開口部、４……蓋材、５……水切板、５ａ
……通水孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱状容器の開口部の一側部を米粒より小径の通
   水孔を有する透水性の部材で覆い、さらに該透水
   性の部材の外方の前記開口部全体を非透水性の部
   材で被覆したことを特徴とする米の包装体。