JPH05110973A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な再生画像が得られる磁気記録再生装置
を得る。 【構成】 スチルパターン信号の発生手段を含んで構成
されている目標位置信号の発生部からドラムの回転周期
と関連する周期性信号と磁気テープの走行速度と関連す
る信号等に基づいて各種の動作モード毎に発生された磁
気ヘッドの目標位置信号と、磁気ヘッド位置検出部から
発生された磁気ヘッドの位置信号とを磁気ヘッド位置制
御回路に与えて磁気ヘッドの位置制御信号を発生させ、
この磁気ヘッドの位置制御信号を磁気ヘッド駆動部に供
給して、高速再生モードの場合には回転磁気ヘッドがそ
の回転磁気ヘッドのアジマス角と同一のアジマス角の回
転磁気ヘッドによって記録形成された記録跡間で急速に
変位するという状態で欠落の少ない状態での高速再生を
行ない、通常の再生モードや低速再生モードの場合に
は、前記した各動作モードによって定められる所定の記
録跡の記録跡の始端から終端までの区間を回転磁気ヘッ
ドが良好に追従して再生動作を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ドラムの周面の少なくとも一部に斜に巻
付けられる磁気テープにおける基準縁の位置が、ドラム
に設けられた案内部によって規制されるようになされて
いるとともに、前記した磁気テープに対する記録再生動
作が回転磁気ヘッドによって行なわれうるようになされ
ている磁気記録再生装置（ヘリカル走査型の磁気記録再
生装置）においては、通常、磁気テープ上に形成させた
１本の記録跡毎に１フィールド期間の映像信号を記録再
生できるようにしている。周知のように、テレビジョン
映像信号の信号内容は、時間軸上で連続している順次の
フィールド間では強い相関を示すものであるから、時間
軸上で連続している順次の各フィールド期間の映像信号
の記録跡が隣接して並べて記録されているような記録態
様の磁気テープを、記録時における磁気テープの移送速
度とは異なる移送速度で磁気テープを移送させた状態で
再生動作を行なって、回転磁気ヘッドが順次の記録跡を
横切る状態で磁気テープから映像信号を再生させるよう
にしても、不良な画質の再生画像ながら画像内容の判断
が可能な程度の再生画像を得ることができるようにする
ことができる。

【０００３】それで、ヘリカル走査型の磁気記録再生装
置においては、従来から磁気テープを早送りや、巻戻し
時のように高速走行の状態として再生動作を行なうこと
により、磁気テープの記録内容の概略を知ることができ
るような再生状態での高速再生動作（高速サーチモード
での再生動作）を行なうことが実施されて来ている。と
ころで、同一のアジマス角の磁気空隙を備えた２個の回
転磁気ヘッドを用いて構成されているヘリカル走査型の
磁気記録再生装置では、前記のように隣接配置されてい
る記録跡を回転磁気ヘッドが横切って記録跡中から再生
された映像信号によって、磁気テープの記録内容の概略
を知るようにすることは比較的に容易であるが、高密度
記録再生が実現できる磁気記録再生装置を構成させるた
めに、互に異なるアジマス角を有している２個の回転磁
気ヘッドの回転軌跡による記録跡を磁気テープに順次交
互に形成させるように構成した磁気記録再生装置におい
ては、アジマス角を異にしている回転磁気ヘッドによっ
て順次交互に磁気テープに記録されている順次の記録跡
を、前記の回転磁気ヘッドが横切りながら再生を行なう
ようにすると、記録時に使用された回転磁気ヘッドのア
ジマス角と同一のアジマス角を有する回転磁気ヘッドに
よって記録跡から再生された映像信号と、記録時に使用
された回転磁気ヘッドのアジマス角とは異なるアジマス
角を有する回転磁気ヘッドによって記録跡から再生され
た映像信号とが、時間軸上で順次交互に並んでいる状態
の再生信号しか得られないことになり、その再生信号の
状態は例えば図８の（ａ）に例示されている包絡線で示
されるような信号となるために再生画像は全く劣悪な画
質のものになってしまう。

【０００４】前記のようにドラムの周面の少なくとも一
部に斜に巻付けられる磁気テープに対して、互に異なる
アジマス角を有している２個の回転磁気ヘッドの回転軌
跡による記録跡が順次に形成されうるように構成されて
いるヘリカル走査アジマス記録型の磁気記録再生装置に
おいて、高速サーチモードでの再生動作を行なったとき
に生じる前記の問題点を解決するために、従来は使用
される２個の回転磁気ヘッドにおける一方の回転磁気ヘ
ッドは、それの本来の磁気空隙のアジマス角が＋αであ
り、他方の回転磁気ヘッドの本来の磁気空隙のアジマス
角が−αであるとした場合には、一方の回転磁気ヘッド
としては前記した＋αのアジマス角を有する本来の磁気
空隙と、その本来の磁気空隙の位置に対して僅かの距離
（例えば２水平走査期間と対応する距離）だけ先行して
いる位置に−αのアジマス角を有する磁気空隙とを備え
るように構成された回転磁気ヘッドを用い、また、他方
の回転磁気ヘッドとしては前記した−αのアジマス角を
有する本来の磁気空隙と、その本来の磁気空隙の位置に
対して僅かの距離（例えば２水平走査期間と対応する距
離）だけ先行している位置に＋αのアジマス角を有する
磁気空隙とを備えるように構成された回転磁気ヘッドを
用いて、高速サーチモードでの再生動作時には、前記し
た各回転磁気ヘッドにおける２つの磁気空隙から再生さ
れた信号における再生出力の大きい方の信号を選択して
使用する。

【０００５】複数本の記録跡にまたがるような磁気空
隙を備えている構成態様の高速サーチモードでの再生動
作専用の再生ヘッドを用いて高速サーチモードでの再生
動作を行なうようにする。特公昭６２ー６３２号公報
に開示されているように、記録跡の延長する方向と直交
する方向に駆動変位させることのできる電気ー機械変換
素子に回転磁気ヘッドを取付けておき、また、磁気テー
プから再生された再生速度に応じた周期を有する信号
と、回転磁気ヘッドの回転角位置を示す信号との位相比
較を行なって得た比較出力によって回転磁気ヘッドの回
転角位置を制御するようにするとともに、前記の磁気テ
ープから再生された再生速度に応じた周期を有する信号
から発生させた鋸歯状波信号によって電気ー機械変換素
子を駆動変位させることにより、回転磁気ヘッドの磁気
空隙が有するアジマス角と同一のアジマス角を有する回
転磁気ヘッドによって記録形成された記録跡の一部を辿
った後に、その記録跡から急速に一つ置きの記録跡に変
位し、前記の変位によって記録跡の一部を辿った後に、
その記録跡から急速に一つ置きの記録跡に変位し、前記
の変位によって記録跡の一部を辿る、という動作を繰返
し行なって高速サーチモードでの再生動作を行なうよう
にする。というような各種の解決策が用いられて来てい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記したのように、
各回転磁気ヘッドとして、それぞれの回転磁気ヘッドの
本来のアジマス角の磁気空隙よりも先行する位置に、他
方の回転磁気ヘッドの本来の磁気空隙のアジマス角と同
一のアジマス角の磁気空隙を設けた構成態様の回転磁気
ヘッドは、それが回転ドラムに固定された状態のものと
して用いられた場合には、各回転磁気ヘッドにおける２
つの磁気空隙の部分と磁気テープとの接触状態を良好に
することも困難ではないが、前記のように２つの磁気空
隙を設けてある回転磁気ヘッドが記録跡の延長する方向
と直交する方向に駆動変位させることのできる磁気ヘッ
ド駆動部に取付けられて使用されるような場合には、回
転磁気ヘッドに設けられている２つの磁気空隙の部分の
双方を、磁気テープに良好に接触させた状態にすること
は困難であり、また、回転ドラムには空きスぺースが少
ないから、多くの種類の回転磁気ヘッドを取付けること
が難しく、他の機能を犠牲にすることなく前記したの
ような高速サーチモードでの再生動作専用の再生ヘッド
を設けるようなことは通常採用されない。前記したの
従来例では、予め定められた磁気テープの移送速度の場
合には、高速サーチモードでの再生動作が良好に行なわ
れるが、任意な磁気テープの移送速度について常に良好
に適用することができない点、また、低速再生動作時に
おいては所定の記録跡の始端から終端までに回転磁気ヘ
ッドを追従させる再生モードに連続的に移行させること
ができない点が問題になる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明はドラムの周面の
少なくとも一部に斜に巻付けられる磁気テープに対し
て、互に異なるアジマス角を有している２個の回転磁気
ヘッドの回転軌跡による記録跡が順次に形成されうるよ
うに構成されている磁気記録再生装置において、磁気ヘ
ッドの位置制御信号が供給されることにより回転磁気ヘ
ッドを少なくとも記録跡の延長する方向と直交する方向
に駆動変位させることのできる個別の磁気ヘッド駆動部
と、前記した磁気ヘッドの駆動部に取付けられている磁
気ヘッドの位置と対応した磁気ヘッドの位置信号を発生
する磁気ヘッド位置検出部と、スチルパターン信号の発
生手段を含んでいて、ドラムの回転周期と関連する周期
性信号と磁気テープの走行速度と関連する信号等に基づ
いて各種の動作モード毎の磁気ヘッドの変位の目標位置
と対応した磁気ヘッドの目標位置信号を発生する目標位
置信号の発生部と、前記した目標位置信号と磁気ヘッド
の位置信号とに基づいて磁気ヘッドの位置制御信号を発
生する磁気ヘッド位置制御回路とを備えてなる磁気記録
再生装置を提供する。

【０００８】

【作用】スチルパターン信号の発生手段を含んで構成さ
れている目標位置信号の発生部からドラムの回転周期と
関連する周期性信号と磁気テープの走行速度と関連する
信号等に基づいて各種の動作モード毎に発生された磁気
ヘッドの変位の目標位置と対応した磁気ヘッドの目標位
置信号と、磁気ヘッド位置検出部から発生された磁気ヘ
ッドの位置信号とが供給された磁気ヘッド位置制御回路
によって磁気ヘッドの位置制御信号を発生させる。前記
した磁気ヘッドの位置制御信号が磁気ヘッド駆動部に供
給されることにより、回転磁気ヘッドは各再生動作モー
ドに応じた所定の態様で記録跡に追従し、かつ、記録跡
間で変位して記録跡中から信号を再生する。

【０００９】

【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図１及び図
５はそれぞれ本発明の磁気記録再生装置の異なる構成態
様の磁気記録再生装置のブロック図であり、また、図２
乃至図４及び図６は本発明の磁気記録再生装置の各構成
部分の具体的な構成態様を示すブロック図、図７及び図
８は動作説明用の図である。図１と図５において２はヘ
ッド位置制御回路、３はヘッド駆動部及びヘッド位置検
出部であり、前記したヘッド位置制御回路２の具体的な
構成態様は図３に例示されており、また前記したヘッド
駆動部及びヘッド位置検出部３の一部の具体的な構成態
様は図３に例示されている。また、図１における１はヘ
ッド位置目標信号発生回路であり、同様に図５における
４はヘッド位置目標信号発生発生回路である。図２は図
１中に示されているヘッド位置目標信号発生回路１の具
体的な構成例であり、また、図６は図５中に示されてい
るヘッド位置目標信号発生回路４の具体的な構成例を示
している。

【００１０】図１及び図５に示されている本発明の磁気
記録再生装置において、回転磁気ヘッドは図示されてい
ない回転ドラムに固着されているヘッド駆動部に固着さ
れていて、ヘッド位置制御回路２の出力端子２ｃからヘ
ッド駆動部及びヘッド位置検出部３におけるヘッド駆動
部に供給されているヘッド位置制御信号によってヘッド
駆動部が駆動変位されることにより、回転磁気ヘッドは
磁気テープの記録跡の延長方向と直交する方向に変位さ
れる。前記したヘッド位置制御回路２で発生されてヘッ
ド駆動部に供給されるヘッド位置制御信号は、ヘッド駆
動部及びヘッド位置検出部３におけるヘッド位置検出部
で発生されてヘッド位置制御回路２の入力端子２ｂに供
給された磁気ヘッドの位置信号と、ヘッド位置目標信号
発生回路１または４からヘッド位置制御回路２の入力端
子２ａに供給されたヘッド位置目標信号との差信号によ
って作られる。

【００１１】ヘッド位置制御回路２の具体的な構成例を
示している図３において、入力端子２ａに供給されたヘ
ッド位置目標信号は、微分回路１７によって微分される
ことにより速度信号とされた後に減算器２０へ減数信号
として供給されるとともに、前記した入力端子２ａに供
給されたヘッド位置目標信号は減算器１８に減数信号と
して供給されている。前記した減算器１８に被減数信号
として供給される信号は、ヘッド駆動部及びヘッド位置
検出部３におけるヘッド位置検出部で発生された磁気ヘ
ッドの位置信号が入力端子２ｂを介して供給されてい
る。前記した減算器１８からの出力信号は、位相補償回
路１９によって位相補償が行なわれた後に、既述した減
算器２０に被減数信号として供給されており、前記した
減算器２０から出力された信号が駆動回路（ドライバ）
２１を介してヘッド位置制御信号として出力端子２ｃか
ら出力される。

【００１２】前記したヘッド位置制御回路２からヘッド
位置制御信号が供給されるヘッド駆動部及びヘッド位置
検出部３の具体的な構成例を示す図４において、２２は
ベース部、２２ａ，２２ｂは部材取付用突起部、２３は
電気ー機械変換素子として使用される電歪物質のバイモ
ルフである。なお、電気ー機械変換素子としては電歪物
質のバイモルフに限られることはなく、例えばボイスコ
イルモータを用いてもよい。前記のバイモルフ２３はそ
れの基部２３ａが、ベース部２２の部材取付用突起部２
２ａの上面に載置された後に、それの上部に抑え板２４
をのせて、前記の抑え板２４とバイモルフ２３とをねじ
２５，２６によって前記したベース部２２の部材取付用
突起部２２ａに固着される。前記したバイモルフ２３の
先端部２３ｂには、位置検出部の作動板２７が固着され
ている。前記した位置検出部の作動板２７の両端には突
起部２７ａ，２７ｂが構成されている。位置検出部の作
動板２７の突起部２７ａ，２７ｂは、図４の(ｄ)に示す
一部の拡大平断面図で明らかなように、位置検出部の作
動板２７の突起部２７ａは、位置検出素子として用いら
れているフォトインタラプタＰＨ1における発光部２９
Ａと受光部３０Ａとの間の光路中に突出している状態に
なされており、また、前記の位置検出部の作動板２７の
突起部２７ｂは、位置検出素子として用いられているフ
ォトインタラプタＰＨ2における発光部３１Ａと受光部
３２Ａとの間の光路中に突出している状態になされてい
る。

【００１３】前記の位置検出素子として用いられている
２つのフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2は、それぞれの
発光部２９Ａ,３１Ａに設けられている発光素子(例えば
発光ダイオード)２９,３１と、前記した発光部２９Ａ，
３１Ａに設けられている発光素子２９，３１から放射さ
れた光を受光するために、受光部３０Ａ,３２Ａに設け
られている受光素子(例えばフォトトランジスタ)３０,
３２などによって構成されているが、前記した２個のフ
ォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2としては、同一の入出力
特性を示すものが使用されている。そして、前記した２
つのフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2において、それぞ
れの発光部２９Ａ,３１Ａに設けられている発光素子(例
えば発光ダイオード)２９,３１から放射された光の内
で、受光部３０Ａ，３２Ａにおける受光素子(例えばフ
ォトトランジスタ)３０,３２で受光される受光量は、前
記した発光部２９Ａ，３１Ａと受光部３０Ａ，３２Ａと
の間の光路中で、前記したバイモルフ板２３によって磁
気ヘッド２８と一体的に図中の矢印Ｙ方向に変位するよ
うになされている位置検出部の作動板２７の突起部２７
ａ，２７ｂの変位の態様に従って変化する。

【００１４】図４の(ｅ)は前記した図４の(ｄ)における
Ｘ−Ｘ線位置における側断面図であって、前記した２つ
のフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2における受光部３０
Ａ，３２Ａの受光素子３０，３２の配置の態様は、前記
したバイモルフ板２３の変形によって磁気ヘッド２８と
一体的に図中の矢印Ｙ方向に変位するようになされてい
る位置検出部の作動板２７の突起部２７ａ，２７ｂによ
る遮光作用により、受光素子３０，３２に対する入射光
量が相補的に変化する状態となされており、したがっ
て、前記した２つのフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2に
おける受光部３０Ａ，３２Ａの受光素子３０，３２から
の出力信号は、磁気ヘッド２８と一体的に図中の矢印Ｙ
方向に変位する位置検出部の作動板２７の突起部２７
ａ，２７ｂの変位に応じて相補的に変化する状態のもの
になっている。図４の(ｅ)に示されている受光素子３
０，３２における四角形は光電変換部の受光面を示して
いる。

【００１５】前記した２個のフォトインタラプタＰＨ
1，ＰＨ2における一方のフォトインタラプタＰＨ1にお
ける発光素子２９から放射された光を受光する受光素子
３０からの出力電流によって発生した電圧と、他方のフ
ォトインタラプタＰＨ2における発光素子３１から放射
された光を受光する受光素子３２からの出力電流によっ
て発生した電圧とは演算回路によって両電圧の差電圧が
発生される。磁気ヘッド２８が正規の位置にある状態に
おいて、前記した２個のフォトインタラプタＰＨ1，Ｐ
Ｈ2におけるそれぞれの受光素子３０，３２に入射され
る光量が等しくなるように、予め前記した位置検出部の
作動板２７の突起部２７ａ，２７ｂの位置をバイモルフ
２と検出部の作動板２７とによって調節しておけば、磁
気ヘッド２８が正規の位置にあるときには、２個のフォ
トインタラプタＰＨ1，ＰＨ2における同一の入出力特性
を有する受光素子３０，３２からの出力は同一となる。

【００１６】磁気ヘッド２８が正規の位置にある状態に
おける２個のフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2の受光素
子３０，３２の受光面と位置検出部の作動板２７の突起
部２７ａ，２７ｂとの相対的な配置態様を例示している
図４の(ｅ)において、一方のフォトインタラプタＰＨ1
における受光素子３０の受光面は、それの上方の半分の
部分が位置検出部の作動板２７の突起部２７ａによって
遮光されており、また、他方のフォトインタラプタＰＨ
2における受光素子３２の受光面は、それの上方の半分
の部分が位置検出部の作動板２７の突起部２７ｂによっ
て遮光されている状態になされているが、前記した位置
検出部の作動板２７が図中の矢印Ｙの方向に変位したと
きには前記した２個のフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2
の受光素子３０，３２の受光面に対する入射光量が、位
置検出部の作動板２７の突起部２７ａ，２７ｂによる遮
光作用により相補的に変化する。例えば、磁気ヘッド２
８が正規の位置からずれたのに伴って、位置検出部の作
動板２７が仮に図４の(ｅ)の図示の位置から上方にΔＹ
だけ変位したとすると、位置検出部の作動板２７の突起
部２７ａ，２７ｂも図中で上方にΔＹだけ変位し、それ
により前記した位置検出部の作動板２７の突起部２７ａ
の上方へのΔＹの変位と対応する分だけ受光素子３０の
受光面の受光面積が増加し、また、位置検出部の作動板
２７の突起部２７ｂの上方へのΔＹの変位と対応する分
だけ受光素子３２の受光面の受光面積が減少する。

【００１７】磁気ヘッド２８が正規の位置からずれたの
に伴って、位置検出部の作動板２７が仮に図４の(ｅ)の
図示の位置から下方にΔＹだけ変位したとすると、位置
検出部の作動板２７の突起部２７ａ，２７ｂも図中で下
方にΔＹだけ変位し、それにより前記した位置検出部の
作動板２７の突起部２７ａの下方へのΔＹの変位と対応
する分だけ受光素子３０の受光面の受光面積が減少し、
また、位置検出部の作動板２７の突起部２７ｂの下方へ
のΔＹの変位と対応する分だけ受光素子３２の受光面の
受光面積が増加する。前記のように磁気ヘッド２８が正
規の位置にある状態において、２個のフォトインタラプ
タＰＨ1，ＰＨ2におけるそれぞれの受光素子３０，３２
に入射される光量が等しくなるように、発光部と受光部
との光路中において遮光作用を行なう位置検出部の作動
板２７の突起部２７ａ，２７ｂの位置を設定しておき、
磁気ヘッド２８の位置の正規の位置からのずれの方向と
大きさとに対応して変位する前記した位置検出部の作動
板２７の突起部２７ａ，２７ｂの位置の変化によって、
前記した２個のフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2におけ
るそれぞれの受光素子３０，３２からの出力信号が相補
的に変化するようにされている。

【００１８】それで、磁気ヘッド２８が正規の位置にあ
るときの２個のフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2におけ
る受光素子３０，３２からの出力信号は、発光ダイオー
ドの輝度やフォトトランジスタの暗電流が温度の変化に
よって変動しても、常に等しい値の出力信号が生じるよ
うな態様で変動しており、したがって前記の第１の演算
増幅器４４からの出力信号は零となり、また、前記した
磁気ヘッド２８の位置の正規の位置からのずれの方向と
大きさとに対応して変位する前記した位置検出部の作動
板２７の突起部２７ａ，２７ｂの位置の変化によって、
前記した２個のフォトインタラプタＰＨ1，ＰＨ2におけ
るそれぞれの受光素子３０，３２から出力された相補的
に変化する出力信号が与えられた演算回路からの出力信
号は、それに入力された２つの入力信号の差信号である
から、前記した磁気ヘッド２８の位置の正規の位置から
のずれの大きさと対応して１個のフォトトランジスタの
出力信号に生じる信号の変化分の２倍の信号変化分を有
しているものになっているとともに、２個のフォトイン
タラプタＰＨ1，ＰＨ2の受光素子３０，３２における暗
電流分と対応する出力信号分が相殺されて出力信号中に
は現われない。前記した出力信号が磁気ヘッドの位置信
号としてヘッド位置制御回路２の入力端子２ｂに供給さ
れる。

【００１９】次に、図１中に示されているヘッド位置目
標信号発生回路１について、図２を参照して説明する。
ヘッド位置目標信号発生回路１は、回転ドラムに固着さ
れているヘッド駆動部によって駆動変位される磁気ヘッ
ドが位置されるべき目標位置に磁気ヘッドを位置させる
ために必要な信号を発生する機能を備えているものとし
て構成されるものであり、図２に示されている１点鎖線
枠１は図１中のヘッド位置目標信号発生回路１の具体的
な構成例を示している。図１及び図２において、入力端
子１ａには回転ドラムの回転周期及び回転位相と対応し
て発生された信号Ｄ−ＦＦが供給されており、また入力
端子１ｂにはキャプスタンの回転と関連して周波数発電
機から発生された信号ＣＡＰｆｇが供給されており、さ
らに入力端子１ｃには磁気テープのコントロール・トラ
ックから再生された信号ＣＴＬが供給され、さらにまた
入力端子１ｄには前記した信号ＣＡＰｆｇに基づいて作
られた磁気テープの移送方向を示す信号Ｆ／Ｒが供給さ
れている。なお、キャプスタンの回転と関連して周波数
発電機から発生されている信号ＣＡＰｆｇは、９０度の
位相差を有する２相信号であるために、前記した磁気テ
ープの移送方向を示す信号Ｆ／Ｒは、前記した信号ＣＡ
Ｐｆｇから容易に発生できる。

【００２０】入力端子１ａに供給された回転ドラムの回
転周期の信号Ｄ−ＦＦは、スチルパターンカウンタ６に
供給する被計数パルスを発生する発振器５の同期のため
に発振器５に与えられているとともにタイミング回路７
にも供給されている。前記したスチルパターンカウンタ
６は、前記のタイミング回路７からスチルパターンカウ
ンタ６に対してプリセット信号が供給された時点に、プ
リセット値置数器８に予め設定されていたプリセット値
がプリセットされるとともに、前記した発振器５によっ
て発生された被計数パルスを計数し、その計数結果を加
算回路１１と減算回路１２とに供給する。また、入力端
子１ｂに供給されたキャプスタンの回転と関連して周波
数発電機から発生された信号ＣＡＰｆｇは、テープ移送
補正カウンタ９に対して被計数パルスとして供給されて
おり、テープ移送補正カウンタ９は磁気テープのコント
ロール・トラックから再生された信号ＣＴＬが入力端子
１ｃを介して供給された時点に、プリセット値置数器１
０に予め設定されていたプリセット値がプリセットされ
るとともに、前記した信号ＣＡＰｆｇを被計数パルスと
して計数し、その計数結果を加算回路１１と減算回路１
２とに供給する。

【００２１】前記した加算回路１１ではスチルパターン
カウンタ６によって計数された計数値と、テープ移送補
正カウンタ９によって計数された計数値との加算値を選
択回路１３に与えており、また、前記した減算回路１２
ではスチルパターンカウンタ６によって計数された計数
値と、テープ移送補正カウンタ９によって計数された計
数値との減算値を選択回路１３に与えている。前記した
選択回路１３は入力端子１ｄを介して供給された磁気テ
ープの移送方向を示す信号Ｆ／Ｒによって、前記した加
算回路１１からの出力信号と減算回路１２からの出力信
号とを切換えてデジタルアナログ変換器１４に供給し、
前記したデジタルアナログ変換器１４から出力されたア
ナログ信号形態のヘッド位置目標信号が出力端子１ｅか
らヘッド位置制御回路の入力端子２ａに供給される。

【００２２】さて回転ドラムに固着されているヘッド駆
動部によって駆動変位される磁気ヘッドが位置されるべ
き目標位置に磁気ヘッドを位置させるために必要な信号
を発生する機能を備えているものとして構成されるべき
前記したヘッド位置目標信号発生回路１において、前記
したヘッド位置目標信号発生回路１中に設けられている
スチルパターンカウンタ６では、回転ドラムの回転基準
信号であるＤ−ＦＦ信号が供給されているタイミング回
路７から、前記した回転基準信号の特定な位相の時点か
ら予め定められた時間だけ遅れた時点、すなわち回転磁
気ヘッドが磁気テープに接触していない状態にされてい
る期間中の予め定められた時点に発生されたプリセット
信号がスチルパターンカウンタ６に対して供給されたと
きに、プリセット値置数器８に設定されていたプリセッ
ト値がプリセットされるとともに、そのプリセット値に
対して発振器５から供給されている順次の被計数パルス
による計数が加えられて行くことにより、磁気テープの
移送を停止させた状態における磁気テープ上の記録跡の
位置が回転磁気ヘッドの目標位置として設定されていた
場合の磁気ヘッドの位置データが計数値によって得られ
るようにされる。

【００２３】また、前記したヘッド位置目標信号発生回
路１中に設けられているテープ移送補正パターンカウン
タ９では、磁気テープの移送速度と対応して磁気テープ
から再生されるタイミングが変化する信号ＣＴＬ(コン
トロール信号ＣＴＬ)がプリセット信号として入力端子
１ｃからテープ移送補正パターンカウンタ９に対して供
給されたときに、プリセット値置数器１０に設定されて
いたプリセット値がプリセットされるとともに、入力端
子１ｂから被計数パルスとしてテープ移送補正パターン
カウンタ９に供給されている信号ＣＡＰｆｇが、前記の
プリセット値に順次に加えられて行くことにより、テー
プ移送補正パターンカウンタ９からは、磁気テープが移
送した状態で生じる磁気テープの移送を停止させた状態
における磁気テープ上の記録跡の位置からの位置ずれの
補正データが出力される。すなわち、前記した磁気テー
プの移送状態（走行状態）の変化に従って変化する位置
ずれ量（磁気テープが移送した状態で生じる磁気テープ
の移送を停止させた状態における磁気テープ上の記録跡
の位置からの位置ずれ量）は、磁気テープから再生され
るコントロール信号ＣＴＬの時間位置を基準とするキャ
プスタンの回転と対応して発生する信号ＣＡＰｆｇの計
数値によって知ることができることは、例えば磁気テー
プの走行速度が早くなるとキャプスタンの回転数と対応
している信号ＣＡＰｆｇの周期が短くなって信号ＣＡＰ
ｆｇの計数値が急速に増加して位置の補正量が大とな
り、前記とは逆に磁気テープの走行速度が遅くなるとキ
ャプスタンの回転数と対応している信号ＣＡＰｆｇの周
期が長くなって信号ＣＡＰｆｇの計数値が急速に減少し
て位置の補正量が小となることからも容易に理解でき
る。

【００２４】また、磁気テープの走行速度が早くなると
磁気テープから再生されるコントロール信号ＣＴＬの周
期が短くなって、それによりトラックチェンジの時間々
隔も短くなり、前記とは逆に磁気テープの走行速度が遅
くなると磁気テープから再生されるコントロール信号Ｃ
ＴＬの周期が長くなってトラックチェンジの時間々隔も
長くなるが、磁気ヘッドの駆動部による磁気ヘッドの変
位量が大きくなり過ぎて、磁気ヘッドの変位の直線性が
劣化したり、あるいは磁気ヘッドが大きく変位してドラ
ムに衝突するような事故を起こすことがない。

【００２５】前記のようにテープ移送補正パターンカウ
ンタ９から出力される磁気ヘッドの位置ずれの補正量を
示すデータは、磁気テープが移送した状態で生じる磁気
テープの移送を停止させた状態における磁気テープ上の
記録跡の位置からの位置ずれ量の補正データであり、ま
た前記したスチルパターンカウンタ６から出力された磁
気ヘッドの位置のデータは、磁気テープの移送を停止さ
せた状態における磁気磁ヘッドの位置のデータであるか
ら、ヘッド位置目標信号発生回路１から出力されるべき
ヘッド位置目標信号は、前記したスチルパターンカウン
タ６から出力された磁気ヘッドの位置のデータに対し
て、テープ移送補正パターンカウンタ９から出力される
磁気ヘッドの位置ずれの補正量を、磁気テープの走行方
向に応じて加算したり減算したりすることによって得ら
れるのであり、スチルパターンカウンタ６から出力され
た磁気ヘッドの位置のデータと、テープ移送補正パター
ンカウンタ９から出力される磁気ヘッドの位置ずれの補
正量を示すデータとの加算を行なう加算回路１１におけ
る加算結果のデータと、スチルパターンカウンタ６から
出力された磁気ヘッドの位置のデータと、テープ移送補
正パターンカウンタ９から出力される磁気ヘッドの位置
ずれの補正量を示すデータとの減算を行なう減算回路１
２における減算結果のデータとが、入力端子１ｄを介し
て供給された磁気テープの移送方向を示す信号Ｆ／Ｒに
よって切換動作を行なう選択回路１３によって切換えて
デジタルアナログ変換器１４に供給する。そして前記し
たデジタルアナログ変換器１４から出力されたアナログ
信号形態のヘッド位置目標信号は出力端子１ｅからヘッ
ド位置制御回路の入力端子２ａに供給されるのである。

【００２６】図７は磁気テープＴに記録形成された記録
跡パターンを例示している図であって、図７中において
Ｔra1，Ｔra2，Ｔra3，Ｔra4…はある特定なアジマス角
の磁気空隙を有する回転磁気ヘッドによって磁気テープ
Ｔに記録形成された記録跡であり、また、Ｔrb1，Ｔrb
2，Ｔrb3，Ｔrb4…は前記した記録跡Ｔra1，Ｔra2，Ｔr
a3，Ｔra4…を記録形成させるのに用いられたある特定
なアジマス角の磁気空隙を有する回転磁気ヘッドとは異
なる別のある特定なアジマス角の磁気空隙を有する回転
磁気ヘッドによって磁気テープＴに記録形成された記録
跡であり、さらに図７中の記録跡Ｔra1からＴra7の部分
にわたって示されている実線図示の斜線は従来の一般的
なヘリカル走査型の磁気記録再生装置においてノーマル
再生(通常再生)動作モード時における移送速度(走行速
度)の１１倍で逆転方向に磁気テープＴを走行させた状
態における回転磁気ヘッドの移動軌跡を示したものであ
り、さらにまた図７中の記録跡Ｔra1からＴra7の部分に
わたって示されている点線図示の階段状の曲線は、本発
明の磁気記録再生装置においてノーマル再生(通常再生)
動作モード時における移送速度(走行速度)の１１倍で逆
方向に磁気テープＴを走行させた状態における回転磁気
ヘッドの移動軌跡を示したものである。

【００２７】図８の（ａ）は従来の一般的なヘリカル走
査型の磁気記録再生装置において、図７に示されている
１１倍速の逆転方向での高速動作モードでの再生時に磁
気テープＴから再生された再生信号の包絡線の状態を示
したものであり、また、図８の（ｂ）は本発明の磁気記
録再生装置において、図７に示されている１１倍速の逆
転方向での高速動作モードを行なうときに、図８の
（ｃ）に示されているようなアナログ信号形態のヘッド
位置目標信号がヘッド位置目標信号発生回路１で発生さ
れて、それの出力端子１ｅからヘッド位置制御回路２の
入力端子２ａに供給された場合に、磁気テープＴから再
生された再生信号の包絡線の状態を示したものである。
この図８の（ａ），（ｂ）に示されている再生信号包絡
線の状態、すなわち、従来の一般的なヘリカル走査型の
磁気記録再生装置において１１倍速で再生された再生信
号は、互にアジマス角を異にしている磁気空隙を有する
磁気ヘッドによって記録されている記録跡を順次交互に
横切ることによって再生された再生信号の包絡線は菱形
状に信号の大きさが繰返し変化しているのに対して、本
発明の磁気記録再生装置において１１倍速で再生された
再生信号は、略々同一の大きさの再生信号における複数
個所の信号の大きさが瞬間的に零になっているようなも
のになっている。図８の（ａ）に示されるような包絡線
を有する再生信号によって映出される従来の磁気記録再
生装置による再生画像は、ノイズバーが連続しているよ
うな状態のものであるのに対して、図８の（ｂ）に示さ
れるような包絡線を有する再生信号によって映出される
本発明の磁気記録再生装置による再生画像は、そのまま
でもノイズバーの無い再生画像となされるのであるが、
周知のドロップアウト補償回路を適用することによりノ
イズの無い再生画像が容易に得られる。

【００２８】本発明の磁気記録再生装置において、例え
ば図７に示されているように１１倍速の逆転方向での高
速動作モードを行なうときには、ヘッド位置目標信号発
生回路１からは図８の（ｃ）に示されているような状態
のアナログ信号形態のヘッド位置目標信号が発生される
が、ヘッド位置目標信号発生回路１の出力端子１ｅから
出力されてヘッド位置制御回路２の入力端子２ａに前記
のような位置目標信号が供給された場合に、ヘッド位置
制御回路２では前記の位置目標信号と、ヘッド駆動部及
びヘッド位置検出部３におけるヘッド位置検出部で発生
されてヘッド位置制御回路２の入力端子２ｂに供給され
た磁気ヘッドの位置信号との差信号によって作られたヘ
ッド位置制御信号が、ヘッド位置制御回路２の出力端子
２ｃからヘッド駆動部及びヘッド位置検出部３における
ヘッド駆動部に供給されてヘッド駆動部が駆動変位され
て、回転磁気ヘッドが磁気テープの記録跡の延長方向と
直交する方向に変位されることにより、回転磁気ヘッド
は図７中の点線図示の階段波のような軌跡を辿って、そ
の回転磁気ヘッドの磁気空隙のアジマス角と同一のアジ
マス角を有する磁気空隙の回転磁気ヘッドによって記録
形成された記録跡間で急速に変位しながら高速再生動作
を行なう。

【００２９】次に、図５中に示されているヘッド位置目
標信号発生回路４について、図６を参照して説明する。
ヘッド位置目標信号発生回路４は、回転ドラムに固着さ
れているヘッド駆動部によって駆動変位される磁気ヘッ
ドが位置されるべき目標位置に磁気ヘッドを位置させる
ために必要な信号を発生する機能を備えているものとし
て構成されるものであり、図６に示されている１点鎖線
枠４は図５中のヘッド位置目標信号発生回路４の具体的
な構成例を示している。図５及び図６において、入力端
子４ａには回転ドラムの回転周期及び回転位相と対応し
て発生された信号Ｄ−ＦＦが供給されており、また入力
端子４ｂにはキャプスタンの回転と関連して周波数発電
機から発生された信号ＣＡＰｆｇが供給されており、さ
らに入力端子４ｃには磁気テープのコントロール・トラ
ックから再生された信号ＣＴＬが供給され、さらにまた
入力端子４ｄには再生モードが高速再生モードか低速再
生モードかの区別を示す信号Ｓ／Ｆが供給され、また、
入力端子４ｅには前記した信号ＣＡＰｆｇに基づいて作
られた磁気テープの移送方向を示す信号Ｆ／Ｒが供給さ
れている（キャプスタンの回転と関連して周波数発電機
から発生されている信号ＣＡＰｆｇは、９０度の位相差
を有する２相信号であるために、前記した磁気テープの
移送方向を示す信号Ｆ／Ｒは、前記した信号ＣＡＰｆｇ
から容易に発生できる）。

【００３０】入力端子４ａに供給された回転ドラムの回
転周期の信号Ｄ−ＦＦは、スチルパターンカウンタ６に
供給する被計数パルスを発生する発振器５の同期のため
に発振器５に与えられているとともにタイミング回路７
及びタイミング回路３３にも供給されている。前記した
スチルパターンカウンタ６は、前記のタイミング回路７
からスチルパターンカウンタ６に対してプリセット信号
が供給された時点に、プリセット値置数器８に予め設定
されていたプリセット値がプリセットされるとともに、
前記した発振器５によって発生された被計数パルスを計
数し、その計数結果を加算回路１１と減算回路１２とに
供給する。また、入力端子４ｂに供給されたキャプスタ
ンの回転と関連して周波数発電機から発生された信号Ｃ
ＡＰｆｇは、テープ移送補正カウンタ９とテープ移送補
正カウンタ１５とに被計数パルスとして供給されてお
り、テープ移送補正カウンタ９は磁気テープのコントロ
ール・トラックから再生された信号ＣＴＬが入力端子４
ｃを介して供給された時点に、プリセット値置数器１０
に予め設定されていたプリセット値がプリセットされる
とともに、前記した信号ＣＡＰｆｇを被計数パルスとし
て計数する。前記のテープ移送補正カウンタ９における
計数結果がプリセット値として供給されている前記した
テープ移送補正カウンタ１５では、回転ドラムの回転基
準信号であるＤ−ＦＦ信号が供給されているタイミング
回路３３からタイミング信号が供給された時点、すなわ
ち、、前記した回転基準信号であるＤ−ＦＦ信号の特定
な位相の時点から予め定められた時間だけ遅れたの回転
磁気ヘッドが磁気テープに接触していない状態にされて
いる期間中の予め定められた時点に発生されたプリセッ
ト信号が前記したテープ移送補正カウンタ１５に対して
供給されたときに、前記したテープ移送補正カウンタ９
における計数結果のプリセット値がプリセットされると
ともに、前記した信号ＣＡＰｆｇを被計数パルスとして
計数動作を行なう。

【００３１】前記したテープ移送補正カウンタ９におけ
る計数結果は、選択回路１６に供給されるとともに、テ
ープ移送補正カウンタ１５に対してプリセット値として
供給されている。また、テープ移送補正カウンタ１５の
計数結果も選択回路１６に供給されていて、前記した選
択回路１６は入力端子４ｄを介して供給されている信号
Ｓ／Ｆが切換制御信号として切換え動作を行なって、前
記したテープ移送補正カウンタ９の計数結果と、テープ
移送補正カウンタ１５の計数結果との何れか一方の計数
結果を加算回路１１と減算回路１２とに供給する。前記
した加算回路１１ではスチルパターンカウンタ６によっ
て計数された計数値と、前記した選択回路１６によって
選択されたテープ移送補正カウンタ９によって計数され
た計数値またはテープ移送補正カウンタ１５によって計
数された計数値との加算値を選択回路１３に与えてお
り、また、前記した減算回路１２ではスチルパターンカ
ウンタ６によって計数された計数値と、前記した選択回
路１６によって選択されたテープ移送補正カウンタ９に
よって計数された計数値またはテープ移送補正カウンタ
１５によって計数された計数値との減算値を選択回路１
３に与えている。そして前記した選択回路１３は入力端
子４ｅを介して供給された磁気テープの移送方向を示す
信号Ｆ／Ｒによって、前記した加算回路１１からの出力
信号と減算回路１２からの出力信号とを切換えてデジタ
ルアナログ変換器１４に供給し、前記したデジタルアナ
ログ変換器１４から出力されたアナログ信号形態のヘッ
ド位置目標信号が出力端子１ｅからヘッド位置制御回路
の入力端子２ａに供給される。

【００３２】さて、回転ドラムに固着されているヘッド
駆動部によって駆動変位される磁気ヘッドが位置される
べき目標位置に磁気ヘッドを位置させるために必要な信
号を発生する機能を備えているものとして構成されるべ
き前記したヘッド位置目標信号発生回路４において、前
記したヘッド位置目標信号発生回路４中に設けられてい
るスチルパターンカウンタ６では、回転ドラムの回転基
準信号であるＤ−ＦＦ信号が供給されているタイミング
回路７から、前記した回転基準信号の特定な位相の時点
から予め定められた時間だけ遅れた時点、すなわち回転
磁気ヘッドが磁気テープに接触していない状態にされて
いる期間中の予め定められた時点に発生されたプリセッ
ト信号がスチルパターンカウンタ６に対して供給された
ときにプリセット値置数器８に設定されていたプリセッ
ト値がプリセットされるとともに、そのプリセット値に
対して発振器５から供給されている順次の被計数パルス
による計数が加えられて行くことにより、磁気テープの
移送を停止させた状態における磁気テープ上の記録跡の
位置が回転磁気ヘッドの目標位置として設定されていた
場合の磁気ヘッドの位置データが計数値によって得られ
るようにされる。

【００３３】また、前記したヘッド位置目標信号発生回
路４中に設けられているテープ移送補正パターンカウン
タ９では、磁気テープの移送速度と対応して磁気テープ
から再生されるタイミングが変化する信号ＣＴＬ(コン
トロール信号ＣＴＬ)がプリセット信号として入力端子
４ｃからテープ移送補正パターンカウンタ９に対して供
給されたときに、プリセット値置数器１０に設定されて
いたプリセット値がプリセットされるとともに、入力端
子４ｂから被計数パルスとしてテープ移送補正パターン
カウンタ９に供給されている信号ＣＡＰｆｇが、前記の
プリセット値に順次に加えられて行くことにより、テー
プ移送補正パターンカウンタ９からは、磁気テープが移
送した状態で生じる磁気テープの移送を停止させた状態
における磁気テープ上の記録跡の位置からの位置ずれの
補正データが出力して、その補正データを選択回路１６
に供給すると同時に、テープ移送補正カウンタ１５に対
してプリセット値として供給している。

【００３４】前記のようにテープ移送補正パターンカウ
ンタ９から出力される磁気ヘッドの位置ずれの補正量を
示すデータ及びテープ移送補正パターンカウンタ１５か
ら出力される磁気ヘッドの位置ずれの補正量を示すデー
タは、磁気テープが移送した状態で生じる磁気テープの
移送を停止させた状態における磁気テープ上の記録跡の
位置からの位置ずれ量の補正データであり、また前記し
たスチルパターンカウンタ６から出力された磁気ヘッド
の位置のデータは、磁気テープの移送を停止させた状態
における磁気磁ヘッドの位置のデータであるから、ヘッ
ド位置目標信号発生回路１から出力されるべきヘッド位
置目標信号は、磁気記録再生装置の再生動作モードの区
別を示す信号Ｓ／Ｆによって切換動作を行なう選択回路
１６によって選択されるテープ移送補正パターンカウン
タ９から出力された磁気ヘッドの位置ずれの補正量また
はテープ移送補正パターンカウンタ１５から出力された
磁気ヘッドの位置ずれの補正量を示すデータと、前記し
たスチルパターンカウンタ６から出力された磁気ヘッド
の位置のデータとの加算を行なう加算器１１からの出力
データまたは減算を行なう減算器１２からの出力データ
とを、入力端子１ｄを介して供給された磁気テープの移
送方向を示す信号Ｆ／Ｒによって切換動作を行なう選択
回路１３によって切換えてデジタルアナログ変換器１４
に供給し、前記したデジタルアナログ変換器１４から出
力されたアナログ信号形態のヘッド位置目標信号は出力
端子１ｅからヘッド位置制御回路の入力端子２ａに供給
されるのである。

【００３５】図５に示されている磁気記録再生装置で
は、再生モードが高速再生モードの場合には、図１につ
いて既述した磁気記録再生装置と同様に、回転磁気ヘッ
ドがその回転磁気ヘッドの磁気空隙のアジマス角と同一
のアジマス角を有する磁気空隙の回転磁気ヘッドによっ
て記録形成されている記録跡間で急速に変位するという
状態、すなわちトラックジャンプを繰返して行なうこと
により欠落の少ない状態での高速再生を良好に行なうこ
とができることは勿論のこと、再生モードが通常の再生
モードや低速再生モードの場合には、前記した各動作モ
ードによって定められる所定の記録跡の記録跡の始端か
ら終端までの区間を回転磁気ヘッドが良好に追従して再
生動作を行なうことができる。

【００３６】

【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置では、スチルパター
ン信号の発生手段を含んで構成されている目標位置信号
の発生部からドラムの回転周期と関連する周期性信号と
磁気テープの走行速度と関連する信号等に基づいて各種
の動作モード毎に発生された磁気ヘッドの変位の目標位
置と対応した磁気ヘッドの目標位置信号と、磁気ヘッド
位置検出部から発生された磁気ヘッドの位置信号とが供
給された磁気ヘッド位置制御回路によって磁気ヘッドの
位置制御信号を発生させる、前記した磁気ヘッドの位置
制御信号が磁気ヘッド駆動部に供給されることにより、
再生モードが高速再生モードの場合には、回転磁気ヘッ
ドがその回転磁気ヘッドの磁気空隙のアジマス角と同一
のアジマス角を有する磁気空隙の回転磁気ヘッドによっ
て記録形成されている記録跡間で急速に変位するという
状態、すなわちトラックジャンプを繰返して行なうこと
により欠落の少ない状態での高速再生を良好に行なうこ
とができるようにしたり、再生モードが通常の再生モー
ドや低速再生モードの場合には、前記した各動作モード
によって定められる所定の記録跡の記録跡の始端から終
端までの区間を回転磁気ヘッドが良好に追従して再生動
作を行なうことができる。回転磁気ヘッドは各再生動作
モードに応じた所定の態様で記録跡に追従し、かつ、記
録跡間で変位して記録跡中から信号を再生させるように
したりすることができるのであり、この本発明の磁気記
録再生装置では、磁気ヘッドの駆動装置を備えて構成さ
れている磁気記録再生装置においてサーチヘッドやダブ
ルアジマスヘッドを用いることなく、高速再生動作や低
速再生動作における良好な再生画像を容易に得ることが
でき、また本発明の磁気記録再生装置では磁気ヘッドの
駆動部が回転磁気ヘッドを３トラックピッチ以上の可動
範囲であれば安全確実な変位動作を実行できるが、この
点は従来装置において単一の回転磁気ヘッドによって記
録跡を追跡できるように回転磁気ヘッドを磁気ヘッドの
駆動装置により駆動変位させて高速再生再生を行なうよ
うにしたときには、磁気ヘッドの駆動装置によって回転
磁気ヘッドを非常に大きな変位を示すような状態で駆動
変位させることが必要であって、それにより回転磁気ヘ
ッドがドラムに衝突して破損したり、大きな変位の範囲
において変位の直線性の良好な高価な磁気ヘッドの駆動
装置の使用が必要とされるのに対して大きな利点となる
のである。また、本発明の磁気記録再生装置では回転磁
気ヘッドの位置検出手段と位置制御手段とによって高速
高精度で回転磁気ヘッドの位置決めが行なわれるため
に、再生速度が任意に連続的に可変となされている場合
でも良好に適用でき、どのような再生速度の変化時にも
切換えが円滑に行なわれるために、動作モードの切換え
時でも再生画像に画像の乱れ等を発生させないから、使
用者に動作モードの切換えを意識させずに自然な状態で
の動作モードの切換えを行なうことができるのであり、
この点は鋸歯状波を磁気ヘッドの駆動装置に供給して開
ループの制御によって磁気ヘッドを駆動変位させるよう
にした従来装置において生じていた磁気ヘッドの駆動装
置の動作時に発生する振動によって磁気ヘッドが記録跡
を正しく追跡できないという問題点は、本発明の磁気記
録再生装置では良好に解決されるということを意味して
いる。このように本発明の磁気記録再生装置では既述し
た従来の問題点がすべて良好に解決できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気記録再生装置の構成態様の磁気記
録再生装置のブロック図である。

【図２】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の具体的
な構成態様を示すブロック図である。

【図３】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の具体的
な構成態様を示すブロック図である。

【図４】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の具体的
な構成態様を示すブロック図である。

【図５】本発明の磁気記録再生装置の構成態様の磁気記
録再生装置のブロック図である。

【図６】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の具体的
な構成態様を示すブロック図である。

【図７】動作説明用の波形図である。

【図８】動作説明用の波形図である。

【符号の説明】

１，４…ヘッド位置目標信号発生回路、２…ヘッド位置
制御回路、３…ヘッド駆動部及びヘッド位置検出部、５
…発振器、６…スチルパターンカウンタ、７，３３…タ
イミング回路、８，１０…プリセット値置数器、９，１
５…テープ移送補正カウン、１１…加算回路、１２…減
算回路、１３，１６…選択回路、１７…微分回路、１
８，２０…減算器、１９…位相補償回路、２１…駆動回
路（ドライバ）、２２…ベース部、２３…電気ー機械変
換素子として使用される電歪物質のバイモルフ、２４…
抑え板、２７…位置検出部の作動板、２７ａ，２７ｂ…
突起部、２８…磁気ヘッド、２９，３１…発光素子、３
０，３２…受光素子、２９Ａ，３１Ａ…発光部、３０
Ａ，３２Ａ…受光部、ＰＨ1，ＰＨ2…位置検出素子とし
て用いられているフォトインタラプタ、

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラムの周面の少なくとも一部に斜に巻
   付けられる磁気テープに対して、互に異なるアジマス角
   を有している２個の回転磁気ヘッドの回転軌跡による記
   録跡が順次に形成されうるように構成されている磁気記
   録再生装置において、磁気ヘッドの位置制御信号が供給
   されることにより回転磁気ヘッドを少なくとも記録跡の
   延長する方向と直交する方向に駆動変位させることので
   きる個別の磁気ヘッド駆動部と、前記した磁気ヘッドの
   駆動部に取付けられている磁気ヘッドの位置と対応した
   磁気ヘッドの位置信号を発生する磁気ヘッド位置検出部
   と、スチルパターン信号の発生手段を含んでいて、ドラ
   ムの回転周期と関連する周期性信号と磁気テープの走行
   速度と関連する信号等に基づいて各種の動作モード毎の
   磁気ヘッドの変位の目標位置と対応した磁気ヘッドの目
   標位置信号を発生する目標位置信号の発生部と、前記し
   た目標位置信号と磁気ヘッドの位置信号とに基づいて磁
   気ヘッドの位置制御信号を発生する磁気ヘッド位置制御
   回路とを備えてなる磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 スチルパターン発生手段と、磁気テープ
   移送補正パターン発生手段と、前記したスチルパターン
   発生手段から発生されたスチルパターン値と磁気テープ
   移送補正パターン発生手段から発生された磁気テープ移
   送補正パターン値とを加算する加算手段と、前記したス
   チルパターン発生手段から発生されたスチルパターン値
   と磁気テープ移送補正パターン発生手段から発生された
   磁気テープ移送補正パターン値とを減算する減算手段
   と、前記した加算手段からの出力と減算手段からの出力
   とを選択して出力する切換手段とからなる目標位置信号
   の発生部を用いた請求項１の磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 ドラムの回転基準信号の時間位置に基づ
   いて予め定められた所定の時間位置にスチルパターンの
   基準値を設定し、磁気テープの移送量と対応して前記の
   値を増加または減少させてスチルパターンを発生させる
   ようにしたスチルパターン発生手段を用いた請求項１ま
   たは２の磁気記録再生装置。
4. 【請求項４】 磁気テープの移送速度と関連して発生さ
   れた基準信号に基づいて予め定められた所定の時間位置
   に磁気テープの移送量に関する基準値を設定し、磁気テ
   ープの移送量と対応して前記の値を増加または減少させ
   て磁気テープ移送補正パターンを発生させるようにした
   磁気テープ移送補正パターン発生手段を用いた請求項１
   乃至３のいずれかの磁気記録再生装置。
5. 【請求項５】 予め定められた磁気テープ移送速度より
   も遅い磁気テープの移送速度の下で行なわれる動作モー
   ドにおいては、ドラムの回転基準信号の時間位置に基づ
   いて予め定められた所定の時間位置に磁気テープの移送
   量に関する基準値を設定し、また、予め定められた磁気
   テープ移送速度よりも早い磁気テープの移送速度の下で
   行なわれる動作モードにおいては、磁気テープの移送速
   度と関連して発生された基準信号に基づいて予め定めら
   れた所定の時間位置に磁気テープの移送量に関する基準
   値を設定し、設定された前記の２つの基準値を切換えて
   出力するようにした請求項１乃至４のいずれかの磁気記
   録再生装置。