JPH05110123A - 光電変換装置とその製造方法 - Google Patents

光電変換装置とその製造方法

Info

Publication number
JPH05110123A
JPH05110123A JP3293899A JP29389991A JPH05110123A JP H05110123 A JPH05110123 A JP H05110123A JP 3293899 A JP3293899 A JP 3293899A JP 29389991 A JP29389991 A JP 29389991A JP H05110123 A JPH05110123 A JP H05110123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
film
layer
hydrogen
photoelectric conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3293899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3078373B2 (ja
Inventor
Kazuaki Tashiro
和昭 田代
Takayuki Ishii
石井  隆之
Izumi Tabata
泉 田畑
Masato Yamanobe
正人 山野辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP03293899A priority Critical patent/JP3078373B2/ja
Publication of JPH05110123A publication Critical patent/JPH05110123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3078373B2 publication Critical patent/JP3078373B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡略な工程で、製造コストが低減され、かつ
良好な光電特性を示す光電変換装置を得る。 【構成】 第1導電型(n+ 型(あるいはp+ 型))半
導体層103と、ドーピングしていない微結晶シリコン
層104と、ドーピングしていない水素化アモルファス
シリコン層105と、第2導電型(p+ 型(あるいはn
+ 型))の半導体層106とを積層して構成したことを
特徴とする光電変換装置。また、基板上に非単結晶シリ
コンを堆積する工程と、該堆積層に原子状水素を暴露す
る工程とを交互に繰り返しながら、微結晶シリコン層1
04を形成することを特徴とする光電変換装置の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池、pin型フォ
トダイオードなどの光電変換装置、およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、非単結晶シリコン(ここで非単結
晶シリコンとは水素化アモルファスシリコンや微結晶シ
リコンのことである。)を利用した半導体装置の開発が
盛んである。特に大面積のものを、低コストで生産でき
る太陽電池やフォトダイオードの開発が精力的に行われ
ている。
【0003】これらの半導体装置に使われる水素化アモ
ルファスシリコン、あるいは微結晶シリコンの堆積方法
としては、シランSiH4 またはジシランSi26
成膜ガスとするRFプラズマCVD法やマイクロ波プラ
ズマCVD法、あるいは水素ガス存在下でSiターゲッ
トをArプラズマ中でスパッタする反応性スパッタリン
グ法などが用いられてきた。実験的にはこの他にも光C
VD法、ECRCVD法、水素原子存在下でのSiの真
空蒸着法、などの報告があり、ジシランSi26 など
による熱CVD法での成功例もある。
【0004】このような水素化アモルファスシリコン
膜、微結晶シリコン膜の堆積方法としてもっとも普及し
ているのはプラズマCVD法である。本方法では、多く
の場合、シラン(SiH4 )、ジシラン(Si26
ガスを用い、必要に応じて水素ガスで希釈を行い、1
3.56MHzの高周波でプラズマを発生させ、プラズ
マにより成膜ガスを分解して反応性のある活性種をつく
り、基板上に膜を堆積させる。また成膜ガスに、ホスフ
ィン(PH3 )、ジボラン(B26 )、BF3 などの
ドーピングガスを混ぜれば、n型またはp型の水素化ア
モルファスシリコン膜、微結晶シリコン膜を形成するこ
とができるので、これらの膜を用いて種々のデバイスを
作ることができる。
【0005】図3は、これらの作成方法を用いて作成し
た従来の典型的な太陽電池を示した例である。
【0006】同図において、301は基板であり、30
2は下地電極である。303はn+型水素化アモルファ
スシリコン層、304はi型水素化アモルファスシリコ
ン層、305はp+ 型水素化アモルファスシリコン層で
あり、306は透明電極である。
【0007】光はこの透明電極を通して、p+ 層305
から入射する。このデバイスはpin構造をなし、i層
304で吸収された光により生成されたキャリアは、内
部電界によって、電子はn+ 層303側に、ホールはp
+ 層305側に、それぞれドリフトしていき、その結果
+ 、n+ 間に起電力が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では次のような解決すべき課題があった。
【0009】図5は上記従来例の太陽電池のエネルギー
バンド図である。同図において、Aはp+ 領域、Bはi
型水素化アモルファスシリコン層、Dはn+ 領域、Fは
フェルミ準位を示す。このような従来の単一セルの場
合、ドーピングをしていない層の光学的バンドギャップ
は1.8eV程度であり、これよりエネルギーの小さい
長波長域の光は有効に利用されず、変換効率が思うよう
に向上しないという欠点があった。
【0010】その欠点を解消するために、従来、光学的
バンドギャップの異なる層を用いて、ヘテロ構造にする
ことが提案されている。これは、短波長の光は吸収係数
が大きいので、第1の層として、光の入射する側に光学
的バンドギャップの大きい水素化アモルファスシリコン
層を光電変換層として配し、ここで短波長の光を吸収さ
せ、次に、第2の層として、水素化アモルファスシリコ
ンゲルマニウムなどの光学的バンドギャップの小さい層
を光電変換層として配し、第1の層で吸収されなかった
吸収係数の小さい長波長側の光を、効率よく吸収しよう
とするものである。
【0011】このようなヘテロ構造の構成では、従来、
光学的バンドギャップの広い材料として、水素化アモル
ファスシリコンカーバイド、光学的バンドギャップの狭
い材料として水素化アモルファスシリコンゲルマニウム
などの合金が利用される。
【0012】しかしながら、このような合金系半導体
は、膜作成時に膜中欠陥が多く生じ、これにより、光に
よって生成されたフォトキャリアが、再結合を盛んに起
こし、電流として外部に取り出せる量が減り、その結
果、変換効率が、期待されるほど向上しないという問題
があった。
【0013】また、このような異なる材料の合金を用い
て、ヘテロ構造のデバイスを作ることは、製造工程の複
雑化につながり、製造コストの上昇を招くという欠点も
あった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するための手段として、第1導電型(n+ 型(あ
るいはp+ 型))半導体層と、ドーピングしていない微
結晶シリコン層と、ドーピングしていない水素化アモル
ファスシリコン層と、第2導電型(p+ 型(あるいはn
+ 型))の半導体層とを積層して構成したことを特徴と
する光電変換装置を提供するものである。
【0015】また、基板上に非単結晶シリコンを堆積す
る工程と、該堆積層に原子状水素を暴露する工程とを交
互に繰り返しながら、微結晶シリコン層を形成すること
を特徴とする光電変換装置の製造方法を手段とするもの
である。
【0016】
【作用】本発明によれば、n+ 型(あるいはp+ 型)の
第1導電型の半導体を有する層上に、ドーピングしてい
ない微結晶層を設け、さらにドーピングしていない水素
化アモルファスシリコン層を設け、更にp+ 型(あるい
はn+ 型)の第2導電型の半導体を有する層を設ける構
造を持つ光電変換装置とし、この微結晶シリコンを狭い
光学的バンドギャップの材料として用いることにより、
長波長側の感度も改良することができる。
【0017】また、上記の光電変換装置の製造方法にお
いて、該微結晶層を、基板上に非単結晶シリコン、ある
いは微結晶シリコン層を堆積する工程と、該堆積層に原
子状水素を暴露する工程とを交互に繰り返しながら膜堆
積を行う方法により作成することにより、より効率的、
かつ効果的な製造方法を提供することができる。
【0018】本発明においては、従来水素化アモルファ
スシリコンゲルマニウムなどの合金で不十分ながら実現
していた狭い光学的バンドギャップ材料を、微結晶シリ
コンで、より効果的に実現しようとするものである。
【0019】微結晶シリコンは、微結晶粒とアモルファ
スシリコンが混在した構成となっている。微結晶粒の部
分では、水素濃度が減少しており、膜全体としても、水
素濃度の少ない状態となっている。この微結晶シリコン
の光学的バンドギャップを見ると、膜中水素濃度に応じ
て変化しているのが分かる。
【0020】このような微結晶シリコンを狭い光学的バ
ンドギャップ材料として、水素化アモルファスシリコン
層と一体的に用いれば、製造工程を複雑にすることな
く、デバイスを作ることができ、しかも微結晶シリコン
では、結晶化がある程度進んでいるので、キャリアの移
動度が向上している。その結果光電流の増加も起こって
いる。
【0021】しかしながら、一般の微結晶においては、
その粒界部分でのキャリアの再結合が盛んなため、ほと
んどホトコンダクティビティは生じないため、このまま
では、狭い光学的バンドギャップの光電変換層として利
用することは困難である。
【0022】そこで、本発明の成膜と原子状水素暴露を
繰り返しながら成膜する繰り返し成膜法を用いれば、詳
細は後述するように、膜中水素、あるいは微結晶化した
場合の結晶粒径を、ユニット膜(1回の堆積と原子状水
素曝露を1ユニット工程とした場合の1ユニットで形成
される膜)成膜時間あるいは原子状水素暴露時間で自由
に制御でき、かつ微結晶の粒界の欠陥を減らすことがで
きる。そのため、この方法を用いて微結晶シリコンを作
れば、十分なホトコンダクティビティを発生させること
ができる。よって、これを狭い光学的バンドギャップ材
として光電変換層に用いることができる。
【0023】また本方法は、原料ガスなどの切り替えな
どのプロセス条件の大きな変更をすることなく、水素化
アモルファスシリコン膜から、微結晶シリコンまで単に
時間のパラメーター設定のみで作成することができるた
め、製造工程は、従来に比べかなり簡略化される。これ
は、実際に成膜する場合非常に大きな長所となる。
【0024】
【実施例】(実施例1)図1は本発明になる成膜方法を
用いてイントリンジックな微結晶シリコン層を作り、光
電変換装置(本実施例では太陽電池)を作成した実施例
の構造を示す概略断面図であり、図4はそのエネルギー
バンドプロファイルを示す。
【0025】図1において、101は基板であり、10
2は下地電極である。103はn+型(第1導電型)水
素化アモルファスシリコン層、104はi型微結晶シリ
コン層、105はi型水素化アモルファスシリコン層、
106はp+ 型(第2導電型)水素化アモルファスシリ
コン層であり、107は透明電極である。
【0026】光はこの透明電極107を通して、p+
106から入射する。本実施例はpin構造をなし、i
層105で生成されたキャリアは、内部電界によって、
電子はn+ 層103側に、ホールはp+ 層106側に、
それぞれドリフトしていき、その結果p+ ,n+ 間に起
電力が生じる。
【0027】以下、本発明の微結晶シリコン層104を
堆積する手順を説明する。以下の説明では原子状水素を
水素プラズマで発生させ、これを利用するものとする。
【0028】また本実施例では、時間tD の間水素化ア
モルファスシリコン層を堆積した後、この堆積した膜に
対して時間tA だけ原子水素プラズマを照射する(原子
状水素に曝露する)という一組のステップをくりかえし
ながら成膜をする。
【0029】すなわち、tA の間、堆積膜表面は、水素
プラズマ中の原子状水素にさらされ、この時水素プラズ
マ中の原子状水素が、堆積膜の中へ、あるいは堆積表面
にある程度拡散し、シリコン原子を活性化しつつSiネ
ットワークの組み替えが起こり、その結果膜中の水素が
脱離するものと考えられる。しかもこの組み替えに伴
う、膜構造の緩和が極度に起こる結果、アモルファス相
から、微結晶相に変化するものと思われる。
【0030】その時の水素プラズマの効果を説明する。
図9は、ユニット膜成膜時間tD 、水素プラズマを照射
時間tA を一定に保って成膜した場合の膜中水素濃度と
基板温度Tsの関係を示している。
【0031】図9のaは、繰り返し成膜をしない場合
(従来の連続で成膜する場合)である。
【0032】またbは、アモルファスシリコンの条件か
ら出発して、繰り返し成膜により成膜した場合である
(ただしこの時のtD ,tA の条件は結晶化を起こしや
すい条件になっている。つまりtD は短く、tA は長い
条件である)。
【0033】またcは、微結晶シリコンに近い条件(連
続膜の状態では、微結晶化は起こっていない。具体的に
は、水素ガスの希釈率の大きい条件である。)から出発
して、繰り返し成膜により成膜した場合である。また
b,cの図中Mで記されたところは、結晶化の起こって
いる領域である。
【0034】ユニット膜成膜時間tD の間に堆積するユ
ニット膜の膜厚は数原子層程度であることが望ましく、
実際上10Å程度であることが望ましい。もし新しく堆
積した層が厚すぎるとシリコンネットワークの緩和が起
こりにくく、水素プラズマ照射の効果が現れない。
【0035】図10は膜中水素濃度の水素プラズマを照
射時間tA 依存を示す。aは各サイクルでの膜厚が50
Åの場合であり、bは膜厚100Åの場合である。aの
図中Mで記されたところは微結晶化の起こっている領域
である。図に示されるように、各ステップでの膜厚が1
00Å以上(b)だと水素プラズマ照射をいくら行って
も構造緩和は進まなくなり、アモルファス相を維持した
ままで、結晶化も起こらない。したがって、tD 間に堆
積する膜厚は50Å以下(a)、望ましくは10Å以下
である必要がある。
【0036】図11はtD 間の堆積膜厚と膜中水素濃度
の関係を示している。図中Mは結晶化の起こっている領
域である。tD 間の堆積膜厚が50Å以上になると水素
プラズマの効果が低下するのが分かる。
【0037】図12はX線回折から求めた結晶粒径と水
素プラズマを照射時間tA の関係を示す。膜条件は結晶
化しやすい条件(水素希釈条件)である。水素プラズマ
を照射時間を長くすると、結晶粒径が成長しているのが
分かる。
【0038】図10,11からユニット膜成膜時間t
D 、水素プラズマを照射時間tA を制御することで、膜
中水素濃度と結晶粒径を制御できることが分かる。
【0039】図13は本発明の成膜方法で作成した水素
化アモルファスシリコン層、微結晶シリコン層での膜中
水素濃度と光学的バンドギャップとの関係である。膜中
水素濃度が減少するにつれ、光学的バンドギャップも狭
くなっている。
【0040】これらの図における成膜条件は、後述する
図8の装置で作成した以下の太陽電池におけるi層成膜
条件と同様のものである。
【0041】本実施例では、原子状水素の生成方法は、
水素プラズマを考えたが、原子状水素を効率良く発生す
るものであれば良い。一般には容量結合型あるいは誘導
結合型の高周波グロー放電を利用すれば、従来の装置で
実現でき、基板上に堆積した水素化アモルファスシリコ
ン膜を基板ごと水素ガスのグロー放電中に置くか、プラ
ズマの近くに置くことにより、原子状水素を堆積膜に供
給することができる。また、この他マイクロ波プラズマ
により原子状水素を発生させて堆積膜表面に拡散させる
方法や、ECRプラズマにより原子状水素を発生させる
方法もある。
【0042】ユニット膜を堆積する方法としてプラズマ
CVD法を採用すれば、水素プラズマも同一の装置を利
用して発生させることができ、極めて容易に本発明の成
膜方法を実現できる。
【0043】図8は本発明を実現するための成膜装置を
示す。
【0044】図8において800は反応チャンバー、8
01は基板、803はアノード電極、802はカソード
電極、804は基板加熱用ヒーター、805は接地用端
子、806はマッチングボックス、807は13.56
MHzのRF電源、808および、814は排気管、8
09および815は排気ポンプ、810は水素ガス導入
管、811、および812は成膜ガス導入管、813は
三方バルブ、820,830,840,850,86
0,822,832,842,852および862はバ
ルブ、821,831,841,851および861は
マスフロ−コントローラーを示す。成膜ガス導入管81
1には三方バルブ813が取りつけられており、三方バ
ルブ813を切りかえることにより、成膜ガスのON/
OFFを行う。水素(H2 )は862側から、シラン
(SiH4 )は822側からジボラン(B26 )は8
32側から、ホスフィン(PH3 )は842側から導入
する。この装置では、水素は常時流している。また、ユ
ニット膜堆積時の成膜ガスであるSiH4 、あるいはS
26 のみの流れをON/OFF制御するだけでユニ
ット膜堆積と水素プラズマ照射の両方を容易に切り替え
ることができる。
【0045】成膜ガスの水素ガスに対する割合を下げす
ぎると、水素プラズマ照射時に結晶化が起きやすくなる
ので、成膜ガス濃度は10%程度以下の水素希釈とする
ことにより、微結晶化しやすい条件となる。ただし本発
明におけるように、同一の条件で微結晶シリコン層の上
に、水素化アモルファスシリコン層を成膜する場合は、
水素希釈率を上げすぎると、この連続膜の水素化アモル
ファスシリコン膜の特性が劣化するので、その条件に
は、最適化が必要である。
【0046】また、この場合ユニット膜を堆積する工程
と水素プラズマを照射する工程の両方で切れめなくプラ
ズマをたてておくことも可能であり、このようにすれば
プラズマ発生期の膜質の悪い膜の堆積を防止することが
できる。また、この場合プラズマ安定化のためにArを
添加することも好ましい。
【0047】つぎに本発明になる図1に示した光電変換
装置の作成工程を説明する。なお各膜は、図8の装置を
用いて成膜した。
【0048】まず、表面を研磨したガラス基板101上
に、Alなどの金属膜を用い下電極102を形成した
後、反応チャンバー800の中のカソードに取りつけ、
排気ポンプ809により十分排気し、10-6Torrと
した。基板温度は250℃とした。
【0049】三方バルブ813を成膜ガス導入管411
と412とを接続するようにした後、バルブ820,8
22を開けSiH4 ガスを30sccm流し、バルブ8
60,862を開けH2 ガスを30sccm流し、H2
ガスで1%に希釈したPH3ガスを、バルブ840,8
42を開け30sccm流した。
【0050】チャンバー内圧を1.0Torrにして5
0mW/cm2のRFパワーを投入し、7分間放電しn+
型水素化アモルファスシリコン層103を400Å堆
積した。
【0051】それぞれのバルブを閉め、ガス供給を停止
した後、チャンバー内を10-6Torr以下に排気し
た。
【0052】次に本発明になる成膜方法で、微結晶シリ
コン層104、引き続き水素化アモルファスシリコン層
106を堆積する。基板温度は250℃のままとした。
原子状水素を作るためにRF放電による水素プラズマ放
電を利用した。
【0053】まずバルブ860,861を開け、H2
ス170sccmを反応チャンバーに流した。三方バル
ブ813を成膜ガス導入管811と排気管814とを接
続するようにした後、バルブ820及び822を開け
て、SiH4 ガス30sccmを成膜ガス導入管811
に流した。この時の圧力は0.5Torrであった。こ
の状態でRF電力50mW/cm2 を投入し水素プラズ
マ放電を開始した。
【0054】つぎに三方バルブ813を切り替えること
により、成膜と水素プラズマ照射とを繰り返した。本例
での成膜時間tD は10秒で一定とし、10Åの膜厚と
し、水素プラズマ照射時間tA は、図12を利用して、
微結晶粒径がほぼ300Åになるように設定した。
【0055】本方法により作成した微結晶シリコンの結
晶粒界での欠陥は低減しており、十分なホトコンダクテ
ィビティを生じていた。しかしながら結晶粒径は最適化
が必要であり、余り小さくしすぎると、結晶粒界の総面
積が増加し、界面での欠陥が減少したとはいえ、ここで
の再結合が増えることになり、本来の効果を発揮できな
いことになる。実際の成膜時にはコンピューターで三方
バルブの開閉を制御した。全ステップ数は100回とし
微結晶層の膜厚は1000Åとした。この時の膜中水素
濃度は1%であった。
【0056】最終ステップの水素プラズマ放電が終了し
た後、バルブ813を切り替え、SiH4 をチャンバー
に導入した。しかる後に放電を立て、水素化アモルファ
スシリコン層を連続で3000Å成膜する。このとき好
適には放電を持続したまま、引き続き成膜するのが良
い。この時の水素化アモルファスシリコン層の光学的バ
ンドギャップは1.8eVであった。本実施例での水素
希釈率はSiH4 /H2=3/17であり、連続膜の光
電特性は良好なものであった。
【0057】つぎにp+ 型層106を形成した。バルブ
820と822を閉め、バルブ860と862を閉め
て、シランガスと水素ガスを止めた後、チャンバー内の
真空度を10-6Torr以下に排気した。基板温度を2
00℃に変えた後、SiH4 ガス10sccmとH2
スで1%に希釈したB26 ガス10sccmとH2
ス100sccmを流し、圧力を1Torrに保って、
基板温度が一定になるまで保持した。
【0058】しかる後、RF電力50mW/cm2 を投
入して、プラズマ放電を10分間行い、p+ 型層を50
0Å成膜した。それぞれのバルブを閉めガスを止めた後
チャンバー内を10-6Torr以下に排気した。
【0059】最後に、上部電極として透明導電膜(IT
O膜)107を700Å形成した。
【0060】本発明の光電変換装置のバンドプロファイ
ルを図3に示す。図3において、Aはp+ 領域、Bはi
型水素化アモルファスシリコン層、Cは微結晶シリコン
層、Dはn+ 領域、Fはフェルミ準位を示す。
【0061】ドーピングされていない水素化アモルファ
スシリコン層の光学的バンドギャップは1.8eV、ド
ーピングされてない微結晶層の光学的バンドギャップは
1.55eVであった。太陽光はp+ 層側から入射する
とし、短波長側は水素化アモルファスシリコン層で吸収
される。この水素化アモルファスシリコン層で十分吸収
されなかった長波長側の光は、この微結晶シリコンで吸
収される。
【0062】図6は従来の単一セルの場合(図中a)
と、本発明の場合(図中b)の分光感度を示す。本発明
の構成を取る太陽電池(図中b)では長波長側の感度が
改良されているのが分かる。
【0063】また図7では、従来の単一セルの場合(図
中a)と本発明の場合(図中b)とでの100mWの光
量下でのV−I特性である。本発明において、ISC(短
絡電流)の向上が見られ、全体として、変換効率の向上
が見られた。これは微結晶層での長波長感度の向上、電
子、ホール移動度の向上によるものと思われる。
【0064】(実施例2)図2は、本発明の第2の実施
例を示す概略構成断面図である。図2において、201
はn型ウエハー基板である。202はi型微結晶シリコ
ン層、203はi型水素化アモルファスシリコン層であ
り、204はp+ 型水素化アモルファスシリコン層20
5は透明電極である。本実施例ではpin構造のnの部
分をウエハーで構成した。光は、透明電極204を通し
て、p+ 層から入射し、i層で生成されたキャリアは、
内部電界によって、電子はn型ウエハー側に、ホールは
p層側に、それぞれドリフトしていき、その結果p+
n間に起電力が生じる。
【0065】つぎに本実施例の光電変換装置の作成方法
をその工程に添って記述する。各膜は、図8の装置を用
いて成膜した。
【0066】まず、表面を洗浄したn型ウエハー201
を、反応チャンバー800の中のカソードに取りつけ、
排気ポンプ809により十分排気し、10-6Torrと
した。基板温度は250℃とした。
【0067】次に本発明になる成膜方法で微結晶シリコ
ン層202、引き続き水素化アモルファスシリコン層2
03を堆積する。基板温度は250℃のままとした。原
子状水素を作るためにRF放電による水素プラズマ放電
を利用した。
【0068】まずバルブ860,861を開けH2 ガス
170sccmを反応チャンバーに流した。三方バルブ
813を成膜ガス導入管811と排気管814とを接続
するようにした後、バルブ820及び822を開けて、
SiH4 ガス30sccmを成膜ガス導入管811に流
した。この時の圧力は0.5Torrであった。この状
態でRF電力50mW/cm2 を投入し水素プラズマ放
電を開始した。つぎに三方バルブ813をコンピュータ
ーにより切り替えることで、成膜と水素プラズマ照射と
を繰り返す。
【0069】成膜時間tD は10秒で一定とし、10Å
の膜厚とした。このときの微結晶粒径はほぼ300Åで
あった。全ステップ数は100回とし微結晶層の膜厚は
1000Åとした。この時の膜中水素濃度は3%であっ
た。
【0070】最終ステップの水素プラズマ放電が終了し
た後、バルブ813を切り替え、SiH4 をチャンバー
に導入する。しかる後に放電を立て、水素化アモルファ
スシリコン層を連続で3000Å成膜する。好適には、
放電を維持したままで、成膜するのが良い。この時の水
素化アモルファスシリコン層の光学的バンドギャップは
1.8eVであった。本実施例での水素希釈率はSiH
4 /H2 =3/17であり、連続膜の光電特性は良好な
ものであった。
【0071】つぎにp+ 型層204を形成した。バルブ
820と822を閉め、バルブ860と862を閉め
て、シランガスと水素ガスを止めた後、チャンバー内の
真空度を10-6Torr以下に排気した。基板温度を2
00℃に変えた後、SiH4 ガス10sccmとH2
スで1%に希釈したB26 ガス10sccmとH2
ス100sccmを流し、圧力を1Torrに保って、
基板温度が一定になるまで保持した。しかる後RF電力
50mW/cm2 を投入して、プラズマ放電を10分間
行い、p+ 型層を500Å成膜した。それぞれのバルブ
を閉めガスを止めた後チャンバー内を10-6Torr以
下に排気した。
【0072】最後に上部電極として透明導電膜(ITO
膜)205を700Å形成した。
【0073】本実施例の効果として、微結晶層202と
n型ウエハー201との界面は良好に作成され、接合面
での再結合によるキャリアの損失を押えることができ
る。光電変換層からドリフトしてきたキャリアは、この
n型ウエハー201中を拡散していく。このときn型ウ
エハー中のキャリアの拡散長は長いので、キャリアが拡
散中に再結合する割合が低減できる。この結果、実施例
1より変換効率の向上したデバイスとなった。基板のサ
イズ等に限りがあるが、小面積型の太陽電池で効率向上
を目指すという目的には、最適の構造となった。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
狭い光学的バンドギャップ材料として微結晶シリコン層
を利用し、この微結晶層を成膜と原子状水素暴露を交互
に行う繰り返し成膜法において作成することで、従来と
比べ、簡略な工程で、良好な光電特性を示す光電変換装
置が得られた。
【0075】また工程が簡略化されることで、製造コス
トの低減を図ることもできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる光電変換装置の第1の実施例を示
す図である。
【図2】本発明になる光電変換装置の第2の実施例を示
す図である。
【図3】従来の光電変換装置を示す図である。
【図4】本実施例のエネルギーバンドを示す図である。
【図5】従来例のエネルギーバンドを示す図である。
【図6】分光感度を示す図である。
【図7】変換効率を示す図である。
【図8】本発明を実現するための装置図である。
【図9】基板温度と膜中水素濃度の関係について、本発
明による場合と通常のGD法による場合を示した図であ
る。
【図10】膜中水素濃度とtA との関係を示す。
【図11】膜中水素濃度と各ステップでの成膜膜厚との
関係を示す。
【図12】結晶粒径とtA との関係を示す。
【図13】バンドギャップと膜中水素濃度の関係を示
す。
【符号の説明】
101,301 ガラス基板 201 ウエハー基板 102,302 下電極 103,303 n+ 型水素化アモルファスシリコン
層 104,202 微結晶シリコン層 105,203,304 i型水素化アモルファスシ
リコン層 106,204,305 p+ 型水素化アモルファス
シリコン層 107,205,306 透明電極 A p領域 B i型水素化アモルファスシリコン層 C 微結晶シリコン層 D n領域 F フェルミ準位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8422−4M H01L 31/10 A (72)発明者 山野辺 正人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型(n+ 型(あるいはp+ 型))
    半導体層と、ドーピングしていない微結晶シリコン層
    と、ドーピングしていない水素化アモルファスシリコン
    層と、第2導電型(p+ 型(あるいはn+ 型))の半導
    体層とを積層して構成したことを特徴とする光電変換装
    置。
  2. 【請求項2】 第1導電型(n+ 型(あるいはp+
    型))半導体層と、ドーピングしていない微結晶シリコ
    ン層と、ドーピングしていない水素化アモルファスシリ
    コン層と、第2導電型(p+ 型(あるいはn+ 型))の
    半導体層とを積層して構成した光電変換装置の製造方法
    において、 基板上に非単結晶シリコンを堆積する工程と、該堆積層
    に原子状水素を暴露する工程とを交互に繰り返しなが
    ら、微結晶シリコン層を形成することを特徴とする光電
    変換装置の製造方法。
JP03293899A 1991-10-15 1991-10-15 光電変換装置とその製造方法 Expired - Fee Related JP3078373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03293899A JP3078373B2 (ja) 1991-10-15 1991-10-15 光電変換装置とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03293899A JP3078373B2 (ja) 1991-10-15 1991-10-15 光電変換装置とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05110123A true JPH05110123A (ja) 1993-04-30
JP3078373B2 JP3078373B2 (ja) 2000-08-21

Family

ID=17800598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03293899A Expired - Fee Related JP3078373B2 (ja) 1991-10-15 1991-10-15 光電変換装置とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3078373B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009229502A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Sony Corp 表示装置、および、その製造方法
JP2010287880A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Korea Iron & Steel Co Ltd 光起電力装置及びその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101566792B1 (ko) * 2014-08-14 2015-11-06 권득봉 이륜차에 적용되는 배달용 운반가방

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009229502A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Sony Corp 表示装置、および、その製造方法
JP2010287880A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Korea Iron & Steel Co Ltd 光起電力装置及びその製造方法
EP2262005A3 (en) * 2009-06-12 2013-01-23 Kisco Photovoltaic device and manufacturing method thereof
US8642115B2 (en) 2009-06-12 2014-02-04 Kisco Photovoltaic device and manufacturing method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3078373B2 (ja) 2000-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4615905A (en) Method of depositing semiconductor films by free radical generation
US4517223A (en) Method of making amorphous semiconductor alloys and devices using microwave energy
US4664937A (en) Method of depositing semiconductor films by free radical generation
JP3169337B2 (ja) 光起電力素子及びその製造方法
US5913986A (en) Photovoltaic element having a specific doped layer
US6383576B1 (en) Method of producing a microcrystal semiconductor thin film
JPH11243218A (ja) 積層型光起電力素子
US4520380A (en) Amorphous semiconductors equivalent to crystalline semiconductors
US4710786A (en) Wide band gap semiconductor alloy material
JPH10125944A (ja) 光起電力素子
US4799968A (en) Photovoltaic device
US4839312A (en) Fluorinated precursors from which to fabricate amorphous semiconductor material
JP3078373B2 (ja) 光電変換装置とその製造方法
JPH11261087A (ja) 光起電力素子
US4701343A (en) Method of depositing thin films using microwave energy
JP2918814B2 (ja) 光起電力素子及びその製造方法
JP2918815B2 (ja) 光起電力素子及びその製造方法
JP2918813B2 (ja) 光起電力素子及びその製造方法
US4745000A (en) Method of fabricating electrostatic drums using microwave energy
JP2895213B2 (ja) 光起電力素子
JP2937815B2 (ja) 光起電力素子及びその製造方法
JP2958255B2 (ja) 光起電力素子及びその製造方法
JPH10229209A (ja) 光起電力素子
JPH065895A (ja) 太陽電池
JPS63274184A (ja) 光電変換素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees