JPH0510955U - 二元冷凍機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は低温側冷凍機の吸入管近傍が氷結等
の不具合を生じることのない二元冷凍機を提供すること
を目的とする。 【構成】 本考案は低温側冷凍機と高温側冷凍機とを組
合わせてなる二元冷凍機において、低温側冷凍機の吸入
管と高温側冷凍機の液管部を含む凝縮器二相流部との間
を熱交換する熱交換器を具備してなることを特徴とする
二元冷凍機を構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は二元冷凍機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５は従来の二元冷凍機の冷媒回路図である。図において、１は高温側圧縮機 、２は吐出管、３はコンデンサ、４は液管、５はインジェクションキャピラリ、 ６はカスケードコンデンサ、６ａは蒸発器、７は吸入管、８はアキュムレータ、 ９は膨張弁、９ａは感温筒、１０は送風装置である。また、１１は低温側圧縮機 、１２は四方切換弁、１３は吐出管、６ｂはコンデンサ、１４は液管、１５はイ ンジェクションキャピラリ、１６ａ，１６ｂはカップリング、１７は接続液管、 １８は逆止弁、１９はデフロストキャピラリ、２０は膨張弁、２０ａは感温筒、 ２１は逆止弁、２２は蒸発器、２３は送風装置、２４ａ，２４ｂはカップリング 、２５は接続ガス管、２６，２７，２９，３１は吸入管、２８は第１アキュムレ ータ、３０は第２アキュムレータである。

【０００３】 上記構成のシステムにおいて、高温側圧縮機１で圧縮された冷媒はコンデンサ ３で凝縮液化し、膨張弁９で絞られた後、カスケードコンデンサ６内の蒸発器６ ａで低温側コンデンサ６ｂと熱交換し吸入管７、アキュムレータ８を経て圧縮機 １にもどる。

【０００４】 一方、低温側圧縮機１１を出た冷媒は四方弁１２、吐出管１３を通ってコンデ ンサ６ｂで凝縮液化し液管１４、逆止弁１８を経て膨張弁２０で絞られた後、蒸 発器２２で蒸発、吸入管２６、四方弁１２、第１及び第２アキュムレータ２８， ３０を通って低温側圧縮機１１にもどる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の二元冷凍機には解決すべき次の課題があった。

【０００６】 即ち、上記のごときシステムにおいて蒸発器２２の蒸発温度は−６０〜−７０ ℃の超低温で使われるため膨張弁２０で高めの過熱度制御を行ない、接続ガス管 ２５で外気との熱交換による吸入ガスの温度上昇があったとしても、吸入管２６ ，２７，２９，３１及び第１、第２アキュムレータ２８，３０は０℃以下の温度 となっている。又振動、強度上の問題をさけるためこれらは狭いスペースに複雑 な形状で配置されており、このため、十分な断熱処理をほどこすことができない 上空調機と異なり、通年運転されることも重なって吸入管２６，２７，２９，３ １及び第１、第２アキュムレータ２８，３０の周囲は着霜、融霜の繰り返しによ り時間経過とともに氷状となる。さらに時間経過することにより隣り合う吸入管 ２６，２７，２９，３１同志又は第１、第２アキュムレータ２８，３０と吸入管 ２６，２７，２９，３１が氷を介して押し合うため、又、氷結による吸入管系の 固有振動数低下による共振のため、吸入管２６，２７，２９，３１の付根には無 理な力が加わり、場合によっては配管亀裂等の不具合に至る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題の解決手段として、低温側冷凍機と高温側冷凍機とを組合わ せてなる二元冷凍機において、低温側冷凍機の吸入管と高温側冷凍機の液管部を 含む凝縮器二相流部との間を熱交換する熱交換器を具備してなることを特徴とす る二元冷凍機を提供しようとするものである。

【０００８】

【作用】

本考案は上記のように構成されるので次の作用を有する。

【０００９】 本考案によれば低温側冷凍機の吸入管を高温側冷凍機の凝縮器の二相流部又は 液管部と熱交換させているため低温側冷凍機の吸入管系の温度を０℃以上にする ことができ従来の如き氷結に起因する配管亀裂等の不具合はなくなる。

【００１０】 また、高温側冷凍機では凝縮圧力の低下又は過冷却度増加により高温側冷凍機 の冷凍能力が増えるため、低温側冷凍機の凝縮圧力も低下しひいては低温側冷凍 機の冷凍性能も向上する。

【００１１】

【実施例】

本考案の第１、第２実施例を図１〜図４により説明する。なお従来例と同様の 構成品には同符号を付し、説明を省略する。

【００１２】 第１実施例の冷媒回路図を図１に第２実施例の冷媒回路図を図２に示す。両図 において３２は低温側冷凍機の吸入管２６と熱交換するよう設けた熱交換器であ り、その具体的構造例を図３、図４に示す。図３は低温側冷凍機の吸入管２６と 二重管構造として熱交換させるようにしたものであり、図４は熱交換器３２を吸 入管２６とハンダ３３を介して接触させ熱交換させるようにしたものである。

【００１３】 図１は熱交換器３２の一端を凝縮器３の二相流分岐部の一端に、熱交換器３２ の他端を分岐部の他端に接続し吸入管２６と熱交換させるよう構成されており、 図２は熱交換器３２の一端が凝縮器３を出た液管４の分岐部の一端に熱交換器３ ２の他端が液管４の分岐部の他端に接続され、吸入管２６と熱交換されるよう構 成されている。

【００１４】 上記構成のシステムにおいて低温側冷凍機の吸入管２６は高温側冷凍機の凝縮 器３の二相流部又は液管４の高温液と熱交換するため吸入管２６から吸入管３１ までの吸入管系の温度は０℃以上に保たれ、従来の如き着霜、氷結による配管亀 裂等の不具合は解消される。

【００１５】 また、上記の如く熱交換させることにより高温側冷凍機は凝縮圧力が低下又は 過冷却度が増大するため冷凍能力が大きくなりこれは低温側冷凍機の凝縮圧力低 下ひいては冷凍性能の向上につながる。

【００１６】

【考案の効果】 本考案は上記のように構成されるので次の効果を有する。

【００１７】 即ち、本考案による二元冷凍機では低温側冷凍機の吸入管と高温側冷凍機の凝 縮器二相流部又は液管部とを熱交換させているため、低温側冷凍機の吸入管系が ０℃以下となることはなく、従来の如き氷結に起因する吸入配管亀裂の不具合は なくなる。

【００１８】 また、高温側冷凍機は凝縮圧力低下又は過冷却増大により冷凍能力が増えるた め低温側冷凍機も凝縮圧力が低下し冷凍能力向上に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係る二元冷凍機の冷媒回
路図である。

【図２】本考案の第２実施例に係る二元冷凍機の冷媒回
路図である。

【図３】上記第１、第２実施例の熱交換器と吸入管の取
付け例の図である。

【図４】上記第１、第２実施例の熱交換器と、吸入管の
別の取付け例の図である。

【図５】従来の二元冷凍機の冷媒回路図である。

【符号の説明】

１ 高温側圧縮機 ３ 凝縮器 ４ 液管 １１ 低温側圧縮機 ２６ 吸入管 ３２ 熱交換器

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 低温側冷凍機と高温側冷凍機とを組合わ
   せてなる二元冷凍機において、低温側冷凍機の吸入管と
   高温側冷凍機の液管部を含む凝縮器二相流部との間を熱
   交換する熱交換器を具備してなることを特徴とする二元
   冷凍機。