JPH05107480A - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents

走査型光学顕微鏡

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JPH05107480A
JPH05107480A JP3271012A JP27101291A JPH05107480A JP H05107480 A JPH05107480 A JP H05107480A JP 3271012 A JP3271012 A JP 3271012A JP 27101291 A JP27101291 A JP 27101291A JP H05107480 A JPH05107480 A JP H05107480A
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JP
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frequency
acousto
sweep
signal
scanning
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JP3271012A
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English (en)
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Hisao Kitagawa
久雄 北川
Tatsuo Nagasaki
達夫 長崎
Hidetsugu Ikuta
英嗣 生田
Takeshi Onada
毅 小灘
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】音響光学偏向素子を使用した走査型光学顕微鏡
において、ビデオレート相当の高速走査と、コンフォー
カル顕微鏡の理論分解能の達成を図る。 【構成】音響光学偏向素子23によって光ビームを偏向
させる走査型光学顕微鏡において、シリンドリカルレン
ズ効果の焦点距離F、光波長λ、開口D、音響光学偏向
素子23を駆動する高周波信号の掃引される周波数の時
間微分係数をAとしたときの、時間微分係数Aの偏差δ
A/Aが、 |δA/A|≦2k・λ・F/D2 を満足するように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響光学偏向素子を使
用して光ビームを所定方向に走査する走査型光学顕微鏡
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の走査型光学顕微鏡が特開昭61
−80215号公報に開示されており、その基本構成を
図5に示す。
【0003】この走査型光学顕微鏡は、レーザ光源1か
ら発した光ビームがエクスパンダ2によってその光束が
広げられて音響光学偏向素子3に入射し、この音響光学
偏向素子3が光ビームを回折させて偏向させている。そ
して音響光学偏向素子3で偏向させた光ビームが集光レ
ンズ4で集束され、リレーレンズ5、ハーフミラー6、
全反射ミラー7を経て振動ミラー8に入射する。振動ミ
ラー8で反射された光ビームが対物レンズ9により微小
スポット状に集束されて試料10に入射する。
【0004】このような走査光学系を備えた走査型光学
顕微鏡では、試料10上に形成された微小スポットが、
音響光学偏向素子3の偏向作用により所定方向(主走査
方向)に走査され、振動ミラー8により異なる方向(副
走査方向)に走査されるものとなる。
【0005】試料10からの反射光はハーフミラー6を
通過してリニアイメージセンサ11上に入射し、このリ
ニアイメージセンサ11が試料10からの反射光を主走
査方向の1ライン毎に受光して光学情報を電気信号に変
換している。
【0006】ところで、上記音響光学偏向素子2により
光ビームを偏向させるためには、周波数掃引される高周
波信号によって音響光学偏向素子2を駆動する必要があ
る。NTSCビデオ規格に対応して高速走査するための
駆動回路を図6に示す。
【0007】この駆動回路は、NTSC同期信号発生器
12で図7に示す水平ドライブパルスHDを発生させ鋸
歯状波発生器13に印加する。この鋸歯状波発生器13
は水平ドライブパルスHDに同期して図7に示すような
鋸歯状波形を有する水平偏向信号RAMPを発生して電
圧コントロールオシレータ(VCO)14に印加する。
そしてVCO14が水平偏向信号RAMPに応じて各掃
引周期毎に75MHz〜125MHzまで周波数掃引し
た高周波信号をアンプ15を介して音響光学偏向素子2
に印加する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に示す
ように音響光学偏向素子2を駆動するための高周波信号
は、音響光学偏向素子2により決定される帯域幅の下限
から上限まで(または上限から下限まで)を水平偏向周
期内で周波数特性をリニアに掃引する。
【0009】ところが、従来より使用されているVC
O、例えばバリキャップダイオードを用いたものは、入
力電圧をそれに応じた出力周波数に変換する際の変換直
線性(以下、「V/F変換直線性」と呼ぶ)が悪い。ベ
ース接地型のトランジスタ回路による構成にしても、V
/F変換直線性はほとんどバリキャップダイオードの性
能に依存しているためにV/F変換直線性の偏差を10
%以下に抑えることは困難である。
【0010】このため、上述した走査型光学顕微鏡で
は、高速走査時にはV/F変換直線性の偏差に起因した
掃引周波数偏差によって試料面上のスポットは回折限界
より広がってしまい、完全なコンフォーカルな状態を実
現することができない。この結果、走査型光学顕微鏡の
分解能をさらに改善したコンフォーカル顕微鏡の理論分
解能を得ることができなかった。
【0011】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たもので、音響光学偏向素子を用いて高速走査する場合
でも、回折限界で決まる理論分解能を有する走査結像光
学系を実現でき、高速走査時にもコンフォーカル顕微鏡
の理論分解能を実現できる走査型光学顕微鏡を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、光源からの光ビームが通過する音響光学偏
向素子を、高周波掃引波形発生器で発生させた周波数掃
引される高周波信号により駆動して、前記光ビームを偏
向させて試料を所定方向に走査する走査型光学顕微鏡に
おいて、前記光ビームの波長をλ、前記音響光学偏向素
子が周波数掃引に応じて示すシリンドリカルレンズ効果
の焦点距離をF、前記音響光学偏向素子の開口幅をD、
係数をk、前記高周波信号の掃引される周波数の時間微
分係数をAとしたときの、時間微分係数Aの偏差δA/
Aが、 |δA/A|≦2k・λ・F/D2 を満足するようにした。
【0013】また本発明は上記目的を達成するために、
上記条件式を満足する走査型光学顕微鏡において、上記
高周波掃引波形発生器を、掃引波形パターンデータが予
め格納された記憶手段と、前記走査方向の偏向信号に同
期して前記記憶手段から読出される前記掃引波形パター
ンデータをD/A変換してアナログ掃引信号にするD/
A変換手段と、前記D/A変換手段から出力されるアナ
ログ掃引信号の周波数帯域を前記音響光学偏向素子の帯
域に応じて変換する周波数帯域変換手段とを具備してな
るものとした。
【0014】
【作用】以上のような手段が講じられた本発明によれ
ば、音響光学偏向素子を駆動する高周波信号の掃引周波
数偏差が上記条件式を満足することにより、音響光学偏
向素子のシリンドリカルレンズ効果の焦点距離偏差が極
めて小さくなる。これにより、音響光学偏向素子を用い
たビデオレート相当の高速走査結像光学系で回折限界分
解能が実現されるものとなる。
【0015】また本発明によれば、記憶手段に格納され
ている掃引波形パターンを読出してD/A変換すること
により、アナログの掃引波形を発生させるようにしたの
で、周波数精度が極めて高い高周波掃引波を得ることが
でき、掃引周波数偏差が上記条件式を満足するものとな
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0017】図1には本実施例の走査型光学顕微鏡の全
体構成が示されている。この走査型光学顕微鏡は、レー
ザ光源20から出射した光ビームを、ビームエクスパン
ダー21で光学系の開口を満たす大きさまで拡大し、そ
の拡大した光ビームをビームスプリッタ22を通過させ
て音響光学偏向素子23に入射している。光源側からの
入射光ビームが出射する音響光学偏向素子23の対向面
には、シリンドリカルレンズ24が配置され、さらに集
光レンズ25及びリレーレンズ26からなる光学系によ
りガルバノミラー27が音響光学偏向素子23と光学的
共役関係で結ばれている。ガルバノミラー27で反射し
た光ビームは瞳投影レンズ28により対物レンズ29の
像面に集光し、この集光スポットが対物レンズ29によ
って試料30上に投影されるようになっている。
【0018】また、本実施例では高周波掃引波形発生器
31内でNTSC同期信号発生器の発生した水平同期信
号に同期して生成した周波数掃引波形の高周波信号を音
響光学偏向素子23の音響トランスデューサ(不図示)
に印加して、光ビームを水平同期信号に同期して例えば
紙面に対して垂直な方向に偏向させる。音響光学偏向素
子23の偏向作用によって、試料30上に投影されてい
る微小スポットが試料30を例えば主走査するものとな
る。
【0019】さらに高周波掃引波形発生器31内のNT
SC同期信号発生器からガルバノドライバ32に対して
垂直ドライブ信号が与えられ、そのガルバノドライバ3
2が垂直ドライブ信号に同期してガルバノミラー27を
所定方向に揺動させるようになっている。ガルバノミラ
ー27の揺動に応じて試料30上に投影されている微小
スポットが試料30を例えば副走査するものとなる。こ
れにより、試料面上にはNTSCビデオレートで2次元
的にラスター走査される走査スポットが形成されること
になる。
【0020】試料30からの反射光は元きた光路を逆に
さかのぼってビームスプリッタ22で照明光路から分岐
されてスポット結像レンズ33に入射する。そしてスポ
ット結像レンズ33とピンホール34からなる検出光学
系を通ってフォトダイオード35に入射する。
【0021】フォトダイオード35で光電変換して得ら
れた光電信号はビデオアンプ36で増幅された後、ビデ
オモニタ37に入力する。このビデオモニタ37には、
NTSC同期信号発生器から発生したコンポジット同期
信号が入力する。これにより、ビデオモニタ37上のラ
スター走査と試料30上の微小スポットのラスター走査
との同期をとることができ、ビデオモニタ37上に試料
30からの反射光による画像を形成することができる。
【0022】なお、本実施例では波長458nmの光ビ
ームを使用し、中心周波数103MHz、偏向帯域幅5
0MHz(即ち、103±25MHzであるから78M
Hz〜128MHzの帯域)の音響光学偏向素子を使用
するものとして説明する。
【0023】なお、このような高い周波数の信号を発生
するのは困難であるので、周波数てい倍回路によって周
波数を4てい倍することを考える。このとき、周波数て
い倍回路へは19.5〜32MHzの掃引周波数を入力
することになる。
【0024】最高32MHzの周波数をデジタル的に発
生させるためには、サンプリング定理により32MHz
×2の64MHz以上のD/A変換速度が必要である。
本実施例ではより高精度な波形を発生するために、32
MHzの3倍、すなわち96MHz以上のD/A変換を
行うこととする。
【0025】他方、NTSC同期信号発生回路(例え
ば、ビデオカメラ用同期信号発生器:CXD1030
M)には、14.31818MHzのクロックが必要で
あり、マスタクロックとしてはこれと同期することが望
ましいので、14.31818MHzの8倍である11
4.5454MHzをマスタクロックとして使用するこ
とにする。上記高周波掃引波形発生器31の具体的な構
成が図2に示されている。
【0026】この高周波掃引波形発生器31は、マスタ
クロック発生部41、掃引波形パターン発生部42、周
波数帯域変換部43、NTSC同期信号発生器44、分
周器45から構成されている。
【0027】マスタクロック発生部41は、14.31
818MHzの基準クロックを出力する水晶発振子46
と、基準クロックを2分周する2分周器47と、出力ク
ロックを16分周する16分周器48と、両分周器4
7,48の出力が入力する位相/周波数比較器49と、
ループフィルタ50と、VCO51とから構成されてい
る。すなわち、位相検出器とVCOを用いてPLLルー
プを構成することにより14.31818MHzの8倍
である114.5454MHzのマスタクロックを安定
に発生させている。
【0028】このマスタクロック発生部41で発生した
マスタクロックは、分周器45で適宜分周されてNTS
C同期信号発生器44および掃引波形パターン発生部4
2に入力する。
【0029】掃引波形パターン発生部42は、掃引波形
パターンのデータが予め格納されたROM52と、NT
SC同期信号発生器44からの水平ドライブ信号に同期
してアドレスを発生させてROM52にアクセスして掃
引波形パターンデータを読出すアドレスカウンタ53
と、ROM52から読出されたデータをパラレル/シリ
アル変換するパラレル/シリアル変換回路54と、その
シリアル出力をD/A変換する高速D/A変換器55と
からなる。
【0030】上記掃引波形パターン発生部42は、音響
光学偏向素子23による走査方向の偏向信号としてのN
TSC水平同期信号の1周期内には、14.31818
MHzのクロックが910周期含まれており、データは
さらにその8倍の114.5454MHzでD/A変換
される。また、D/A変換精度としては8ビットあれば
良く、全体のメモリ容量としては8ビット×910×8
=58240ビット必要である。ここでは、8ビット×
1024のTTLコンパチPROMを8個使用し、TT
L/ECLレベル変換後、ECL論理を用いて8並列入
力のパラレル/シリアル変換回路を構成している。これ
により、114.5454MHzのデータ読出し速度を
実現している。さらに、読出された8ビットデータは高
速D/A変換器55によって114.5454MHzで
D/A変換されて19.5〜32MHzの周波数掃引波
形となる。
【0031】周波数帯域変換部43は、掃引波形パター
ン発生部42で発生させた19.5〜32MHzの周波
数掃引信号を、19.5〜32MHzのバンドパスフィ
ルター56に通して不要な周波数成分を除去する。そし
てバンドパスフィルター56を通過した周波数掃引信号
をアンプ57で所要レベルまで増幅した後、周波数2て
い倍器(フレケンシーダブラー)58に入力して周波数
が2倍、すなわち39〜64MHzの掃引波形とする。
この周波数掃引信号を、再びバンドパスフィルター59
と、信号強度損失分を補うためのアンプ60を経由し
て、周波数2てい倍器61に入力して78〜128MH
zの掃引波形にする。この周波数掃引信号を平衡変調器
ー63、アンプ64により所要レベルまで増幅して得ら
れた高周波信号により音響光学偏向素子23を駆動す
る。
【0032】平衡変調器63は、外部から与えられるA
M変調入力信号のレベルにより、出力信号の振幅を制御
するものであり、音響光学偏向素子23の回折効率の周
波数依存特性を補正するために用いている。
【0033】ここで、音響光学偏向素子を駆動する高周
波信号の周波数偏差の及ぼす光学的影響及び、回折限界
分解能を有する走査型光学顕微鏡を実現するための周波
数精度について説明する。
【0034】音響光学偏向素子を、周波数掃引される高
周波信号で駆動したときの光学的影響としてシリンドリ
カルレンズ効果が知られており、音響光学偏向素子がシ
リンドリカルレンズとして作用するときの焦点距離をF
(m)、光の波長をλ(m)、音響光学偏向素子内の音
速をV(m/sec)、掃引周波数をf(Hz)、掃引
時間をT、掃引時間Tでの周波数変化をδf、掃引周波
数fの時間微分係数df/dtをAとしたとき、上記焦
点距離Fは、 F=V2 /λ・A …(1)
【0035】と表すことができる。ここで掃引周波数の
時間変化率が一定であれば、A=δf/Tの定数とおけ
るが、掃引波形発生器のV/F変換直線性偏差によりA
の変動δAが発生する。このときAの変動δAによる焦
点距離Fの変化δFは、
【0036】
【数1】 から求めることができる。(1)式より、 δF=−F(δA/A) …(2) が得られる。(2)式で表されるシリンドリカルレンズ
効果の焦点距離δFの光学的影響を図4を参照して説明
する。
【0037】開口D(m)の音響光学偏向素子に平行光
を入射させたとき、その出射光は音響光学偏向素子の位
置からシリンドリカルレンズ効果による焦点距離F
(m)だけ離れた光軸上の点Oから放射されるごとく発
散する。掃引方向が逆の場合には、出射光は点Oに集光
するごとく収れんする。
【0038】このとき、(2)式で表されるδFだけシ
リンドリカルレンズ効果の焦点距離が小さくなると、点
Oは位置O′(δFだけ大きくなる場合)へ移動する。
このような状態で、点Oから音響光学偏向素子の開口端
Eへ結んだ直線と、位置O′から開口端Eへ結んだ直線
とのなす角度をδθとする。この角δθが掃引周波数偏
差によるボケ角である。一方、波動光学的に大きさD
(m)の開口によって回折される光のボケ角Δθdは、 Δθd=λ/D …(3) と表すことができ、このボケ角が回折限界分解能を決定
している。従って、シリンドリカルレンズ効果によるボ
ケ角δθが、 δθ≦k・Δθd …(4) であれば、掃引周波数の偏差による影響は小さいと考え
られる。なお、kはk≦1の定数を表す。一般には、回
折限界光学系では波面収差のλ/4以下が必要とされて
おり、(4)式の定数kは1/4以下に設定することが
望ましい。また、Δθdは図4から以下のように幾何学
的に計算できる。 tanθ=(D/2)/F, tanθ′=(D/2)/(F−δF) 通常、θ<<1、θ′<<1、δf<<fであり、ta
nθはθと、またtanθ′はθ′とおくことができ
る。従って、 δθ=θ′−θ=tanθ′−tanθ =(D/2)/(F−δF)−(D/2)/F =(D/2)・(δF/F2 )・(1/(1−δF/F)) となり、(1−δF/F)は1とみなせるので、 δθ=(D/2F2 )δF …(5) とすることができる。(5)式を(4)式へ代入して、 δF≦2k・λF2 /D2 …(6) とし、(2)式から、 |δA/A|≦2k・λF/D2 …(7) なる条件式が得られる。よって、本実施例では音響光学
偏向素子を駆動する高周波信号の掃引周波数偏差δA/
Aが上記(7)式を満足するようにしている。
【0039】以上のように構成された本実施例では、マ
スタクロック発生部41では水晶発振子46から出力さ
れる14.31818MHzの基準クロックがその8倍
である114.5454MHzのマスタクロックとして
出力される。
【0040】このマスタクロックは分周器45を介して
NTSC同期信号発生器44へ与えられると共に掃引波
形パターン発生部42へ与えられる。そしてROM52
に格納されている掃引波形パターンがNTSC同期信号
発生器44から出力される偏向信号としての水平同期信
号に同期して読出され、そのデジタルデータで表された
掃引波形パターンがパラレル/シリアル変換回路54、
高速D/A変換器55でアナログ掃引波形の周波数掃引
信号にされる。このため、掃引周波数精度は極めて高い
ものとなり、掃引周波数偏差は上記(7)式で表される
許容誤差よりも十分に小さくできる。
【0041】このようにして高精度で発生させた周波数
掃引信号は、周波数帯域変換部43の周波数2てい倍器
58,61により、周波数を4てい倍されて所要の帯域
幅を有する高周波信号にされる。そして平衡変調器63
で振幅調整された高周波信号が音響光学偏向素子23を
駆動する。これにより音響光学偏向素子23を通過する
光ビームが偏向する。
【0042】また、ガルバノドライバ33がNTSC同
期信号発生器44からの垂直ドライブ信号に同期してガ
ルバノミラー27を揺動駆動する。これによりガルバノ
ミラー27で光ビームが偏向する。このようにして、試
料30上に形成される微小スポットで試料表面をラスタ
ー走査し、その試料反射光がフォトダイオード36で光
電信号に変換されてビデオモニタ38に入力する。
【0043】ビデオモニタ38では、NTSC同期信号
発生器44からのコンポジット同期信号に基づいて、フ
ォトダイオード35からの光電信号を画像化して走査顕
微鏡画像を形成する。
【0044】この様に音響光学偏向素子23を用いてN
TSCビデオレートで光ビームを高速偏向して走査結像
光学系を構成しても、掃引周波数精度が極めて高いので
試料面上の走査スポットは対物レンズのNAで決まる回
折限界まで絞り込まれており、同時に上記検出光学系の
ピンホール34上に投影されるスポットも、スポット投
影レンズ34のNAで決まる回折限界まで絞り込まれて
いる。
【0045】これは、文献「CONFOCAL MICROSCOPY 」T.
Wilson Academic Press,1990 P95に記載されているよう
に、ピンホール径をピンホール上のスポット径の約1/
8以下に設定することにより、完全なコンフォーカル状
態を実現することができ、コンフォーカル顕微鏡の理論
解像度を実現できることを意味している。ここで、従来
より使用されている音響光学偏向素子の掃引周波数の時
間変化率Aの許容誤差を(7)式により計算する。
【0046】音響光学偏向素子として二酸化テルル単結
晶内の横波超音波を用いたもので開口Dが3.5mmの
ものであれば、波長458nmの光ビームをNTSCビ
デオ規格の水平同期信号に同期させて偏向させる場合、 A=(50×106 )/63.49×10-6=7.88×1011 となる。音響光学偏向素子内の音速Vは650(m/s
ec)であるので、(1)式より、 F=6502 /(458×10-9×7.88×1011)=1.17(m) である。定数kをk=1/4とすれば、(7)式より、 |δA/A|≦2×(1/4)(458×10-9×1.172 ) /(3.5×10-32 =0.0256 となり、掃引周波数の時間変化率Aの許容誤差は2.6
%と求まる。
【0047】また、音響光学偏向素子として二酸化テル
ル単結晶内の横波超音波を用いたもので開口幅が10m
mのものに関して同様に許容誤差を計算すると、その許
容誤差は0.31%となった。すなわち、開口の大きい
高分解能の音響光学偏向素子を用いる際には、掃引周波
数精度の許容誤差が極めて小さくなることがわかる。
【0048】ところが、既に述べたように従来の音響光
学偏向素子の駆動回路は、発振周波数直線性が、スイー
プオシレータ仕様では、10%、または±3%となって
おり、上記計算にて求めた許容誤差2.6%、0.31
%を満足することができないことが分かる。
【0049】このように本実施例によれば、水晶発振子
46を基準クロックとしてマスタクロックを発生するマ
スタクロック発生部41と、掃引波形パターンデータを
ROM52に予め格納しておきビデオ信号に準拠した水
平同期信号で読出して高速D/A変換器55でアナログ
掃引波形にする掃引波形パターン発生部42と、そのア
ナログ掃引波形を所望の周波数帯域と振幅にする周波数
帯域変換部43と、NTSC同期信号発生器44等か
ら、周波数掃引される高周波信号を生成するようにした
ので、極めて周波数精度の高い高周波掃引波で音響光学
偏向素子23を駆動することができ、音響光学偏向素子
23のシリンドリカルレンズ効果の焦点距離の偏差を、
上記(6)式を満足するように十分に小さくできる。従
って、ビデオレート相当の高速走査光学系で回折限界分
解能を実現でき、コンフォーカル顕微鏡の理論分解能を
有する走査型光学顕微鏡を実現できる。
【0050】なお、上記一実施例では周波数帯域変換部
43において平衡変調器63により出力信号の振幅を調
整しているが、高速D/A変換器55のレファレンスレ
ベルを調節することによっても、掃引波形パターン発生
部42の出力振幅を制御することができる。
【0051】また音響光学偏向素子23の回折効率の周
波数依存特性を、予め測定しておき、このデータを別の
ROMに格納しておく。そしてそこから読出したデータ
と掃引波形パターンデータとを積算演算処理してからD
/A変換してもAM変調することができる。
【0052】なお、本実施例の構成を特に変更しなくて
も、掃引波形パターンデータを音響光学偏向素子23の
回折効率の周波数依存特性に応じて補正し、この補正さ
れたデータをROM52に格納しておくこともできる。
【0053】さらに、上記一実施例では周波数を4てい
倍するために、周波数帯域変換部43を周波数2てい倍
器を直列に接続して構成しているが、図3(a)(b)
に示すように、周波数ミキサーにより構成することもで
きる。
【0054】図3(a)に示す周波数帯域変換部の変形
例は、10〜60MHzの周波数掃引信号をバンドパス
フィルター71で不要な周波数成分を除去した後に平衡
変調器72に入力し、68MHzで発生させたローカル
周波数とミキシングする。これにより、周波数和として
帯域78〜128MHzの掃引出力が得られる。この周
波数掃引信号をバンドパスフィルター73で帯域変換
後、アンプ74で所要レベルまで増幅して出力するよう
に構成されている。
【0055】図3(b)に示す周波数帯域変換部の変形
例は、周波数2てい倍器と平衡変調器とを組み合わせて
構成したものである。この変形例では、8〜33MHz
の周波数掃引信号を入力し、バンドパスフィルター75
で不要な周波数成分を除去した後に平衡変調器76に入
力し62MHzのローカル周波数とミキシングする。そ
して周波数和の帯域70〜95MHzの周波数掃引信号
を得て、この周波数掃引信号をバンドパスフィルター7
7、パワー損失を補うためのアンプ78を介して周波数
2てい倍器79に入力する。この周波数2てい倍器79
で得られた140〜190MHzの周波数掃引信号を、
バンドパスフィルター80、アンプ81を介して平衡変
調器82に入力し62MHzのローカル周波数とミキシ
ングする。この平衡変調器82では周波数差として帯域
78〜128MHzの掃引波形を得る。そしてバンドパ
スフィルター83で不要な周波数成分を除去した後に、
アンプ84で所要レベルまで増幅して出力するように構
成されている。
【0056】すなわち、この変形例では1段目の平衡変
調器76でミキシングアップした後、周波数2てい倍器
79で2てい倍し、さらに次段の平衡変調器82でミキ
シングダウンすることによって、掃引波形入力帯域8〜
33MHzから78〜128MHzの掃引出力を得るよ
うにしている。
【0057】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、音
響光学偏向素子を用いて高速走査する場合でも、回折限
界で決まる理論分解能を有する走査結像光学系を実現で
き、高速走査時にもコンフォーカル顕微鏡の理論分解能
を実現できる走査型光学顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る走査型光学顕微鏡の構
成図。
【図2】一実施例に係る走査型光学顕微鏡に備えられた
高周波掃引波形発生部の機能ブロック図。
【図3】一実施例に係る走査型光学顕微鏡に備えられた
周波数帯域変換部の変形例を示す図。
【図4】音響光学偏向素子のシリンドリカルレンズ効果
の焦点距離を示す図。
【図5】従来よりある走査型光学顕微鏡の構成図。
【図6】音響光学偏向素子の駆動回路の構成図。
【図7】音響光学偏向素子の駆動に関する信号波形とそ
れにより得られる高周波信号波形を示す波形図。
【符号の説明】
20…レーザ光源、23…音響光学偏向素子、27…ガ
ルバノミラー、29…対物レンズ、30…試料、33…
スポット投影レンズ、34…ピンホール、35…フォト
ダイオード、37…ビデオモニタ、41…マスタクロッ
ク発生部、42…掃引波形パターン発生部、43…周波
数帯域変換部、44…NTSC同期信号発生部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小灘 毅 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光ビームが通過する音響光学
    偏向素子を、高周波掃引波形発生器により発生させた周
    波数掃引される高周波信号で駆動して、前記光ビームを
    偏向させて試料を所定方向に走査する走査型光学顕微鏡
    において、 前記光ビームの波長をλ、前記音響光学偏向素子が周波
    数掃引に応じて示すシリンドリカルレンズ効果の焦点距
    離をF、前記音響光学偏向素子の開口幅をD、係数を
    k、前記高周波信号の掃引される周波数の時間微分係数
    をAとしたときの、時間微分係数Aの偏差δA/Aが、 |δA/A|≦2k・λ・F/D2 を満足するように設定することを特徴とする走査型光学
    顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記高周波掃引波形発生器は、掃引波形
    パターンデータが予め格納された記憶手段と、前記走査
    方向の偏向信号に同期して前記記憶手段から読出される
    前記掃引波形パターンデータをD/A変換してアナログ
    掃引信号にするD/A変換手段と、前記D/A変換手段
    から出力されるアナログ掃引信号の周波数帯域を前記音
    響光学偏向素子の帯域に応じて変換する周波数帯域変換
    手段とを具備してなることを特徴とする請求項1記載の
    走査型光学顕微鏡。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6574035B2 (en) 2000-12-13 2003-06-03 Minolta Co., Ltd. Diffraction optical device and optical apparatus using the same
JP2008009395A (ja) * 2006-05-29 2008-01-17 Olympus Corp レーザ走査型顕微鏡および顕微鏡観察方法
WO2013005910A1 (ko) * 2011-07-05 2013-01-10 서강대학교 산학협력단 음향광학장치를 이용한 국부기울기 주사 간섭 현미경
CN112450873A (zh) * 2020-11-20 2021-03-09 爱博图湃(北京)医疗科技有限公司 用于角膜塑形镜验配的光学相干层析系统

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KR101246867B1 (ko) * 2011-07-05 2013-03-25 서강대학교산학협력단 음향광학장치를 이용한 국부기울기 주사 간섭 현미경
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