JP2989330B2 - 顕微鏡観察装置 - Google Patents

顕微鏡観察装置

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JP2989330B2
JP2989330B2 JP3201174A JP20117491A JP2989330B2 JP 2989330 B2 JP2989330 B2 JP 2989330B2 JP 3201174 A JP3201174 A JP 3201174A JP 20117491 A JP20117491 A JP 20117491A JP 2989330 B2 JP2989330 B2 JP 2989330B2
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良彦 山内
孝博 大出
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顕微鏡観察装置、特に光
源から放射される光を2次元的に走査して試料面に照射
し、試料からの反射光、透過光または蛍光を光電変換素
子で受光して画像信号を得るようにした顕微鏡撮像装置
として構成するのに好適な顕微鏡観察装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】このような顕微鏡撮像装置はIC、LS
Iなどの半導体、種々の材料、磁気テープなどの製品検
査や工程管理などに利用されている。光源としてレーザ
を利用したレーザ走査型顕微鏡撮像装置は既知であり、
従来より種々の型式のものが提案されている。例えば19
85年発行のSCANNINGのVol.7, pp88-96には、V. Wilkeが
「Optical Scanning Microscope 」と題して、レーザ光
源から放射されたレーザ光を第1および第2の振動ミラ
ーによって主走査方向および副走査方向に順次に偏向し
て試料に投射し、試料からの反射光をホトマルチプライ
ヤで受光するようにしたレーザ走査型顕微鏡撮像装置が
記載されている。
【0003】また、1990年発行のTransactions of the
ROYAL MICROSCOPICAL SOCIETY のVol.1, pp242-250に
は、J. Brakengoff およびK. Visscher が、レーザ光源
からのレーザ光を高速走査する代わりにスリットを透過
した光を副走査方向に振動ミラーで走査して試料上を2
次元的に走査し、試料からの反射光または蛍光を副走査
方向の偏向を相殺するように振動ミラーで偏向して1次
元像を形成し、この位置にスリットを配置して副走査方
向の共焦点性を確保し、このスリットを透過した光を再
度振動ミラーによって偏向して2次元像を形成し、この
2次元像を2次元CCDで受光するようにした顕微鏡撮
像装置が開示されている。
【0004】さらに、本願人の出願に係る特開昭61─
80215号公報やアメリカ特許第4,736,110 号明細書
には、光源としてレーザを用い、この光源から放射され
るレーザ光を音響光学素子によって主走査方向に偏向し
た後、振動ミラーによって主走査方向と直交する副走査
方向に偏向して試料の観察点に照射し、試料からの反射
光、透過光または蛍光を副走査方向に偏向して、試料へ
の入射光の副走査方向の偏向を打ち消してCCDライン
センサのようなリニアイメージンサで受光するように
し、前記レーザ光源、試料上の観察点、リニアイメージ
センサが全て共役な結像関係となるような共焦点光学系
を構成するように配置した顕微鏡撮像装置が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1の従来例
では、高速の主走査に振動ミラーを用いているため、ミ
ラーの慣性重量および駆動部の応答性のため高速走査に
限界があり、2次元像の検出速度は0.5〜2画面/秒
程度と遅くなり、実時間での検出は不可能である。ま
た、検出した画像による試料の寸法の再現性は振動ミラ
ーの走査の再現性に依存するため、振動ミラーの駆動に
高精度で複雑な信号処理回路が必要となる欠点がある。
【0006】第2の従来例では、空間分解能を有する2
次元CCDによって撮像を行っているため、試料上の観
察点とCCD上の画素とは1:1に対応し、したがって
試料の寸法再現性は電気信号に変換された時点で既に上
述した第1の従来例に比べて優れている。しかし、主走
査方向にスリット照明を用いて高速走査の代わりとして
いるため以下のような問題がある。第1に、主走査方向
での開口数(NA)が低いため主走査方向の焦点面選択
性が悪い欠点がある。第2に、主走査方向の空間的コヒ
ーレンシが高いのでスペックル縞が発生し、検出した像
にシェージングむらとなって現れる欠点がある。第3
に、主走査方向ではCCDの面内分解能のみを使用して
いるため共焦点性が低く、共焦点を使用しない従来の顕
微鏡と解像度は変わらない欠点がある。
【0007】第3の従来例においては、主走査に音響光
学偏向素子を用い、副走査に振動ミラーを使用し、試料
からの反射光、透過光、蛍光を、副走査方向の偏向を打
ち消すようにしてからCCDラインセンサに入射させる
ようにし、さらに点光源、試料上の観察点およびCCD
ラインセンサを全て共役な結像関係となるような共焦点
光学系を構成するように配置しているので、高速走査が
可能であり、実時間での像検出を行うことができるとと
もに主走査方向にも副走査方向にも高い分解能が得られ
る。また、検出された像の副走査方向での寸法再現性は
非常に高いものである。しかしながら、試料からの光を
副走査方向の走査を打ち消すように偏向してからCCD
ラインセンサに入射させているので、副走査方向におけ
る寸法再現性が低い欠点がある。さらに、この従来例に
おいては、CCDラインセンサにライン状の像を投射す
るようにしているので、CCDラインセンサの代わりに
写真フィルムを用いて撮影したり、肉眼で観察すること
はできない。
【0008】本発明の目的は、上述した従来の種々の欠
点を解消し、試料の2次元像を実時間で得ることがで
き、主走査方向および副走査方向の双方における分解能
が高く、またシェージングむらなどがない高品位の像を
得ることができ、しかも主走査方向および副走査方向は
もとより任意の方向における寸法再現性が高い像を得る
ことができ、さらに写真フィルムでの撮影や肉眼観察を
行うことができる顕微鏡観察装置を提供しようとするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の顕微鏡観察装置
は、走査光を発生する点光源と、この点光源から放射さ
れる光を主走査方向に高速で偏向する音響光学偏向素子
を有する高速偏向手段と、この高速偏向手段から射出さ
れる光を前記主走査方向と直交する副走査方向に低速度
で偏向する第1の低速偏向手段と、この第1の低速偏向
手段から射出される光を試料の観察点に照射する対物レ
ンズ系と、試料からの反射光、透過光または蛍光を、そ
の副走査方向の偏向を打ち消すように副走査方向に偏向
する第2の低速偏向手段と、この第2の低速偏向手段か
ら射出される光を受ける空間フィルタと、この空間フィ
ルタを透過した光を、副走査方向に偏向する第3の低速
偏向手段とを具え、前記点光源、試料上の観察点および
空間フィルタを、これらが全て共役な結像関係となる共
焦点光学系を構成するように配置したことを特徴とする
ものである。
【0010】
【作用】本発明による顕微鏡観察装置においては、試料
からの反射光、透過光、蛍光を、第2の低速偏向手段に
よって、第1の低速偏向手段による偏向を打ち消すよう
に偏向した後、主走査方向に延在するスリットのような
空間フィルタに通すため、共焦点性を確保することがで
きるとともに解像度も向上を図ることができる。さら
に、光源として点光源を用い、この点光源の像をそのま
ま高速走査に使用するためスペックル縞は発生しないと
ともに試料上では光スポットを走査するようにしている
ので主走査方向でのNAも確保できる。また、第3の低
速偏向手段によって、空間フィルタを通過した光を再び
副走査方向に偏向して2次元像を得るようにしているの
で、2次元像の任意の方向における寸法再現性はきわめ
て高いものとなる。また、この2次元像を2次元CCD
撮像素子で受光する場合には、試料の観察点と、2次元
CCD撮像素子上の画素とは1:1または1:複数で対
応することになり、2次元CCD撮像素子で得られる画
像信号を処理することによって任意の2次元方向におい
てすぐれた寸法再現性が得られることになる。
【0011】
【実施例】図1は本発明による顕微鏡観察装置の一実施
例の構成を示す線図である。直線偏光を連続発振するレ
ーザ光源1を点光源として配置する。このレーザ光源1
の偏光比は100:1 以上必要であるとともにHe-Ne, Ar ガ
スレーザなどの可視光レーザを用いた方がレンズ等の入
手が容易であるので、本例ではHe-Ne ガスレーザをもち
いる。このレーザ光源1から放射される直線偏光の偏光
方向はS偏光(Eベクトル水平)を使用するが、その理
由については後述する。レーザ光源1から放射されたレ
ーザ光をビームエクスパンダ2に通して、その径を主走
査方向への偏向を行う高速偏向手段を構成する音響光学
偏向素子3の入射瞳径程度まで拡大する。例えば、松下
電子社製の光偏向素子EFL−D250−8を使用した
場合、8 ×5 mmの入射瞳を有しているので、ビームエク
スパンダ2によってレーザビーム径を5mmに拡大する。
【0012】ビームエクスパンダ2によって拡大したレ
ーザビームを音響光学偏向素子3に入射させ、主走査方
向、すなわち図1の平面に垂直な方向に所定の主走査周
波数、本例では通常のテレビレートを採用するため15.7
5KHzの水平走査周波数で偏向する。この音響光学偏向素
子3の特性上、入射光はS偏光である必要があり、この
とき射出されるビームはP偏光となる。この音響光学偏
向素子3は40〜120MHzの高周波でドライブすると、偏向
角2.6 度が得られ、この高周波を上述した15.75KHzで変
調するようにする。後述するように音響光学偏向素子3
には水平駆動信号HDに同期した信号を供給する。
【0013】音響光学偏向素子3から射出されるレーザ
ビームをレンズ4および5および偏光ビームスプリッタ
6を経て第1の低速偏向手段を構成するガルバノメータ
スキャナ7の振動ミラー8に入射させるが、この際レン
ズ4および5は音響光学偏向素子の入射瞳の像を振動ミ
ラー8上に形成するように作用する。ガルバノメータス
キャナ7はレーザビームを副走査方向に低速で偏向する
ものであり、その走査精度を確保するために位置センサ
内蔵型のものを使用し、振動角度をサーボ制御できるよ
うなものとする。このような目的に対してはGeneral Sc
anning社のGシリーズが適している。また、振動ミラー
8の慣性モーメントを最小とするために、反射面が1波
長以上歪まない程度まで薄くしたものを使用する。ま
た、振動ミラー8を通常のテレビレートの垂直走査周波
数に等しい60Hzの周波数で振動させるためにガルバノメ
ータスキャナ7には垂直駆動信号VDに同期した信号を供
給する。
【0014】上述したように音響光学偏向素子3から放
射されるレーザビームはP偏光となっているので、偏光
ビームスプリッタ6を透過するが、この際偏光ビームス
プリッタでの光量損失を防ぐためにそん消光比は100:1
以上とする必要がある。ガルバノメータスキャナ7の振
動ミラー8によって図1の平面内で偏向されたレーザビ
ームはレンズ9を介して第1結像面10においてこのレー
ザビームによる2次元の走査領域を形成する。この2次
元の走査領域を対物レンズ12によって試料13上に縮小投
影する。
【0015】試料13からの反射光を対物レンズ12によっ
て集光し、第1結像面10に拡大結像し、この反射光に対
しては第2の低速偏向手段としても作用するガルバノメ
ータスキャナ7の振動ミラー8に入射する。この振動ミ
ラー8によって副走査方向の偏向が相殺された後、偏光
ビームスプリッタ6に入射する。レンズ9と対物レンズ
12との間には1/4 波長板11を配置してあるので、レーザ
ビームはこの1/4 波長板を2回通過することになり、そ
の偏光面は90度回転されので、偏光ビームスプリッタに
入射するレーザビームはS偏光となっている。したがっ
て、このS偏光は偏光ビームスプリッタ6で反射され、
レンズ17および反射ミラー18を介して空間フィルタを構
成するスリット19上に1次元の像として結像される。こ
のスリット19は偏光ビームスプリッタ6による反射光の
周縁部に生ずる不要な散乱光を除去する作用を有するも
のである。
【0016】スリット19を透過したレーザビームはレン
ズ20、第3の低速偏向手段を構成する第2のガルバノミ
ラースキャナ21の振動ミラー22およびレンズ23を介して
2次元CCD撮像素子24に入射する。この第2のガルバ
ノミラースキャナ21にも垂直駆動信号VDに同期した信号
を供給し、その振動ミラー22を第1のガルバノミラース
キャナ7の振動ミラー8と同期して振動させ、再び副走
査方向に偏向するので、2次元CCD撮像素子24のセン
サ面上には、試料13の2次元拡大像が結像されることに
なる。この2次元CCD撮像素子24は白黒TVカメラ用
のCCD撮像素子を以て構成するのが好適であり、本例
ではソニー社製の白黒用CCD撮像素子ICX022B
L−3(画素数768H×493V、画素ピッチ11.0μm×13.0
μm)を使用する。
【0017】本発明においては、試料13の観察点、第1
結像面10、スリット19および2次元CCD撮像素子24の
センサ面は全て共役結像関係となるように配置し、ま
た、副走査方向でも共焦点光学系を構成するようにす
る。この効果を有効とするために、スリット19の寸法は
次のように設定する必要がある。今、レンズ20および23
による倍率をM1とすると、スリットの長手方向、すなわ
ち主走査方向の寸法はM1×8.8mm 、巾方向、すなわち副
走査方向の寸法はM1×13.0μm以下とする必要がある。
ただし、副走査方向の寸法を余り小さくすると画像信号
のS/N が低下するので注意する必要がある。
【0018】次に、2次元撮像素子42から得られる画像
信号の処理系について説明する。2次元撮像素子24から
の画像信号を先ず、プリアンプ26によって増幅する。こ
のプリアンプ26は図2に示すように、増幅器34、帯域フ
ィルタ35および増幅器36を具えるものである。増幅器34
では、2次元撮像素子24から出力される画像信号のイン
ピーダンス変換および電圧増幅を行い、帯域フィルタ35
ではビデオ信号に不要な8MHz以上の高周波成分を減衰さ
せる。さらに増幅器36では、信号線路をドライブするた
めの電流増幅およびインピーダンス変換を行う。このイ
ンピーダンス変換にはトランジスタ1個のエミッタフォ
ロワを用い、電圧増幅にはオペアンプまたはハイブリッ
ド構成の差動増幅器を使用する。ただし、この増幅器の
性能としてはスルーレート200V/ μs、GBW 積50MHz 以
上が必要である。帯域フィルタ35にはLCπ型フィルタを
使用する。このようなプリアンプ26で増幅した画像信号
を次に映像信号増幅部27に供給する。
【0019】映像信号増幅部27の構成を図3に示す。こ
の映像信号増幅部27は、プリアンプ26で増幅された画像
信号に、通常のテレビモニタで表示するための信号を付
加する。すなわち、増幅器37で画像信号を電圧増幅する
が、この際増幅器のオフセット電圧および入力電流の影
響を除去するため増幅器37とプリアンプ26の増幅器36と
はコンデンサCを介して交流結合し、次段のクランプ回
路38によって直流分を再生するようにしている。その
後、シェージング補正回路39に通してシェージングの補
正を行うが、補正用の波形としては、傾き、パラボリッ
ク、sin 、sin2を用いる。
【0020】シェージング補正後、ゲイン調整回路40を
介して増幅器41で再度電圧増幅を行い、ペデスタル付加
回路42で映像信号に必要な帰線消去信号と直流参照信号
(黒レベル)の付加を行う。さらに、増幅器43で、低イ
ンピーダンス線路をドライブするのに必要なインピーダ
ンス変換および電流増幅を行い、表示器28で試料13の拡
大像を表示する。この表示器28には通常のビデオ信号の
表示を行う場合と同様に、水平走査周波数15.75KHz, 垂
直走査周波数60Hzのモニタを用いる。
【0021】本例においては、さらに図1に示すよう
に、クロックジェネレータ31およびスキャンドライバ25
を設ける。クロックジェネレータ31は、上述した光ビー
ムを偏向するのに必要な走査用信号、2次元撮像素子24
の走査用クロック、CPUクロック、ビデオ信号用の同
期信号を生成するものであるが、図4にこれらの信号の
タイミングを示す。図4Aは2次元撮像素子24のクロッ
クを示すものであり、前述のソニー社製のICX22BL-3 を
用いる場合には、そのクロック周波数は14.3MHzであ
り、デューティ比はほぼ2:1 とする。図4BおよびCは
それぞれ水平駆動信号HDおよびVDを示すものであ
り、その周波数は15.75KHzおよび60Hzであり、ともに負
論理である。図4Dは音響光学偏向素子3のドライブ用
高周波変調信号を示し、これはスキャンドライバ26にお
いて水平駆動信号HDの反転信号を積分して生成する。こ
の音響光学偏向素子は高周波変調信号と偏向角との関係
が非線形であるためこの変調信号に、傾き、オフセッ
ト、パラボリック、sin の各波形を補正信号として混合
し、走査位置の線形性を保つようにしている。図4Eは
第1および第2のガルバノメータスキャナ7および21の
駆動信号であり、垂直駆動信号VDの反転信号を積分して
生成する。これらのガルバノメータスキャナによる偏向
は速度が遅いので、クローズドサーボ制御を行えるので
駆動信号の補正は必要でない。
【0022】次に、A/D 変換器29、信号処理装置32、バ
ッファメモリ30およびフォーカスコントローラ33につい
て説明するが、これらの回路で画像信号の量子化、記
憶、アナログ化および量子化データ処理を行うものであ
る。まず、画像信号の量子化はA/D 変換器29によって行
い、このA/D 変換器は8ビットの分解能で、データレー
ト14MHz のアナログ画像信号をディジタル信号に変換す
るものとするので、20MSPS(メガサンプル/ 秒)以上の
変換レートを有する並列フラッシュ型変換器を以て構成
する。必要ならばA/D 変換器29の前段にサンプルホール
ド回路を挿入することもできる。
【0023】A/D変換器29で変換したディジタル値をバ
ッファメモリ30を介して画像メモリ49に記憶する。バッ
ファメモリ30としては1000×8 ビット、画像メモリ49と
しては1M×512 ×8 ビットの容量がそれぞれ必要であ
る。画像メモリ49に格納した画像データを表示する場合
には、読み出したデータをD/A 変換器50でアナログ信号
に変換し、増幅器51でインピーダンス変換および電流増
幅を行った後、映像増幅部27に供給すれば良い。1フレ
ームを表示する場合にはこれで良いが、本例においては
1フレームの画像とは別に、対物レンズ12と試料13との
距離を変化させてフォーカスを走査し、その際得られる
画像信号の各画像についての最大値を抽出して画像とし
て表示する機能を有するものである。
【0024】図6に示すように、本発明の顕微鏡観察装
置で採用している共焦点光学系においては光軸方向のフ
ォーカス位置に関して解像度曲線59と輝度曲線60の最大
値が一致するという特徴があり、フォーカスを走査しな
がら輝度最大位置の包絡線をとることによって、試料の
表面形状を測定できるということを利用している。した
がって、本発明の顕微鏡観察装置は理論上無限の焦点深
度を有していることになる。
【0025】図5のラッチ回路52、比較器53およびセレ
クタ54はこのような表面形状計測機能を果たすためのも
のである。2次元上の或るアドレスの輝度データをラッ
チ回路52でラッチし、このアドレスの画像メモリ49内の
データと比較器53で比較し、大きい方のデータをセレク
タ54で選択して画像メモリ内の当該アドレス位置に再書
き込みを行う。これをフォーカススキャンをしながら全
画素について行うことによって画像メモリ49内にフォー
カスが合った像の信号のみが格納されることになる。こ
のようにして表面形状を定量的に計測するためには、C
PU55によってモータコントローラ58を介して試料13を
載置する試料テーブル14を光軸方向に駆動するモータ15
をコントロールする際、このモータ15に連結したエンコ
ーダ16から出力される移動パルス数(すなわち移動量)
をアップダウンカウンタ57によってカウントし、前述の
輝度最大位置のカウント数を画像メモリ49内の各アドレ
ス位置に対応するように記憶して行く。
【0026】ここでCPU55の実行プログラムはメモリ
56に格納しておく。例えば、エンコーダ16の分解能を0.
01μm/ パルスとすると、市販の顕微鏡のステージ、例
えばニコン社製のOPTIPHOTO ×6 を用いても寸法再現性
3σ=0.1 μm程度は得られることになる。
【0027】また、試料13の2次元方向の寸法に関して
は、光学系の総合倍率をM2、2次元撮像素子24の画素サ
イズをa μm×b μmとすれば、2次元CCDの各画素
は試料上でa/M2μm×b/M2μmとなるので、これらの値
と、画像メモリ49に記憶されている輝度データとを基に
してCPU55を用いて試料上の任意の2次元方向の寸法
をきわめて高い再現性を以て計測することができる。実
際、光学系の倍率を200 倍として試料上での1画素の大
きさを0.05μmとした場合、寸法再現性は3σ=0.03μ
mに達することになる。また、試料上の画素サイズより
小さい値を得たい場合には画素間の輝度データを直線ま
たは2次曲線などで補間して寸法を計算すれば良い。
【0028】本発明においては、試料の2次元像は表示
器28上に表示するだけでなく、写真フィルムに記録した
り、肉眼でも観察することができる。すなわち、図1に
示すように、レンズ23と2次元CCD24 との間に回動ミラ
ー61を設け、この回動ミラーを回動して光路内に挿入す
ると、接眼レンズ62を介して試料の2次元像を肉眼で観
察するとができる。また、この接眼レンズ62の代わりに
カメラを装着することによって試料の2次元像を写真フ
ィルム上に記録することもできる。
【0029】図7は本発明による顕微鏡観察装置の他の
実施例の構成を示すものであり、前例に示した素子と同
じ素子には同じ符号を付けて示し、その詳細な説明は省
略する。本例においては、第3の低速偏向手段を構成す
る振動ミラーを、第1および第2の低速偏向手段を構成
する振動ミラーと共通とする。すなわち、ガルバノメー
タスキャナ7の振動ミラー8をその表面8aだけでなく
裏面8bも鏡面として形成し、表面8aで試料13への入
射光を副走査方向に偏向するとともに試料からの反射光
を副走査方向に偏向して副走査方向での偏向を相殺し、
さらにこのように副走査方向の偏向を相殺除去され、偏
光ビームスプリッタ6で反射された光ビームを反射ミラ
ー18a で反射してスリット19に入射させ、このスリット
を透過した光ビームをさらに反射ミラー18b で反射さ
せ、レンズ20を介して振動ミラー8の裏面8bに入射さ
せて、再び副走査方向に低速で偏向するようにする。こ
のように、振動ミラー8の表裏両面を利用するようにし
たため、第1、第2および第3の低速偏向手段を1つの
振動ミラーで構成することができ、構造が簡単となる。
【0030】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形を加えることができ
る。例えば、上述した実施例では試料からの反射光を受
けて試料像を表示または観察するようにしたが、試料を
透過した光を受けて試料像を得ることもできる。さら
に、試料に光を照射したときに試料から発せられる蛍光
を受けて試料像を観察することもできる。また、上述し
た実施例においては第1および第2の低速偏向手段を共
通の振動ミラーを以て構成したが、これらを別々の振動
ミラーを以て構成することもできる。
【0031】
【発明の効果】上述したように、本発明による顕微鏡観
察装置によれば、試料上の任意の2次元方向における高
い寸法再現性を有する高解像度の画像を得ることができ
るので、サブミクロンオーダーの微細パターンや微細構
造体の像検出や寸法計測が実時間でしかも大気中で可能
となり、また1枚の画面を短時間で得ることができるの
で、動きのある試料についても実時間で観察、記録が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による顕微鏡観察装置の一実施例
の構成を示す線図である。
【図2】図2は同じくそのプリアンプの構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図3は同じくその映像信号増幅部の構成を示す
ブロック図である。
【図4】図4A〜Eは種々の信号のタイミングを示す信
号波形図である。
【図5】図5は同じくその信号処理装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】図6は輝度曲線および解像度曲線を示すグラフ
である。
【図7】本発明による顕微鏡観察装置の他の実施例の構
成を示す線図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源(点光源) 2 ビームエクスパンダ 3 音響光学偏向素子(高速偏向手段) 6 偏光ビームスプリッタ 7 第1ガルバノメータスキャナ(第1および第2の低
速偏向手段) 11 1/4 波長板 12 対物レンズ 13 試料 19 スリット(空間フィルタ) 21 第2ガルバノメータスキャナ(第3の低速偏向手
段) 24 2次元撮像装置 25 スキャンドライバ 26 プリアンプ 27 映像信号増幅部 28 表示器 29 A/D 変換器 30 バッファメモリ 31 クロックジェネレータ 32 信号処理装置 33 フォーカスコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粟村 大吉 神奈川県横浜市港北区綱島東4−10−4 レーザーテック株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−33711(JP,A) 特開 昭63−306414(JP,A) 特開 昭63−306413(JP,A) 特開 昭62−209510(JP,A) 特開 平3−21913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 21/00 G02B 21/06 - 21/36 G02B 26/10 G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/74

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査光を発生する点光源と、この点光源
    から放射される光を主走査方向に高速で偏向する音響光
    学偏向素子を有する高速偏向手段と、この高速偏向手段
    から射出される光を前記主走査方向と直交する副走査方
    向に低速度で偏向する第1の低速偏向手段と、この第1
    の低速偏向手段から射出される光を試料の観察点に照射
    する対物レンズ系と、試料からの反射光、透過光または
    蛍光を、その副走査方向の偏向を打ち消すように副走査
    方向に偏向する第2の低速偏向手段と、この第2の低速
    偏向手段から射出される光を受ける空間フィルタと、こ
    の空間フィルタを透過した光を、副走査方向に偏向する
    第3の低速偏向手段とを具え、前記点光源、試料上の観
    察点および空間フィルタを、これらが全て共役な結像関
    係となる共焦点光学系を構成するように配置したことを
    特徴とする顕微鏡観察装置。
  2. 【請求項2】 前記第3の低速偏向手段から射出される
    光を結像する結像レンズ系と、この結像レンズ系によっ
    て結像される試料の2次元像を受光して画像信号に変換
    する2次元光検出手段とを具えることを特徴とする請求
    項1記載の顕微鏡観察装置。
  3. 【請求項3】 前記2次元光検出手段から出力される画
    像信号を表示する画像表示手段を具えることを特徴とす
    る請求項2記載の顕微鏡観察装置。
  4. 【請求項4】 前記2次元光検出手段から出力される画
    像信号を処理して、試料像の2次元平面内における任意
    の方向における寸法を計測する手段を設けたことを特徴
    とする請求項2または3記載の顕微鏡観察装置。
  5. 【請求項5】 試料を光軸方向に走査する手段と、この
    走査手段から出力される走査量を表す信号と、前記2次
    元光検出手段から出力される画像信号とを処理して試料
    の表面状態を計測する手段とを具えることを特徴とする
    請求項2〜4の何れかに記載の顕微鏡観察装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の低速偏向手段および第2の低
    速偏向手段が同一の振動ミラーを具えることを特徴とす
    る請求項1〜5の何れかに記載の顕微鏡観察装置。
  7. 【請求項7】 前記第3の低速偏向手段が、前記第1お
    よび第2の低速偏向手段の同一の振動ミラーの裏面を利
    用することを特徴とする請求項6記載の顕微鏡観察装
    置。
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