JPH05107409A - カラーフイルター基板および強誘電性液晶素子 - Google Patents

カラーフイルター基板および強誘電性液晶素子

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JPH05107409A
JPH05107409A JP4089234A JP8923492A JPH05107409A JP H05107409 A JPH05107409 A JP H05107409A JP 4089234 A JP4089234 A JP 4089234A JP 8923492 A JP8923492 A JP 8923492A JP H05107409 A JPH05107409 A JP H05107409A
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純一郎 神辺
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優 神尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラーフィルター層の膜厚の差がないカラー
フィルター基板及び配向欠陥の発生を防止した強誘電性
液晶素子を提供する。 【構成】 基板2上に、感光性基を分子内に有する低温
硬化型ポリイミド樹脂中に着色材料を分散してなる着色
樹脂からなるほぼ同一の膜厚のカラーフィルターを有
し、その隣接する各画素のカラーフィルターの間隔をα
(μm)とした場合、0≦α≦5μmの関係からなり、
該カラーフィルター上に保護層9およびパターン形状の
透明電極5を順次積層してなるカラーフィルター基板及
びそれを用いた強誘電性液晶素子。カラーフィルターの
画素間の窪みに遮光層10が各画素の厚さとほぼ同一に
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や液晶−
光シャッターアレイ等に用いるカラーフィルター基板お
よび強誘電性液晶素子に関し、更に詳しくは、液晶分子
の初期配向状態を改善することにより配向欠陥のない均
一なモノドメインの液晶相を得、表示ならびに駆動特性
を改善したカラーフィルターを有するカラーフィルター
基板およびそれを用いた強誘電性液晶素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶素子としては、例えばエム・
シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリ
ッヒ(W.Helfrich)著“アプライド・フィジ
ックス・レターズ”(“Applied Physic
s Letters”)第18巻、第4号(1971年
2月15日発行)、第127頁〜128頁の“ボルテー
ジ・ディペンダント・オプティカル・アクティビティー
・オブ・ア・ツイステッド・ネマチック・リキッド・ク
リスタル(“Voltage Dependent O
ptical Activity of a Twis
ted Nematic Liquid Crysta
l”)に示されたツイステッド・ネマチック(Twis
ted nematic)液晶を用いたものが知られて
いる。このTN液晶は、画素密度を高くしたマトリクス
電極構造を用いた時分割駆動の時、クロストークを発生
する問題点があるため、画素数が制限されていた。
【0003】また、各画素に薄膜トランジスタによるス
イッチング素子を接続し、各画素毎をスイッチングする
方式の表示素子が知られているが、基板上に薄膜トラン
ジスタを形成する工程が極めて煩雑な上、大面積の表示
素子を作成することが難しい問題点がある。
【0004】これらの問題点を解決するものとして、ク
ラーク(Clark)等により米国特許第4,367,
924号明細書で強誘電性液晶素子が提案されている。
【0005】図2は強誘電性液晶の動作説明のために、
セルの例を模式的に描いたものである。21aと21b
は、In23 、SnO2 やITO(Indium T
inOxide)等の薄膜からなる透明電極で被覆され
た基板(ガラス板)であり、その間に複数の液晶分子層
22がガラス面に垂直になる様に配向したSmC*相ま
たはSmH*相の液晶が封入されている。太線で示した
線23が液晶分子を表わしており、この液晶分子23
は、その分子に直交した方向に双極子モーメント(P
⊥)24を有している。基板21aと21b上の電極間
に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子23の
らせん構造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)24は
すべて電界方向に向くよう、液晶分子23の配向方向を
変えることができる。液晶分子23は細長い形状を有し
ており、その長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示
し、従って例えばガラス面の上下に互いにクロスニコル
の位置関係に配置した偏光子を置けば、電圧印加極性に
よって光学特性が変わる液晶光学変調素子となることは
容易に理解される。
【0006】本発明の強誘電性液晶素子で好ましく用い
られる液晶セルは、その厚さを充分に薄く(例えば10
μ以下)することができる。このように液晶相が薄くな
るにしたがい、図3に示すように電界を印加していない
状態でも液晶分子のらせん構造はほどけ、非らせん構造
となり、その双極子モーメントPa又はPbは上向き
(34a)又は下向き(34b)のどちらかの状態をと
る。このようなセルに、図3に示す如く一定の閾値以上
の極性の異なる電界EaまたはEbを付与すると、双極
子モーメントは、電界Ea又はEbの電界ベクトルに対
応して上向き34a又は、下向き34bと向きを変え、
それに応じて液晶分子は第一の安定状態33a、あるい
は第二の安定状態33bの何れか一方に配向する。
【0007】このような強誘電性液晶を光学変調素子と
して用いることの利点は、先に述べたが2つある。その
第1は、応答速度が極めて速いことであり、第2は液晶
分子の配向が双安定性を有することである。第2の点
を、例えば図3によって更に説明すると、電界Eaを印
加すると液晶分子は第一の安定状態33aに配向する
が、この状態は電界を切っても安定である。又、逆向き
の電界Ebを印加すると、液晶分子は第二の安定状態3
3bに配向して、その分子の向きを変えるが、やはり電
界を切ってもこの状態に留っている。また、与える電界
Eaが一定の閾値を越えない限り、それぞれの配向状態
にやはり維持されている。このような応答速度の速さ
と、双安定性が有効に実現されるには、セルとしては出
来るだけ薄い方が好ましい。
【0008】この強誘電性液晶素子が所定の駆動特性を
発揮するためには、一対の平行基板間に配置される強誘
電性液晶が、電界の印加状態とは無関係に、上記2つの
安定状態の間での変換が効果的に起こるような分子配列
状態にあることが必要である。例えばカイラルスメクテ
ィック相を有する強誘電性液晶については、カイラルス
メクティック相の液晶分子層が基板面に対して垂直で、
したがって液晶分子軸が基板面にほぼ平行に配列した領
域(モノドメイン)が形成される必要がある。しかしな
がら、これまでの強誘電性液晶素子においては、このよ
うなモノドメイン構造を有する液晶の配向状態が、必ず
しも満足に形成されなかったために、充分な特性が得ら
れなかった実情である。
【0009】図4は従来の強誘電性液晶素子の断面図を
表わし、図5は従来の強誘電性液晶素子に現われた配向
欠陥の状態を表わす概略説明図である。
【0010】すなわち、図4に示す従来の強誘電性液晶
素子40は、一対の平行基板41と42を有しており、
基板41と42にはそれぞれマトリクス電極構造をなす
ストライプ状の透明電極43と44が設けられている。
【0011】一般に、カラーフィルターは赤(R)、緑
(G)、青(B)の色素またはこれを含む層からなって
いるが、各色素層の膜厚はその形成法にかかわらずそれ
ぞれ異なるので、2000Å〜1μm程度の段差Aが形
成される。この結果、降温過程を利用して配向制御を行
うと、上述の段差Aが原因となって、その段差Aを境に
して強誘電性液晶47に配向欠陥を生じることになる。ま
た、この段差Aが存在する基板41と42の上にそれぞ
れ配向制御膜45と46を設けると、この配向制御膜に
も段差Aに応じて形成された段差Cが画素のほぼ膜厚分
で生じ、上述の同様に強誘電性液晶47に配向欠陥を生
じる。
【0012】図5は、上記強誘電性液晶素子をクロスニ
コルの偏光顕微鏡で観察した時のスケッチで、図中の白
線51は液晶素子に使用したスペーサー(図示せず)の
ラインに対応し、線52及び53は図4の基板41上の
段差Cに対応して観察されている。また、図中の部分5
4は対向電極間にはさまれた強誘電性液晶である。偏光
顕微鏡中に多数現出した刃状線55は強誘電性液晶の配
向欠陥を表わしている。
【0013】この様に強誘電性液晶の接する面である程
度の段差が存在すると、その段差から配向欠陥を生じ、
強誘電性液晶のモノドメイン形成は阻害される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、この様
な基板上の段差、特にカラーフィルターを強誘電性液晶
素子に内設する場合に、各画素の間隔が5μmをこえた
場合に生じる段差が強誘電性液晶に対する著しい配向欠
陥を発生させる原因となっていることを実験により明ら
かにした。
【0015】本発明の目的は、上記の配向欠陥の発生を
防止し、強誘電性液晶素子が本来もっている高速応答性
とメモリー効果特性を充分に発揮することのできるカラ
ーフィルター基板および強誘電性液晶素子を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、とくに強
誘電性液晶が等方相(高温状態)より液晶相(低温状
態)へ移行する降温過程における初期配向性に着目し、
強誘電性液晶の双安定性に基づく素子の作動特性と液晶
層のモノドメイン性を両立し得る構造を有する強誘電性
液晶素子を見出したものである。
【0017】本発明の液晶素子は、このような知見に基
づくものであり、より詳しくは、液晶層と接する面に配
向欠陥を誘発する様な段差がなく、つまり液晶層の膜厚
に急激な変化を生じさせなくすることにより降温過程に
おける初期配向性を良好な状態とし、配向欠陥のないモ
ノドメインを形成する点に特徴を有している。
【0018】すなわち、本発明は、基板上に、感光性基
を分子内に有する低温硬化型ポリイミド樹脂中に着色材
料を分散してなる着色樹脂からなるほぼ同一の膜厚のカ
ラーフィルターを有し、その隣接する各画素のカラーフ
ィルターの間隔をα(μm)とした場合、0≦α≦5μ
mの関係からなり、該カラーフィルター上に保護層およ
びパターン形状の透明電極を順次積層してなることを特
徴とするカラーフィルター基板である。
【0019】また、本発明は、透明電極の形成された一
対の平行基板間に強誘電性液晶を挟持し、少なくとも一
方の透明電極と基板間にカラーフィルターを有する強誘
電性液晶素子において、該カラーフィルターが感光性基
を分子内に有する低温硬化型ポリイミド樹脂中に着色材
料を分散してなる着色樹脂によりほぼ同一の膜厚に形成
され、その隣接する各画素のカラーフィルターの間隔を
α(μm)とした場合、0≦α≦5μmの関係からな
り、該カラーフィルター上に保護層、パターン形状の透
明電極および配向制御膜を順次積層してなることを特徴
とする強誘電性液晶素子である。
【0020】以下、本発明を図面に基ずき説明する。図
1は本発明に係わる強誘電性液晶素子の基本構成を示す
断面図である。図1において、強誘電性液晶素子1はガ
ラス板またはプラスチック板などの透明板を用いた基板
2と3を有し、その間には強誘電性液晶4が挟持されて
いる。各基板2と3にはマトリクス電極構造を形成する
ストライプ状のパターン形状の透明電極5と6が配設さ
れ、この透明電極の上には配向制御膜7及び8が形成さ
れている。R(赤),G(緑),B(青)の各カラーフ
ィルターは、等しい膜厚にて所望の分光特性となるよ
う、あらかじめ着色材料濃度を設定したものにて形成さ
れている。一方、より平坦化を行なうために、必要に応
じては、各カラーフィルター間の窪みに遮光層10が形
成され、さらにその上に保護膜または平坦化膜9が形成
されている。
【0021】上記の構成による基板では、カラーフィル
ターの膜厚がほぼ同一に設定されていること及び画素間
の間隔を5μm以下におさえることにより、その窪みに
よる段差が補正されているため、画素上に透明電極、配
向制御膜を順に形成しても、基板面をほぼ平坦に保つこ
とができる。
【0022】本発明では、前述の平坦化により、カラー
フィルター基板の段差を1000Å以下とすることがで
きるが、好ましくは500Å以下とするのが望ましい。
この段差が1000Åをこえると、言いかえれば各画素
の間隔を5μmをこえる範囲で設定した非平坦化層を用
いた液晶素子は、前述の図5で示した刃状線の配向欠陥
を生じることになる。
【0023】本発明に適するカラーフィルターとして
は、各画素の膜厚が、ほぼ同一に設定することが可能な
方式であればよいが、特に本発明としての効果が大き
く、かつ簡便な製造プロセスにより微細パターンを形成
することができ、さらに機械的特性をはじめ、耐熱性、
耐光性、耐溶剤性等の諸特性の優れたカラーフィルター
である以下の方式が好ましい。
【0024】すなはち、本発明に最適なカラーフィルタ
ーは、感光性を有する基を分子内に持つ低温硬化型ポリ
イミド樹脂中に着色材料を分散してなる着色樹脂のフォ
トリソ工程のくり返しにより形成する方法である。
【0025】さらに詳しくは、カラーフィルターの有す
る着色樹脂層を形成する感光性を有する基を分子内に有
する低温硬化型ポリイミド樹脂(以下、感光性ポリイミ
ド樹脂と称す)としては、200℃以下にて硬化膜の得
られるもの、例えば150℃×30分程度の熱で硬化膜
を形成できる、例えば感光性基をその分子内に持つ芳香
族系のポリイミド樹脂で、特に、可視光波長域(400
〜700nm)で特定の光吸収特性を持たないもの(光
透過率で90%程度以上のもの)が好ましい。この観点
からは、特に芳香族系のポリイミド樹脂が好ましい。
【0026】また、本発明における感光性を有する基と
しては、以下に示す様な感光性の炭化水素不飽和基をも
つ芳香族鎖であれば良く、例えば、 (1)安息香酸エステル類
【0027】
【化1】
【0028】(式中R1 はCHX=CY−COO−Z
−、Xは−H又は−C65 、Yは−H又は−CH3
Zは―又はエチル基又はグリシジル基を示す) (2)ベンジルアクリレート類
【0029】
【化2】
【0030】(式中Yは−H又はCH3 を示す) (3)ジフェニルエーテル類
【0031】
【化3】
【0032】( 式中R2 はCHX=CY−CONH−、
CH2 =CY−COO−(CH22−OCO−又はC
2 =CY−COO−CH2 −を1個以上含むもの、
X,Yは前記意義を示す) (4)カルコン類及びその他化合物鎖
【0033】
【化4】
【0034】(式中R3 はH−,アルキル基、アルコシ
キ基を示す)
【0035】
【化5】
【0036】等が挙げられる。
【0037】これ等の基を分子内に持つ芳香族系のポリ
イミド樹脂の具体例を示すと、“リソコートPI−40
0”(商品名、宇部興産(株)製)等が挙げられる。
【0038】一般にフォトリソ工程で用いられる感光性
樹脂は、その化学構造によって差はあるものの、機械的
特性をはじめ耐熱性、耐光性、耐溶剤性等の耐久性に優
れたものは少ない。これに対し、上記本発明の感光性ポ
リイミド樹脂は、化学構造的にも、これらの耐久性に優
れた樹脂系であり、これらを用いて形成したカラーフィ
ルターの耐久性も非常に良好なものとなる。特に、強誘
電性液晶素子のカラーフィルターとして問題となりうる
透明導電膜のスパッタ形成時の耐熱性および液晶素子組
み立て時のインナースペーサーによるカラーフィルター
の破損等に対して優れた性能を発揮するものである。
【0039】本発明におけるカラーフィルターの有する
着色樹脂層を形成する着色材料としては、有機顔料、無
機顔料、染料等のうち所望の分光特性を得られるもので
あれば、特に限定されるものではない。この場合、各材
料を単体で用いることも、これらのうちのいくつかの混
合物として用いることもできる。ただし、染料を用いた
場合には、染料自体の耐久性により、カラーフィルター
の性能が支配されてしまうが、上記本発明の樹脂系を用
いれば、通常の染色カラーフィルターに比べ性能の優れ
たものが形成可能である。従って、カラーフィルターの
色特性及び諸性能から勘案すると有機顔料が着色材料と
して最も好ましい。
【0040】有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性ア
ゾ系、縮合アゾ系等のアゾ系顔料をはじめ、フタロシア
ニン系顔料,そしてインジゴ系,アントラキノン系,ペ
リレン系,ペリノン系,ジオキサジン系,キナクリドン
系,イソインドリノン系,フタロン系,メチン・アゾメ
チン系、その他金属錯体系を含む縮合多環系顔料、ある
いはこれらのうちのいくつかの混合物が用いられる。
【0041】本発明において、着色樹脂層を形成するた
めに使用する着色樹脂は、上記感光性ポリイミド樹脂溶
液に、各色同一膜厚にて所望の分光特性を有する上記着
色材料をそれぞれ10〜50%程度の任意の割合で配合
し、超音波あるいは三本ロール等により充分に分散させ
た後、好ましくは1μm以下のフィルターにて粒径の大
きいものを除去して調製する。
【0042】本発明におけるカラーフィルターの有する
着色樹脂層は、前記着色樹脂をスピンナー,ロールコー
ター等の塗布装置により基板上に塗布し、フォトリソ工
程によりパターン状に形成され、その層厚は所望とする
分光特性に応じて決定されるが、通常は各色同一膜厚
で、0.5〜5μm程度、好ましくは0.5〜1.5μ
m程度が望ましい。
【0043】着色樹脂層と下地の基板間との接着性を更
に増す必要がある場合には、基板上にあらかじめシラン
カップリング剤等で薄く塗布した後に着色樹脂パターン
を形成するか、あるいは、あらかじめ着色樹脂中にシラ
ンカップリング剤等を少量添加したものを用いてカラー
フィルターを形成することにより、一層効果的である。
【0044】なお、本発明におけるカラーフィルターの
有する着色樹脂層は、それ自体充分な耐久性を有する良
好な材料で構成されているが、特に、より各種の環境条
件から、着色樹脂層を保護するため、またはカラーフィ
ルター表面を平坦化するためには、着色樹脂層表面に、
ポリアミド,ポリイミド,ポリウレタン,ポリカーボネ
ート,シリコン系等の有機樹脂やSi34 ,SiO
2 ,SiO,Al23,Ta23 等の無機膜をスピ
ンコート,ロールコートの塗布法で、あるいは蒸着法に
よって、保護膜または平坦化膜として設けることができ
る。
【0045】この場合には、カラーフィルター表面が、
より段差のない形状になるため、本発明の目的とする強
誘電性液晶の配向欠陥をなくすためにより好適である。
また、保護膜9の膜厚は、強誘電性液晶4の膜厚を決定
することができるので、従って液晶材料の種類や要求さ
れる応答速度などにより変化するが、一般的には0.2
μm〜20μm、好適には0.5μm〜10μmの範囲
に設定される。
【0046】さらに、場合によっては、表示特性を向上
させるため、および各画素の間隙をうめ、画素間から生
じる段差をより小さくするために、各画素間に合わせて
遮光層をクロム,アルミニウム等の遮光能力を持つ金属
薄膜を蒸着法で、あるいは感光性ポリイミド樹脂中にカ
ーボンブラック、複合酸化物黒顔料、金属粉等の遮光能
力を有する材料を分散させた遮光樹脂層を塗布法で形成
することができる。
【0047】本発明に用いられる配向制御膜の材料とし
ては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ピ
リビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラ
ミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの樹脂類、あ
るいは感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、環状ゴム
系フォトレジスト、フェノールノボラック系フォトレジ
ストあるいは電子線フォトレジスト(ポリメチルメタク
リレート、エポキシ化−1,4−ポリブタジエンなど)
などから選択して形成することができる。配向制御膜7
は、強誘電性液晶の膜厚にも依存するが、一般的には1
0Å〜1μm、好適には100Å〜3000Åの範囲に
設定する。
【0048】本発明で用いる液晶材料として、とくに適
したものは双安定性を有する液晶であって、強誘電性を
有するものである。具体的にはカイラルスメクティック
C相(SmC* ) ,H相(SmH* ) ,I相(SmI
* ),J相(SmJ* ),K相(SmK* ),G相(S
mG* )またはF相(SmF*)の液晶を用いることが
できる。
【0049】この強誘電性液晶については、“ル・ジュ
ールナル・ド・フィジーク・ルテール”(“LE JO
URNAL DE PHYSIQUE LETTRE
S”)1975年、36(L−69)号、「フェロエレ
クトリック・リキッド・クリスタルス」(「Ferro
electric Liquid Crystal
s」);“アプライド・フィジックス・レターズ”
(“Applied Physics Letter
s”)1980年、36(11)号 、「サブミクロ・
セカンド・バイステイブル・エレクトロオプチック・ス
イッチング・イン・リキッド・クリスタルス」(「Su
bmicro Second Bistble Ele
ctrooptic Switching in Li
quid Crystals」);“固体物理”198
1年,16(141)号、「液晶」等に記載されてお
り、本発明においては、これらに開示された強誘電性液
晶を使用することができる。
【0050】強誘電性液晶の具体例としては、例えばデ
シロキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチ
ルシンナメート(DOBAMBC)、ヘキシルオキシベ
ンジリデン−p′−アミノ−2−クロルプロピルシンナ
メート(HOBACPC)、4−o−(2−メチル)−
ブチルレゾルシリデン−4′−オクチルアニリン(MB
RAS)が挙げられる。
【0051】これらの材料を用いて素子を構成する場
合、液晶化合物がカイラルスメクティック相となるよう
な温度状態に保持するため、必要に応じて素子をヒータ
ーが埋め込まれたブロック等により支持することができ
る。
【0052】
【作用】本発明のカラーフィルター基板およびそれを用
いた強誘電性液晶素子は各画素のカラーフィルターがほ
ぼ同一の膜厚に形成され、また隣接する各画素のカラー
フィルターの間隔α(μm)が0≦α≦5μmであるの
で、基板の平面性が良好となるために液晶相と接する面
に段差がなく、該平面性のよい基板に挟持された液晶相
は等方相より、液晶相に移行する降温過程において、徐
冷することにより、液晶相領域が次第に広がり均一なモ
ノドメインの液晶相を形成するようになる。
【0053】例えば、液晶として強誘電性液晶相を示す
前述のDOBAMBCを例にあげて説明すると、DOB
AMBCの等方相より徐冷していくとき、約115℃で
スメクティックA相(SmA相) に相転移する。このと
き、基板にラビングあるいはSiO2 斜め蒸着などの配
向処理が施されていると、液晶分子の分子軸が基板に、
平行で、かつ一方向に配向したモノドメインが形成され
る。さらに、冷却を進めていくと、液晶層の厚みに依存
する約90〜75℃の間の特定温度でカイラルスメクテ
ィックC相(SmC* 相)に相転移する。また、液晶層
の厚みを約2μm以下とした場合は、SmC* 相のらせ
んが解け、双安定性を示す。
【0054】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1 図6(a)〜(f)は、R,G,B3色の色画素の形成
工程を示す工程図である。
【0055】まず、コーニング社の#7059ガラス基
板61上に、所望の分光特性を得ることのできる青色着
色樹脂材[ヘリオゲン ブルー (Heliogen
Blue)L7080(商品名,BASF社製,C.
I.No.74160)をPI−400C (商品名,宇
部興産社製,ポリマー分=10%、溶剤:N−メチル−
2−ピロリドン、顔料:ポリマー=1:2配合)に分散
させ作製した感光性の着色樹脂材]をスピンナー塗布法
により、1.5μmの膜厚に塗布して着色樹脂層62を
形成した。(図6(a)参照)
【0056】次に該着色樹脂層62に80℃、30分間
のプリベークを行なった後、形成しようとするパターン
形状に対応したフォトマスク63を介して高圧水銀灯に
て露光した。(図6(b)参照)
【0057】露光終了後、図6(c)のごとく、光硬化
部分62aを有する着色樹脂層62の未露光部のみを溶
解する専用現像液(N−メチル−2−ピロリドンを主成
分とする現像液)にて超音波を使用して現像し、専用リ
ンス液(例えば、イソプロピルアルコールを主成分とす
るリンス液)で処理した後、200℃、30分間のポス
トベークを行ない、パターン形状を有する青色のパター
ン状着色樹脂層64を形成した。(図6(d)参照)
【0058】続いて、青色着色パターンの形成されたガ
ラス基板上に、第2色目として緑色着色樹脂材[リオノ
ール グリーン(Lionol Green)6YK
(商品名,東洋インキ社製,C.I.No.7426
5)をPI−400C(商品名,宇部興産社製,ポリマ
ー分=10%、溶剤:N−メチル−2−ピロリドン、顔
料:ポリマー=1:2配合)に分散させ作製した感光性
の着色樹脂材]を用いる以外は、上記と同様にして、緑
色のパターン状着色樹脂層65を基板上の所定の位置に
青色着色樹脂層との間隔を5μm以下に設定して形成し
た。
【0059】さらに、この様にして青色及び緑色パター
ンの形成されている基板上に、第3色目として、赤色着
色樹脂材[イルガジン レッド(IrgazinRe
d)BPT(商品名,チバガイギー(Ciba−Gei
gy)社製,C.I.No.71127)をPI−40
0C(商品名,宇部興産社製,ポリマー分=10%、溶
剤:N−メチル−2−ピロリドン、顔料:ポリマー=
1:2配合)に分散させ作製した感光性の着色樹脂材]
を用いる以外は、上記と同様にして、赤色のパターン状
着色樹脂層66を基板上の所定の位置に青色着色樹脂層お
よび緑色着色樹脂層との間隔をそれぞれ5μm以下に設
定して形成し、R(赤),G(緑),B(青)の3色ス
トライプの着色パターンを得た。(図6(e)参照)
【0060】次に、3色着色パターンの形成されたガラ
ス基板上に、遮光層として、黒色着色樹脂材[カーボン
ブラック(C.I.No.77266)をPI−400
C(ポリマー分=10%、顔料:ポリマー=1:4配
合)に分散させて作製した感光性の着色樹脂材]を用
い、上記と同様の方法にて各画素間の間隙に合致させて
遮光パターンの遮光層67を形成した。これにより、各
画素間の間隔α(μm)は、0≦α≦5μmの範囲にお
さめることができた。
【0061】この様にして得られたカラーフィルターパ
ターン上に、保護膜または平坦化膜68として着色樹脂
材に用いたものと同様の透明樹脂材[PI−400C
(商品名,宇部興産社製,ポリマー分=10%、溶剤:
N−メチル−2−ピロリドン)]をスピンナー塗布方法
により約0.5μm厚の膜厚にて形成した。(図6
(f)参照) 以上により、同一平面化されたカラーフィルター基板を
形成することができた。
【0062】次に図1に示す様に、ITOを500Åの
厚さにスパッタリング法により成膜し、透明電極5とし
た。この上に配向制御膜7として、ポリイミド形成溶液
(日立化成工業「PIQ」)を3000rpmで回転す
るスピンナーで塗布し、150℃で30分間加熱を行っ
て2000Åのポリイミド被膜を形成した。しかる後、
このポリイミド被膜表面をラビング処理した。
【0063】このようにして形成したカラーフィルター
基板と、対向する基板3を貼り合せてセル組し、強誘電
性液晶を注入、封口して液晶素子を得た。この液晶素子
をクロスニコルの偏光顕微鏡で観察したところ、内部の
液晶分子は配向欠陥を生じていないことが確認された。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば基
板上のカラーフィルター層の膜厚の差がない上、各画素
間隔α(μm)を0≦α≦5μmの範囲におさえる様に
位置させ、さらに必要に応じて遮光層、保護膜・平坦化
膜を設けることにより、カラーフィルター各画素間に生
じる微小な段差をもなくすことが可能となり、配向欠陥
の発生を防止することができ、強誘電性液晶の特性を十
分に発揮し得る強誘電性液晶素子を提供することができ
る。
【0065】さらに、本発明によれば、機械的強度にも
優れ、かつ、耐熱性、耐光性、耐溶剤性等の諸特性に優
れた微細パターンを有するカラーフィルター部分を、簡
便な製造工程により作製することが可能となり、カラー
強誘電性液晶素子として性能の優れたものを簡便に提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる強誘電性液晶素子の基本構成を
示す示す断面図である。
【図2】本発明で用いる強誘電性液晶を模式的に表わし
た斜視図である。
【図3】本発明で用いる強誘電性液晶を模式的に表わし
た斜視図である。
【図4】従来の強誘電性液晶素子の断面図である。
【図5】従来の強誘電性液晶素子に現われた配向欠陥の
状態を表わす概略説明図である。
【図6】本発明の色画素の形成工程を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1,40 強誘電性液晶素子 2,3,41,42,61 基板 4,47 強誘電性液晶 5,6,43,44 透明電極 7,8,45,46 配向制御膜 9,48,68 保護膜(平坦化膜) 10,67 遮光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 美樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 神尾 優 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 関村 信行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、感光性基を分子内に有する低
    温硬化型ポリイミド樹脂中に着色材料を分散してなる着
    色樹脂からなるほぼ同一の膜厚のカラーフィルターを有
    し、その隣接する各画素のカラーフィルターの間隔をα
    (μm)とした場合、0≦α≦5μmの関係からなり、
    該カラーフィルター上に保護層およびパターン形状の透
    明電極を順次積層してなることを特徴とするカラーフィ
    ルター基板。
  2. 【請求項2】 透明電極の形成された一対の平行基板間
    に強誘電性液晶を挟持し、少なくとも一方の透明電極と
    基板間にカラーフィルターを有する強誘電性液晶素子に
    おいて、該カラーフィルターが感光性基を分子内に有す
    る低温硬化型ポリイミド樹脂中に着色材料を分散してな
    る着色樹脂によりほぼ同一の膜厚に形成され、その隣接
    する各画素のカラーフィルターの間隔をα(μm)とし
    た場合、0≦α≦5μmの関係からなり、該カラーフィ
    ルター上に保護層、パターン形状の透明電極および配向
    制御膜を順次積層してなることを特徴とする強誘電性液
    晶素子。
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