JPH05106541A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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Publication number
JPH05106541A
JPH05106541A JP29647391A JP29647391A JPH05106541A JP H05106541 A JPH05106541 A JP H05106541A JP 29647391 A JP29647391 A JP 29647391A JP 29647391 A JP29647391 A JP 29647391A JP H05106541 A JPH05106541 A JP H05106541A
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JP
Japan
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ignition timing
ignition
retard
engine
value
Prior art date
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Pending
Application number
JP29647391A
Other languages
English (en)
Inventor
Rika Suzuki
利佳 鈴木
Yasuhiro Harada
靖裕 原田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Publication of JPH05106541A publication Critical patent/JPH05106541A/ja
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】点火時期リタード手段によるリタード値が下限
値に達した時、複数の点火プラグの何れか1つの点火プ
ラグによる点火を停止すると共に、残りの点火プラグの
点火時期をアドバンス側に補正することにより、失火限
界までの幅を大きくとって、発生トルクの大きさを変え
ることなく、充分な点火リタード制御量を確保すること
ができ、過渡時の車体前後振動等を充分に抑制する。 【構成】点火時期を遅角する所定の点火リタード要求条
件が成立したか否かを判定する第1判定手段と、上記第
1判定手段による条件成立時に下限値以上の値で点火時
期をリタードするリタード手段と、燃焼室に対して配設
された複数の点火プラグとを備えたエンジンの点火時期
制御装置であって、上記リタード手段によるリタード値
が下限値に達したことを判定する第2判定手段51と、
第2判定手段51によるリタード値の下限値到達時に上
記複数の点火プラグの何れか1つの点火プラグによる点
火を停止すると共に、残りの点火プラグの点火時期をア
ドバンス側に補正する補正手段53,54とを備えたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、加減速のよ
うな過渡時において車体振動を抑制するエンジンの点火
時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのトルクを、流体継手を経由す
ることなくトランスミッションに伝達すべく構成した車
両においては、急加速時、急減速時などの過渡時に、吸
入空気量の増減にともなう燃焼変化によって、種々の周
波数成分を有するトルク変動が発生し、このトルク変動
の周波数が駆動系の固有振動数と略一致した時、駆動系
が共振し、この結果、図7に車体加速度Gを点線で示す
ように、車体の前後振動が発生する。
【0003】このような問題点を解決するために、従
来、例えば特開昭64−77730号公報に記載のエン
ジンの制御装置が既に発明されている。すなわち、点火
時期を遅角する所定の点火リタード要求条件が成立した
時、リタードの下限値以上の値で点火時期をリタードさ
せて、発生トルクを抑制することにより、上述の過渡時
の車体振動を抑制するように構成した装置である。
【0004】しかし、上述の従来装置においては次のよ
うな問題点があった。つまり、車体振動が大きい時、点
火時期を充分にリタードさせる必要があるが、失火限界
の関係上、この点火時期にはリタード限界(ガード値)
が設定されており、仮に、このガード値よりも点火時期
を遅らせた場合には、失火(ミスファイヤ)が生じ、本
来車体振動を抑制すべき制御が、逆に回転落ちとなっ
て、振動が発生するので、充分な点火リタード制御がで
きない問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、点火時期リタード手段によるリタード値が
下限値に達した時、複数の点火プラグの何れか1つの点
火プラグによる点火を停止すると共に、残りの点火プラ
グの点火時期をアドバンス側に補正することにより、失
火限界までの幅を大きくとって、発生トルクの大きさを
変えることなく、充分な点火リタード制御量を確保する
ことができ、過渡時の車体前後振動等を充分に抑制する
ことができるエンジンの点火時期制御装置の提供を目的
とする。
【0006】この発明の請求項2記載の発明は、加減速
時の車体の前後振動に同期して点火時期をリタードさせ
る時、このリタード値が下限値に達した場合に、複数の
点火プラグの何れか1つの点火プラグによる点火を停止
すると共に、残りの点火プラグの点火時期をアドバンス
側に補正することにより、失火限界までの幅を大きくと
って、発生トルクの大きさを変えることなく、充分な点
火リタード制御量を確保することができ、過渡時の車体
前後振動を充分に抑制することができるエンジンの点火
時期制御装置の提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項3記載の発明は、リーデ
ィング側点火プラグとトレーリング側点火プラグとを有
するロータリピストンエンジンにおいて、点火時期リタ
ード手段によるリタード値が下限値に達した時、トレー
リング(trailing、従動)側点火プラグによる点火を停
止すると共に、リーディング(leading 、先導)側点火
プラグの点火時期をアドバンス側に補正することによ
り、失火限界までの幅を大きくとって、発生トルクの大
きさを変えることなく、充分な点火リタード制御量を確
保することができ、過渡時の車体前後振動等を充分に抑
制することができるエンジンの点火時期制御装置の提供
を目的とする。
【0008】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1ないし3記載の発明の目的と併せて、触媒で未燃
焼成分を燃やし、触媒温度の早期上昇を図って、HC排
出量を抑制するために予め点火時期のベース値が遅角さ
れていて、進角余裕代がある冷間時において、上述の残
りの点火プラグの点火時期をアドバンス側に補正するこ
とで、ノッキングを防止することができるエンジンの点
火時期制御装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項1ないし3記載の発明の目的と併せて、燃料で触媒
を冷却するために予め点火時期のベース値が遅角されて
いて、進角余裕代があるロータリピストンエンジンの高
負荷時において、上述のリーディング側点火プラグの点
火時期をアドバンス側に補正することで、ノッキングを
防止することができるエンジンの点火時期制御装置の提
供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、点火時期を遅角する所定の点火リタード要求
条件が成立したか否かを判定する第1判定手段と、上記
第1判定手段による条件成立時に下限値以上の値で点火
時期をリタードするリタード手段と、燃焼室に対して配
設された複数の点火プラグとを備えたエンジンの点火時
期制御装置であって、上記リタード手段によるリタード
値が下限値に達したことを判定する第2判定手段と、上
記第2判定手段によるリタード値の下限値到達時に上記
複数の点火プラグの何れか1つの点火プラグによる点火
を停止すると共に、残りの点火プラグの点火時期をアド
バンス側に補正する補正手段とを備えたエンジンの点火
時期制御装置であることを特徴とする。
【0011】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記リタード手段は
エンジン回転数偏差に基づいて点火時期をリタードし、
過渡時の車体振動を抑制する抑制手段であるエンジンの
点火時期制御装置であることを特徴とする。
【0012】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、リーディング側点火
プラグとトレーリング側点火プラグとを有するロータリ
ピストンエンジンにおいて、上記第2判定手段によるリ
タード値の下限値到達時にトレーリング側点火プラグに
よる点火を停止するエンジンの点火時期制御装置である
ことを特徴とする。
【0013】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1ないし3記載の発明の構成と併せて、冷間時にお
ける上記条件成立時に上記補正手段による補正を実行す
るエンジンの点火時期制御装置であることを特徴とす
る。
【0014】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項1ないし3記載の発明の構成と併せて、高負荷時に
おける上記条件成立時に上記補正手段による補正を実行
するエンジンの点火時期制御装置であることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の発明によれ
ば、上述の第1判定手段による点火リタード要求条件の
成立時には、上述のリタード手段が点火時期をリタード
するが、上述の第2判定手段でリタード値が下限値に達
したことを判定した時、上述の補正手段は複数の点火プ
ラグの何れか1つの点火プラグによる点火を停止すると
共に、残りの点火プラグの点火時期をアドバンス側に補
正する。
【0016】この結果、失火限界までの幅が大となるの
で、発生トルクの大きさを変えることなく、充分な点火
リタード制御量を確保することができる効果があり、し
たがって過渡時の車体前後振動等を充分に抑制すること
ができる。
【0017】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上述の第1判定手段による点火リタード要求条件の成立
時に、上述の抑制手段は加減速時の車体の前後振動に同
期して点火時期をリタードするが、上述の第2判定手段
でリタード値が下限値に達したことを判定した時、上述
の補正手段は複数の点火プラグの何れか1つの点火プラ
グによる点火を停止すると共に、残りの点火プラグの点
火時期をアドバンス側に補正する。
【0018】この結果、失火限界までの幅が大となるの
で、発生トルクの大きさを変えることなく、充分な点火
リタード制御量を確保することができて、過渡時の車体
前後振動を充分に抑制することができる効果がある。
【0019】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上述の第1判定手段による点火リタード要求条件の成立
時には、上述のリタード手段が点火時期をリタードする
が、上述の第2判定手段でリタード値が下限値に達した
ことを判定した時、上述の補正手段はトレーリング側点
火プラグによる点火を停止すると共に、リーディング側
点火プラグの点火時期をアドバンス側に補正する。
【0020】この結果、失火限界までの幅が大となるの
で、ロータリピストンエンジンにおいて発生トルクの大
きさを変えることなく、充分な点火リタード制御量を確
保することができる効果があり、したがって過渡時の車
体前後振動等を充分に抑制することができる。
【0021】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上記請求項1ないし3記載の発明の効果と併せて、点火
時期のベース値が予め遅角されていて、進角余裕代があ
る冷間時において、上述の残りの点火プラグの点火時期
をアドバンス側に補正するので、ノッキングの発生を防
止することができる効果がある。
【0022】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項1ないし3記載の発明の効果と併せて、点火
時期のベース値が予め遅角されていて、進角余裕代があ
るロータリピストンエンジンの高負荷時において、リー
ディング側点火プラグの点火時期をアドバンス側に補正
するので、ノッキングの発生を防止することができる効
果がある。
【0023】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はロータリピストンエンジンの点火時期制
御装置を示し、図1において、ロータリピストンエンジ
ン1は、母材と母材内周面に形成した硬質クロムメッキ
層などからなるライナとでロータハウジング2を構成
し、このロータハウジング2のペリトロコイド面内部に
作動室3を形成している。上述のロータハウジング2の
一側には吸気ポート4および排気ポート5を形成し、他
側にはトレーリング側点火プラグ6、リーディング側点
火プラグ7を配設している。上述のロータハウジング2
の内部には、エキセントリックシャフト8により軸芯9
を中心として偏心運動するロータ10を設けている。こ
のロータ10は三葉の内方包絡面を有し、ロータ頂点部
にはアペックスシールを取付けている。
【0024】一方、エアクリーナ11にエアフロメータ
12、エアインテークホース13、ターボチャージャ1
4、インタクーラ15、スロットルボディ16、サージ
タンク17を介して吸気マニホルド18を接続し、この
吸気マニホルド18を上述の吸気ポート4に連通接続す
ると共に、上述の排気ポート5には排気マニホルド19
を連通接続している。
【0025】図2は点火時期制御装置の制御回路を示
し、CPU20は、エアフロメータ12からの吸入空気
量Q、ディストリビュータ21からのエンジン回転数N
eの入力に基づいて、ROM22に格納したプログラム
に従って、トレーリング側イグナイタコイル23、トレ
ーリング側点火プラグ6、リーディング側イグナイタコ
イル24、リーディング側点火プラグ7、タイマ25を
駆動制御し、またRAM26は吸入空気量Qとエンジン
回転数Neとに対応して基本点火時期IgBを設定した
マップ(図示せず)、過渡判定用の吸入空気量変化の値
αに相当するデータ、点火時期をリタードさせる際の下
限値(例えば、マイナス15度)に相当するデータ、点
火時期をアドバンス側に補正するための例えばプラス1
0度に相当するデータなどの必要なマップやデータを記
憶する。
【0026】ここで、上述のCPU20は、点火時期を
遅角する所定の点火リタード要求条件が成立したか否か
を判定する第1判定手段(図3のフローチャートにおけ
る第4ステップ34参照)と、上述の第1判定手段によ
る条件成立時(加減速開始時の過渡状態時)に下限値
(たとえば−15°)以上の値で点火時期をリタードす
るリタード手段(図3のフローチャートにおける第8ス
テップ38参照)と、上述のリタード手段によるリター
ド値が下限値(たとえば−15°)に達したことを判定
する第2判定手段(図4のフローチャートにおける第1
ステップ51参照)と、上述の第2判定手段によるリタ
ード値の下限値到達時にトレーリング側点火プラグ6に
よる点火を停止すると共に、リーディング側点火プラグ
7の点火時期をアドバンス側に補正する補正手段(図4
のフローチャートにおける各ステップ53,54参照)
とを兼ねる。
【0027】このように構成したロータリピストンエン
ジンの点火時期制御装置の作用を、図3および図4に示
すフローチャートを参照して、以下に詳述する。まず図
3のフローチャートを参照して点火時期制御の基本的な
処理について述べると、第1ステップ31で、CPU2
0はエアフロメータ12からの吸入空気量Qおよびディ
ストリビュータ21からのエンジン回転数Neなどの点
火時期を決定するために必要な各種データの読込みを実
行する。
【0028】次に第2ステップ32で、CPU20は予
めRAMに記憶させたマップ(吸入空気量Qとエンジン
回転数Neとに対応して基本点火時期IgBを設定した
マップ)から基本点火時期IgBの読込みを実行する。
【0029】次に第3ステップ33で、CPU20は点
火時期リタード制御用のフラグFaが立っているか否か
を判定し、点火時期リタード制御中で既にフラグFaが
立っている時(Fa=1の時)には、第7ステップ37
にスキップする一方、非点火時期リタード制御中で未だ
フラグFaが立っていない時(Fa=0の時)には、次
の第4ステップ34に移行する。
【0030】上述の第4ステップ34で、CPU20は
加減速の過渡状態か否かを次式に基づいて判定する。
【0031】 |ΔQ|>α 但しΔQ=Q[i]−Q[i−1] ここに、|ΔQ|は吸入空気量変化の絶対値 αは過渡状態判定用の設定値 ΔQは吸入空気量変化 Q[i]は今回の吸入空気量 Q[i−1]は前回の吸入空気量 そして、上述の第4ステップ34で、加減速の過渡状態
であると判定された時には次の第5ステップ35に移行
する一方、非過渡状態であると判定された時には別の第
12ステップ42に移行する。
【0032】上述の第5ステップ35で、CPU20は
点火時期をリタード制御するための時間tをタイマ25
により設定した後に、次の第6ステップ36で、CPU
20は点火時期リタード制御用のフラグFaを立てる
(Fa=1)。
【0033】次に第7ステップ37で、CPU20はタ
イマ25で設定された時間tが経過完了(t=0)した
か否かを判定し、時間tの経過完了時には第12ステッ
プ42に移行する一方、時間tの経過未了時には次の第
8ステップ38に移行する。
【0034】この第8ステップ38で、CPU20は次
式に基づいて点火遅角量IgAを演算する。 IgA=G(ΔNe−ΔNeo) ここに、Gはゲイン(但し時間tの経過にともない順次
デクリメメントされる) ΔNeは現行のエンジン回転数偏差 ΔNeoは車体振動零の場合のエンジン回転数偏差 次に第9ステップ39で、CPU20は時間tを減算し
た後に、次の第10ステップ40でCPU20は、Ig
=IgB+IgAの演算式に基づいて最終点火時期Ig
を演算し、次の第11ステップ41で、CPU20は各
イグナイタコイル23,24を介して双方の点火プラグ
6,7に最終点火時期Igにて点火を実行する。
【0035】なお、上述の第7ステップ37で、t=0
と判定された時には、第12ステップ42に移行し、こ
の第12ステップ42で、CPU20は点火遅角量Ig
Aを零にし、次の第13ステップ43で、CPU20は
タイマ25をリセット(t=0)し、次の第14ステッ
プ44で、CPU20はフラグFaをリセット(Fa=
0)した後に、上述の第10ステップ40に移行する。
【0036】すなわち、図3に示すフローチャートの処
理においては加減速の過渡状態判定時(第4ステップ3
4でのYES判定時)にリタードの下限値以上の値(リ
タードの下限値を含む値)で点火時期を遅角制御(第8
ステップ38参照)する。
【0037】次に図4のフローチャートを参照して2点
火プラグの切換処理について述べる。なお、図3のフロ
ーチャートと図4のフローチャートとはCPU20によ
り高速直列処理される。
【0038】第1ステップ51で、CPU20は点火時
期リタード制御(図3参照)のリタード量が下限値(た
とえばマイナス15度)に達したか否かを判定し、リタ
ード量が下限値に達した時および下限値以下になった時
には次の第2ステップ52に移行する。
【0039】この第2ステップ52で、CPU20は補
正実行フラグFbが立っているか否かを判定する。この
補正実行フラグFbは図5に論理構成図で示すように、
冷間時における点火リタードおよび高負荷時における点
火リタードのOR論理(論理和)によりFb=1とな
る。換言すれば上述の何れか一方の条件が成立した時
(但し、何れも本来のエンジン運転条件により決定され
る点火時期に対して点火時期のベース値が遅角されてい
て、進角余裕代がある時)にFb=1となる。
【0040】そして、上述の第2ステップ52で、Fb
=1であると判定された場合にのみ、次の第3ステップ
53に移行し、この第3ステップ53で、CPU20は
トレーリング側点火プラグ6に対する点火を停止し、次
の第4ステップ54で、CPU20はリーディング側点
火プラグ7による点火時期を例えばプラス10度アドバ
ンス側に補正する。
【0041】つまり、上述の第3ステップ53および第
4ステップ54での処理により、点火リタード制御量は
図6に示すように補正前の15度から補正後の25度に
拡大される。なお上述の第2ステップ52で、Fb=0
であると判定された時には上述の各ステップ53,54
による補正を実行することなく、処理を終了する。
【0042】以上要するに上述の第1判定手段(図3の
第4ステップ34参照)による点火リタード要求条件の
成立時に、上述のリタード手段(この実施例では車体前
後振動抑制手段としての図3の第8ステップ38)は加
減速時の車体の前後振動に同期して、エンジン回転数を
振動が発生しない所定のエンジン回転数に収束すべく点
火時期をリタードするが、上述の第2判定手段(図4の
第1ステップ51参照)でリタード値が下限値に達した
ことを判定した時、上述の補正手段(図4の各ステップ
53,54参照)はトレーリング側点火プラグ6により
点火を停止すると共に、リーディング側点火プラグ7の
点火時期を例えば10度アドバンス側に補正するので、
失火限界までの幅が大となり、この結果、ロータリピス
トンエンジン1において発生トルクの大きさを変えるこ
となく、充分な点火リタード制御量を確保することがで
きる効果がある。したがって、急加減速過渡時における
車体前後振動を図7に実線で示すように充分に抑制する
ことができる。
【0043】加えて、予め点火時期のベース値が遅角さ
れていて、進角余裕代がある冷間時もしくは高負荷時に
おいてのみ、上述の補正手段による補正を実行するの
で、点火早過ぎに起因するノッキングの発生を防止する
ことができる効果がある。
【0044】図8は1つの気筒に2つの点火プラグを配
設したレシプロエンジン55を示し、ピストン56を摺
動可能に嵌挿したシリンダブロック57上に、シリンダ
ヘッド58を固定し、このシリンダヘッド58には吸気
ポート59を開閉する吸気弁60を設けると共に、シリ
ンダヘッド58下端部の排気ポート側にはシリンダ61
に開口する略凹状の燃焼室62を形成し、この燃焼室6
2に燃料噴射ノズル63を配設し、この燃料噴射ノズル
63の噴口近傍には第1点火プラグ64を配置してい
る。
【0045】また、吸気ポート59の上流側にインジェ
クタ65を配設する一方、シリンダボアの略中央部のシ
リンダヘッド58には第2点火プラグ66を配設してい
る。
【0046】さらにCPU20は、エアフロメータ12
からの吸入空気量Q、ディストリビュータ21からのエ
ンジン回転数Neの入力に基づいて、ROM22に格納
したプログラムに従って、第1イグナイタコイル67を
介して第1点火プラグ64を、第2イグナイタコイル6
8を介して第2点火プラグ66を駆動制御し、またRA
M26は上述同様のマップやデータ等を記憶する。
【0047】このように構成したレシプロエンジン55
に上述の点火時期制御を適用してもよい。
【0048】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の第1判定手段は、実施例の第4ス
テップ34(図3参照)に対応し、以下同様に、リター
ド手段は、第8ステップ38(図3参照)に対応し、複
数の点火プラグは図1のトレーリング側点火プラグ6お
よびリーディング側点火プラグ7と、図8の第1点火プ
ラグ64および第2点火プラグ66とに対応し、第2判
定手段は、第1ステップ51(図4参照)に対応し、補
正手段は、第3ステップ53および第4ステップ54
(図4参照)に対応するも、この発明は上述の実施例の
構成のみに限定されるものではなく、例えばAT車にお
ける加速シフトアップ時に点火時期をリタードさせ、発
生トルクを抑制して、変速シヨックを緩和するような場
合に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリピストンエンジンの点火時期
制御装置を示す系統図。
【図2】制御回路ブロック図。
【図3】点火時期制御の基本処理を示すフローチャー
ト。
【図4】2点火プラグ切換処理を示すフローチャート。
【図5】OR論理構成図。
【図6】点火リタード制御量の拡大を示す説明図。
【図7】車体前後振動抑制を示す説明図。
【図8】本発明のレシプロエンジンの点火時期制御装置
を示す系統図。
【符号の説明】
6…トレーリング側点火プラグ 7…リーディング側点火プラグ 34…第1判定手段 38…リタード手段 51…第2判定手段 53,54…補正手段 64…第1点火プラグ 66…第2点火プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 15/08 M 8923−3G

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】点火時期を遅角する所定の点火リタード要
    求条件が成立したか否かを判定する第1判定手段と、上
    記第1判定手段による条件成立時に下限値以上の値で点
    火時期をリタードするリタード手段と、燃焼室に対して
    配設された複数の点火プラグとを備えたエンジンの点火
    時期制御装置であって、上記リタード手段によるリター
    ド値が下限値に達したことを判定する第2判定手段と、
    上記第2判定手段によるリタード値の下限値到達時に上
    記複数の点火プラグの何れか1つの点火プラグによる点
    火を停止すると共に、残りの点火プラグの点火時期をア
    ドバンス側に補正する補正手段とを備えたエンジンの点
    火時期制御装置。
  2. 【請求項2】上記リタード手段はエンジン回転数偏差に
    基づいて点火時期をリタードし、過渡時の車体振動を抑
    制する抑制手段である請求項1記載のエンジンの点火時
    期制御装置。
  3. 【請求項3】リーディング側点火プラグとトレーリング
    側点火プラグとを有するロータリピストンエンジンにお
    いて、上記第2判定手段によるリタード値の下限値到達
    時にトレーリング側点火プラグによる点火を停止する請
    求項1記載のエンジンの点火時期制御装置。
  4. 【請求項4】冷間時における上記条件成立時に上記補正
    手段による補正を実行する請求項1ないし3記載のエン
    ジンの点火時期制御装置。
  5. 【請求項5】高負荷時における上記条件成立時に上記補
    正手段による補正を実行する請求項1ないし3記載のエ
    ンジンの点火時期制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1953370A1 (en) 2007-01-31 2008-08-06 HONDA MOTOR CO., Ltd. Acceleration shock reduction control system for vehicle

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