JPH05106100A - めつき液添加剤混合物の副成分濃度を測定するためのサイクリツクボルタンメトリー法 - Google Patents

めつき液添加剤混合物の副成分濃度を測定するためのサイクリツクボルタンメトリー法

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JPH05106100A
JPH05106100A JP4080703A JP8070392A JPH05106100A JP H05106100 A JPH05106100 A JP H05106100A JP 4080703 A JP4080703 A JP 4080703A JP 8070392 A JP8070392 A JP 8070392A JP H05106100 A JPH05106100 A JP H05106100A
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) 問題の成分を除く測定されるべき未知
溶液のすべての成分を含む主溶液を調製すること、(b)
未知溶液中に期待される付近の既知濃度で問題の成分
を含む較正溶液を調製すること、(c)第1の所定量の主
溶液に較正溶液の正確に計った量を添加しそして較正標
準液の添加量に対して第1のカソード電荷をプロットす
ること、(d) 第2の量の主溶液に未知溶液の正確に計
った量を添加しそして未知溶液の添加量に対して第2の
カソード電荷をプロットすること、および(e) 第1と
第2の曲線の傾きを比較して未知溶液中の問題の成分の
濃度を同定することの工程からなるサイクリックボルタ
ンメトリー法。 【効果】 添加剤混合物の副成分濃度の測定が容易に出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、添加剤混合物中の副成分濃度を
測定するためのサイクリックボルタンメトリー法に関す
る。特に本発明は、添加剤混合物中の未知の副成分の濃
度を測定するための改善されたサイクリックボルタンメ
トリー法に関する。さらに特定すると、本発明はめっき
液中の添加剤混合物の副成分濃度を測定しかつ最終的に
制御するための方法に関する。
【0002】
【背景技術】酸性銅めっきは古くからある成功した技術
である。原理は単純であるが、銅析出物の性質を決定す
るために、酸性銅めっきは一般に実施する上で適当な添
加剤の使用に頼っている。すべての添加剤系は、めっき
液中の低濃度の、少なくとも2つそして普通はそれ以上
の化学物質からなる。もし濃度が変われば、つまり添加
剤成分のバランスが崩れると、めっきされた銅の品質は
低下するであろう。従って、特に銅に対する技術的な要
求はますます厳しくなってきているため添加剤をモニタ
ーし制御することは大変重要である。しかしながら実際
に良好な添加剤制御技術は当技術分野では知られていな
い。銅めっきにおける添加剤の制御は科学的にまた技術
的に重要な挑戦である。
【0003】添加剤をモニターするのに提案されている
一つの方法にサイクリックボルタンメトリー(CV)があ
る。CV技術はR. Haak、C. OgdanおよびD. Tenchによ
Plating 64(4):52(1981年4月)および65(3):62(19
82年3月)に記載されている。CV分析の基礎はめっき
液中の不活性電極に電圧を印加し直線的に電位を走査す
ると添加剤が銅の析出反応の分極を変えその結果、析出
する銅の量に影響を及ぼすということである。測定され
た銅めっきの電荷は添加剤濃度の尺度として用いられ
る。
【0004】サイクリックボルタンメトリー分析は最も
普通にはサイクリックボルタンメトリーストリッピング
(CVS)と呼ばれており、めっきされた銅の量の尺度
としてストリッピングまたはアノード電荷を使用する。
ストリッピング電荷を銅添加剤の分析に使用すると優れ
た結果は得られない。酸性銅ではCu2+の2電子還元と
して本質的に100%の電流効率でめっきされる。しか
しながら添加剤が存在すると銅は+1と+2の酸化状態
の組み合わせでストリップする。従ってもしストリッピ
ング電荷がめっき電荷と同じものと考えるとストリッピ
ング電荷は間違った尺度を与えることになる。しかしな
がら、めっき電荷を直接測定することは適当な装置を用
いれば問題はない。
【0005】CVをモニター装置として使用することが
できるという主張(および市販のCVS装置の有効性)
にもかかわらず、技術上の多くの深刻な問題がまだなお
提起される。この方法は既知の溶液の成分濃度に直接関
連する量を測定するのではない。さらに一つの量である
電荷は、多成分添加剤の溶液の濃度を予測するのに用い
られる。CVモニターが有用であるためには、添加剤が
消費される時添加剤系の成分の割合が一定でなければな
らない。
【0006】本発明は、伝統技術に伴う欠点および問題
を克服するものである。
【0007】
【発明の開示】本発明は、(a) 問題の成分を除く測定
されるめっき液のすべての成分を含む主溶液(Base Solu
tion)(未知の溶液)を調製すること、(b) 未知溶液中
に期待される付近の既知濃度で、問題の成分を含む較正
溶液を調製すること、(c) 主溶液の第1の所定量に正
確に計量した較正溶液を添加し、サイクリックボルタン
メトリーを実施しそして添加した較正標準溶液の体積に
対してカソードの銅めっき電荷をプロットすること、
(d) 第2の量の主溶液に正確に計量した未知のめっき
液を添加し、サイクリックボルタンメトリーを実施しそ
して、添加された未知の混合物の体積に対するカソード
の銅めっき電荷をプロットすること、および(e) 較正
標準曲線と未知混合物の曲線の傾きを比較し、未知溶液
中の問題の成分の濃度を決定すること、の各工程からな
る。
【0008】本発明の前記内容、他の特徴および利点
は、添付の図に示されているように以下の本発明の好ま
しい実施態様のより特定な説明から明らかであろう。
【0009】〔本発明を実施する最良の方法〕本発明
は、多成分めっき添加剤系のうちの一部についてのみ選
択的にするCV技術の改良に関する。他の成分について
は、イオンクロマトグラフィーのような別の分析技術で
モニターすることができる。
【0010】要点をまとめて言えば本発明の方法は以下
の工程を含む。 (a) 問題の成分を除く測定される溶液のすべての成分
を含む主溶液(未知の溶液)を調製し、(b) 未知溶液
中に期待される付近の既知濃度で問題の成分を含む較正
溶液を調製し、(c) 第1の所定量の主溶液に正確に計
量した較正溶液を添加し、混合溶液(較正標準液)のサ
イクリックボルタンメトリーにおける銅めっきのカソー
ド電荷を添加された標準液の体積に対してプロットし、
(d) 第2の量の主溶液に正確に計量した未知の溶液を
添加しそして混合溶液中のサイクリックボルタンメトリ
ーにおける銅めっきカソード電荷を添加した未知溶液の
体積に対してプロットし、そして(e) 較正標準曲線と
未知混合物の曲線の傾きを比較し未知溶液中の問題の成
分の濃度を同定する。
【0011】本発明の方法は多成分溶液中の未知の成分
を同定することが望まれる多くの場合に応用することが
できる。特に析出特性のコンシステンシーのため溶液の
組成を制御することが望まれるめっき液の制御には有用
である。一旦問題の成分の濃度が同定されるとこの数値
を(手動または自動で)制御系に適用して作動(workin
g)溶液中の問題の成分の濃度を調節することは比較的簡
単である。
【0012】本発明の技術は多くのタイプのめっき液添
加剤をモニターし制御するのに用いることができる。本
発明の好ましい態様はSelRex(a division of OMI Inter
national Corp., 21441 Hoover Road, Warren, Michiga
n49089)より販売されている酸性銅めっき用添加剤であ
るCubathR M-Hy 70/30のためのモニターとして例証され
るであろう。この添加剤は、単一の添加剤または2成分
すなわちMDおよびM−Lo(MDおよびM−LoはSe
lRexの専売製品の商標名である)として購入することが
できる。純粋な化学薬品の溶液ではないMDはSelRexに
よりキャリアと呼ばれており光沢剤として働く。それは
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量
的に同定することができる。他のCubathR M−Hy成分
はいずれもHPLCピークを有さない。M−Loはそれ
自体が2成分すなわちSelRexによりLevellerおよびDuct
ilizerと呼ばれているものの組み合わせであるが、これ
らが別々に充填されることは非常にまれである。
【0013】本発明を包含するCV法の改良を理解する
ためにはまず最初に、より一般的な方法を述べる必要が
ある。完全なCubathR M-Hy70/30添加剤のCV分析に関
しては以下の材料:(1) めっき液中でほぼ同濃度で存
在するCuSO4、H2SO4およびCl- からなる貯蔵
溶液;(2) H2O中の既知の濃度の添加剤を含む標準溶
液(例えば10ml/リットル M−Hy)および(3) 未
知のめっき溶液;を使用して下記の方法を用いることが
できる。較正操作および分析は以下のように順次行われ
る。
【0014】A.較正 1.電気化学セル(以下にさらに詳細に記載する)の中
へ既知体積の貯蔵溶液を計り込む。 2.作用電極の電位をサイクルさせ銅めっき電荷を測定
する。 3.セル中の貯蔵溶液に少量に等分したM−Hy標準溶
液を加える。 4.電位を再びサイクルさせ銅めっき電荷を測定する。 5.工程A.3とA.4を繰り返し、電荷を添加した体積
に対してプロットし較正曲線を得る。
【0015】B.分析 1.電気化学セルの中へ既知体積の貯蔵溶液を計り込
む。 2.作用電極に印加した電位をサイクルさせて銅めっき
電荷を測定する。 3.セル中の貯蔵溶液に少量に等分した未知のめっき液
を加える。 4.電位を再びサイクルさせ銅めっき電荷を測定する。 5.工程B.3とB.4を繰り返し、電荷を添加した溶液
の体積に対してプロットし未知溶液について同様の曲線
を得る。
【0016】Qを銅めっき電荷とし、Vを標準または未
知溶液の添加した体積とするとdQ/dV依存性は直線
ではない。しかしながらセル中の溶液の総量に比較して
添加された体積が小さい限り、直線性への良好な近似が
みられる。これらの条件下では未知の濃度は較正曲線お
よび分析曲線の傾き並びに標準溶液の既知濃度から測定
することができる。
【0017】図1には、上記手法を既知のM−Hy濃度
のめっき溶液に応用したものが示されている。M−Hy
2および8ml/リットルに調製された溶液はそれぞれ
CV分析により3.1およ8.7ml/リットルと認められ
た。
【0018】しかしながらもしMD/M−Loの割合が
変われば標準的な手法はもはや適用できない。これは以
下の例により示される。
【0019】作動めっき液(working plating solution)
が研究された。通過した総電荷は低くそして期待された
減少の割合は、添加剤濃度においてはごくわずかの変化
を予測するものと思われた。しかしながらHPLCによ
り溶液はMDが減少していると認められた。この作動溶
液はなお高品質の銅めっきをしており多分最初の量に近
いM−Loを含んでいたと思われる。上述の標準のCV
手法により銅めっき電荷が種々の量で通過した後に採取
された作動溶液に関して図2の結果が得られる。溶液中
を通過する電荷に伴う傾きdQ/dVの増加は添加剤濃
度の増加を意味しない(物理的には不可能)。むしろそ
れは未知の作動溶液中におけるMD/M−Loの割合に
関して較正の傾きが正しくないことを示している。
【0020】MDの濃度はHPLCにより測定できる。
本発明はこのことを利用してCVを用いM−Loの濃度
だけをモニターする。しかしながらこれにはCV分析を
MDに対して鈍感にしておかなければならない。MD濃
度とは別個にM−Loの濃度を測定するには、標準の方
法ではセル中の貯蔵溶液にMDを加えることにより改善
される。以下の例ではMD 5ml/リットルが較正およ
び分析の両方の工程1の貯蔵溶液に加えられた。本発明
の改良された方法を用いて図2の作動めっき液の再分析
の結果が図3に示されている。本発明のCV法により、
MDにおいてわずかに低い0 Ahrサンプル(HPLCに
より測定された)および14.66 Ahrサンプル(検出
可能なMDを含まないことが認められた)はどちらもほ
ぼ期待されたM−Lo濃度を有することが認められた。
【0021】本発明の改善されたCV技術は、CubathR
のM−Hyの濃度範囲にわたって作動することが示され
た。その結果を図4に示した。M−Hy 2ml/リット
ル(M−Loは0.4ml/リットル)で、M−Loはこ
の実施例では検出限界よりも低かった(下記の実施例2
中で述べたような技術の改善により感受性が改善され
た)。M−Hy 5ml/リットルの溶液(M−Lo 1ml
/リットル)およびM−Hy 8ml/リットルの溶液
(M−Lo 1.6ml/リットル)は分析によりそれぞれ
M−Lo 1.3ml/リットルおよび2.2ml/リットル
と認められた。
【0022】減少した作動溶液のMDはM−Loを添加
することなしに最初の水準の6.4ml/リットルまで補
充される。減少した溶液(14.7Ahr)および補充した
溶液(26.1 Ahr)の両者を分析した。その結果を図5
に示す。いずれもM−Loの濃度は期待した濃度の1.
6ml/リットルに非常に近いことを示した。
【0023】M−Loを1.6ml/リットルの濃度に固
定し、MDの濃度が0〜8ml/リットルの範囲の銅めっ
き液を研究した。CV M−Lo測定の傾きはこれらの
人為的に調製した未知のMD濃度とは独立したものであ
ることが認められた。従ってこの方法ではMD濃度と関
係なくM−Lo濃度を測定することが示される。
【0024】本発明の技術は酸性銅添加剤の標準的なC
Vモニター技術を大いに改善し定量化することが示され
た。予備試験ではこの技術は異なる化学組成を有する他
の添加剤溶液についても役立つことが示される。
【0025】酸性銅めっき用の多成分添加剤のうち一成
分を改善されたサイクリックボルタンメトリー(CV)
法で測定したものが添加剤SelRex CubathR M-Hy 70/30
に関する2つの実施例で例証される。M-Hyは2つの主成
分キャリアーMDおよびレベリング剤/ダクチライザー
M−Loを有する。M−Loはこの例証の目的のため単
一成分として取り扱われる。
【0026】実施例1 この実施例では作動めっき液すなわちM−Lo分析の未
知試料は以下の組成を有する。
【0027】 CuSO4・5H2O 67g/リットル 0.27M H2SO4 92.5ml/リットル 1.7M Cl- 70mg/リットル MD 未知 M−Lo 未知
【0028】分析されるべき未知試料とほぼ同じ組成を
有する「主溶液」においてサイクリックボルタンメトリ
ーを実施した。主溶液は分析される添加剤成分以外のす
べての成分を含む。この実施例では、主溶液は、M−L
o以外のすべての成分を含む。
【0029】添加剤のMD成分は作動中の銅めっき液の
中で維持されるであろう濃度に近い濃度で主溶液中に含
まれなければならない。めっき液は、MD濃度が6.4m
l/リットルで調製されるが典型的にはより低い作用濃
度である。原理は、主溶液に未知試料を加えても分析に
十分影響を与える試験用セル中のMDの濃度は変わらな
いであろうということである。
【0030】分析に使用した主溶液を以下に示す。MD
濃度を変えても分析結果は有効であることが認められ
た。
【0031】 CuSO4・5H2O 67g/リットル 0.27M H2SO4 92.5ml/リットル 1.7M Cl- 70mg/リットル MD 5ml/リットル
【0032】所定の体積の主溶液を標準の電気化学セル
の中へピペットで移した。セルは作用電極、対極(電子
源またはシンク)および参照電極を有する。作用電極は
不活性金属でできている。この実施例では、作用電極と
して0.200cm2の面積を有する市販の白金回転ディス
ク電極(RDE)(テフロンの覆いを有する)を使用し
た。電極の面積は重要ではない。RDEは分析中に物質
移動の明確な条件を与えるために一定の速度で回転され
る。作用電極としては白金が好ましい材料であるが、そ
の他の不活性電極も使用することが考えられる。
【0033】対極は、作用電極の面積と比べると大きい
面積を有するPtホイルである。参照電極は、硫酸第一
水銀電極(MSE)(Hg/Hg2SO4、飽和K2
4)であり、これは水素を基準とすると0.64Vの電
位を有する。他の対極材料は系に影響を及ぼさない限り
使用することができる。他の参照電極は参照スケールを
適切に調節して使用することができる。
【0034】参照電極に対する作用電極の電位はシグナ
ルジェネレーターのついたポテンシオスタットで制御さ
れた。サイクルの負方向スイープ部分では銅が電極にめ
っきされサイクルの正方向スイープ部分では銅の溶解ま
たはストリップがおこるように作用電極に一定の電位の
限界Ea(正の限界)とEc(負の限界)の間で一定の速
度で直線的に電位走査を行った。
【0035】この実施例では、体積200mlの主溶液が
セル中で使用されたが選ばれた体積は重要ではない。こ
の最初の溶液の体積が増加した後も濃度を明確にしてお
くために3つの電極は全て溶液を自由に混合できるよう
ガラスフリットや他のインピーダンスはつけずにセル中
に直接入れられた。
【0036】各分析の前にRDEをHNO3中に浸漬さ
せて洗浄した。洗浄後、Pt RDEを200mlの主溶
液を含むセルに導入した。RDEを1600rpmで回転
させた。電位プログラムは電極電位が、参照電極MSE
に対して+1.2Vと−0.6Vの間で100mV/secで
サイクルするように設定した。電荷は、市販の二極式ク
ーロメーターで測定されカソード(還元)電荷のみが測
定された。めっき電荷は1回の電位サイクル中の総カソ
ード電荷とされた。安定した電荷の読みが得られるまで
電位は5回までサイクルさせた。
【0037】次の方法は較正工程である。較正標準液を
調製した。較正標準液は既知量のM−LoおよびMDを
有する。M−Loの濃度はほぼ未知作動溶液中で期待さ
れる濃度であるように選ばれるべきである。実際には、
MD 80%およびM−Lo20%からなる完全なM−
Hy 70/30添加剤が標準溶液中10ml/リットル
の濃度で使用される。他の濃度のM−Hyでもよく、そ
れは分析される溶液による。この実施例で使用される較
正溶液は以下の組成を有する。
【0038】 CuSO4・5H2O 67g/リットル 0.27M H2SO4 92.5ml/リットル 1.7M Cl- 70mg/リットル MD 8ml/リットル M−Lo 2ml/リットル 最初の3成分を組み入れることは必須ではないがより良
い結果が得られる。
【0039】等分された0.5mlの較正標準液をピペッ
トで主溶液を含むセルの中へ入れた。RDEはセル中で
溶液を撹拌するはたらきをした。添加しながら電位サイ
クルを続けた。電荷の読みが安定した後(5回までの電
位サイクルが必要であり、もしそれ以上必要なら溶液、
装置、分析その他に問題があるかもしれない)にカソー
ド電荷を読み取った。等分された0.5mlの2番目の標
準溶液をセルに加え、そして前記操作を繰り返した。そ
して前記操作を少なくとも総量が10mlになるまで1.
0mlずつ加えて繰り返し電荷−体積曲線の直線領域内で
残留している測定された電荷の有意の変化を確実にす
る。
【0040】カソード電荷Qの値を主溶液に加えた標準
溶液の体積Vに対してプロットする。最初の(ゼロ−添
加)点は削除し、データを最小二乗法で直線になるよう
適合させ標準溶液についての傾きdQ/dVを得た。こ
れは図4に実線で示した。
【0041】次の操作は未知溶液の測定工程である。電
気化学セルを洗浄した。白金RDEを上述のように再び
洗浄した。同じ主溶液の2番目の体積のものをピペット
にとり洗浄したセルに入れそしてRDEを戻した。未知
溶液についての操作は主溶液に加えられる溶液が未知濃
度のM−Loを含有するめっき液であること以外は較正
段階と全く同じである。傾きdQ/dVを未知溶液に対
して測定した。3つのM−Lo濃度に対する実施例を図
4に示した。
【0042】標準溶液がCstdのM−Lo濃度を有すると
き未知溶液中のM−Lo濃度は次の式により与えられ
る: ((dQ/dV)unk/(dQ/dV)std)× std この関係は較正と分析の条件が同一である限り保持され
る。
【0043】実施例2 この実施例は本質的には実施例1と同じであるが以下の
点が異なる。
【0044】a.面積が0.458cm2のPt RDEを
使用した。測定した電荷は直接電極面積に比例する。較
正および未知溶液の測定に同じ電極を使用する限り電極
面積は操作に影響を与えない。
【0045】b.最初にセルに加えた主溶液の体積は1
00mlであった。この変更は最初の体積および添加した
体積がわかっている限り重要ではない。
【0046】c.より厳重な洗浄手段を使用してPt
RDEを洗浄した。この実施例では、洗浄工程は、別の
セル(同じく白金対極および硫酸第1水銀参照電極を有
する)中で実施された。セルは高度に清浄な0.1M H
2SO4を有する。RDEを電位サイクルにより洗浄し
た。作用電極の電位を電位プログラムを提供するシグナ
ルジェネレーターを接続したポテンシオスタットにより
制御した。RDEを400rpmで回転させながら電位を
参照電極MSEに対して+1.4Vと−0.7Vの間に限
定して400mV/秒の走査速度で10分間走査した。他
の電位プログラムおよび条件でも電極を洗浄することは
可能である。
【0047】d.実施例1よりも測定点をより少なくし
(図6参照)そして、総添加体積をセル中の溶液の体積
の割合においてより少ないものとした。実施例2の添加
操作は実施例1と同じであるが、最初の2回の添加量を
それぞれ0.25mlとし、残りは100mlの体積の中に
総添加量が2mlとなるまで、1回の添加量を0.5mlと
した。より少ない点を使用することで測定のスピードを
あげる。添加した総量が少ないほど直線領域での測定が
良好に保持されより良い結果が得られる。実施例1では
M−Hy 2ml/リットル(M−Lo 0.4ml/リット
ル)は検出限界以下であった。しかしながら改善された
方法では、M−Hy 1ml/リットル(M−Lo 0.2m
l/リットルでさえも検出限界内であった。
【0048】本発明はこれまで知られている測定技術で
は見られなかった以下の特性を有している。
【0049】1.本発明は、未知の溶液および標準溶液
におけるサイクリックボルタンメトリーの挙動を簡単に
直接的に測定するだけではない。むしろ少量の未知また
は既知の溶液を多量の「主」溶液に添加しそしてサイク
リックボルタンメトリー中の銅−めっき電荷を添加量の
関数として測定する。2つの曲線の傾きの割合から未知
の溶液中の問題の添加剤の濃度が得られる。
【0050】a.較正溶液および未知溶液に同じ主溶液
を使用することは操作を両者間の相異に対して鈍感なも
のにする。
【0051】b.主な溶液成分(例えば、CuSO4
2SO4、Cl-イオン)は主溶液および既知または未
知の溶液の両方に存在し、そして実験中にごくわずかに
濃度が変化するだけである。
【0052】2.サイクリックボルタンメトリーは、多
成分系のうちの一成分だけを定量的にモニターするのに
使用することができる。本発明の分析技術はその他の溶
液成分に対して故意に鈍感になっている。このことは主
溶液中に測定したくない成分を含ませることにより達成
される。この他の成分はイオンクロマトグラフィーのよ
うな別の方法でモニターすることができる。
【0053】3.この方法はCVS(サイクリックボル
タンメトリーストリッピング)というよりもむしろめっ
き電荷を直接測定するCVである。
【0054】a.ストリッピング電荷を測定することは
電流効率が100%ではめっきされない金属について好
ましいが、Cuは酸性硫酸塩溶液中で典型的な添加剤の
存在下では+1と+2の酸化状態の両方でストリップす
ることができるので、銅についてはストリッピング電荷
は良い測定法ではない(L.S. Melnicki, in Proc. Symp.
on Electrochemical Technology in Electronics 88〜
23, L.T. Romankiw and T. Osaka(eds.)(The Electroch
emical Society,Pennington, NJ, 1988)、 p.95)。
【0055】b.このようにストリッピング中にクーロ
ン/当量の数が間違って測定されるので、ストリッピン
グ電荷はサイクルのめっき中に析出した銅の量を測定す
るには好ましくない測定法である。
【0056】c.銅は酸性硫酸塩溶液から本質的に10
0%の電流効率でめっきされるので、めっき電荷を使用
することができる。
【0057】以上、本発明を詳細に説明したが、本発明
はさらに次の実施態様によって、これを要約して示すこ
とができる。
【0058】(1) (a) 問題の成分を除く測定され
るべき未知溶液のすべての成分を含む主溶液を調製する
こと、(b) 前記未知溶液中に期待される付近の既知濃
度で前記の問題の成分を含む較正溶液を調製すること、
(c) 第1の所定量の前記主溶液に較正溶液の正確に計
った量を添加すること、(d) 混合した較正/主溶液中
の電極に電位を印加しそして較正溶液の添加量に対して
較正のカソード電荷をプロットすること、(e) 第2の
所定量の前記主溶液に前記未知溶液の正確に計った量を
添加すること、(f) 混合した未知/主溶液中の電極に
電位を印加しそして未知溶液の添加量に対してカソード
電荷をプロットすること、および(g) 体積に対する較
正および未知溶液のカソード電荷を表した曲線の傾きを
比較し前記未知溶液中の前記問題の成分濃度を同定する
ことの工程からなる添加剤混合物の副成分濃度を測定す
るためのサイクリックボルタンメトリー法。
【0059】(2) (h) 工程(d)および(f)でそれぞ
れ印加した前記電位を所定の正電位(Ea)および負電位
(Ec)の間で所定のサイクル速度でサイクルさせるこ
と、および(i) 印加した電位をそれぞれ十分にサイク
ルさせて前記の混合した較正/主溶液および前記の混合
した未知/主溶液の電荷の読みをそれぞれ測定すること
の工程をさらに含む前項1記載の方法。
【0060】(3) (j) 工程(d)の前記電位を所定の
回数または安定した電荷の読みが得られるまで印加する
こと、および(k) 前記電位をそれぞれ印加し前記較正
/主溶液の電荷の読みを測定することの工程をさらに含
む前項2記載の方法。
【0061】(4) (l) 工程(f)の前記電位を所定の
回数または安定した電位の読みが得られるまで印加する
こと、および(m) 前記電位をそれぞれ印加し前記未知
/主溶液の電荷の読みを測定することの工程をさらに含
む前項3記載の方法。
【0062】(5) (a) 電位を印加されうる電極を有
する電気化学セル中で分析されるべき一成分を除くめっ
き液のすべての成分を含む主溶液を調製すること、(b)
分析されるべき一成分の既知量を含む所定量の標準溶
液を前記主溶液に添加すること、(c) 工程(b)の後、
前記電気化学セル中の電極に所定の回数または安定した
電荷の読みが得られるまで電位を印加すること、(d)
工程(b)〜(c)を所定の回数繰り返すこと、(e) 工程
(b)の繰り返しの結果として前記主溶液に加えた前記標
準溶液の体積に対して工程(c)における電荷の読みの値
をプロットし、前記標準溶液の傾きdQ/dVを有する
グラフのプロットを得ること、(f) 前記主溶液に分析
されるべき一成分の未知量を含む所定量の作動溶液を添
加すること、(g) 工程(f)の後、前記電気化学セルに
所定の回数または安定した電荷の読みが得られるまで、
電位を印加すること、(h) 工程(f)〜(g)を所定の回
数繰り返すこと、(i) 工程(f)の繰り返しの結果とし
て前記主溶液に加えた前記作動溶液の体積に対して工程
(g)の電荷の読みの値をプロットし作動溶液に関して傾
きdQ/dVを有するグラフのプロットを得ること、
(j) 工程(e)および(i)から測定された前記標準溶液
および作動溶液の傾きを比較し、前記作動溶液中の前記
一成分の濃度を同定することの工程からなる、めっき液
中の添加剤混合物中の添加成分を測定するためのサイク
リックボルタンメトリー法。
【0063】(6) (k) 工程(c)および(g)でそれぞ
れ印加した電位を所定の正電位(Ea)および負電位(Ec)
の間を所定のサイクル速度でサイクルさせること、およ
び(l) 印加した電位をそれぞれ十分にサイクルさせて
前記の混合した較正/主溶液および前記の混合した未知
/主溶液の電荷の読みをそれぞれ測定することの工程を
さらに含む前項5記載の方法。
【0064】(7) (m) 工程(b)において第1の所定
量の前記主溶液に所定量の前記標準溶液を添加するこ
と、および(n) 工程(f)において前記第2の量に加え
られる作動溶液の量が前記第1の量に加えられる標準溶
液の量に比例するように第2の量の前記主溶液に前記所
定量の作動溶液を加えることの工程をさらに含む前項6
記載の方法。
【0065】本発明をそれらの好ましい実施態様を参考
にして詳しく示し記述したが、本発明の精神および範囲
を逸脱することなく、方式および詳細において様々の変
更を成しうることは当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】3つの異なる濃度における既知濃度のM−Hy
(SelRex CubathR 酸性銅めっき溶液の添加剤)を含む
酸性銅めっき液の標準的なサイクリックボルタンメトリ
ー分析結果を示す図。記載されているのはCVからの計
算値である。
【図2】種々の量の電荷が通過した後に採取した作動め
っき液の標準的なサイクリックボルタンメトリー分析の
結果を示す図。較正の傾きはMD/M−Loの割合に比
例しないので傾きは濃度とは関連づけられない。
【図3】図2におけるものと同じめっき液で、本発明の
技術を用いてM−Hy添加剤系のM−Lo成分を測定し
た分析結果を示す図。貯蔵溶液中のMD 5ml/リット
ルの改良されたCVで、作動溶液の再分析(公称1.6m
l/リットル M−Lo)である。記載されているのはC
Vからの計算値である。
【図4】M−Hy濃度範囲でのめっき液について、本発
明の技術を使用した最初の実施例でのM−Loの分析の
結果を示す図。貯蔵溶液中のMD 5ml/リットルの改
良されたCVで既知濃度の溶液のもの。記載されている
のはCVからの計算値である。
【図5】減少した試料溶液のMDを補充しためっき液に
ついて、本発明の技術を用いてM−Loの分析を行った
結果を示す図。初期M−Lo 1.6ml/リットルの溶液
(貯蔵溶液中MD 5ml/リットル)のもの。
【図6】M−Hy濃度範囲でのめっき液について本発明
の技術を用いて第2の実施例でM−Loを分析した結果
を示す図。CVの好ましい実施態様で、既知の濃度につ
いてのものに記載されているのは標準として10ml/リ
ットルを用いた計算値である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウイルマ・ジーン・ホーカンズ アメリカ合衆国ニユーヨーク州10562.オ シニング.ウツズブルツクサークル9−1

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 問題の成分を除く測定されるべき
    未知溶液のすべての成分を含む主溶液を調製すること、 (b) 前記未知溶液中に期待される付近の既知濃度で前
    記の問題の成分を含む較正溶液を調製すること、 (c) 第1の所定量の前記主溶液に較正溶液の正確に計
    った量を添加すること、 (d) 混合した較正/主溶液中の電極に電位を印加し
    そして較正溶液の添加量に対して較正のカソード電荷を
    プロットすること、 (e) 第2の所定量の前記主溶液に前記未知溶液の正確
    に計った量を添加すること、 (f) 混合した未知/主溶液中の電極に電位を印加しそ
    して未知溶液の添加量に対してカソード電荷をプロット
    すること、および (g) 体積に対する較正および未知溶液のカソード電荷
    を表した曲線の傾きを比較し前記未知溶液中の前記問題
    の成分濃度を同定すること の工程からなる添加剤混合物の副成分濃度を測定するた
    めのサイクリックボルタンメトリー法。
  2. 【請求項2】 (h) 工程(d)および(f)でそれぞれ印
    加した前記電位を所定の正電位(Ea)および負電位(Ec)
    の間で所定のサイクル速度でサイクルさせること、およ
    び (i) 印加した電位をそれぞれ十分にサイクルさせて前
    記の混合した較正/主溶液および前記の混合した未知/
    主溶液の電荷の読みをそれぞれ測定すること の工程をさらに含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 (a) 電位を印加されうる電極を有する
    電気化学セル中で分析されるべき一成分を除くめっき液
    のすべての成分を含む主溶液を調製すること、 (b) 分析されるべき一成分の既知量を含む所定量の標
    準溶液を前記主溶液に添加すること、 (c) 工程(b)の後、前記電気化学セル中の電極に所定
    の回数または安定した電荷の読みが得られるまで電位を
    印加すること、 (d) 工程(b)〜(c)を所定の回数繰り返すこと、 (e) 工程(b)の繰り返しの結果として前記主溶液に加
    えた前記標準溶液の体積に対して工程(c)における電荷
    の読みの値をプロットし、前記標準溶液の傾きdQ/d
    Vを有するグラフのプロットを得ること、 (f) 前記主溶液に分析されるべき一成分の未知量を含
    む所定量の作動溶液を添加すること、 (g) 工程(f)の後、前記電気化学セルに所定の回数ま
    たは安定した電荷の読みが得られるまで、電位を印加す
    ること、 (h) 工程(f)〜(g)を所定の回数繰り返すこと、 (i) 工程(f)の繰り返しの結果として前記主溶液に加
    えた前記作動溶液の体積に対して工程(g)の電荷の読み
    の値をプロットし作動溶液に関して傾きdQ/dVを有
    するグラフのプロットを得ること、 (j) 工程(e)および(i)から測定された前記標準溶液
    および作動溶液の傾きを比較し、前記作動溶液中の前記
    一成分の濃度を同定すること の工程からなる、めっき液中の添加剤混合物中の添加成
    分を測定するためのサイクリックボルタンメトリー法。
  4. 【請求項4】 (k) 工程(c)および(g)でそれぞれ印
    加した電位を所定の正電位(Ea)および負電位(Ec)の間
    を所定のサイクル速度でサイクルさせること、および (l) 印加した電位をそれぞれ十分にサイクルさせて前
    記の混合した較正/主溶液および前記の混合した未知/
    主溶液の電荷の読みをそれぞれ測定すること の工程をさらに含む請求項3記載の方法。
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