JPH05106011A - 溶融金属めつき浴浸漬部材 - Google Patents
溶融金属めつき浴浸漬部材Info
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Abstract
への合金層の巻付きや異物付着を抑制でき、しかも皮膜
剥離等のない熱衝撃性に優れた溶融金属めっき浴浸漬部
材を提供する。 【構成】 表面にAl2O3−TiO2擬2元系金属酸化
物を溶射被覆して保護層を形成した溶融金属めっき浴浸
漬部材。あるいは表面にAl2O3−TiO2擬2元系金
属酸化物を溶射被覆して保護層を形成し、該保護層表面
上および上層部に酸化クロムセラミックスコーティング
層からなる化学的緻密化処理皮膜を形成した溶融金属め
っき浴浸漬部材。 【効果】 溶融めっき金属に対するぬれ性が大幅に改善
され、浸漬部材表面への合金層の巻付きや異物付着が防
止できるため、高品質のめっき鋼板製造が可能となる。
さらに浸漬部材表面を清浄な状態に保持でき、皮膜剥離
等のない熱衝撃性に優れ、浸漬部材の長寿命化あるいは
部材整備性を向上できる。
Description
漬部材に関するもので、特に溶融亜鉛、溶融アルミニウ
ム、溶融錫、溶融亜鉛アルミニウム合金に対して優れた
耐侵食性を有する溶融金属めっき浴浸漬部材に関する。
れた溶融金属めっき鋼板等の表面処理鋼板は、自動車
用、土木、建築用あるいは家電用等の用途の需要が急速
に拡大している。この表面処理鋼板の製造法としては、
主として連続溶融亜鉛めっき法、連続溶融アルミニウム
めっき法等の連続溶融金属めっき法が採用されている。
連続溶融金属めっき法は、図1に示すとおり、連続炉に
おいて機械的性質の調整ならびに表面を清浄、活性化さ
れた鋼帯1は、スナウト2を介して溶融金属槽3中に浸
漬され、浴中のシンクロール4によって進行方向が転換
され、サポートロール5、6を経由して溶融金属槽3か
ら引上げられたのち、ワイピングノズル7から気体を噴
射して過剰のめっき液を絞取ってめっき付着量を調整さ
れためっき鋼帯1は、トップロール8を経由してその後
常温まで冷却される。
漬され、あるいは溶融金属の飛散し易い場所で使用され
るシンクロール4、サポートロール5、6等の溶融金属
めっき浴浸漬部材は、溶融金属との直接接触あるいは溶
融金属が付着した高温のめっき鋼帯1と接触する。この
ため、溶融金属めっき浴浸漬部材としては、溶融金属に
よる侵食が発生し難く、めっき鋼帯との接触による摩耗
が少なく、部材表面に浴中に浮遊するFe−Zn合金で
あるドロス成分などの合金層が付着、生成し難く、付着
した溶融金属の剥離ならびに保守点検が容易で、部材と
しての寿命が長く低コストで、しかも高温の溶融金属中
に浸漬した際の熱衝撃によく耐えることなどの性能が要
求される。
しては、表面にJIS H8303(1976)に制定
のCo基自溶合金を溶射したロール、10%以上のWC
あるいはCrC、TiCの一種または二種以上で残部が
熱間耐食性金属、その酸化物あるいはこれらの二種以
上、または不可避的不純物からなる0.1〜2.4mm
の厚さの表面被覆層を有する有する部材(特公昭58−
37386号公報)、表面にZrO2:20〜60重量
%(以下単に%という)と残部Al2O3からなるセラミ
ック被覆層を施した部材(特公平2−43819号公
報)、表面にサーメットの被覆層を有する部材におい
て、上記被覆層を、Co5〜28%を含むWC−Co系
サーメット材料による気孔率が1.8%以下の溶射被覆
層とした部材(特公平2−55502号公報)、あるい
は酸化物または炭化物を主成分とするセラミック溶射皮
膜を形成した鋼鉄性ロールのその表面に、化学的緻密化
処理皮膜を形成したロール(実開平3−63565号公
報)等多くの提案が行われている。
自溶合金を溶射したロールおよび特公平2−43819
号公報に開示の部材は、それ以前の表面無処理ロールに
比較すると、めっき浴浸漬部材として長寿命を有してい
るものの、2週間程度使用すると溶射皮膜中の皮膜成分
の一部が溶融金属と反応して部材表面に合金層を生じた
り、あるいは皮膜内に存在する微細間隙や気孔に溶融金
属が浸入することによって部材表面の皮膜が局部的に剥
離し、部材基材が露呈して溶融金属と反応して合金層を
形成する。また、健全皮膜部であってもめっき浴中に浮
遊するFe−Zn合金であるドロス成分が表面に局部的
に付着する結果、周囲健全部とめっき鋼帯に対するめっ
き特性が異なり、めっき鋼帯に不均一模様を生じたり、
付着生成物による押込み疵を生じるため、めっき鋼板の
表面品質を著しく低下させる。
示の部材は、WC、Cr3C2、TiCなどの炭化物を使
用するため、めっき金属に対する耐食性に優れている
が、この炭化物のみでは部材基材に対する密着性などの
機械的強度に乏しく、共存する金属成分の添加が不可欠
となる。しかし、添加金属の種類によっては、めっき金
属と冶金、拡散反応をおこして侵食されることがある。
金属酸化物や金属炭化物は、物性として溶融めっき金属
に対し耐食性を有するが、部材表面保護を目的として溶
射皮膜ののような被覆層を形成して実用に供すると、被
覆層そのものが耐溶融亜鉛性を持つと同時に、溶融めっ
き金属に対する環境遮断性を有し、部材を溶融めっき金
属から保護するよう機能する必要がある。しかし従来技
術における溶融金属浴浸漬部材保護皮膜は、皮膜成分に
金属を含有するか、あるいは皮膜内に溶融めっき金属が
侵入するに十分な気孔が存在するため、皮膜構成化学成
分の特性で耐溶融めっき金属性に優れているとしても、
その機能を十分に発揮できる状態にないのが実情であ
る。さらに、耐溶融めっき金属性に優れている特公平2
−55502号公報の部材においても、微小なドロス成
分の局部的な付着があってこれがめっき鋼帯に転写さ
れ、高度な表面均一性を要求されるめっき鋼板製造用途
に対しては十分でない。
部材は、部材表面の溶射皮膜上に化学的緻密化処理皮膜
を形成させることによって、特公昭58−37386号
公報、特公平2−55502号公報の部材よりも合金層
付着性を改善したものであるが、低アルミニウム含有%
のZnめっき浴においては、軽微な合金層巻付きを生
じ、問題の完全解決に至らないのが実態である。
浸漬した場合においても、部材表面への合金層巻付きや
異物付着を抑制でき、しかも皮膜剥離等の熱衝撃性に優
れた溶融金属めっき浴浸漬部材を提供することにある。
を達成すべく次のとおり鋭意試験研究を行った。その結
果、部材表面に形成するセラミックス材料皮膜としてA
l2O3−TiO2擬2元系金属酸化物皮膜は、溶融めっ
き金属に対する濡れ性が小さく、したがって反応速度が
著しく小さいこと、また、溶射皮膜として一般的に用い
られているAl2O3単体、Cr2O3、安定化ZrO2な
どに比較し、状態図における固相線温度が2000〜1
700℃と比較的低く、プラズマあるいは酸素−炭化水
素燃焼炎溶射熱源中で軟化・溶融し易いため、気孔率の
小さい緻密な皮膜を形成させることができること、さら
に、Al2O3−TiO2擬2元系金属酸化物皮膜の表面
上および皮膜上層部に、酸化クロムセラミックスコーテ
ィング層からなる化学的緻密化処理皮膜を形成すること
によって、溶融めっき金属に対する濡れ性が大幅に改善
でき、皮膜と溶融めっき金属との反応が防止できること
を究明し、この発明に到達した。
iO2擬2元系金属酸化物を溶射被覆して保護層を形成
してなる溶融金属めっき浴浸漬部材である。
金属酸化物を溶射被覆して保護層を形成し、該保護層表
面層に酸化クロムセラミックスコーティング層からなる
化学的緻密化処理皮膜を形成してなる溶融金属めっき浴
浸漬部材である。
物が両者の固溶体複合物であって、TiO2を0.5〜
50%含有し、不純物としてCr2O3、CaO、SiO
2、ZrO2、MgO、FeO、Fe2O3、Fe3O4のう
ちの1種または2種以上を5%未満含有している溶融金
属めっき浴浸漬部材である。
ミニウムなどの溶融めっき金属に接触したときの接触角
が大きいことが知られている。文献によれば代表的な金
属酸化物材料に対する値は、表1のとおりであり、溶融
めっき金属濡れ性についてのみで見れば、耐溶融めっき
金属皮膜として機能する。
用い、各種金属酸化物溶射皮膜の溶融亜鉛に対するぬれ
性を調査した。金属酸化物セラミックスとしては、純A
l2O3、Al2O3−5%TiO2混合物、Al2O3−5
%TiO2固溶体、Al2O3−13%TiO2混合物、A
l2O3−13%TiO2固溶体、Al2O3−40%Ti
O2混合物、Al2O3−40%TiO2固溶体、Cr
2O3、ZrO2−8%Y2O 3の9種とした。試験は、直
径30mm、長さ300mmの軟鋼製の円柱試験片を準
備し、その外周に上記9種の材料をプラズマ溶射法で溶
射して200μmの厚さで溶射皮膜を被成させた。これ
を480℃の溶融亜鉛中に10日間侵漬したのち取出
し、溶射皮膜と溶融亜鉛とのぬれ状態を観察した。その
結果を表2に示す。
難いとされているいずれの材料も溶融亜鉛の侵食を受
け、溶融亜鉛が溶射皮膜内に侵入していた。すなわち、
溶射皮膜が破壊され溶融亜鉛と鋼基材が反応し、溶射皮
膜は基材保護機能を果たしていないことが判明した。こ
れは溶融めっき金属と反応し難い皮膜材料であっても、
溶融めっき金属の侵入を防止するのに十分な低気孔率で
ないと、保護皮膜にはなり得ないことを示すものであ
る。本発明者らは溶融亜鉛が保護皮膜内に侵入する要因
の一つである皮膜の微細構造、すなわち気孔率に着目
し、気孔率を溶融亜鉛の侵入を防止するのに十分小さく
するための方法について検討した。溶射皮膜は、その原
理上ある伝播速度を持った火炎流中に材料を投入し、材
料粒子が飛行動作を与えられ、その間に軟化、溶融、基
材に衝突、偏平、積層することによって形成される。し
たがって、皮膜は、本質的に気孔を有することになる。
しかし火炎流速を増大させると、粒子の運動エネルギー
が大きくなり、その結果基材に対する大きな衝突エネル
ギーが付与され、衝突粒子の偏平、密着が進行し、生成
皮膜内の気孔率を著しく小さくすることができる。しか
し火炎流速を増大させると、材料粒子の火炎中での滞留
時間が短くなり、その結果粒子の軟化、溶融効率が低下
することになる。したがって溶融温度などの物性から適
用できる材料は限定されることになる。そこで、高速ガ
ス炎溶射法を用い、前記9種の材料について成膜性を試
験した。その結果を表3に示す。なお、表3中の○は正
常に成膜、×は成膜せずを示す。
l2O3−5%TiO2固溶体、Al2O3−13%TiO2
固溶体、Al2O3−40%TiO2固溶体の3種が溶射
皮膜を形成したが、他の6種は溶射皮膜を形成しなかっ
た。このことは、高速ガス炎溶射法では、ガス炎温度が
2800℃程度であり、材料粒子の火炎内滞留時間にお
ける受熱条件から、成膜性に及ぼす材料軟化、溶融温度
条件の合致が必要であり、この3種のみがこの条件を満
たしたものと考えられる。そこで、画像解析装置を用い
てこれら3種の溶射皮膜の微細構造(主として気孔率)
をプラズマ溶射皮膜との比較で観察した。その結果を表
4に示す。
って形成されたAl2O3−TiO2固溶体系3種の溶射
皮膜は、いずれも気孔率0.5%以下を示し、緻密な微
細構造を有する皮膜であることが判明した。そこでぬれ
性調査のときと同様、これら3種のAl2O3−TiO2
固溶体系溶射皮膜を、直径30mm、長さ300mmの
軟鋼製の円柱試験片外周に高速ガス炎溶射法により20
0μmの厚さで形成させた。これを480℃の溶融亜鉛
浴中に10日間浸漬したのち取出し、溶射皮膜と溶融亜
鉛との反応状態を観察した。その結果、溶射皮膜はいず
れも溶融亜鉛にぬれておらず、かつ溶融亜鉛の皮膜内へ
の侵入も認められなかった。
定され、プラズマ溶射法等の低流速の溶射法では得られ
ないという問題を有している。そこでいずれの溶射法に
おいても、前記Al2O3−TiO2固溶体系材料の有用
性を発揮させる方法について検討を重ねた。その結果、
Al2O3−TiO2固溶体系材料の溶射皮膜表面上およ
び皮膜上層部に後述する化学的緻密化処理皮膜を形成す
ることによって、飛躍的に対溶融亜鉛性が向上すること
を見い出した。ここで化学的緻密化処理の方法は、予め
Al2O3−TiO2固溶体系材料の溶射皮膜を部材表面
に形成し、ついでこの部材をクロム酸を含む水溶液中に
浸漬するか、あるいはこの部材表面にクロム酸を含む水
溶液を噴霧する。この処理によって溶射皮膜表面は、ク
ロム酸で被覆されると共に、その溶射皮膜中にピンホー
ルが存在すれば、クロム酸水溶液がその中に浸透するこ
ととなる。その後、ロール表面を被覆したクロム酸皮膜
を、200〜500℃に加熱する。この処理によって前
記クロム酸中の水分が蒸発揮散すると共に、Cr2O3が
残渣物として溶射皮膜上やピンホール中に残存し、ロー
ルの溶射皮膜表面部に薄い酸化クロムのセラミックコー
ティング層が形成される。このクロム酸水溶液中への浸
漬と加熱を数回繰返すと、Cr2O3のコーティング層は
次第に厚くなり、対溶融亜鉛性が向上する。
用いてTiO25%を含むAl2O3−TiO2系固溶体、
TiO213%を含むAl2O3−TiO2系固溶体、Ti
O240%を含むAl2O3−TiO2系固溶体の3種の溶
射皮膜を、直径30mm、長さ300mmの鋼製の円柱
試験片外周に200μmの厚さに被成したのち、前記化
学的緻密化処理皮膜を10μmの厚さ形成させ、ついで
480℃の溶融亜鉛浴中に10日間浸漬後取出し、皮膜
と溶融亜鉛との反応状態を観察した。その結果を表5に
示す。なお、表5中の対亜鉛ぬれ性欄の○は合金層付着
良好を示す。
法の場合においても溶融亜鉛にぬれておらず、かつ皮膜
内への溶融亜鉛の侵入も全く認められなかった。これは
本質的に溶融亜鉛にぬれ難いAl2O3−TiO2系固溶
体を用い、しかも溶射皮膜表面上および上層部に化学的
緻密化処理皮膜を形成させることによって、溶射方法の
如何にかかわらず、溶融亜鉛浴中でその基材に対する保
護皮膜としての機能と、基材表面への溶融めっき浴成分
付着を防止できることを意味している。特に高速ガス炎
溶射法に対し、気孔率の高いプラズマ溶射法において
も、高速ガス炎溶射法と同等の効果を発揮していること
は、化学的緻密化処理によって気孔部への酸化クロムデ
ポジットの浸透が有効であることを証明するものであ
り、また、高速ガス炎溶射法と併用することによって、
さらに効果を発揮することは勿論である。
表面に形成したAl2O3−TiO2擬2元系金属酸化物
の溶射被覆保護層が溶融めっき金属に対するぬれ性が小
さく、溶融めっき金属との反応速度が著しく小さい。ま
た、溶射皮膜として一般的に用いられているAl2O3単
体、Cr2O3、安定化ZrO2などに比較し、状態図に
おける固相線温度が2000〜1700℃と比較的低
く、プラズマあるいは酸素−炭化水素燃焼炎溶射熱源中
で軟化・溶融し易いため、気孔率の小さい緻密な皮膜を
形成させることができ、溶融めっき金属中に浸漬された
とき、溶融めっき金属の皮膜内への侵入を防止すること
ができる。
材は、表面に形成したAl2O3−TiO2擬2元系金属
酸化物の溶射被覆保護層表面層に、酸化クロムセラミッ
クスコーティング層からなる化学的緻密化処理皮膜を形
成したから、溶融めっき金属に対して極めてぬれ難く、
皮膜と溶融めっき金属との反応が防止され、溶融めっき
金属の皮膜内への侵入および部材表面の保護を図ること
ができる。
0.5〜50%含有するAl2O3−TiO2固溶体複合
物が好ましい。また、溶射皮膜厚さは、20μm未満で
は被覆の効果が認められず、600μmを超えると保護
層としての効果が増大せず、溶射に多くの時間と経費を
要し経済的でなく、かつ剥離損耗の発生確率が大きくな
るため、20〜600μmとするのが好ましい。さら
に、溶射皮膜保護層表面上および上層部に形成する化学
的緻密化処理皮膜の厚さは、0.5μm未満では化学的
緻密化処理が不十分で、溶射保護層中に存在するピンホ
ール中にクロム酸が十分に浸透せず、溶射保護層の表面
も完全に被覆できない。また、逆に30μmを超えると
効果が頭打ちとなり、コーティング処理に多くの時間と
経費を要するので得策でないため、0.5〜30μmと
するのが好ましい。
およびサポートロール5、6について、高速ガス炎溶射
法を用い、13%のTiO2を含むAl2O3−TiO2固
溶体および40%のTiO2を含むAl2O3−TiO2固
溶体の2種類の溶射皮膜を、100μmの厚さで実機ロ
ールに被成させ、これを連続溶融亜鉛めっきラインの実
機溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、各々2週間×2回の連続
使用を行った。そして1回目および2回目の各ロールの
めっき浴より引上げ後の合金層付着状況、溶射皮膜剥離
状況、溶射皮膜摩耗状況を目視観察した。その結果を表
6に示す。なお、表6中の○は良好、×は不具合ありを
示す。
ルは、各々延べ約1ケ月の長期に亘り実機溶融亜鉛めっ
き浴での浸漬および実使用テストを行ったにもかかわら
ず、実使用時の合金層および異物付着等による押込み疵
等、めっき鋼板表面品質の不具合は一度も発生しなかっ
た。また、溶融亜鉛めっき浴から引上げ後のロール表面
には、表6に示すとおり合金層付着、異物付着は一切認
められなかった。また、ロール表面の付着亜鉛を除去し
たのち、皮膜観察を実施した結果、皮膜剥離や皮膜摩耗
等の現象は認められず、長期使用後においても健全な溶
射皮膜を保持していた。
およびサポートロール5、6について、高速ガス炎溶射
法およびプラズマ溶射法を用い、13%のTiO2を含
むAl2O3−TiO2固溶体Aおよび40%のTiO2を
含むAl2O3−TiO2固溶体Bの2種類の溶射皮膜
を、100μmの厚さでロール表面に被成させ、さらに
酸化クロムのセラミックコーティング層の化学的緻密化
処理皮膜を前記溶射皮膜の上層に約10μmの厚さで形
成させた実機ロールを、連続溶融亜鉛めっきラインの実
機溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、各々2週間×2回の連続
使用を行った。そして1回目および2回目の各ロールの
めっき浴より引上げ後の合金層付着状況、皮膜剥離状
況、皮膜摩耗状況を目視観察した。その結果を表7に示
す。なお、表7中の○は良好、×は不具合ありを示す。
ルは、各々延べ約1ケ月の長期に亘り実機亜鉛めっき浴
での浸漬および実使用テストを行ったにもかかわらず、
実使用時の合金層および異物付着等による押込み疵等、
めっき鋼板表面品質の不具合は一度も発生しなかった。
また、亜鉛めっき浴から引上げ後のロール表面には、表
7に示すとおり合金層付着、異物付着は一切認められな
かった。また、ロール表面の付着亜鉛を除去したのち、
皮膜観察を実施した結果、皮膜剥離や皮膜摩耗等の現象
は認められず、長期使用後においても健全な溶射皮膜を
保持していた。
を形成した溶融めっき金属浴浸漬部材は、溶融めっき金
属に対するぬれ性が大幅に改善され、浸漬部材表面への
合金層巻付きや異物付着が防止できるため、高品質のめ
っき鋼板の製造が可能となる。さらに、浸漬部材表面を
清浄な状態に保持でき、かつ皮膜剥離等の熱衝撃性に優
れるため、浸漬部材の長寿命化あるいは金属めっき浴よ
り引上げた後の部材整備性の向上および溶融めっきスケ
ジュールのチャンスフリー化を図ることができる。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 表面にAl2O3−TiO2擬2元系金属
酸化物を溶射被覆して保護層を形成したことを特徴とす
る溶融金属めっき浴浸漬部材。 - 【請求項2】 表面にAl2O3−TiO2擬2元系金属
酸化物を溶射被覆して保護層を形成し、該保護層表面層
に酸化クロムセラミックスコーティング層からなる化学
的緻密化処理皮膜を形成したことを特徴とする溶融金属
めっき浴浸漬部材。 - 【請求項3】 Al2O3−TiO2擬2元系金属酸化物
が両者の固溶体複合物であって、TiO2を0.5〜5
0%含有し、不純物としてCr2O3、CaO、Si
O2、ZrO2、MgO、FeO、Fe2O3、Fe3O4の
うちの1種または2種以上を5%未満含有していること
を特徴とする請求項1および2記載の溶融金属めっき浴
浸漬部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3262898A JPH0730435B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 溶融金属めっき浴浸漬部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3262898A JPH0730435B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 溶融金属めっき浴浸漬部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05106011A true JPH05106011A (ja) | 1993-04-27 |
JPH0730435B2 JPH0730435B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=17382152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3262898A Expired - Fee Related JPH0730435B2 (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 溶融金属めっき浴浸漬部材 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0730435B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP3262898A patent/JPH0730435B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0730435B2 (ja) | 1995-04-05 |
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