JPH05105640A - 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体、その製造方法、その誘導体を含有する紫外線吸収剤、その誘導体の製造中間体、およびその中間体の製造方法 - Google Patents

4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体、その製造方法、その誘導体を含有する紫外線吸収剤、その誘導体の製造中間体、およびその中間体の製造方法

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JPH05105640A
JPH05105640A JP29648391A JP29648391A JPH05105640A JP H05105640 A JPH05105640 A JP H05105640A JP 29648391 A JP29648391 A JP 29648391A JP 29648391 A JP29648391 A JP 29648391A JP H05105640 A JPH05105640 A JP H05105640A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)
−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体、前記誘導体
を新規製造中間体である4−[(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]ジベンゾ
イルメタン誘導体の酸性加水分解により製造する方法、
前記誘導体を含有する紫外線吸収剤、前記製造中間
体、および4位が(2,2−ジメチル−1,3−ジオ
キソラン−4−イル)メトキシ基で置換された、新規ア
セトフェノンあるいは安息香酸エステル誘導体を用いて
クライゼン縮合により前記製造中間体を製造する方法。 【効果】 前記置換ジベンゾイルメタン誘導体は、油脂
性基剤と水溶性基剤に溶解性を示すとともに、UV−A
領域の紫外線吸収に優れ、これを含有する紫外線吸収剤
は、色素沈着等の皮膚障害を好適に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な4−(2,3−
ジヒドロキシプロポキシ)−4′−置換ジベンゾイルメ
タン誘導体、その製造方法、その誘導体を含有する紫外
線吸収剤、その誘導体の製造中間体である新規な4−
[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)メトキシ]−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導
体、およびその製造中間体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、紫外線吸収剤は多くの技術分
野に利用されており、例えば化粧品の分野においては、
皮膚の保護を目的として種々の化粧品に配合されてい
る。紫外線は、その波長領域によって、UV−A(32
0〜400nm)、UV−B(280〜320nm)お
よびUV−C(280nm以下)に分けられるが、この
中でも特にUV−B領域の紫外線が急性の紅斑形成等の
皮膚障害を生じさせることが知られており、従来の紫外
線吸収剤の開発は殆どがUV−B領域の紫外線吸収剤に
向けられていた。しかし、最近になって、UV−A領域
の紫外線が、シミ、ソバカス等の色素沈着や上記UV−
B領域の紫外線の皮膚障害を増強する作用があることが
判明し、このUV−A領域の紫外線を吸収する紫外線吸
収剤の開発も重要視されるようになってきた。
【0003】UV−A領域の紫外線を吸収する物質とし
ては、例えば、種々のジベンゾイルメタン誘導体が知ら
れており、具体的には、二つのベンゼン環にアルコキシ
基が置換したもの(特開昭51-61641号公報)、アルキル
基が置換したもの(特開昭52-46056号公報)、特定のア
ルキル基とアルコキシ基が置換した4−(1,1−ジメ
チルエチル)−4′−メトキシジベンゾイルメタン(特
公昭61-16258号公報)等が知られている。しかし、これ
らはいずれも疎水性であり、これらを化粧品に配合する
場合には、油脂性基剤には容易に混合できるが、水溶性
基剤には混合が困難であるという問題点を有していた。
そこで、これらのジベンゾイルメタン誘導体の水溶性を
増大させるために、第4級アンモニウム基を導入したも
の(特開昭57-59840号公報)、アルコキシカルボニル基
を導入したもの(特開昭60-190708 号公報)等が開発さ
れている。また、ベンゾフェノン誘導体は、UV−Aお
よびUV−B領域の紫外線を吸収する物質として知られ
ているが、二つのベンゼン環の各々に水酸基とグリセリ
ルエーテル基(グリセリルオキシ基)またはポリグリセ
リルエーテル基を導入したものが水溶性紫外線吸収剤と
して知られている(特開昭58-110535 号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の疎水性紫外線吸
収剤の有する前述の問題点を解決するために、水溶性の
性質を有するものも開発されるようになってきてはいる
が、UV−A領域については紫外線吸収効果の面で満足
のいくものは少なく、実際には、前記した疎水性の4−
(1,1−ジメチルエチル)−4′−メトキシジベンゾ
イルメタン等が使用されているにすぎない。本発明の課
題は、油脂性基剤に対する溶解性だけでなく、水溶性基
剤に対する溶解性も備えた、UV−A領域の紫外線吸収
効果に優れた紫外線吸収剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、4位にグリセリル
オキシ基を導入した新規なジベンゾイルメタン誘導体を
合成し、このジベンゾイルメタン誘導体が、UV−A領
域の紫外線吸収効果を有し、かつ油脂性基剤および水溶
性基剤に対する溶解性に優れており、化粧品用のUV−
A領域の紫外線吸収剤として極めて有用であることを見
いだし本発明を完成した。すなわち、本発明は、 一般式(1)
【0006】
【化9】
【0007】(式中、R1 は低級アルキル基、または低
級アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルコキシ
基を表わす。)で表わされる4−(2,3−ジヒドロキ
シプロポキシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体
(以下、化合物(1)と略記する。)、 一般式(2)
【0008】
【化10】
【0009】(式中、R1 は前記と同じ意味を表わ
す。)で表わされる4−[(2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′−置換ジ
ベンゾイルメタン誘導体(以下、化合物(2)と略記す
る。)を、酸性条件で加水分解反応に付すことを特徴と
する化合物(1)の製造方法、 化合物(1)の一種以上を含有することを特徴とす
る紫外線吸収剤、 前記化合物(2)、および 一般式(3)
【0010】
【化11】
【0011】(式中、R2 はアセチル基または低級アル
コキシカルボニル基を表わす。)で表わされる化合物
(以下、化合物(3)と略記する。)と、一般式(4)
【0012】
【化12】
【0013】(式中、R1 は前記と同じ意味を表わし、
3は前記一般式(3)のR2 がアセチル基の場合には
低級アルコキシカルボニル基を表わし、R2 が低級アル
コキシカルボニル基の場合にはアセチル基を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(4)と略記す
る。)を、クライゼン縮合反応に付すことを特徴とする
化合物(2)の製造方法、を提供するものである。な
お、本明細書中で、低級アルキル基、低級アルコキシ基
および低級アルコキシカルボニル基中の「低級」とは、
炭素数1〜4の直鎖あるいは分岐鎖を意味する。
【0014】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
化合物(1)は、種々の方法で合成できるが、下記反応
式に従うことにより有利に合成することができる。
【化13】 (式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同じ意味を表わ
す。)以下に上記反応式の順序に従って説明をする。
【0015】[化合物(3)の合成]一般式(5)で表
わされる市販品の4−ヒドロキシアセトフェノン[一般
式(5)においてR2 がアセチル基の場合]または4−
ヒドロキシ安息香酸エステル[一般式(5)においてR
2 が低級アルコキシカルボニル基の場合](以下、化合
物(5)と略記する。)を原料とし、この化合物(5)
に対し約0.5 〜1.0 倍モルの炭酸カリウムまたは水酸化
ナトリウム等の塩基の存在下、化合物(5)に対し約1.
0 〜3.0 倍モルのエピクロロヒドリンを加え、加熱下で
約1〜3時間反応させ、反応後溶媒を留去して一般式
(6)で表わされるエポキシ化合物(以下、化合物
(6)と略記する。)を得る。ここで用いられる反応溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アセト
ン等を挙げることができるが、特にエタノールが好まし
く用いられる。反応温度は選ばれた反応溶媒の沸点付近
の温度とする。
【0016】得られた化合物(6)を酸で処理してエポ
キシ環を開環し、中和後溶媒を留去して一般式(7)で
表わされるジオール体を得る。ここで行なう酸処理とし
ては、3%硫酸水溶液とアセトンで処理するのが好まし
く、反応温度は約20〜60℃とし、反応時間は約2〜
6時間とするのが好ましい。次いで、濃硫酸を触媒とし
てアセトンと反応させ、中和後溶媒を留去して化合物
(3)を得る。反応温度は、約20〜30℃とし、反応
時間は約5〜16時間とするのが好ましい。なお、化合
物(3)は、本発明者等によって初めて合成された新規
化合物である。
【0017】[化合物(2)の合成]得られた化合物
(3)と約等モルの化合物(4)を、特公昭61-16258号
公報記載の方法に準じて、強塩基の存在下でクライゼン
縮合反応に付して化合物(2)を得る。ここで用いる強
塩基としては、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素
化物、ナトリウムアミド等のアルカリ金属アミド、ナト
リウムメチラート等の金属アルコラート等を挙げること
ができるが、好ましくは、化合物(3)に対し約1.0 〜
3.0 倍モルのナトリウムアミドの存在下で行なう。ここ
で用いる反応溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭
化水素類;テトラヒドロフラン等のエーテル類等、不活
性溶媒を挙げることができるが、特にトルエンが好まし
く用いられる。反応温度は、用いる強塩基および溶媒に
よって異なるが、ナトリウムアミドを用いる場合は約2
0〜40℃とし、反応時間は約10〜50時間とするの
が好ましい。反応後、希塩酸等による酸処理を行ない強
塩基を除き、エタノール、酢酸エチル等からの再結晶等
の手段によって精製する。
【0018】なお、化合物(4)の置換基R1 を選択す
ることによって、種々の置換基R1 を有する新規化合物
(2)、さらには種々の置換基R1 を有する新規化合物
(1)を得ることができる。この化合物(4)としては
市販品もしくは市販品を適宜エステル化またはエーテル
化したものを用いることができる。
【0019】すなわち、化合物(4)の置換基R1
低級アルキル基の場合は、(i) R3 が低級アルコキシカ
ルボニル基の時は市販品の4−アルキル安息香酸エステ
ル、もしくは市販品の4−アルキル安息香酸をエステル
化することによって容易に合成されるものを用いること
ができ、(ii)R3 がアセチル基の時は市販品の4−アル
キルアセトフェノンを用いることができる。また、R
1 が低級アルコキシ基または低級アルコキシ基で置換さ
れた低級アルコキシ基の場合は、(i) R3 が低級アルコ
キシカルボニル基の時は市販品の4−アルコキシ安息香
酸エステル、もしくは、市販品の4−ヒドロキシ安息香
酸エステルをハロゲン化アルキルまたはアルコキシハロ
ゲン化アルキルでエーテル化することによって容易に合
成されるものを用いることができる。同様に、(ii)R3
がアセチル基の時は市販品の4−アルコキシアセトフェ
ノン、もしくは市販品の4−ヒドロキシアセトフェノン
をエーテル化することによって容易に合成されるものを
用いることができる。
【0020】例えば、R1 が2−エトキシエトキシ基、
3がエトキシカルボニル基である4−(2−エトキシ
エトキシ)安息香酸エチルの場合は、市販品の4−ヒド
ロキシ安息香酸エチルを、エタノール中で炭酸カリウム
およびヨウ化カリウムの存在下1−クロロ−2−エトキ
シエタンと還流することによって得ることができる。化
合物(4)の具体例としては、4−メチル安息香酸メチ
ル、4−エチル安息香酸メチル、4−プロピル安息香酸
メチル、4−(1,1−ジメチルエチル)安息香酸メチ
ル、4−エトキシ安息香酸エチル、4−プロポキシ安息
香酸エチル、4−(2−エトキシエトキシ)安息香酸エ
チル、4−メチルアセトフェノン、4−メトキシアセト
フェノン、4−エトキシアセトフェノン、4−ブトキシ
アセトフェノン等を挙げることができる。
【0021】[化合物(1)の合成]前記の方法で得ら
れた化合物(2)を酸性条件で加水分解し、洗浄、再結
晶等の手段により精製して目的とする化合物(1)を得
ることができる。酸性条件とするためには、例えば、塩
酸、硫酸等の酸を加え、撹拌反応する。ここで用いる反
応溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類
または酢酸エチル等を挙げることができるが、特にジオ
キサンが好ましく用いられる。反応温度は約20〜30
℃とし、反応時間は約5〜20時間とするのが好まし
い。
【0022】[紫外線吸収剤]こうして得られる化合物
(1)は、後記実施例中に示すように、UV−A領域の
紫外線吸収効果および相溶性(油脂性基剤および水溶性
基剤の両者に対する溶解性)の両面に優れ、化粧品用の
UV−A領域(320〜400nm)の紫外線吸収剤と
して極めて有用に用いることができる。
【0023】すなわち、本発明の紫外線吸収剤は、化合
物(1)を適当な基剤と混和することにより製造される
が、化合物(1)は相溶性に優れるため、公知の化粧品
用基剤であり化合物(1)に対して不活性なものであれ
ば特に制限されることなく、固体、液体、乳剤、泡状
体、ゲル等のいずれの基剤をも使用することができる。
具体例としては、水;エタノール、セチルアルコール、
ステアリルアルコール等のアルコール類;グリセリン、
プロピレングリコール等の多価アルコール類;パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類;ミリス
チン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、モノ
ステアリン酸プロピレングリコール、トリカプリン酸グ
リセリン、トリミリスチン酸グリセリン等のエステル
類;ヒマシ油、オリーブ油、ラノリン、スクワラン、鯨
ろう等の植物性または動物性油脂類;パラフィン、流動
パラフィン、シリコンオイル等の鉱物油類;エアゾール
噴射剤として用いられる低沸点炭化水素またはハロゲン
化炭化水素類;澱粉、タルク等を挙げることができる。
【0024】また、本発明の紫外線吸収剤は、化合物
(1)の紫外線吸収効果を損なわない範囲において、通
常用いられている他の成分、例えば、防腐剤、酸化防止
剤、香料、着色料、界面活性剤等を適宜添加することが
できる。さらに、本発明の紫外線吸収剤は、UV−B領
域(280〜320nm)の紫外線吸収剤を配合するこ
とにより、より一層有効な紫外線吸収剤とすることがで
きる。UV−B領域の紫外線吸収剤としては、例えば、
p−アミノ安息香酸エステル類、p−メトキシ桂皮酸エ
ステル類、2−フェニルベンズイミダゾール誘導体、4
−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、
サリチル酸フェニルエステル等のサリチル酸誘導体、7
−ヒドロキシクマリン等のクマリン誘導体、没食子酸誘
導体等を挙げることができる。
【0025】本発明の紫外線吸収剤は、これらの基剤お
よびその他の添加物を配合して、クリーム、化粧水、乳
液、軟膏、ゲル、スプレー、スティック、白粉、ファン
デーション等の任意の剤形とすることができる。これら
の剤形中の化合物(1)の使用濃度は、基剤の種類、他
の紫外線吸収剤との併用の有無、使用目的等により適宜
変えることができるが、通常は0.1 〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%とするのが良い。
【0026】
【実施例】以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの例により制限さ
れるものではない。なお、以下の測定には次の機器を用
いた。 融点:MP−S3型(柳本商事株式会社製); 質量スペクトル(MS):M−80B質量分析計(イオ
ン化電圧:20eV)(株式会社日立製作所製); 核磁気共鳴スペクトル: 1 H−NMR:AM−400型(400MHz)(ブル
ッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン;13 C−NMR:AM−400型(400MHz)(ブル
ッカー社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン; 赤外吸収スペクトル(IR):IR−810型(日本分
光工業株式会社製); 紫外吸収スペクトル(UV):UV−260型(株式会
社島津製作所製)。
【0027】実施例1 (1)4−(オキソラニルメトキシ)アセトフェノン
[R2 がアセチル基である化合物(6)]の製造
【化14】
【0028】4−ヒドロキシアセトフェノン[東京化成
工業株式会社製]100g(0.735mol)、炭酸カリウム
53.5g(0.386mol)、エピクロロヒドリン136g(1.
47mol )およびエタノール500mlを、温度計、コン
デンサーおよび撹拌機を備えた反応器に入れ、80℃で
2時間撹拌した。エタノールを留去した後、トルエン5
00mlを加えて水洗し、濃縮後減圧蒸留して無色油状
の4−(オキソラニルメトキシ)アセトフェノンを10
1g(収率72%)得た。
【0029】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 沸点:157℃/0.9 mmHg; MS(m/e):192(M+ ),177,161,14
7,121,93,57; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.56(3H,s), 2.77(1H,
dd,J=2.7Hz,4.9Hz), 2.93(1H,dd,J=4.7Hz,5.6Hz), 3.37
(1H,m), 4.00(1H,dd,J=5.7Hz,11.1Hz), 4.32(1H,dd,J=
2.9Hz,11.0Hz), 6.95(2H,m), 7.94(2H,m);13 C−NMR(CDCl3 )δ:26.32, 44.55, 49.88,
68.85, 114.25, 130.59, 130.63, 130.76, 130.90, 16
2.29, 196.74。
【0030】(2)4−[(2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]アセトフェノン
[R2 がアセチル基である化合物(3)]の製造
【化15】
【0031】上記で得た4−(オキソラニルメトキシ)
アセトフェノン101g(0.521mol)、アセトン900
mlおよび3%硫酸水溶液212gを、温度計、コンデ
ンサーおよび撹拌機を備えた反応器に入れ、60℃で4
時間撹拌した。反応後、炭酸ナトリウムで中和し、食塩
を飽和させ、有機層を分取してアセトンを留去した後、
トルエンを加え、減圧下で共沸蒸留を行ない水を留去し
た。析出した塩をろ過し、ろ液にアセトン1リットルお
よび濃硫酸(98%硫酸水溶液)2gを加え、室温で一
晩撹拌した。反応後、無水炭酸ナトリウムで中和し、ろ
過した後減圧濃縮し、トルエン500mlを加えて水洗
した。濃縮後、イソプロピルエーテル300mlを加え
て結晶を析出させ、白色結晶の4−[(2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]アセ
トフェノンを96g(収率73%)得た。
【0032】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:46〜48℃; MS(m/e):250(M+ ),235,193,17
5,133,101,73,43; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.41(3H,s), 1.47(3H,
s), 2.55(3H,s), 3.91(1H,dd,J=5.9Hz,8.7Hz), 4.02(1
H,dd,J=5.7Hz,9.6Hz), 4.11(1H,dd,J=5.4Hz,9.6Hz), 4.
18(1H,dd,J=6.4Hz,8.6Hz), 4.50(1H,m,J=6.1Hz), 6.96
(2H,m), 7.94(2H,m);13 C−NMR(CDCl3 )δ:25.29, 26.31, 26.75,
66.64, 68.84, 73.80, 109.88, 114.21, 130.51, 130.
54, 130.58,130.70, 162.38, 196.64。
【0033】(3)4−[(2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′−(1,
1−ジメチルエチル)ジベンゾイルメタン[R1 が1,
1−ジメチルエチル基である化合物(2)]の製造
【化16】
【0034】温度計、コンデンサーおよび滴下漏斗を備
えた反応器中、窒素気流下で、ナトリウムアミド7.8 g
(0.2mol)をトルエン50mlに懸濁させ、上記で得た
4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4
−イル)メトキシ]アセトフェノン25g(0.1mol)を
トルエン20mlに溶解した溶液を10分間かけて滴下
した。1時間撹拌後、4−(1,1−ジメチルエチル)
安息香酸メチル[東京化成工業株式会社製の4−(1,
1−ジメチルエチル)安息香酸をメチルエステル化して
得たもの]19.2g(0.1mol)をトルエン60mlに溶解
した溶液を一度に加え、室温で48時間撹拌した。反応
後、トルエン200ml、希塩酸1リットルを加えた
後、有機層を分離し、水洗後濃縮した。残渣をエタノー
ルより再結晶し、淡黄色結晶の4−[(2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−
4′−(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾイルメタン
を17.6g(収率43%)得た。
【0035】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:102〜104℃; MS(m/e):410(M+ ),335,309,27
7,235,203,161,101,57; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.36(9H,s), 1.41(3H,
s), 1.47(3H,s), 2.16(1H,s), 3.92(1H,dd,J=5.8Hz,8.4
Hz), 4.03(1H,dd,J=5.7Hz,9.5Hz), 4.12(1H,dd,J=5.5H
z,9.5Hz), 4.19(1H,dd,J=6.5Hz,8.6Hz), 4.52(1H,m),
6.77(1H,s), 6.99(2H,m), 7.50(2H,m), 7.90(2H,m), 7.
96(2H,m);13 C−NMR(CDCl3 )δ:25.34, 26.79, 31.17,
35.06, 66.71, 68.90, 73.76, 92.17, 109.92, 114.5
0, 125.62, 126.92, 129.26, 132.75, 156.03,162.04,
184.40, 185.61。
【0036】実施例2 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−
(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾイルメタン[R1
が1,1−ジメチルエチル基である化合物(1):以
下、化合物(1−2)と略記する。]の製造
【化17】
【0037】実施例1で得た4−[(2,2−ジメチル
−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′
−(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾイルメタン10
g(24.4mmol)を、温度計および撹拌器を備えた反応器
に入れ、ジオキサン80mlに溶解させ、1N塩酸水溶
液20mlを加え、室温で一晩撹拌した。反応後、無水
炭酸水素ナトリウムで中和し、減圧下溶媒を留去して、
酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。濃縮後、エタノールより再結晶
し、淡黄色結晶の4−(2,3−ジヒドロキシプロポキ
シ)−4′−(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾイル
メタンを8.0 g(収率89%)得た。
【0038】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:124〜126℃; MS(m/e):370(M+ ),295,239,19
5,161,121,94,57; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.36(9H,s), 1.65(1H,
broad s), 2.10(1H,broad s), 2.65(1H,broad s), 3.79
(1H,dd,J=4.7Hz,11.1Hz), 3.87(1H,m), 4.13(3H,m), 6.
77(1H,s), 6.99(2H,d,J=8.8Hz), 7.50(2H,d,J=8.5Hz),
7.91(2H,d,J=8.4Hz),7.97(2H,d,J=8.7Hz);13 C−NMR(CDCl3 )δ:31.03, 31.13, 35.07,
63.49, 69.27, 70.25, 92.19, 114.49, 125.63, 125.7
3, 126.93, 128.92, 129.27, 132.71, 156.06,161.89,
184.44, 185.54 ; IR(νmax,KBr,cm-1):1600。
【0039】実施例3 (1)4−(オキソラニルメトキシ)安息香酸エチル
[R2 がエトキシカルボニル基である化合物(6)]の
製造
【化18】
【0040】4−ヒドロキシ安息香酸エチル[ナカライ
テスク株式会社製]100g(0.602mol)、炭酸カリウ
ム43.6g(0.316mol)、エピクロロヒドリン111g
(1.20mol )およびエタノール500mlを、温度計、
コンデンサーおよび撹拌機を備えた反応器に入れ、80
℃で2時間撹拌した。エタノールを留去した後、トルエ
ン500mlを加えて水洗し、濃縮後減圧蒸留して無色
油状の4−(オキソラニルメトキシ)安息香酸エチルを
94g(収率70%)得た。
【0041】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 沸点:143℃/0.3 mmHg; 融点:47〜49℃; MS(m/e):222(M+ ),177,138,12
1,93,57,29; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.37(3H,t,J=7.1Hz),
2.75(1H,dd,J=2.6Hz,4.9Hz), 2.90(1H,dd,J=4.2Hz,4.9H
z), 3.35(1H,m), 3.96(1H,dd,J=5.8Hz,11.0Hz), 4.29(1
H,dd,J=2.9Hz,11.0Hz), 4.34(2H,q,J=7.1Hz), 6.93(2H,
m), 7.99(2H,m);13 C−NMR(CDCl3 )δ:14.33, 44.49, 49.85,
60.63, 68.81, 114.12, 123.44, 131.51, 162.06, 16
6.18 。
【0042】(2)4−[(2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]安息香酸エチル
[R2 がエトキシカルボニル基である化合物(3)]の
製造
【化19】
【0043】上記で得た4−(オキソラニルメトキシ)
安息香酸エチル73g(0.33mol )を実施例1の(2)
と同様の試薬および操作で処理し、白色結晶の4−
[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)メトキシ]安息香酸エチルを65g(収率70%)
得た。
【0044】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:60〜62℃; MS(m/e):280(M+ ),265,235,20
5,121,101,59; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.38(3H,t,J=7.1Hz),
1.41(3H,s), 1.47(3H,s), 3.91(1H,dd,J=5.8Hz,8.6Hz),
4.00(1H,dd,J=5.8Hz,9.6Hz), 4.10(1H,dd,J=5.3Hz,9.6
Hz), 4.18(1H,dd,J=2.1Hz,8.6Hz), 4.35(2H,q,J=7.1H
z), 4.49(1H,m),6.94(2H,m), 7.99(2H,m);13 C−NMR(CDCl3 )δ:14.34, 25.32, 26.75,
60.66, 66.70, 68.83, 73.84, 109.88, 114.09, 123.4
2, 131.53, 131.58, 162.18, 166.28 。
【0045】(3)4−[(2,2−ジメチル−1,3
−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′−メトキ
シジベンゾイルメタン[R1 がメトキシ基である化合物
(2)]の製造
【化20】
【0046】ナトリウムアミド7.8 g(0.2mol)、4−
メトキシアセトフェノン[アルドリッチ社製]15g
(0.1mol)および上記で得た4−[(2,2−ジメチル
−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]安息香
酸エチル28g(0.1mol)を実施例1の(3)と同様の
試薬および操作で処理し、淡黄色結晶の4−[(2,2
−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキ
シ]−4′−メトキシジベンゾイルメタンを18.4g(収
率48%)得た。
【0047】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:119〜121℃; MS(m/e):384(M+ ),309,270,23
5,177,135,101,73,43; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.41(3H,s), 1.47(3H,
s), 3.88(3H,s), 3.92(1H,dd,J=5.8Hz,8.5Hz), 4.02(1
H,dd,J=5.7Hz,9.5Hz), 4.12(1H,m), 4.19(1H,dd,J=6.5H
z,8.6Hz), 4.50(1H,m), 6.70(1H,s), 6.98(2H,m), 7.94
(2H,m) ;13 C−NMR(CDCl3 )δ:25.36, 26.81, 55.49,
66.73, 68.92, 73.88, 91.56, 109.94, 113.93, 113.9
7, 114.44, 114.50, 128.20, 128.66, 129.08,129.12,
131.36, 161.94, 163.08, 184.42, 184.76 。
【0048】実施例4 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−メト
キシジベンゾイルメタン[R1 がメトキシ基である化合
物(1):以下、化合物(1−4)と略記する。]の製
【0049】
【化21】 実施例3で得た4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジ
オキソラン−4−イル)メトキシ]−4′−メトキシジ
ベンゾイルメタン9.4 g(24.5mmol)を、実施例2と同
様の試薬および操作で処理し、淡黄色結晶の4−(2,
3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−メトキシジベン
ゾイルメタンを7.6 g(収率90%)得た。
【0050】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:118〜120℃; MS(m/e):344(M+ ),312,270,25
6,210,195,166,149,135; 1 H−NMR[(CD3 2 SO]δ:3.49(2H,m), 3.
85(1H,m), 3.87(3H,s), 4.00(1H,dd,J=6.2Hz,10.1Hz),
4.13(1H,dd,J=4.2Hz,10.1Hz), 4.58(1H,m), 4.88(1H,d,
J=5.2Hz), 7.03〜7.15(5H,m), 7.93〜8.15(4H,m);13 C−NMR[(CD3 2 SO]δ:55.36, 62.50,
69.69, 69.74, 69.87,91.36, 113.81, 113.95, 114.31,
114.46, 127.13, 129.19, 162.44, 162.83,183.98; IR(νmax,KBr,cm-1):3300, 1600, 126
0, 780 。
【0051】実施例5 4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4
−イル)メトキシ]−4′−メチルジベンゾイルメタン
[R1 がメチル基である化合物(2)]の製造
【化22】
【0052】ナトリウムアミド7.8 g(0.2mol)、4−
メチルアセトフェノン[東京化成工業株式会社製]13.4
g(0.1mol)および実施例3の(2)で得た4−
[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)メトキシ]安息香酸エチル28g(0.1mol)を実施
例1の(3)と同様の試薬および操作で処理し、淡黄色
結晶の4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−イル)メトキシ]−4′−メチルジベンゾイル
メタンを16.6g(収率45%)得た。
【0053】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:88〜90℃; MS(m/e):368(M+ ),293,267,23
5,161,101,57; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.41(3H,s), 1.47(3H,
s), 2.42(3H,s), 3.92(1H,dd,J=5.8Hz,8.5Hz), 4.02(1
H,dd,J=5.7Hz,9.6Hz), 4.12(1H,dd,J=5.5Hz,9.6Hz), 4.
18(1H,dd,J=6.5Hz,8.5 Hz), 4.51(1H,m), 6.76(1H,s),
6.97(2H,m), 7.26(2H,m), 7.87(2H,m), 7.96(2H,m) ;13 C−NMR(CDCl3 )δ:21.63, 25.35, 26.80,
66.72, 68.92, 73.87, 92.06, 109.93, 114.51, 127.0
9, 128.72, 129.22, 127.37, 129.44, 132.84,142.98,
162.05, 184.53, 185.47 。
【0054】実施例6 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−メチ
ルジベンゾイルメタン[R1 がメチル基である化合物
(1):以下、化合物(1−6)と略記する。]の製造
【化23】
【0055】実施例5で得た4−[(2,2−ジメチル
−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′
−メチルジベンゾイルメタン16.6g(45.1mmol)を、実
施例2と同様の試薬および操作で処理し、淡黄色結晶の
4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−メチ
ルジベンゾイルメタンを13.6g(収率92%)得た。
【0056】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:135〜137℃; MS(m/e):328(M+ ),294,253,24
0,195,161,138; 1 H−NMR(CD3 OD)δ:2.42(3H,s), 3.68(2H,
m), 4.00(1H,m), 4.07(1H,dd,J=6.0Hz,9.8Hz), 4.17(1
H,dd,J=4.2Hz,9.7Hz), 6.97(1H,s), 7.08(2H,m), 7.33
(2H,m), 7.94(2H,m), 8.04(2H,m);13 C−NMR(CD3 OD)δ:24.13, 66.59, 73.15,
74.19, 118.20, 132.95。
【0057】実施例7 4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4
−イル)メトキシ]−4′−エトキシジベンゾイルメタ
ン[R1 がエトキシ基である化合物(2)]の製造
【化24】
【0058】ナトリウムアミド7.8 g(0.2mol)、4−
エトキシアセトフェノン[アルドリッチ社製]16.4g
(0.1mol)および実施例3の(2)で得た4−[(2,
2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メト
キシ]安息香酸エチル28g(0.1mol)を実施例1の
(3)と同様の試薬および操作で処理し、淡黄色結晶の
4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4
−イル)メトキシ]−4′−エトキシジベンゾイルメタ
ンを16.3g(収率41%)得た。
【0059】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:119〜121℃; MS(m/e):398(M+ ),265,235,19
1,149,101,57; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.39(3H,s), 1.45(3H,
t,J=6.9Hz), 1.47(3H,s), 3.92(1H,dd,J=5.8Hz,8.5Hz),
4.02(1H,dd,J=5.8Hz,9.6Hz), 4.12(3H,m), 4.18(1H,d
d,J=6.5Hz,8.5Hz), 4.50(1H,m), 6.72(1H,s), 6.95(4H,
m), 7.94(4H,m);13 C−NMR(CDCl3 )δ:14.70, 25.36, 26.81,
63.76, 66.73, 68.92, 73.88, 91.52, 109.93, 114.1
1, 114.35, 114.42, 114.49, 127.97, 128.68,129.07,
129.12, 131.35, 161.92, 162.52, 184.36, 184.82。
【0060】実施例8 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−エト
キシジベンゾイルメタン[R1 がエトキシ基である化合
物(1):以下、化合物(1−8)と略記する。]の製
【化25】
【0061】実施例7で得た4−[(2,2−ジメチル
−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′
−エトキシジベンゾイルメタン16.3g(41.0mmol)を、
実施例2と同様の試薬および操作で処理し、淡黄色結晶
の4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−エ
トキシジベンゾイルメタンを13.6g(収率92%)得
た。
【0062】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:134〜136℃; MS(m/e):358(M+ ),284,255,19
5,149,121,94,45; 1 H−NMR(CD3 OD)δ:1.42(3H,t,J=6.9Hz),
3.69(2H,m), 3.99〜4.18(5H,m), 6.98〜7.06(4H,m), 7.
96〜8.03(4H,m);13 C−NMR(CD3 OD)δ:14.99, 64.03, 64.84,
70.56, 71.63, 115.48, 115.60, 130.28, 164.01, 16
4.11 。
【0063】実施例9 4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4
−イル)メトキシ]−4′−(2−エトキシエトキシ)
ジベンゾイルメタン[R1 が2−エトキシエトキシ基で
ある化合物(2)]の製造
【化26】
【0064】ナトリウムアミド7.8 g(0.2mol)、4−
(2−エトキシエトキシ)安息香酸エチル23.8g(0.1m
ol)および実施例1の(2)で得た4−[(2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]
アセトフェノン25.0g(0.1mol)を実施例1の(3)と
同様の試薬および操作で処理し、淡黄色結晶の4−
[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)メトキシ]−4′−(2−エトキシエトキシ)ジベ
ンゾイルメタンを18.6g(収率42%)得た。
【0065】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:83〜85℃; MS(m/e):442(M+ ),400,367,32
8,235,193,159,133; 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.25(3H,t,J=7.0Hz),
1.41(3H,s), 1.47(3H,s), 3.61(2H,q,J=7.0Hz), 3.81(2
H,m), 3.92(1H,dd,J=5.9Hz,8.5Hz), 4.02(1H,dd,J=5.7H
z,9.5Hz), 4.12(1H,dd,J=5.5Hz,9.6Hz), 4.18(3H,m),
4.50(1H,m), 6.72(1H,s), 6.99(4H,m), 7.94(4H,m) ;13 C−NMR(CDCl3 )δ:15.14, 25.33, 26.78,
66.69, 66.92, 67.67, 68.63, 68.73, 68.89, 73.85,
91.55, 109.90, 114.42, 114.47, 114.57, 128.24, 12
8.62, 129.05, 129.06, 131.26, 131.31, 161.92, 162.
34, 184.42, 184.67 。
【0066】実施例10 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−(2
−エトキシエトキシ)ジベンゾイルメタン[R1 が2−
エトキシエトキシ基である化合物(1):以下、化合物
(1−10)と略記する。]の製造
【化27】
【0067】実施例9で得た4−[(2,2−ジメチル
−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′
−(2−エトキシエトキシ)ジベンゾイルメタン18.6g
(42mmol)を、実施例2と同様の試薬および操作で処
理し、淡黄色結晶の4−(2,3−ジヒドロキシプロポ
キシ)−4′−(2−エトキシエトキシ)ジベンゾイル
メタンを15.7g(収率93%)得た。
【0068】この化合物の物性値は以下のとおりであっ
た。 融点:115〜117℃; MS(m/e):402(M+ ),344,255,19
5,163,121; 1 H−NMR(CD3 OD)δ:1.22(3H,t,J=7.0Hz),
3.61(2H,q,J=7.0Hz),3.69(2H,m), 3.82(2H,m), 4.03(2
H,m), 4.18(3H,m), 4.55(1H,s), 6.93(1H,s),7.06(4H,
m), 8.03(4H,m);13 C−NMR(CD3 OD)δ:15.39, 64.03, 67.77,
68.81, 69.96, 70.57, 71.62, 92.37, 115.61, 129.3
8, 130.38, 163.93, 164.03。
【0069】試験例:紫外線吸収効果および水溶性基剤
への溶解性 前記実施例2、4、6、8および10で得られた化合物
(1−2)、化合物(1−4)、化合物(1−6)、化
合物(1−8)および化合物(1−10)について、紫
外線吸収剤に用いる場合の特性、すなわち、UV−A領
域(320nm〜400nm)の紫外線吸収効果および
水溶性基剤への溶解性を調べた。紫外線吸収効果はそれ
ぞれエタノール溶液として紫外吸収スペクトルの最大吸
収波長(吸収極大値、λmax)および最大吸収波長に
おける分子吸光係数(ε)を測定し、水溶性基剤への溶
解性は25℃における50%エタノール−水混合溶液に
対する溶解度を測定した。比較化合物として従来より紫
外線吸収剤に用いられている4−(1,1−ジメチルエ
チル)−4′−メトキシジベンゾイルメタンについて同
様に測定した。これらの測定結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1より、本発明化合物(1)は、UV−
A(320〜400nm)領域において、その約中心部
に最大吸収波長を有し、しかもその最大吸収波長におけ
る分子吸光係数は、従来より紫外線吸収剤に用いられて
いる比較化合物と同等あるいはそれ以上であり、UV−
A領域の紫外線吸収効果に優れることが明らかである。
また、50%エタノール−水混合溶液に対する溶解度
は、比較化合物がほとんど溶解しないのに対し、本発明
化合物は溶解性を示すことが明らかである。
【0072】実施例11:日焼け止め化粧水の調製 下記のA成分およびB成分をそれぞれの配合割合で、室
温で均一に溶解させてA液およびB液を調製し、B液を
撹拌しながら徐々にA液に加えて可溶化した後、ろ過し
て容器に充填した。 成 分 重量部 A:化合物(1−2) 1.0 エタノール 7.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5 クエン酸 0.02 クエン酸ナトリウム 0.1 パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.1 香料 適量 B:グリセリン 4.0 プロピレングリコール 7.0 精製水 80.28
【0073】実施例12:日焼け止めクリーム(O/W
型)の調製 下記の配合割合で成分Aを80〜85℃に、成分Bを7
5℃に水浴上で加熱溶解した。A液を撹拌しながら徐々
にB液に加えて乳化を行い、ホモジナイザーでさらに撹
拌し、冷却して50℃で成分Cを添加し、30℃まで冷
却して容器に充填した。 成 分 重量部 A:化合物(1−4) 4.0 鯨ろう 8.0 トリカプリン酸グリセリン 12.0 セチルアルコール 2.0 ステアリルアルコール 2.0 パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.15 B:グリセリン 1.5 プロピレングリコール 1.5 精製水 68.7 パラヒドロキシ安息香酸ナトリウム 0.15 C:香料 適量
【0074】実施例13:日焼け止めクリーム(W/O
型)の調製 下記の配合割合で成分Aを80〜85℃に、成分Bを7
5℃に水浴上で加熱溶解した。A液を撹拌しながら徐々
にB液に加えて乳化を行い、冷却して50℃で成分Cを
添加し、45℃でコロイドミルにかけて容器に充填し
た。 成 分 重量部 A:化合物(1−10) 2.0 パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル 3.0 (UV−B領域の紫外線吸収剤) 流動パラフィン 10.0 鯨ろう 6.0 スクワラン 6.0 トリカプリン酸グリセリン 20.0 セチルアルコール 2.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0 パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.1 B:グリセリン 1.5 プロピレングリコール 1.5 精製水 44.8 パラヒドロキシ安息香酸ナトリウム 0.1 C:香料 適量
【0075】
【発明の効果】本発明の4−(2,3−ジヒドロキシプ
ロポキシ)ジベンゾイルメタン誘導体は、UV−A(3
20〜400nm)領域において優れた紫外線吸収効果
を有する。しかも、従来のUV−A領域紫外線吸収剤の
ように油脂性基剤に対する溶解性だけでなく、水溶性基
剤に対する溶解性をも示すため、各種の基剤に配合して
化粧料を調製でき、UV−A専用の紫外線吸収剤として
極めて有効に用いることができる。従って、この誘導体
を配合した本発明の紫外線吸収剤は、シミ、ソバカス等
の色素沈着等の皮膚障害を好適に防止することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体、その製造方 法、その誘導体を含有する紫外線吸収剤、その誘導体の製造中間体、およびその中間体の製造方 法

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基、または低級アルコキシ
    基で置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わ
    す。)で表わされる4−(2,3−ジヒドロキシプロポ
    キシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、R1 は低級アルキル基、または低級アルコキシ
    基で置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わ
    す。)で表わされる4−[(2,2−ジメチル−1,3
    −ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′−置換ジ
    ベンゾイルメタン誘導体を、酸性条件で加水分解反応に
    付すことを特徴とする一般式(1) 【化3】 (式中、R1 は前記と同じ意味を表わす。)で表わされ
    る4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−置
    換ジベンゾイルメタン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化4】 (式中、R1 は低級アルキル基、または低級アルコキシ
    基で置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わ
    す。)で表わされる4−(2,3−ジヒドロキシプロポ
    キシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体の一種以
    上を含有することを特徴とする紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化5】 (式中、R1 は低級アルキル基、または低級アルコキシ
    基で置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わ
    す。)で表わされる4−[(2,2−ジメチル−1,3
    −ジオキソラン−4−イル)メトキシ]−4′−置換ジ
    ベンゾイルメタン誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(3) 【化6】 (式中、R2 はアセチル基または低級アルコキシカルボ
    ニル基を表わす。)で表わされる化合物と、一般式
    (4) 【化7】 (式中、R1 は低級アルキル基、または低級アルコキシ
    基で置換されていてもよい低級アルコキシ基を表わし、
    3 は前記一般式(3)のR2 がアセチル基の場合は低
    級アルコキシカルボニル基を表わし、R2 が低級アルコ
    キシカルボニル基の場合はアセチル基を表わす。)で表
    わされる化合物を、クライゼン縮合反応に付すことを特
    徴とする一般式(2) 【化8】 (式中、R1 は前記と同じ意味を表わす。)で表わされ
    る4−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−
    4−イル)メトキシ]−4′−置換ジベンゾイルメタン
    誘導体の製造方法。
JP29648391A 1991-10-16 1991-10-16 4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4′−置換ジベンゾイルメタン誘導体、その製造方法、その誘導体を含有する紫外線吸収剤、その誘導体の製造中間体、およびその中間体の製造方法 Expired - Lifetime JP2736945B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980054660A (ko) * 1996-12-27 1998-09-25 성재갑 디벤조일메탄 유도체를 포함하는 고분자화합물, 그의 제조방법 및 이 고분자화합물을 함유하는 자외선 차단제 조성물
JP2003081910A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Chemiprokasei Kaisha Ltd ジベンゾイルメタン系誘導体、その製造方法および用途

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