JPH05105522A - 窒化ケイ素系焼結体 - Google Patents

窒化ケイ素系焼結体

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JPH05105522A
JPH05105522A JP3272636A JP27263691A JPH05105522A JP H05105522 A JPH05105522 A JP H05105522A JP 3272636 A JP3272636 A JP 3272636A JP 27263691 A JP27263691 A JP 27263691A JP H05105522 A JPH05105522 A JP H05105522A
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JP
Japan
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silicon nitride
sintered body
sintered compact
crystal grains
sialon
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Pending
Application number
JP3272636A
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English (en)
Inventor
Takao Nishioka
隆夫 西岡
Takehisa Yamamoto
剛久 山本
Kenji Matsunuma
健二 松沼
Akira Yamakawa
晃 山川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に常温において優れた機械的強度を有し、
生産性、コスト面において有利な窒化ケイ素焼結体を提
供することを目的とする。 【構成】 X線回折により実質的に固定される窒化ケイ
素系結晶相として、β−窒化ケイ素(β’−サイアロン
を含む)からなる窒化ケイ素焼結体であって、焼結体中
の任意の2次元断面に観察される平均長軸粒径が2.0
〜5.0μmの柱状型の窒化ケイ素結晶粒の占める割合
が面積率で5%以上30%以下であり、残部が平均粒径
1.0μm以下の六角状もしくは粒状の窒化ケイ素結晶
粒および粒界相よりなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はとくに常温において優れ
た機械的強度を有し、生産性、コスト面において有利な
窒化ケイ素系焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化ケイ素系材料の強度向上を目
的として、焼結方法、焼結助剤、含有結晶相の限定など
様々な研究開発が行われてきた。焼結助剤に関しては、
主たる助剤としてY23を用いたSi34−Al23
23系の窒化ケイ素系焼結体が特公昭49−2109
1号、特公昭48−38448号に開示されている。こ
れらはその特許明細書中に示されているように、β型窒
化ケイ素の結晶粒が焼結体中で繊維状組織を形成し、こ
れがマトリックス中に分散することから強度、靭性を向
上しうるものと考えられている。すなわちこれは、β型
窒化ケイ素の結晶形が六方晶でありC軸方向に結晶が異
方性成長をすることを積極的に利用したものであり、と
くに特公昭48−38448号や窯業協会誌、94巻、
pp96、1986に示されているように、繊維状のβ
−窒化ケイ素結晶粒がC軸方向に10数μm以上に成長
している場合がある。しかしながら、本技術において
は、やはりこの粒成長が異常成長や気孔の発生をまね
き、強度劣化をまねく可能性がある。一方、結晶粒径に
注目し強度の向上を目的とした開示は、特開昭63−1
56070や特開昭63−159259があるがいずれ
もその結晶粒径の限定幅が広く、実質的な強度の向上に
効果のある作用が明確でないと考えられる。以上で述べ
てきた手法では、いずれも得られる焼結体の強度が、例
えばJIS−R1601に準拠した3点曲げ強度で10
0kg/mm2前後が中心であり、様々な窒化ケイ素系
材料の応用を考えた場合、必ずしも十分な特性が得られ
ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におけ
る焼結体の問題点である機械的特性を満足させることが
本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線回折によ
り実質的に固定される窒化ケイ素系結晶相として、β−
窒化ケイ素(β’−サイアロンを含む)からなる窒化ケ
イ素焼結体であって、焼結体中の任意の2次元断面に観
察される平均長軸粒径が2.0〜5.0μmの柱状型の
窒化ケイ素結晶粒の占める割合が面積率で5%以上30
%以下であり、残部が平均粒径1.0μm以下の六角状
もしくは粒状の窒化ケイ素結晶粒および粒界相よりなる
窒化ケイ素結晶粒および粒界相よりなることを特徴とす
る窒化ケイ素系焼結体である。このものはJISR16
01に準拠した3点曲げ強度が容易に130kg/mm
2以上の焼結体が得ることが可能となった。本発明の焼
結体が優れた強度特性を得る効果は、微粒で柱状化した
β−窒化ケイ素(β’−サイアロンを含む)結晶粒と微
粒で等軸に近いβ−窒化ケイ素(β’−サイアロンを含
む)結晶粒を複合させることにより従来の顕著に柱状化
したβ−窒化ケイ素(β’−サイアロンを含む)結晶相
のみで構成された焼結体に比較し、ヤング率、硬度が向
上する。これは材料の変形抵抗を示す物性値であり、セ
ラミック材料のような脆性材料では、この値を向上させ
ることが広義では材料の強度向上につながるためであ
る。さらに脆性材料の破壊の基本概念であるGriff
ithの理論に従えば、焼結体の破壊強度σfは次式で
与えられる。
【0005】σf=E・γs/4a、E;ヤング率、γ
s;破壊の表面エネルギー、a;先在亀裂長さ ここでγsは粒界相の組成と厚みに依存すると考えられ
るため、とくに厚みの点で結晶粒の存在密度を向上させ
る結晶粒の微粒化と結晶相の複合化は有利である。また
本式に従えば、破壊強度を向上させるためにはEの増大
とaの減少が重要である。aの値は工程上不可避な欠陥
寸法を排除すれば、結晶粒径に依存するため、微細結晶
粒で充填性を向上させた本発明はE、γsの点で強度向
上に有効である。
【0006】こうした等軸状の窒化ケイ素と柱状化した
窒化珪素の両方の結晶相を複合させる考え方は、例えば
特開昭61−91065号や特開平2−44066号に
開示されているが、いずれもα’−サイアロン(一般式
X(Si,Al)12(O,N)16 M:Mg、Ca、
Li及び希土類元素)とβ’−サイアロン(β型窒化ケ
イ素を含む)との結晶相の組合せであり、組成的にはS
34−AlN−MO(M;MgO、Y23、CaO
等)の3成分系が主であり、その範囲もAlNとMOの
添加比がモル%で1:9の限定された範囲で、α’−サ
イアロンとβ’−サイアロン(β−窒化ケイ素を含む)
の複合した結晶相を生成させることにより強度等の機械
的特性の向上を示したものであり、またその実施例でも
明らかなように各焼結体の強度特性が曲げ強度で100
kg/mm2を安定して越える焼結体製法はいずれもホ
ットプレス法によるものであり、工業的に安定して高い
強度特性を得るまでに至っていない。また、これらの焼
結体はα’−サイアロンとβ’−サイアロン(β−窒化
ケイ素を含む)の間の熱膨張係数の差が大きく、これが
原因となり焼結体中に引張の残留応力を発生させ、強度
劣化を招く可能性がある。本発明はこうした条件の限定
がなく工業的に安定して高強度な焼結体を提供すること
ができる。
【0007】本発明の焼結体を得るためには、焼結助剤
は窒化珪素表面に依存するSiO2とできるだけ低温で
液相を生成する助剤、例えばMgO、CeO2、Ca
O、La23を用い焼結温度を1650℃以下で焼結す
ることが望ましい。この低温焼結のため異常粒成長に伴
う焼結体の特性劣化を阻止できる。さらには、窒化ケイ
素は大気圧のN2雰囲気下では1700℃以上の温度域
で昇華分解するため、加圧N2雰囲気下で焼結する必要
があり、設備面でバッチ式焼結炉を用いていた。しか
し、この様な低温での焼結が可能となると焼結方法はプ
ッシャー式あるいはベルト式等の開放型連続焼結炉によ
り、同時に生産性の優れた焼結が可能となる。この詳細
な説明を加えると、一般に強度特性に優れた窒化ケイ素
系材料の焼結法としては、いわゆるバッチ式焼結炉によ
るガス圧焼結が主であるが、この方式では炉内の温度分
布のばらつきやロット間の条件ばらつき等が必ず生じる
ために、量産部品等の用途のセラミック材料を安定して
供給する製法としては十分とは言えない。この点からも
本発明はその生産性を同時に向上させた点で工業的に重
要である。
【0008】さらに本発明の効果を顕著にするために
は、焼結体中の任意の2次元断面に観察される平均長軸
粒径が2.0〜5.0μmの柱状型の窒化ケイ素結晶粒
の占める割合が面積率で5%以上30%以下であり、残
部が平均粒径1.0μm以下の六角状もしくは粒状の窒
化ケイ素結晶粒および粒界相から構成されることが重要
である。柱状型の窒化ケイ素結晶粒の平均粒径が2.0
μm未満であると、該結晶粒が分散することによる焼結
体強度向上の効果が十分ではなく、また5.0μmを越
えると該結晶粒が粗大粒として作用するとともに、結晶
粒の充填密度の低下をまねき、やはり焼結体強度の劣化
につながる。一方、等軸状(六角状もしくは粒状)の窒
化ケイ素結晶粒の平均粒径が1.0μmを越えると結晶
粒の充填密度の低下をまねき焼結体の強度劣化につなが
る。さらにこの柱状型と等軸型の結晶粒の複合割合は種
々の割合について焼結体強度の評価を実施した結果、柱
状型の窒化ケイ素結晶粒の占める割合が面積率で5%以
上30%以下が好ましいとの知見を得たものである。更
に、柱状型の窒化ケイ素結晶粒の短軸方向の平均結晶粒
径は該結晶粒の分散効果を十分向上させるためには0.
5μm以下がのぞましい。また、β’−サイアロン(一
般式Si6-ZAlZZ8-Z)のZ値を0<Z<1.0の
範囲にして結晶相を制御すると高強度が安定する。すな
わちZ値が1.0を越えると十分発達した柱状型の窒化
ケイ素結晶相が析出しないためである。
【0009】
【実施例】平均粒径0.4μm、α結晶化率96%、酸
素量1.4重量%の窒化ケイ素原料粉末および、平均粒
径0.8μm、0.4μm、0.5μm、0.3μmの
23、Al23、AlN、MgOの各粉末をエタノー
ル中、100時間、ナイロン製ボールミルにて湿式混合
したのち、乾燥して得られた混合粉末を3000kg/
cm2でCIP成形し、この成形体をN2ガス1気圧中で
〜1750℃で5〜10時間1次焼結した。得られた焼
結体を〜1700℃、1000気圧N2ガス雰囲気中で
1時間、2次焼結した。この焼結体よりJISR160
1に準拠した3mm×4mm×40mm相当の抗折試験
片を切り出し、#800ダイヤモンド砥石により切削加
工仕上げした後、引張面については#3000のダイヤ
モンドペーストによりラッピング仕上げ加工した後、J
ISR1601に準拠して3点曲げ強度を15本ずつ実
施した。表1中には平均結晶粒径、及び曲げ強度を示し
た。さらにβ−窒化ケイ素(β’−サイアロンを含む)
結晶相のZ値について、X線回折法により求めた結果も
同表中に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】本発明の窒化ケイ素焼結体は、特に常温
において優れた機械的強度を有し、生産性、コスト面に
おいて有利なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 晃 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折により実質的に固定される窒化
    ケイ素系結晶相として、β−窒化ケイ素(β’−サイア
    ロンを含む)からなる窒化ケイ素焼結体であって、焼結
    体中の任意の2次元断面に観察される平均長軸粒径が、
    2.0〜5.0μmの柱状型の窒化ケイ素結晶粒の占め
    る割合が面積率で5%以上30%以下であり、残部が平
    均粒径1.0m以下の六角状もしくは粒状の窒化ケイ素
    結晶粒および粒界相よりなることを特徴とする窒化ケイ
    素系焼結体。
  2. 【請求項2】 β−窒化ケイ素(β’−サイアロンを含
    む)の短軸方向の平均結晶粒径が0.5μm以下である
    請求項1記載の窒化ケイ素系焼結体。
  3. 【請求項3】 焼結体中のβ’−サイアロン(一般式:
    Si6-ZAlZZ8-Z)は0<Z<1.0の範囲にある
    請求項1記載の窒化ケイ素系焼結体。
JP3272636A 1991-10-21 1991-10-21 窒化ケイ素系焼結体 Pending JPH05105522A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10150621B2 (en) * 2015-07-29 2018-12-11 Schenck Process S.R.O. Device for protecting the conveyor belt of a tube conveyor against volumetric overloading
JP2019114782A (ja) * 2017-12-21 2019-07-11 京セラ株式会社 セラミック板、半導体装置および半導体モジュール

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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