JPH05103676A - 新規な鞘翅目活性タンパク毒素をコードしたバチルス・チユーリンゲンシス遺伝子 - Google Patents

新規な鞘翅目活性タンパク毒素をコードしたバチルス・チユーリンゲンシス遺伝子

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JPH05103676A
JPH05103676A JP4072171A JP7217192A JPH05103676A JP H05103676 A JPH05103676 A JP H05103676A JP 4072171 A JP4072171 A JP 4072171A JP 7217192 A JP7217192 A JP 7217192A JP H05103676 A JPH05103676 A JP H05103676A
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JP
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toxin
bacillus thuringiensis
dna
coleoptera
secondary structure
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JP4072171A
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Kenneth E Narva
イ−. ナ−バ ケネス
Jewel M Payne
エム. ペイン ジユウエル
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Mycogen Corp
Original Assignee
Mycogen Corp
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/32Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Bacillus (G)
    • C07K14/325Bacillus thuringiensis crystal peptides, i.e. delta-endotoxins

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、組替えDNA運搬ベクタ
ー、細菌宿主、鞘翅類害虫の防除法、殺虫剤組成物、及
び、微生物細胞の提供である。 【構成】 本発明は、新規なバチルス・チューリンゲン
シス(B.t.)単離体のB.t.PS40D1及び/
又はB.t.PS122D3から得られるバチルス・チ
ューリンゲンシス遺伝子に関する。この遺伝子は鞘翅目
に活性のある蛋白質毒素をコードする。本発明の遺伝子
で形質転換した微生物及び植物宿主は、従って鞘翅類昆
虫を抑制するのに使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鞘翅目に活性のある新
規なタンパク毒素をコードしたバチルス・チューリンゲ
ンシス遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】バチルス・チューリンゲンシス(B.t.)は
δ-エンドトキシンと命名される昆虫毒素を生産する。
これはB.t.胞子形成細胞によって合成される。この毒素
は感受性のある昆虫の幼虫によって結晶型で摂取される
と、昆虫の腸液プロテアーゼによって生物学的に活性の
部分に変化する。一次目標は昆虫の腸上皮細胞であり、
これが急速に破壊される。
【0003】B.t.の報告された活性スペクトルは、鱗翅
目(Lepidoptera)内の昆虫種を包含し、その多くは農
林業の主要害虫である。活性スペクトルはまた、蚊とブ
ヨを含む双翅目(Diptera)の昆虫を包含している。コウ
チ・ティー・エル(Couch, T.L.)(1980年)「バチルス・チ
ューリンゲンシス・バラエティ・イスラエレンシス(B.t
huringiensis var. israelensis)の蚊病原性」工業微生
物学の発展22巻61-76頁;ビーグル・シー・シー(Beegl
e, C.C.)(1978年)「農業生態系における昆虫体内細菌の
使用」工業微生物学の発展20巻97-104頁を参照のこと。
クリーグ(Krieg)ら[Z. ang. Ent. (1983年)96巻500-
508頁]は、バチルス・チューリンゲンシス・バラエテ
ィ・テネブリオニス(Bacillus thringiensis var. ten
ebrionis)と名づけられたB.t.分離体を記述している。
これは鞘翅目内の2甲虫に対して活性があると報告され
ている。これらはコロラド・ポテト・ビートル(レプチ
ノタルサ・デケムリネアタ Leptinotarsa decemlineat
a)とアゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)であ
る。
【0004】欧州特許出願第0 202 739号では、鞘翅目
に対して活性のある新規なB.t.分離体が明らかにされて
いる。これはB・チューリンゲンシス・バラエティ・サ
ンディエゴ(B.t.sd.)として知られている。
【0005】B.t.sd.のような鞘翅目活性菌株は、葉を
食べる甲虫類の防除に使用できる。例えばコロラド・ポ
テト・ビートル(レプチノタルサ・デケムリネアタ)
は、B.t.sd.のδ-エンドトキシンに感受性があり、処理
葉上の胞子/結晶製剤の十分な投与量を摂取すると殺虫
される。
【0006】幾つかの作物はノミハムシ(flea beetl
e)に襲われる。これらの甲虫類はハムシ科(Chrysomel
idae)のデケムリネアタ(decemlineata)に属してい
る。成虫は葉を食べることで、広範囲の被害をもたら
す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なB.t.
分離体から得られる新規なバチルス・チューリンゲンシ
ス(B.t.)遺伝子に関する。この遺伝子は、鞘翅目害虫
に対して活性のあるタンパク毒素をコードしている。新
規なB.t.分離体類はバチルス・チューリンゲンシスPS40
D1(B.t.PS40D1)及びバチルス・チューリンゲンシス
PS122D3(B.t.PS122D3)としても知られ、これらから
本発明の新規な遺伝子が得られており、従ってこれらの
分離体類はコロラド・ポテト・ビートル(レプチノタル
サ・デケムリネアタ)に対して活性であることが示され
た。遺伝子は、形質転換宿主を得るために、他の微生物
及び植物の形質転換用に使用できる。
【0008】本発明はまた、B.t.PS40D1及び/又はB.
t.PS122D3と実質的に同じ殺虫性状をもった形質転換宿
主の突然変異株をも包含する。突然変異株をつくる手順
は、微生物学の技術で周知である。紫外線とニトロソグ
アニジンがこの目的に広く使用される。
【0009】更に本発明は、実質的に無傷の細胞を目標
害虫環境に施用する時に殺虫活性を持続させるための、
実質的に無傷の形質転換された微生物宿主細胞の処理を
包含する。このような処理は、毒素の性状に悪影響を及
ぼさないか、又は毒素を保護する細胞能力を消滅させな
い限り、化学的又は物理的手段によるか、又は化学的及
び物理的手段の組合わせによる。毒素は目標害虫に摂取
されると、毒素としての作用に利用可能なものとなる。
【0010】
〔B.t.PS40D1の特性〕
集落形態 − B.t.に典型的な大集落で、表面はくすん
でいる。 増殖期の細胞形態 -- B.t.に典型的。 培養方法 − B.t.に典型的。 鞭毛の血清型 − PS40D1は 血清種(serovar) 8a8b,
モリソニに属している。 細胞内封入体 -- 胞子形成細胞は2個の結晶封入体を
つくり、一つは平らな四角形、他方は平らなダイアモン
ド形である。 プラスミド調製物 − プラスミド調製物のアガロース
ゲル電気泳動は、B.t.PS40D1をB.t.sd.及びその他のB.
t.分離体と区別している。 アルカリ可溶性タンパク − SDSポリアクリルアミド
ゲルは、72,000ダルトンのタンパク、64,000ダルトンの
タンパク、及び30,000ダルトンのタンパクを示す。 鞘翅目毒素 − 生物検定は、1.76μg/mlのLC50でコロ
ラド・ポテト・ビートルに対する活性を示す。 〔B.t.PS122D3の特性〕 集落形態 − B.t.に典型的な大集落で、表面はくすん
でいる。 増殖期の細胞形態 -- B.t.に典型的。 培養方法 − B.t.に典型的。 鞭毛の血清型 − PS122D3は血清種(serovar)モリソ
ニに属している。 細胞内封入体 − 四角のウェハー形。 プラスミド調製物 − プラスミド調製物のアガロース
ゲル電気泳動は、B.t.PS122D3をB.t.sd.及びその他の
B.t.分離体と区別している。 アルカリ可溶性タンパク − SDSポリアクリルアミド
ゲルは、64及び72キロダルトンのタンパクを示す。 鞘翅目毒素 − 生物検定は、懸濁液ml当たりタンパク
2.4μgのLC50でコロラド・ポテト・ビーに対する活性を
示す。
【0011】周知のB.t.菌株B・チューリンゲンシス・
バラエティ・カースタキ(HD-1)、B・チューリンゲン
シス・バラエティ・サンディエゴ(B.t.sd.)、及びB
・チューリンゲンシスPS40D1(B.t.PS40D1)の特性比
較を表1に示す。 表1.B.t.HD-1、B.t.PS40D1、及びB.t.sd.の比較 B.t.HD-1 B.t.PS40D1 B.t.sd. 血清種(serovar) カースタキ モリソニ モリソニ 封入体の型 双ピラミッド 四角形とダ 四角ウェハー形 イヤモンド形 主アルカリ可溶性 130,000 72,000 64,000* タンパクの大きさ 60,000 64,000 30,000宿主範囲 鱗翅目 鞘翅目 鞘翅目 * 条件によっては、72,000ダルトンのタンパクもつくられる。
【0012】周知のB.t.菌株B・チューリンゲンシス・
バラエティ・サンディエゴ(B.t.sd.)とB・チューリ
ンゲンシスPS122D3(B.t.PS122D3)の特性を比較する
と、LC50が、B.t.sd.の懸濁液ml当たりタンパク2.7μg
に比べて、PS122D3では懸濁液ml当たりタンパク2.4μg
であることがわかる。この比較は、下に述べるコロラド
・ポテト・ビートル(CPB)に対する標準的な葉浸漬生
物検定に基づいて行なわれた。
【0013】本発明の培養基は、61604合衆国イリノイ
州ピオリア、ノース・ユニヴァーシティ・ストリート18
15番地、北部地域研究センター、農業研究サービス特許
培養基保存施設(NRRL)に寄託された。 培養基 呼出番号 寄託期日 バチルス・チューリンゲンシスPS40D1 NRRL B-18300 1988年2月3日 バチルス・チューリンゲンシスPS122D3 NRRL B-18376 1988年6月9日
【0014】本培養基は、37 CFR1.14及び35 USC 122の
下に特許庁長官に権原ありと認められた者は、本願と対
応する米国特許出願の係属中培養基を入手できることを
保証されるとの条件により寄託された。また、本出願又
はその子孫の対応特許出願が提出されている国々の特許
法で要求されなら寄託物は入手できる。しかし、寄託物
が入手できるからといって、行政行為によって付与され
た特許権を損わしめて本発明を実施する権利を構成する
ものではないことを理解すべきである。
【0015】更に、本培養基寄託物は、ブタペスト微生
物寄託条約の規定に従って保存され、一般の人々に入手
可能とされる。すなわち、寄託物の試料提供に対する最
も最近の請求後少なくとも5年間、かつどんな場合も、
寄託期日から少なくとも30年間か、又は培養基を開示し
て発行される特許の権利行使可能な期間中、これらの寄
託物は、生育可能で汚染されていない状態に保つために
必要なあらゆる配慮をもって保存される。要求を受けた
受託施設が、寄託物の状態のために試料を供給できない
場合には、寄託者は寄託物を補充する義務を認めるもの
である。本培養基寄託物の一般への入手可能性に関する
すべての制限は、これらを開示した特許の付与に際して
永久に取り除かれる。
【0016】B.t.PS40D1(NRRL B-18300)及びB.t.PS1
22D3(NRRL B-18376)は、標準技術の培地及び発酵法
を用いて培養基にすることができる。発酵周期が完了し
たら、この技術で周知の手段によって初めに発酵液から
B.t.胞子及び結晶を分離することによって、細菌を収穫
できる。回収されたB.t.胞子及び結晶は、表面活性剤、
分散剤、不活性担体、及び特定目標害虫用に取扱いと施
用を容易にするためのその他成分を添加することによっ
て、水和剤、濃厚液、粒剤、その他処方剤に処方でき
る。処方及び施用手順はこの技術に周知である。
【0017】B.t.PS40D1及びB.t.PS122D3に保有され
ている鞘翅目活性遺伝子は、本明細書で明らかにされて
いるとおり、これらによって発現されるタンパクに関す
る情報と、合衆国特許第4,771,131号で明らかにされて
いる周知のクローニング手順を用いて、クローン化でき
る。
【0018】本発明の新規な分離体によって保たれてい
る毒素遺伝子は、広範囲の微生物宿主へ導入できる。毒
素遺伝子の発現は、直接又は間接に殺虫剤の細胞内生産
と保持をもたらす。適当な宿主、例えばシュードモナス
の場合、微生物は鞘翅目害虫発生位置に施用されると、
そこで増殖し、害虫に摂取される。その結果、望んでい
ない害虫を防除できる。その代わりに、毒素遺伝子をも
った微生物を、細胞内でつくられる毒素の活性を持続さ
せるような条件下に処理できる。次に処理細胞を目標害
虫環境に施用できる。生ずる生成物はB.t.毒素の毒性を
保持している。
【0019】B.t.毒素遺伝子が適当なベクターを経て微
生物宿主へ導入されて、この宿主が生きている状態で環
境へ施用される場合に、ある宿主微生物を使用すること
が必須である。微生物宿主は、土壌を占有することが知
られたものを選択する。これらの微生物は、土壌中で野
性型微生物とうまく競合できるように選ばれ、ポリペプ
チド殺虫剤を発現させる遺伝子の安定な維持と発現を提
供し、望ましくは殺虫剤に対して環境的劣化と不活性化
からの改良された保護を提供する。
【0020】葉面(植物の葉の表面)及び/又は根の領
域(植物の根の周囲の土壌)に生息する多数の微生物が知
られている。これらの微生物は細菌、藻類及びカビを包
含している。特に興味あるものは、細菌、例えば、シュ
ードモナス(Pseudomonas)、エルウィニア(Erwinia)、セ
ラティア(Serratia)、クレブシェラ(Klebsiella)、キサ
ントモナス(Xanthomonas)、ストレプトミセス(Streptom
yces)、リゾビウム(Rhizobium)、ロードシュードモナス
(Rhodopseudomon-as)、メチロフィリウス(Methylophili
us)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、アセトバク
ター(Acetobacter)、乳酸杆菌(Lactobacillus)、アース
ロバクター(Arthrobacter)、アゾトバクター(Azotobact
er)、リューコノストック(Leuconost-oc)、及びアルカ
リゲネス(Alcaligenes)属の細菌;カビ類、特に酵母、
例えばサッカロミセス(Saccharomyces)、クリプトコッ
カス(Cryptococcus)、クルイベロミセス(Kluyveromyce
s)、スポロボロミセス(Sporobolomyces)、ロードトルラ
(Rhodotorula)、及びオーレオバシジウム(Aureobasidiu
m)属などの微生物である。特に重要なものは、シュード
モナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、シュード
モナス・フルオレッセンス、セラティア・マルセスケン
ス(Serratia marcescens)、アセトバクター・キシリヌ
ム(Acetobacter xylinum)、アグロバクテリウム・ツメ
ファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、ロードシ
ュードモナス・スフェロイデス(Rhodopseudomonas sphe
roides)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomona
s campestris)、リゾビウム・メリオチ(Rhizobium mel
ioti)、アルカリゲネス・エントロフス(Alcaligenes en
trophus)、及びアゾトバクター・ヴィンランディ(Azoto
bacter vinlandii)のような植物領域の細菌種;及びロ
ードトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)、R.グルチニ
ス(R. glutinis)、R.マリーナ(R. marina)、R.オーラン
ティアカ(R.aurantiaca)、クリプトコッカス・アルビダ
ス(Cryptococcusalbidus)、C.ジフルエンス(C. difflue
ns)、C.ローレンティ(C. laurentii)、サッカロミセス
・ロゼイ(S. rosei)、S.プレトリエンシス(S. pretorie
nsis)、S.セレビシエ(S. cerevisiae)、スポロボロミセ
ス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)、S.オドルス(S.
odorus)、クルイベロミセス・ヴェローナエ(Kluyverom
yces veronae)及びオーレオバシジウム・ポルランス(Au
reobasidium pollulans)のような植物領域の酵母種であ
る。特に重要なのは有色素微生物である。
【0021】遺伝子の安定な保持と発現を可能とするよ
うな条件下に、毒素を発現させるB.t.遺伝子を微生物宿
主に導入するには、さまざまな方法を利用できる。毒素
遺伝子発現用の転写翻訳調節信号とその調節制御下の毒
素遺伝子、及び組込みを行なうための宿主生物内の配列
と相同のDNA配列、また組込みや安定な保持が起こるた
めの、宿主内で機能的な複製系などを含んだDNA構造
体を用意することができる。
【0022】転写開始信号はプロモータと転写開始出発
位置を含む。ある場合には、毒素の調節的発現を提供し
て、毒素の発現が環境への放出後にのみ生ずるようにす
るのが望ましいこともある。これはオペレータ、又はア
クチベータやエンハンサに結合する領域、によって達成
でき、これらは微生物の物理的又は化学的環境の変化に
よって誘発できる。例えば、温度感受性調節領域を使用
すると、生物は毒素を発現せずに実験室で生育でき、環
境へ放出されると発現が始まる。他の手法は、実験室で
毒素の発現を抑制する特定的な栄養培地を使用し、一方
環境中での栄養培地は毒素発現を可能とするものを使用
できる。転写開始には、リボソーム結合位置と開始コド
ンが存在しよう。
【0023】メッセンジャーRNAの安定性を強化する配
列を使用すると共に、特に活性プロモータを使用してメ
ッセンジャーRNAの発現を強化するために種々の操作
を使用できる。転写及び翻訳終結領域は停止コドン、終
結領域、及び任意にポリアデニル化信号を含む。
【0024】転写の方向、すなわちコーディング又はセ
ンス配列の5'から3'への方向で、構造体は転写調節領域
(これがある場合)とプロモータ(制御領域はプロモータ
の5'又は3'のいずれかにある)、リボゾーム結合位置、
開始コドン、開始コドンと同調する開放読取り枠をもっ
た構造遺伝子、停止コドン、ポリアデニル化信号配列
(使用する場合)、及び終結領域を含む。二本鎖としての
この配列はそれ自体微生物宿主の形質転換に使用できる
が、通常マーカーを含めたDNA配列を伴っており、この
第二のDNA配列は宿主へのDNA導入中に毒素発現構造体に
結合させることができる。
【0025】マーカーとは、変更又は形質転換された宿
主の選定を行なうための構造遺伝子のことである。マー
カーは通常、選択的利点を提供するもので、例えば抗生
物質や重金属への耐性などの殺生物剤耐性や、栄養素要
求宿主に原栄養性を与える相補性を提供する。変更され
た宿主が選定されるだけでなく、野外で競合的であるよ
うに、相補性を使用するのが好ましい。構造体の開発
に、また宿主の変更に、一つ以上のマーカーを使用でき
る。野外で他の野性型微生物に対する競合的利点を提供
することによって、生物を更に変更できる。例えば、金
属キレート剤、例えばシデロフォア類の発現用遺伝子
を、毒素発現用の構造遺伝子と一緒に宿主へ導入でき
る。この方法で、シデロフォアの強化された発現が毒素
生産宿主に競合的利点を提供するため、宿主は野性型微
生物と効果的に競合し、環境中で安定した生態的地位を
占めるようになる。
【0026】機能的な複製系が存在しない場合、構造体
は宿主内の配列と相同な、少なくとも50塩基対(bp)、好
ましくは少なくとも約100 bp、及び通常約1,000 bpまで
の配列を含む。こうして合法的な組換えの可能性が強化
されるため、遺伝子は宿主へ組込まれ、宿主によって安
定に保持される。毒素遺伝子が相補性を提供する遺伝子
並びに競合的利点を提供する遺伝子に近接しているのが
望ましい。従って、毒素遺伝子が失われる場合、生ずる
生物は相補性遺伝子及び/又は競合的利点を提供する遺
伝子も失う可能性が強く、このため無傷の構造体を保持
している遺伝子と環境中で競合できなくなる。
【0027】細菌、バクテリオファージ、シアノバクテ
リア、藻類、真菌類等のような広範囲の微生物宿主から
多数の転写調節領域が入手できる。種々の転写調節領域
は、trp遺伝子、lac遺伝子、gal遺伝子、ラムダ左及び
右プロモータ、Tacプロモータ、及び宿主中で機能的な
場合は毒素遺伝子と関連して天然に生ずるプロモータを
包含する。例として合衆国特許第4,332,898号、第4,34
2,832号及び第4,356,270号を参照のこと。終結領域は、
普通は転写開始領域又は別の転写開始領域(二つの領域
が宿主内で適合的で機能的である限りにおいて)と関連
する終結領域でありうる。
【0028】安定なエピゾーム保持又は組込みを所望す
る場合は、宿主中で機能的な複製系をもったプラスミド
が使用されよう。複製系は染色体、宿主又は異なる宿主
内に通常存在するエピゾーム要素から、又は宿主内で安
定なウイルスの複製系から誘導される。pBR322、pACYC1
84、RSF1010、pRO1614等のような多数のプラスミドが入
手できる。例として、オルソン(Olson)ら、(1982年) J.
Bacteriol. 150巻6069頁、及びバグダサリアン(Bagdas
arian)ら、(1981年) Gene 16巻237頁、並びに合衆国特
許第4,356,270号、第4,362,817号、及び第4,371,625号
を参照のこと。
【0029】B.t.遺伝子は開始領域の調節制御下にある
ように、転写翻訳開始領域と転写翻訳終結領域との間に
導入できる。この構造体はプラスミドに含有され、プラ
スミドは少なくとも一つの複製系を包含するが、一つ以
上を包含でき、その場合一つの複製系はプラスミドの開
発中にクローニング用に使用され、第二の複製系は最終
宿主での機能発揮に必要である。更に、すでに述べた一
つ以上のマーカーが存在できる。組込みを望む場合は、
プラスミドは宿主ゲノムと相同の配列を含むのが望まし
い。
【0030】形質転換体は、通常、未変更生物や運搬生
物が存在する時は、それらに対して所望生物を選定でき
るように、慣用の方法に従って選定手法を使用して単離
できる。次に形質転換体を殺虫活性のために試験でき
る。
【0031】処理細胞を目標害虫環境に施用する時に細
胞内毒素の活性を持続させるために、殺虫剤含有細胞を
処理するのに適した宿主細胞は、原核生物か真核生物を
包含するが、通常、哺乳類のような高等動物に有毒な物
質を生じない細胞に限定される。しかし、毒素が不安定
か、哺乳類宿主への毒性の可能性を回避するのに十分な
低い施用水準である場合には、高等生物に有毒な物質を
つくる生物も使用できる。宿主として特に興味あるもの
は、原核生物と、真菌類のような低級真核生物である。
グラム陰性・陽性双方の原核生物の例はエシェリキア(E
scherichia)、エルウィニア(Erwinia)、シゲラ(Shigell
a)、サルモネラ(Salmonella)及びプロテウス(Proteus)
のような腸内細菌科(Enterobacteriaceae);バチルス科
(Bacil-laceae);リゾビウム(Rhizobium)のようなリゾ
ビウム科(Rhizobiaceae);発光細菌、ジモモナス(Zymom
onas)、セラティア(Serratia)、アエロモナス(Aeromona
s)、ビブリオ(Vibrio)、デスルホビブリオ(Desulfovibr
io)、スピリルム(Spirillum)のようならせん菌科;乳酸
かん菌科;シュードモナス(Pseudomonas)及びアセトバク
ター(Acetobacter)のようなシュードモナス科;アゾト
バクター科、及びニトロバクター科を包含する。真核生
物には藻菌類(Phycomycetes)と子のう菌類(Ascomycete
s)のような真菌類があり、これはサッカロミセス(Sacch
aromyces)とシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)
のような酵母、ロードトルラ(Rhodotorula)、オーレオ
バシジウム(Aureobasidium)、スポロボロミセス(Sporob
olomyces)のような担子菌類(Basidiomycetes)酵母を包
含する。
【0032】生産目的のために宿主細胞を選択する上で
特に重要な特性は、B.t.遺伝子の宿主への導入の容易
さ、発現系の入手性、発現効率、宿主中の殺虫剤の安定
性、及び補助的遺伝能力の存在を包含する。殺虫剤ミク
ロカプセルとして使用するのに重要な特性は厚い細胞
壁、色素形成、及び封入体の細胞内パッケージング又は
形成のような殺虫剤保護性;葉親和性;対哺乳類毒性の
欠如;害虫に摂取させるための誘引力;毒素に損害を与
えない殺菌固定の容易さ等を包含する。他の考慮として
は、処方と取扱いの容易さ、経済性、保存安定性等があ
る。
【0033】特に重要な宿主生物は、ロードトルラ種、
オーレオバシジウム種、サッカロミセス種、スポロボロ
ミセス種のような酵母;シュードモナス種、エルウィニ
ア種、及びフラボバクテリウム種のような葉面に生息す
る生物;又はエシェリキア、乳酸杆菌種、バチルス種等
の他の生物を包含する。特定的な生物は、シュードモナ
ス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュード
モナス・フルオレッセンス(P.fluorescens)、サッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、バチ
ルス・チューリンゲンシス、大腸菌、枯草菌(B.subtili
s)等を包含する。
【0034】細胞は通常、無傷であって、処理時に胞子
型よりも実質的に増殖型にあるが、ある場合には胞子も
使用できる。
【0035】微生物細胞、例えばB.t.毒素遺伝子を含有
する微生物の処理は、毒素の性状に悪影響を及ぼさない
か、又は毒素を保護する細胞能力を消滅させない限り、
化学的又は物理的手段によるか、又は化学的及び物理的
手段の組合わせによる。化学的試薬の例はハロゲン化
剤、特に原子番号17-80のハロゲンである。もっと特定
的には、ヨウ素を温和な条件下に、所望の結果を達成す
るのに十分な時間に使用できる。他の適当な手法は、ホ
ルムアルデヒドとグルタルアルデヒドのようなアルデヒ
ド類;塩化ゼフィランと塩化セチルピリジニウムのよう
な抗感染剤;イソプロピルアルコールとエタノールのよ
うなアルコール類;ルゴールヨウ素、ブアン固定剤、及
びヘリー固定剤[フマソン(Humason)、グレッチェン・
エル(Gretch-en, L.)「動物組織手法」ダブリュー・エ
ッチ・フリーマン社、1967年、を参照]のような種々の
組織学的固定剤等での処理;又は宿主動物に細胞を投与
する時に細胞中につくられる毒素の活性を保存し、持続
させるような物理的処理(加熱)と化学薬剤処理との組
合わせを包含する。物理的手段の例は、ガンマ放射線と
X線のような短波長放射線、凍結、UV照射、凍結乾燥等
である。
【0036】一般に細胞は、環境条件に対する耐性を強
化するような、強化された構造安定性をもつであろう。
殺虫剤がプロ型の場合は、目標害虫病原体による殺虫剤
のプロ型から成熟型への加工を抑制しないように、不活
性化方法を選定すべきである。例えばホルムアルデヒド
はタンパクを架橋し、プロ型ポリペプチド殺虫剤の加工
を抑制しうる。不活性化ないし殺虫方法は、毒素の少な
くとも実質量の生物学的利用率又は生物活性を保持す
る。
【0037】B.t.殺虫剤遺伝子を含有する細胞宿主は任
意慣用の栄養培地で生育できるが、DNA構造体は選択
的利点を提供するため、細胞の全量又は実質的全量がB.
t.遺伝子を保持するように選択培地となる。次にこれら
の細胞を慣用方法に従って取り入れる。その代わりに、
細胞を取り入れる前に処理することもできる。
【0038】B.t.細胞を種々の方法で処方できる。これ
らを無機鉱物(フィロ珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩
等)又は植物材料(粉末トウモロコシ穂軸、もみ殻、クル
ミ殻等)と混合することにより、水和剤、粒剤又は粉剤
として使用できる。処方剤は展粘着助剤、安定化剤、そ
の他殺虫添加物、又は表面活性剤を包含できる。液体処
方剤は水性基盤又は非水性基盤のもので、フォーム、ゲ
ル、懸濁液、乳剤等として使用できる。成分は流動剤、
表面活性剤、乳化剤、分散剤又は重合体を包含できる。
【0039】殺虫剤濃度は特定処方剤の性質、特に濃縮
液か直接使用されるかによって、広範囲にわたる。殺虫
剤は少なくとも1重量%で存在し、100重量%でありうる。
乾燥処方剤は約1-95重量%の殺虫剤をもつが、液体処方
剤は一般に約1-60重量%の固形分を液相中にもつであろ
う。処方剤は概してmg当たり約102ないし約104個の細胞
をもつであろう。これらの処方剤はヘクタール当たり約
50 mg(液体又は乾燥)ないし1 kg以上の率で投与されよ
う。
【0040】処方剤は鞘翅目害虫環境、例えば植物、土
壌、又は水に噴霧、散布、散水等によって施用できる。
【0041】本発明の新規な分離体の突然変異株は、こ
の技術で周知の手順によってつくることができる。例え
ば、胞子非形成変異株は新規な分離体のエチルメタンス
ルホネート(EMS)変異誘発によって得られる。また、
この技術で周知の手順により、紫外線及びニトロソグア
ニジンを用いて突然変異株をつくることができる。
【0042】小さな割合の胞子非形成変異株は無傷にと
どまり、長期の発酵のあいだ溶菌しない。これらの菌株
は溶菌マイナス(-)と指定される。溶菌マイナス菌株
は振とうフラスコの培地中で胞子非形成変異株を検査
し、発酵の終りにまだ無傷で毒素結晶を含有する突然変
異株を選定することによって確認できる。溶菌マイナス
菌株は、保護されカプセル封入された毒素タンパクを生
ずるような細胞固定化法に適している。
【0043】上記の胞子非形成変異株のファージ耐性変
種をつくるには、ファージ溶菌液のアリコートを栄養寒
天上に広げ、乾燥させる。次に、ファージ感受性菌株の
アリコートを乾燥した溶菌上に直接プレートし、乾燥さ
せる。プレートを30℃で培養する。プレートを2日間培
養し、この時点で多数の集落が寒天上に生育しているの
を観察できる。これらの集落の幾つかを取り上げ、栄養
寒天プレート上で二次培養する。これらの明白な耐性培
養基をファージ溶菌液との交差線条接種によって耐性に
ついて試験する。ファージ溶菌液の1本の線をプレート
上に線条接種し、乾燥させる。次に、推定上の耐性培養
基をファージ線に交差するように線条接種する。耐性菌
の培養基は、30℃で一夜培養後、ファージ線に交差する
線条のどこでも溶菌を示さない。次に、ファージ耐性
は、栄養寒天プレート上に耐性培養基を一面にプレート
することによって再確認される。陽性対照として役立た
せるため、感受性菌株も同様にプレートする。乾燥後、
ファージ溶菌液の一滴をプレート中心部に撒き、乾燥さ
せる。耐性培養基は、30℃で24時間培養後、ファージ溶
菌液を置いた場所で溶菌を示さなかった。
【0044】本発明はまた、本明細書で明らかにされた
鞘翅目毒素の突然変異株を包含し、その場合に上記の突
然変異株はタンパクの二次構造を変更しないか、又は構
造が変更される場合には生物活性がある程度保持され
る。
【0045】
【実施例】以下は、本発明を実施するために、最善の方
式を含めた手順を例示している実施例である。これらの
実施例は限定的に考えられてはならない。他に注意がな
ければ、百分率はすべて重量、溶媒混合物の割合はすべ
て容量による。 実施例1 B.t.PS40D1(NRRL B-18300)及びB.t.PS122
D3(NRRL B-18376)の培養 B.t.微生物の二次培養基を使用して次の培地、すなわち
ペプトン・ブドウ糖・塩培地に接種した。 バクト・ペプトン 7.5 g/l ブドウ糖 1.0 g/l KH2PO4 3.4 g/l K2HPO4 4.35 g/l 塩溶液 5.0 ml/l CaCl2溶液 5.0 ml/l pH 7.2 塩溶液(100 ml) MgSO4・7H2O 2.46 g MnSO4・H2O 0.04 g ZnSO4・7H20 0.28 g FeSO4・7H2O 0.40 g CaCl2溶液(100 ml) CaCl2・2H2O 3.66 g
【0046】塩溶液とCaCl2溶液を濾過滅菌し、オート
クレーブ処理し調理ずみブロスに、接種時に添加する。
200 rpmで操作される回転振とう機で、フラスコを30
℃、64時間培養する。
【0047】上の手順は、この技術で周知の手順によ
り、大発酵装置まで容易に規模拡大できる。
【0048】上の発酵で得られるB.t.胞子及び/又は結
晶は、この技術で周知の手順により単離できる。しばし
ば用いられる手順は、取り入れた発酵液を分離手順、例
えば遠心分離にかけることである。
【0049】実施例2 バチルス・チューリンゲンシス
PS40D1(NRRL B-18300)の胞子及び結晶の試験 B.t.PS40D1(NRRL B-18300)の胞子及び結晶を、コロ
ラド・ポテト・ビートル(CPB)に対して試験した。B.
t.PS40D1はCPB検定で1.76μg/mlのLC50をもっている。
コロラド・ポテト・ビートルについての検定を以下のよ
うに行なった。
【0050】CPB生物検定−レプチノタルサ・デケムリ
ネアタの第二齢初期の幼虫をポテトの葉に置き、葉をバ
チルス・チューリンゲンシス製剤を含有する懸濁液中に
浸した。幼虫を25℃で4日間培養し、幼虫致死率を記録
し、プロビット分析を用いて分析した。
【0051】実施例3 B.t.PS122D3(NRRL B-18376)
胞子及び結晶の試験 B.t.PS122D3(NRRL B-18376)胞子及び結晶を、コロラ
ド・ポテト・ビートル(CPB)に対して試験した。B.t.P
S122D3は検定でタンパク2.4μg/mlのLC50をもってい
る。コロラド・ポテト・ビートルについての検定を実施
例2のとおりに行なった。
【0052】実施例4 B.t.PS122D3とB.t.sd.におけ
る毒素生産の比較 上の培地の組成は次のとおりである。 pHを6.8に調整する。ブドウ糖を別個に滅菌する。 pHを6.8に調整する。ブドウ糖を別個に滅菌する。実施
例1に挙げた発酵条件を使用できる。
【0053】この実施例で得られた結果は、PS122D3が
B.t.sd.よりかなり多量の毒素をつくることを示してい
る。バレイショでの1988年の小区画野外試験からの予備
的データは、PS122D3の10%水性処方剤が、B.t.sd.の
同等の処方剤よりCPBに対して高水準の活性をもつこと
を示している。これらの試験で、エーカー当たり2クォ
ート及び3クォートのPS122D3の処方率は、エーカー当
たり3−8クォートのB.t.sd.処方率より著しく高水準
の保護をバレイショ苗木にもたらした。上のデータは、
プラスミドの相違とともに、鞘翅目に活性のあるこれら
二つのB.t.分離体を明確に区別している。
【0054】実施例5 毒素遺伝子の植物への挿入 本明細書で明らかにされている新規な毒素をコードし
た、本発明のB.t.分離体から得られる新規な遺伝子は、
アグロバクター・ツメファシエンス(Agrobactertumefac
iens)からのTiプラスミドを使用して、植物細胞へ挿入
できる。次に植物細胞を植物へ再生させる[ザンブリス
キ・ピー(Zambryski, P.)、ジョース・エッチ(Joos,
H.)、ジェンテロ・シー(Gentello, C.)、リーマンス・
ジェイ(Leemans, J.)、バン・モンタギュー・エム(Van
Montague, M.)、及びシェル・ジェイ(Schell, J.)(1983
年) Cell 32巻1033-1043頁]。この点で、特に有用なベ
クターはpEND4Kである[クリー・エッチ・ジェイ(Klee,
H.J.)、ヤノフスキー・エム・エフ(Yanofsky, M.F.)及
びネスター・イー・ダブリュー(Nester, E.W.)(1985年)
Bio/Technology 3巻637-642頁]。このプラスミドは、植
物細胞と細菌中で複製でき、パッセンジャー遺伝子に対
して複数のクローニング位置をもっている。例えば毒素
遺伝子はpEND4KのBamHI部位へ挿入され、大腸菌中で増
殖し、適当な植物細胞へ形質転換される。
【0055】実施例6 新規なB・チューリンゲンシス
遺伝子のバクロウイルスへのクローニング 本発明のB.t.分離体から得られる新規な遺伝子を、オー
トグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)
核ポリヘドロシスウイルス(AcNPV)のようなバクロウイ
ルスへクローン化できる。pUC8のような市販のクローニ
ングベクターにクローン化されたAcNPVゲノムを含有す
るプラスミドを構築できる。AcNPVゲノムを変更し、ポ
リヘドリン遺伝子のコード領域が除かれて、パッセンジ
ャー遺伝子の特異なクローニング位置がポリヘドリンプ
ロモータの真後ろに置かれるようにする。このようなベ
クターの例は、ペノックら[ペノック・ジー・ディー(P
ennock, G.D.)、シューメーカー・シー(Shoemaker,C.)
及びミラー・エル・ケイ(Miller, L. K.)(1984年)Mol.
Cell Biol. 4巻399-406頁]に記述されたpGP-B6874、及
びスミスら[スミス・ジー・イー(Smith,G.E.)、サマー
ズ・エム・ディー(Summers, M.D.)及びフレーザー・エ
ム・ジェイ(Fraser, M.J.)(1983年)Mol.Cell Biol. 3巻
2156-2165頁]に記述されたpAC380である。本発明の新規
なタンパク毒素をコードした遺伝子は、コード領域から
上流及び下流の適当な領域で、BamHIリンカーによって
変更でき、AcNPVベクター類の一つのもののパッセンジ
ャー位置に挿入できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、B.t.PS40D1の電子顕微鏡写真である、生物の
形態を示す写真である。 図2は、B.t.PS40D1中の2
種の結晶の電子顕微鏡写真である、生物の形態を示す写
真である。図3は、B.t.sd.及びB.t.PS40D1の標準SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動の写真である。図4
は、B.t.PS40D1とB.t.sd.からのプラスミド調製物のア
ガロ−スゲル電気泳動の写真である。図5は、B.t.sd.
及びB.t.PS122D3の標準SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動の写真である。図6は、B.t.sd.及びB.t.PS122D
3からのプラスミド調製物のアガロ−スゲル電気泳動の
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 7236−4B 5/10 //(C12N 15/32 C12R 1:07) (72)発明者 ジユウエル エム. ペイン アメリカ合衆国 92126 カリフオルニア 州 サンデイエゴ ヘンプヒル ドライブ 7984

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鞘翅目害虫に活性のある毒素又は蛋白質
    の二次構造が変化していないか又は二次構造が変化して
    いても生物活性がある程度保持されている該毒素の突然
    変異物をコードしたDNAを含めてなる組替えDNA運
    搬ベクターであって、該毒素がバチルス・チューリンゲ
    ンシスPS40D1又はバチルス・チューリンゲンシスPS122
    D3から得られるDNAの発現によって得られるもので
    ある、組替えDNA運搬ベクター。
  2. 【請求項2】 原核生物又は真核生物宿主に運搬され、
    その中で複製される、請求項1に記載のDNA運搬ベク
    ター。
  3. 【請求項3】 鞘翅目害虫に活性のあるバチルス・チュ
    ーリンゲンシス毒素又は蛋白質の二次構造が変化してい
    ないか又は二次構造が変化していても生物活性がある程
    度保持されている該毒素の突然変異物を発現させるよう
    に形質転換されている細菌宿主であって、上記の毒素が
    バチルス・チューリンゲンシスPS40D1又はバチルス・
    チューリンゲンシスPS122D3から得られるDNAの発現
    によって得られるものである、細菌宿主。
  4. 【請求項4】 シュードモナス(Pseudomonas)、バチル
    ス(Bacillus)、アゾトバクター(Azotobacter)、エルウ
    ィニア(Erwinia)、セラティア(Serratia)、クレブシェ
    ラ(Klebsiella)、リゾビウム(Rhizobium)、ロードシュ
    ードモナス(Rhodopseudomonas)、メチロフィリウス(Met
    hylophilius)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、
    アセトバクター(Acetobacter)、又はアルカリゲネス(Al
    caligenes)の種である、請求項3に記載の微生物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の微生物を鞘翅目害虫
    へ、又は上記害虫の環境へ投与することを含めてなる、
    鞘翅目害虫の防除法。
  6. 【請求項6】 目標害虫環境に施用されると持続的な殺
    虫活性をもった実質的に無傷の処理細胞を含有する殺虫
    剤を含めてなる殺虫剤組成物であって、上記の殺虫剤が
    鞘翅目害虫に有毒なポリペプチドで、細胞内にあり、鞘
    翅目害虫に活性のあるバチルス・チューリンゲンシス毒
    素又は蛋白質の二次構造が変化していないか又は二次構
    造が変化していても生物活性がある程度保持されている
    該毒素の突然変異物を発現できる形質転換微生物の発現
    結果としてつくられ、上記の毒素がバチルス・チューリ
    ンゲンシスPS40D1又はバチルス・チューリンゲンシスP
    S122D3から得られるDNAの発現によって得られるも
    のである、殺虫剤組成物。
  7. 【請求項7】 腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、バチ
    ルス科(Bacillaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、
    らせん菌科、乳酸かん菌科、シュードモナス科、アゾト
    バクター科、及びニトロバクター科からなる群から選ば
    れる、請求項6に記載の殺虫剤組成物。
  8. 【請求項8】 上記の低級細胞が、藻菌類(Phycomycete
    s)、子のう菌類(Ascomycetes)、及び担子菌類(Basidiom
    ycetes)からなる群から選ばれる、請求項6に記載の殺
    虫剤組成物。
  9. 【請求項9】 細胞内毒素を含有する実質的に無傷の、
    処理された単細胞微生物細胞であって、該毒素は、鞘翅
    目害虫に活性のあるポリペプチド毒素又は蛋白質の二次
    構造が変化していないか又は二次構造が変化していても
    生物活性がある程度保持されている該毒素の突然変異物
    をコードした、鞘翅目害虫に有毒なバチルス・チューリ
    ンゲンシス毒素遺伝子の発現の結果物であり、上記の毒
    素がバチルス・チューリンゲンシスPS40D1又はバチル
    ス・チューリンゲンシスPS122D3から得られるDNAの
    発現によって得られるものであり、また目標害虫環境に
    施用されると殺虫活性を持続させるような条件下に上記
    の細胞が処理されている、微生物細胞。
  10. 【請求項10】 細胞が、環境中で殺虫活性を持続させ
    るために化学的又は物理的手段によって処理される、請
    求項9に記載の細胞。
JP4072171A 1991-02-25 1992-02-24 新規な鞘翅目活性タンパク毒素をコードしたバチルス・チユーリンゲンシス遺伝子 Pending JPH05103676A (ja)

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