JPH0495710A - 鉄塔傾斜検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、特に鉄塔の嵩上げ工事あるいはプレハブ鉄塔
の組立て等において、作業者が吊上げ作業中の鉄塔に生
じた傾きを直読的に認知することができ、それによって
直ちに傾きの修正作業に入ることができる鉄塔傾斜検出
装置に関するものである。

［従来の技術］ 第１）図に示すような既設鉄塔１を嵩上げし、第１２図
に示すように嵩上げ脚２を追加設置し、その分だけ鉄塔
地上高を高くしたり、予めプレハブ方式により分割製造
された鉄塔を順次鉄塔下部に挿入組立てて鉄塔を建設し
たりする場合には、鉄塔嵩上げ工法が使用される。

このような鉄塔嵩上げの具体的工法は、第１および２図
に示すような工法をもって行なうのが一般的である。

すなわち、第１図に示すように嵩上げ脚部２に補助枠組
１０を設置しくあるいは補助枠組１０そのものを直接高
上げ台として）、可変速モータを有する巻掛機Ｍを取付
け、既設の被電上げ鉄塔１の例えば脚部の各端部などの
適当位置と巻掛機Ｍの間に巻揚げワイヤ１）を取付け、
当該巻揚げワイヤ１）を巻取ることにより既設鉄塔１を
吊上げ、その下部に嵩上げ脚部２を連結して、第１２図
に示すように鉄塔高上げを行なうものである。

この場合に嵩上げ中の鉄塔１に傾きが生じバランスを失
ったりすると、工事が困難となるばかりでなく、危険性
も大きい。このため、嵩上げ中の鉄塔１の傾きを監視す
るために、これまでにも種々な手段がとられてきた。

もっとも一般的な方法は、吊上げ中の鉄塔のバランスを
作業者および専任監視員による目視によって監視する方
法である。

一方、上記の作業者および専任監視員の目視による感に
頼る代りに、各巻掛機ごとにロードセルを取付けておき
、吊上げ荷重の各々を当該ロードセルにより測定し、荷
重バランスを荷重表示計により監視しつつ吊上げ作業を
行なうこともある。

さらには、鉄塔１の角度をトランシット等を使って測定
しつつ吊上げ作業を行なうこともある。

［発明が解決しようとする課ＩＩ］ 上記した従来の吊上げ監視方法によれば、いずれにも下
記するような問題点がある。

まず、もっとも一般的に行われている作業者および専任
監視員の目視による感に頼る方法には、作業の信頼性と
いう上からみて問題が多い。

傾きを目視により確認するものであるために、経験豊か
な特定の者しか作業が行なえず、人材の確保が難しい上
、Ｘ方向の傾きとＹ方向の傾きに対し専任の監視員を必
ず配置しなければならないという問題があり、かなり多
数の人員が必要となる。しかも、毎日連続的に同じ作業
者および監視員によらないと作業の呼吸がうまく合わな
いという問題もあり、信頼性のみならず安全性にも問題
がある。また、各巻掛ワイヤごとにロードセルを配置し
、各々の荷重を表示計で確認し乍ら吊上げを行なう方法
では、必ずしも傾きに対応して荷重が敏感に反応すると
は限らず、余程大きな傾きとならない限りむしろ荷重変
化への反応は小さいのが通常である。さらに外乱による
荷重変化、吊上げ変速による荷重変化が必ずしも傾斜角
度と関係しないこともあり、この場合には正確な傾斜角
はわからない。

一方、トランシット等を用いることで鉄塔の傾き度合を
定量的につかむことは可能であるが、その連絡は人から
人への伝言で行なわれ間接的な連絡となるため、操作が
非常に難しい。

すなわち、傾きの度合や方向、プラス・マイナスの操作
前後の反応や連絡上のタイムずれが大きくなり易い上、
実際に操作する人が直接傾斜している角度を定量的に確
認できないため、迅速かつ適切な対応ができない。また
、この場合には多くの人数が必要でもある。

本発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を解
消し、作業者が直接鉄塔の傾き度合を直読確認しつつ安
全に効率よく鉄塔の吊上げを行なうことが可能な新規な
鉄塔傾斜検出装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、吊上げる鉄塔側に設置されてＸ方向およびＹ
方向の傾きを精度よく検出する傾斜角度検出器を有し、
当該傾斜角度検出器が検出した傾斜角度を電気信号に変
換し、角度表示計に入力させてＸ方向およびＹ方向の傾
斜角度をそれぞれ別個に直読可能に構成したものであり
、あるいはその場合に、Ｘ方向およびＹ方向の傾きをベ
クトル演算して、その演算結果をブラウン管又は液晶表
示パネルの如き表示装置に点をもって画像表示可能に構
成したものであり、さらには、これらにおいて傾斜角の
プラス角およびマイナス角に許容限界値を設定し、当該
許容限界値を越えた場合には警報を発し得るように構成
したものである。

［作用］ 傾斜角度検出器には、ジャイロ方式などにより極めて高
感度かつ高精度なものがあり、この角度検出器を鉄塔に
取付けてＸ方向、Ｙ方向の傾きを検出し、その傾き量を
電気信号に変換することは容易であるから、そのように
して得られた信号をＸ方向、Ｙ方向それぞれに独立表示
して定量的に直読可能にし、あるいはベクトル演算を行
なって画像表示装置にそのベクトルを点表示するように
すれば、作業者自身が鉄塔の傾き具合を逐一定量的に確
認しながら吊上げ作業を行なうことが可能となり、傾き
の修正について迅速かつ適切に対応しながら安定した効
率のよい吊上げ作業を行なうことができ、専任監視員が
不要になるなど人的効率の向上を図ることも可能となる
。

［実施例］ 以下に、本発明について実施例を参照し具体的に説明す
る。

第１および２図において、１２が傾斜角度検出器であり
、第２図のｘ−ｘ　”方向とＹ−Ｙ一方向のそれぞれの
傾斜角が高精度に測定し得る構成よりなる。この角度検
出器１２としては、オートジャイロによるものが取扱い
性がよい上高精度測定が可能であり好ましいが、限定的
な意味を有するものではなく、要は角度を精度よく検出
し、その検出結果を電気信号に変換可能なものであれば
特に選ぶものではない。

その検出角度の設置方向も、第２図に示すように鉄塔の
縦辺あるいは横辺方向に対する測定よりも、むしろ第３
図に示すように吊上げられる鉄塔脚の四隅の方向すなわ
ち対角方向におけるＸ−Ｘ一方向をＸ−Ｘ−軸傾斜角セ
ンサＳ、が、そしてＹ−Ｙ　＝方向をＹ−Ｙ−軸傾斜角
センサＳ２が検出するようにすることが、実作業との整
合性の上からみて好ましい。

第４図は、上記の如く構成される本発明に係る実施例の
具体的構成状況を示す説明図である。

吊上げられる鉄塔１には上に説明したような傾斜角セン
サＳ、およびＳ２を有する傾斜角度検出器１２が取付け
られ、ケーブル１３により表示装置１４に接続される。

第４図において、１５８はＸ方向の傾きを定量的に表示
する傾斜角表示計、１５７はＹ方向の傾きを定量的に表
示する傾斜角表示計、１６はＸ方向およびＹ方向の傾き
をベクトル演算した結果を点ニより表示するオシロスコ
ープや液晶表示パネルなどの画像表示装置である。

第４図の実施例においては、表示装置１４として傾斜角
表示計１５ｘ、１５ｖと画像表示装置１６を共に有する
例が示されているが、つねに両者を装備していなければ
ならないというものではなく、実用の上からすればいず
れか一方を装備していれば十分である。しかし、第４図
のようにその両方を装備しておけばより便利であり使い
易いものとなるというメリットがある。

第５図は、図中矢印のように吊上げている鉄塔１におけ
るＸ軸方向の吊上げ力Ｐ、　、Ｐ、およびＹ軸方向の吊
上げ力Ｐ２、Ｐ４がすべて均衡し、重心が中央にある状
態を示す説明図である。

第６図に示すように、Ｘ軸傾斜角センサＳ、およびＹ軸
傾斜角センサＳ２により検出された角度は電気信号に変
換されてアンプ１７により増巾され、Ｘ方向傾斜角表示
計１５ｘおよびＹ方向傾斜角表示計１５ｙに表示される
一方、２チヤンネルオシロスコープよりなる画像表示装
置１６にもそのベクトル演算結果が表示される。

この場合は重心が中央にあるから傾斜角表示計１５ｘ、
１５ｙの指針は０を指し、画像表示装置１６の点表示は
Ｘ、Ｙそれぞれの軸の交点すなわち中心にある。

第７図は、第５図の均衡状態からＸ方向にＱ。

度例えば３°、Ｙ方向に９２度例えば−４°傾いた状態
を示す。

このような傾きが生ずると、Ｘ方向傾斜角表示計１５．
の針が３°を指し、Ｙ方向傾斜角表示計１５ｖの針は一
４°を指すから、作業者はそれによって直接定量的な傾
きを読み取ることができ、その傾きを修正するようにそ
れぞれの巻掛機Ｍの巻揚げワイヤ１）．１）の巻揚げ力
を直ちに調整し第５図の状態に迅速に戻すことができる
。

上記の傾きは、画像表示装置１６には第９図に示すよう
にＸ軸の＋３°とＹ軸の一４°の交点にドツトとなって
点表示され、それによって重心の変化がベクトルにして
５°生じたことを直接的□に平面表示する。この画像表
示に基いて上記修正作業を行ない得ることは勿論である
。

第１０図は、表示計１５（Ｘ方向、Ｙ方向いずれをも含
む）に異常警報発生機能を持たせた例を示す説明図であ
る。

例えばメーターリレーによりプラス角度の許容上限Ｈ，
マイナス角度の許容下限Ｌ（図では±５°の場合が例示
されている）を設定しておき、この許容角度を越えたと
きには警報信号を発するように構成したものである。（
図には許容範囲内でプラス側に３°傾いている場合が示
されている。） このように警報を発することにより、作業者がうっかり
ミスするのを防止することができる。

なお、上述した角度センサと表示器間の伝送はケーブル
による有線でも無線方式でもよい。あるいは光フアイバ
ケーブルを用いることもできる。

Ｘ、Ｙ軸角度表示器はアナログ表示でもディジタル表示
でも差支えない。

アナログ表示の場合には、細長いメータを使用し、それ
をＸ方向、Ｙ方向の軸に合致するように直交状態に配置
すれば角度変動を臨場感をもって検知することができる
という長所がある。

警報の発生にはメーターリレーに限らず、電圧リレー、
電流リレー、磁石などによるリードリレー、あるいは光
リレーなど適宜なものを選択することができる。また画
像表示にはパソコンやテレビモニタあるいはランプ方式
などをそのまま適用することができるものであり、適用
対象として前記オシロスコープにのみ限定されるもので
はない。

［発明の効果］ 以上の通り、本発明に係る装置を持ってすれば、作業者
が直接鉄塔の傾き角度を定量的に２知しながら吊上げ作
業を行なうことができるから、作業中に鉄塔に傾きが生
ずれば迅速かつ適切に修正することができ、作業精度の
向上と安全性の確保に寄与するところが大きく、しかも
装置の操作は容易簡便であって、専任の監視員を不要と
する上総体的に人員の削減が可能となり、効率的である
ばかりでなくそのコスト低減効果も非常に太きなものが
ある。

【図面の簡単な説明】

第１および２図は鉄塔の吊上げ作業状態を示す説明図、
第３図は傾斜角センサの設置方向の一例を示す説明図、
第４図は本発明に係る装置の具体例を示す説明図、第５
および６図は鉄塔に傾きが生じない場合の説明図、第７
および８図は鉄塔に傾きが生じた場合の説明図、第９図
は鉄塔の傾きを画像表示装置に表示した例を示す説明図
、第１０図は表示計に警報発信装置を組合わせた場合の
説明図、第１）図は吊上げ前の鉄塔を、第１２図はその
嵩上げ後の完成鉄塔をそれぞれ示す見取図である。 １：吊上げ既設鉄塔、 ２：嵩上げ脚部、 １０：補助枠組、 １）：巻揚げワイヤ、 １２：傾斜角度検出器、 １３：ケーブル、 １４：表示装置、 １５に、１５マ　：傾斜角度表示計、 １６、画像表示装置、 １７：アンプ、 Ｍ：巻掛機、 Ｓ、：Ｘ方向傾斜角センサ、 Ｓ２：Ｙ方向傾斜角センサ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）吊上げる鉄塔側に設置されてＸ方向およびＹ方向
   の傾きを精度よく検出する傾斜角度検出器を有し、当該
   傾斜角度検出器が検出した傾斜角度を電気信号に変換し
   、角度表示計に入力させてＸ方向およびＹ方向の傾斜角
   度をそれぞれ別個に直読可能に構成してなる鉄塔傾斜検
   出装置。
2. （２）吊上げる鉄塔側に設置されてＸ方向およびＹ方向
   の傾きを精度よく検出する傾斜角度検出器を有し、当該
   傾斜角度検出器が検出した傾斜角度を電気信号に変換し
   、前記Ｘ方向およびＹ方向の傾きをベクトル演算して、
   その演算結果をブラウン管又は液晶表示パネルの如き表
   示装置に点をもって画像表示可能に構成してなる鉄塔傾
   斜検出装置。
3. （３）傾斜角のプラス角およびマイナス角に許容限界値
   が設定され、当該許容限界値を越えた場合には警報を発
   し得るように構成してなる請求項１又は２記載の鉄塔傾
   斜検出装置。