JPH049197Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内部に弾性体を有する筆記具のクリ
ツプ取付構造に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

クリツプは筆記具にとつて機能上も意匠上も重
要な部品であるが、構造が簡単であつて組付け作
業が容易であり、一旦組付けられると抜け落ちな
いことが要求される。筆記具のクリツプには、ク
リツプ自体に弾性を持たせてその先端が拡開する
ようにしたものと、クリツプ自体は剛性体とし、
内部に弾性体を配置してこの弾性体の変形により
クリツプの先端が拡開するようにしたものとがあ
る。後者の内部に弾性体を配置したものは、意匠
上も高級感を出しやすく、クリツプ先端の拡開も
スムーズに行える利点を有するが、部品点数が多
くて構造が複雑になり、これらの部品がキヤツプ
や軸筒の内部容積を大きく占有してしまう問題点
がある。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、内部に弾性体を有してクリツ
プ先端の拡開もスムーズに行えるにもかかわら
ず、部品点数が少なく、構造が簡単であつて組付
け作業も容易な筆記具のクリツプ取付構造を提供
することを目的とする。

〔考案の構成〕

本考案の構成は、前端面に切り割溝および外周
先端の上下方向に係合突条が形成された支軸を有
する一対の対向する取付部をクリツプの基端側に
設け、この支軸をキヤツプもしくは軸筒の側部に
対向して穿設された保持孔に挿入して回動自由に
嵌着するとともに、一部が切り欠かれたＣ字状の
円環状弾性体を支軸の切り割溝に嵌め込み、この
円環状弾性体の中間部をキヤツプもしくは軸筒内
背部に突設された支持部で支持したことを特徴と
するものである。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

第２図と第３図に示すように、クリツプ１は棒
状体を屈曲形成した形状をしており、これ自体は
剛性体である。そして、クリツプ１の先端には飾
り玉１ａが取付けられている。このクリツプ１の
基端側には一対の取付部２が対向して設けられて
いるが、この取付部２の内側には支軸３が一体に
連設されている。支軸３は、その前端面から切り
割溝４がクリツプ１の軸線と直角方向に形成され
ており、また、その外周先端の上下方向に一対の
係合突条５が形成されている。

一方、キヤツプ６の側部には内径が支軸３の外
径に等しい一対の保持孔７が穿設されている。も
つとも、キヤツプの代りに軸筒であつてもよい。
そして、キヤツプ６の内部であつてクリツプ１が
取付けられる側と反対側に支持部８が形成されて
いる。

組立に際しては、クリツプ１の基端側を拡開し
て支軸３がこの保持孔７に挿入されるが、支軸３
に切り割溝４が形成されているので、支軸３の上
下片が接近するように変形させた状態で挿入すれ
ば、外周先端の上下方向に一対の係合突条５が形
成されているにもかかわらず容易に挿入すること
ができる。そして、この切り割溝４内に円環状弾
性体９が嵌め込まれるが、これによつて支軸３の
上下片が接近するようには変形不能となるので、
係合突条５がキヤツプ６の内面に確実に係合し、
取付部２はキヤツプ６から抜け落ちることがな
い。円環状弾性体９は一部が切り欠かれたＣ字状
をしており、その中央部が支持部８に当接して支
持されている。そして、クリツプ１の飾り玉１ａ
がキヤツプ６の表面に接触している通常の状態の
ときは、展開説明図である第４図Ａに示すよう
に、円環状弾性体９は変形せずに安定状態になつ
ている。

しかして、かかる構成のクリツプを有する筆記
具をポケツトなどに装着すると、クリツプ１が支
軸３を中心にして少し回動してその先端が拡開す
る。即ち、支軸３が、第４図Ｂに示すように、円
環状弾性体９の付勢力に抗して少し回動し、支持
部８を支点として円環状弾性体９を弾性変形させ
る。従つて、円環状弾性体９の弾発力によつてク
リツプ１の飾り玉１ａが衣服を挟圧し、クリツプ
本来の機能を果たす。そして、クリツプ１の先端
が大きく拡開するに従つて円環状弾性体９の変形
量が大きくなるため、挟圧力が大きくなる。

このように、部品点数が少なく、組付け作業も
支軸３を保持孔７に嵌入して切り割溝４に円環状
弾性体９を嵌め込むだけでよく、非常に容易であ
る。そして、円環状弾性体９が切り割溝４に嵌め
込まれているので、切り割溝４が形成されている
にもかかわらず支軸３は変形せず、係合突条５が
キヤツプ６に確実に係合するのでクリツプ１が脱
落する恐れもない。更には、キヤツプ６内部を占
有する容積が小さく、内部を有効に利用すること
が出来る。

〔考案の効果〕

このように、本考案は、前端面に切り割溝およ
び外周先端の上下方向に係合突条が形成された支
軸を有する一対の対向する取付部をクリツプの基
端側に設け、この支軸をキヤツプもしくは軸筒の
側部に対向して穿設された保持孔に挿入して回動
自由に嵌着するとともに、一部が切り欠かれたＣ
字状の円環状弾性体を支軸の切り割溝に嵌め込
み、この円環状弾性体の中間部をキヤツプもしく
は軸筒内背部に突設された支持部で支持するよう
にしたので、内部に弾性体を有してクリツプ先端
の拡開もスムーズに行えるにもかかわらず、部品
点数が少なく、構造が簡単であつて組付け作業も
容易であり、更には内部のスペースを有効に利用
できる筆記具のクリツプ取付構造とすることが可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図は側面
図、第３図は正面図、第４図Ａ，Ｂは要部の展開
説明図である。 １……クリツプ、２……取付部、３……支軸、
４……切り割溝、５……係合突条、６……キヤツ
プ、７……保持孔、８……支持部、９……円環状
弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前端面に切り割溝および外周先端の上下方向に
   係合突条が形成された支軸を有する一対の対向す
   る取付部をクリツプの基端側に設け、この支軸を
   キヤツプもしくは軸筒の側部に対向して穿設され
   た保持孔に挿入して回動自由に嵌着するととも
   に、一部が切り欠かれたＣ字状の円環状弾性体を
   該切り割溝に嵌め込み、該円環状弾性体の中間部
   をキヤツプもしくは軸筒内背部に突設された支持
   部で支持したことを特徴とする筆記具のクリツプ
   取付構造。