JPH04914B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、精紡機とワインダーを直結した精紡
ワインダーにおける精紡機での玉揚方法に関す
る。

〔従来の技術〕 精紡機で生産された精紡ボビンは種々の搬送手
段によつて次工程のワインダーへ搬送供給され
る。

また精紡機とワインダーをボビン搬送路で直結
したいわゆる精紡ワインダーにおいては、精紡機
の一端部から順次払出されるボビンはワインダー
側のボビン搬送路上へ供給され、連続的なボビン
搬送を可能とすると共に、特定の精紡機で生産さ
れたボビンは必ず特定のワインダーへ供給される
ようになつている。上記スシテムの一例として特
公昭56−25528号公報に開示されたものがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記既設の精紡機は精紡錘数として、数百錘で
１台の精紡機を構成しており、１台で１品種の糸
を生産し終えると、別の品種の糸を仕掛けるよう
になつている。

しかしながら近年、多品種少量生産システムに
対応できる精紡ワインダーが要望されており、特
に前記のような背中合せに精紡錘を有するような
精紡機では２品種生産には対応し易い。即ち、背
中合せの一側の精紡錘列でＡ品種を他側の列でＢ
品種を生産すれば、ワインダー側からの要求に合
わせてＡ品種又はＢ品種のボビンをランダムにあ
るいは順序よく供給可能である。

しかしながら精紡機のタイプとして片側にのみ
精紡スピンドルを配列した精紡機においては複数
品種の生産システムは困難であつた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、片側にのみ多数の精紡スピンドルを
有し、該精紡スピンドル列を実質的に複数のグル
ープに分割して、複数品種の糸を生産する精紡機
において、 上記スピンドルで満巻になつた複数品種の精紡
ボビンは、いつたん上記精紡機の機台上方にスピ
ンドル列に沿つて配設された１本のトランスポー
トバンド上のペグに挿着され、次いで、各品種の
ボビンが各品種専用のトランスポートバンド上へ
移載され、各トランスポートバンドを回動させ、
バンド上の精紡ボビンがワインダ側出口に整列
し、該状態から、ワインダ側からのボビン要求信
号に基いて上記特定のトランフポートバンドが１
ピツチずつ移動し、要求のある品種のボビンがト
ランスポードバンドから離反して所定のワインダ
ー側へ供給されるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１，２図に本発明を実施する精紡ワインダー
の実施例を示す。精紡機Ｓは、機台の長手方向に
沿つて片側面にのみ精紡スピンドルＳ１〜Snを
有するタイプで、本実施例の場合、上記スピンド
ルが２つのグループGA，GBに実質的に分割さ
れ、グループGAの各スピンドルＳ１〜SiでＡ品
種の糸が生産され、他のグループGBのスピンド
ルSj〜SnでＢ品種の糸が生産される。

一方ワインダーＷ側においても１台のワインダ
ーが実質的に２分割WA，WBされており、各ワ
インデイングユニツトのグループ毎に異品種の糸
を巻返すもので、例えば特開昭60−48871号公報
に開示されたものが適用可能である。勿論従来の
マガジンを有するタイプのワインダーにも適用可
能である。

さらに、上記精紡機側においては、機台上方に
スピンドル列に沿つて２本のトランスポートバン
ドで構成される２つの搬送路１，２が設けられ、
各バンドは無端状のベルトの表面にボビン挿着要
のペグをスピンドルピツチで植設したものであ
る。上記トランスポートバンドの実ボビン払出側
端部にはボビンシユート３が配置され、下方で待
機するボビン搬送媒体のトレイ４上へボビンが落
下供給される。

さらに精紡機ＳとワインダーＷ間には実ボビン
搬送路５および空ボビン搬送路６が設けられる。
実ボビン搬送路５の途次にはボビン貯留用バツフ
アーライン７および糸端の準備ステーシヨン８が
設けられる。従つて、シユート３位置でＡ又はＢ
品種のボビンを挿着されたトレイは搬送路５上へ
払出され、糸端の口出し装置の如き準備ステーシ
ヨン８を経てワインダーＷへ矢印１２方向へ搬送
供給される。なお、バツフアーライン７にスチー
ムセツトステーシヨンを設けることは可能であ
る。

一方ワインダーＷから排出される空ボビンは搬
送路６上を矢印１３方向に移送され、空ボビン抜
取ステーシヨン１４においてトレイより公知の手
段で抜取られ、天井走行コンベア１５により精紡
機の後端即ちワインダー側の実ボビン払出し端部
と反対側端部まで矢印１６方向に移送され、実ボ
ビンを払出したトランスポートバンド上へシユー
ト１７ａ，１７ｂを介して供給されるのである。
１８はスライバーケンスである。

次に上記精紡ワインダーにおける精紡機側のボ
ビン処理について第３図において、説明する。

第３図のステツプでは、ワインダー側からの
要求で実ボビンBA，BBが供給されている状態
が示される。今仮にトランスポートバンド（以下
単にバンドと称す）１にＡ品種の実ボビンBAが
載置され、バンド２にＢ品種の実ボビンBBが裁
置されているとする。例えば図示の状態からＡ品
種の実ボビンBA1本がバンド１の回動で払出さ
れると、他端には空のペグが空ボビン供給位置１
７ａに表われ、ワインダー側から、返送されてく
る両品種共用の空ボビンが上記ペグに挿着され
る。従つて、バンド１，２上の実ボビンが供給を
完了した時点ではステツプの如く、バンド１の
左側半分には空ボビンKj〜Knが整列し、バンド
２の左半分には空ボビンＫ１〜Kiが整列する。

次いで、片側のバンド２のみを移動させて、空
ボビンＫ１〜Kiを右半分の位置へ移動させる。
（ステツプ）さらにバンド２上の空ボビンＫ１
〜Kiを図示しないチヤツクアームにより後側の
バンド１上の空ペグに挿着する。（ステツプ） この状態で玉揚動作に備え、精紡機でＡ、Ｂ品
種の実ボビンが満巻になると図示しない玉揚装置
により、スピンドル上の実ボビンBA１〜BAi、
BB１〜BBiが前側のバンド１上の空ペグＰ１〜
Pnに挿着され（ステツプ）、バンド１上の空ボ
ビンＫ１〜Knが対応するスピンドル上へ挿着供
給される。（ステツプ） さらに、バンド２の右側半分のＡ品種の実ボビ
ンBA１〜BAiを後側のバンド１上の空ペグへ移
載し（ステツプ）、バンド２を回動させて左半
分のＢ品種の実ボビンBB１〜BBiを実ボビン払
出し側へ移動させ（ステツプ）、ワインダーへ
のボビン供給準備が完了する。

従つて、ワインダー側からのボビン要求に従
い、Ａ、Ｂいづれの品種のボビンも直ちに供給で
きるのである。

なお、ワインダー域での品種判別は前記特開昭
60−48871号に示したトレイに識別溝を形成する
こと、あるいは、色の異るトレイを要いること、
さらには、書込み、消去自在な磁気部材を貼着し
たトレイを用いること等の種々の装置が可能であ
る。

さらに上記実施例では精紡機１台で２品種の糸
を生産するシステムについて説明したが、３品種
あるいは４品種以上の場合も本発明は適用可能で
あり、精紡機に沿つて品種の数と等しい数のトラ
ンスポートバンドを配置することにより可能であ
る。

さらにまた、上記実施例ではトランスポートバ
ンド１，２を精紡機の機台上部に設けた例を示し
たが、機台下部にワインダ側のボビン搬送路と同
高さレベルに設け、バンド上の実ボビンを直接準
備域の空トレイに移載すること等の設定変更も可
能である。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明では１台の精紡機におい
て、複数品種の糸の生産および自動搬送が可能と
なり、複数品種のボビンを扱うワインダー側から
のボビン要求に対して直ちに対応して特定品種の
精紡ボビンを供給できる。また、空ボビンの精紡
機への返却も。上記精紡ボビン供給動作の際に行
うことができ、複数品種の糸製造用精紡機とワイ
ンダーとの間のボビン搬送をボビンが混同するこ
となく、迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する精紡ワインダーを示
す正面図、第２図は同平面図、第３図は精紡機で
のボビンの玉揚方法を示す模式図である。 １，２……トランスポートバンド、Ｓ……精紡
機、Ｓ１〜Sn……精紡スピンドル、GA，GB…
…グループ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 片側にのみ多数の精紡スピンドルを有し、該
   精紡スピンドル列を実質的に複数のグループに分
   割して、複数品種の糸を生産する精紡機におい
   て、 上記スピンドルで満巻になつた複数品種の精紡
   ボビンは、いつたん上記精紡機の機台上方にスピ
   ンドル列に沿つて配設された１本のトランスポー
   トバンド上のペグに挿着され、次いで、各品種の
   ボビンが各品種専用のトランスポートバンド上へ
   移載され、各トランスポートバンドを回動させ、
   バンド上の精紡ボビンがワインダ側出口に整列
   し、該状態から、ワインダ側からのボビン要求信
   号に基いて上記特定のトランフポートバンドが１
   ピツチずつ移動し、要求のある品種のボビンがト
   ランスボードバンドから離反して所定のワインダ
   ー側へ供給されるようにしたことを特徴とする精
   紡機における玉揚方法。