JPH0490831A - 中空糸膜を用いる濾過方法 - Google Patents
中空糸膜を用いる濾過方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
タドレン水あるいはその他用水、廃水等の不溶解性物質
を含む原水を中空糸膜モジュールを配置した濾過塔で濾
過する方法に関し、更に詳しくは原水の濾過に際し、予
め中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の薄い被覆膜を形成さ
せてから原水の濾過を開始する方法の改良に関するもの
である。
質を除去した濾過水を得る場合、従来から濾材を充填し
た形式の濾過塔、あるいは濾過助材をプレコートする濾
過塔等、各種の濾過塔が用いられているが、近年、特に
原子力発電所等の復水の処理に中空糸膜を用いる濾過塔
が用いられるようになってきている。すなわち、中空糸
膜を用いる濾過塔で先ず復水中の不溶解性物質である酸
化鉄に起因するクラッドを除去し、次いで得られる濾過
水をカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混床で処理
して不純物イオンを除去するものである。
、塔内を上部の処理水室と下部の濾過室とに区画する仕
切板から、中空糸膜を多数本束ねた中空糸モジュールを
前記濾過室内に懸垂した構造のものであり、例えば復水
の濾過に際しては、復水を当該濾過塔の下部から前記濾
過室内に流し、復水を各中空糸膜の外側から内側へ濾過
させることによって酸化鉄に起因するクラ・ノドを各中
空糸膜の表面で濾過し、酸化鉄を除去された濾過水を各
中空糸膜の内側に得てこれを前記処理水室に集水して取
り出すものである。
が上昇した際には、当該酸化鉄が付着している中空糸膜
の表面を空気等の気体でバブリングして大部分の酸化鉄
を剥離し、次いで必要に応じて処理水、純水等の清澄水
を中空糸膜の内側から外側に逆流させて膜面に残存する
酸化鉄を剥離し、酸化鉄を多量に含む洗浄排液を得る。
後濾過と洗浄を順次繰り返して処理を行う。
糸膜で直接濾過するので、従来から行われている微粉末
状イオン交換樹脂等を濾過助材として用いるプレコート
式濾過塔と比較して、洗浄排液中に含まれる固形物量が
極めて少量であり、そのため特に沸騰水型原子力発電所
の復水のごとく、前記固形物が放射性廃棄物の対象とな
る場合に好適である。
る濾過方法においても、例えば原水中に微粒子状の有機
物や油分、あるいは比較的粘着性の大きい物質が含まれ
ている場合は、中空糸膜の表面に付着したこれらの物質
を、前記洗浄操作によって完全に剥離することができず
、そのため洗浄の度に初期差圧の上昇が生じ、遂には濾
過処理そのものに障害を与えるようなことがあった。
剥離しにくい物質が含まれていても、洗浄時においてこ
れらの物質を中空糸膜の膜面に残留させないようにして
、洗浄の度に初期差圧が次第に上昇するという現象を効
果的に防止し、安定して濾過処理を行うことができる新
規な濾過方法を提案した。(特開昭63−252507
号公報参照。) この方法は、原水を中空糸膜で濾過する前に、剥離性の
よい酸化鉄微粒子を含む水を予め中空糸膜に通過させて
各中空糸膜の表面に当該酸化鉄微粒子の薄い被覆膜を形
成させ、しかる後に当該被覆膜を介して不溶解性物質を
含む原水を濾過する方法である。当該濾過方法によれば
、たとえ原水中に剥離性の悪い不溶解性物質が含まれて
いても、当該不溶解性物質は直接中空糸膜の表面に付着
することなく前記被覆膜で捕捉されることとなり、よっ
て洗浄工程において、剥離し易い酸化鉄微粒子の被覆膜
が剥離される際にほとんど全部の不溶解性物質が剥離さ
れ、したがって洗浄の度に初期差圧が上昇するという前
述したような不具合を効果的に防止することができる。
は、中空糸膜の表面に付着しても前述の洗浄工程で容易
に剥離し得る酸化鉄微粒子全般を指すが、例えば粒子径
1〜10μのα−Fe、O。
いはFe5e4(マグネタイト)等が挙げられる。また
、前記した原子力発電所の復水のごとく、含有されてい
る不溶解性物質の大部分が酸化鉄である場合は、被覆膜
形成用に前記したような形態の酸化鉄微粒子を特別に用
意しな(とも、原水中に含まれている酸化鉄を利用する
ことができる。
し、その後前述の洗浄工程で酸化鉄を中空糸膜から剥離
することによって酸化鉄を多量に含む洗浄排液が得られ
るが、当該洗浄排液中の酸化鉄は、洗浄工程におけるバ
ブリング等によって充分に攪拌されることにより凝集し
、物理的に結合して結果的に剥離性のよい酸化鉄微粒子
となる。
膜形成用の酸化鉄微粒子として用いることができる。
である復水等の処理においては、被覆膜形成用の酸化鉄
微粒子をわざわざ用意せずとも、洗浄工程で得られる洗
浄排水中の酸化鉄微粒子を利用して被覆膜を形成させれ
ばよいが、当該方法を前述したような構造の濾過塔を用
いて実施する場合は以下のようにして行う。
過塔の処理水室内に濾過水が、また濾過室内に原水がそ
れぞれ満たされた状態から、上記濾過室内に例えば空気
を流入して当該濾過室内をバブリングし、中空糸膜の表
面に付着している酸・化鉄を剥離する。
酸化鉄を多量に含む洗浄排液が得られるので、得られた
洗浄排液の一部は次の濾過工程において被覆膜形成用の
酸化鉄微粒子水として利用するために濾過室内の下部に
、通常は、当該洗浄排液の水面が仕切板に懸垂された中
空糸モジュールの下端より下方となるように残留させ、
洗浄排液の他部は塔外に排出させる。
管を介して、もしくは濾過塔下部に別に設けた水張り用
水供給管を介して、濾過室内に原水あるいは濾過水、純
水等の水張り用水を流入させ、当該濾過室内を一旦満水
とする。次いで、前記原水流入管もしくは前記水張り用
水供給管から濾過室内に原水あるいは濾過水、純水等の
被覆膜形成用水を流入させ、当該被覆膜形成用水を濾過
室から処理水室に向けて、つまり原水の濾過を行う場合
と同じようにしで流すことによって濾過室内の水を前記
被覆膜形成用水とともに各中空糸膜に通過させ、それに
よって各中空糸膜の表面に前記酸化鉄微粒子の被覆膜を
形成させる。その後は原水流入管を介して濾過室内に原
水を流入させ、形成された被覆膜を介しての原水の濾過
を行う。
水とするに際し、水張り用水を当該濾過室内の下部に存
在せしめた被覆用酸化鉄微粒子水の水面より下方から上
昇流で濾過室内に流入させるようにしているとともに、
この時には濾過室内の水を各中空糸膜に通過させないよ
うにして濾過室内を満水とするので、濾過室内に残留さ
せた洗浄排液である被覆用酸化鉄微粒子水中の酸化鉄微
粒子は、濾過室内である程度分散されはするが、その多
くは水張り用水の流入に伴ってそのまま濾過室内を上昇
することとなり、かつこの間中空糸膜の表面で捕捉され
ることもない。その結果、当該濾過室内が満水となった
時点では、濾過室内の上方部の水中に被覆膜形成用の酸
化鉄微粒子が相対的に多く存在し、濾過室内下方の水中
には酸化鉄微粒子があまり存在しない状態となる。した
がって、この状態から前記被覆膜形成用水を濾過室内に
上昇流で流入させ、当該被覆膜形成用水を濾過室から処
理水室に向けて流すようにすると、つまり濾過室内の水
を中空糸膜の外側から内側へ通遇させるようにすると、
仕切板から前記濾過室内に懸垂された中空糸モジュール
の各中空糸膜の長さ方向においてその上部表面に酸化鉄
微粒子が比較的多く捕捉され、その下部に至るほど酸化
鉄微粒子の捕捉量が少なくなり、よって各中空糸膜の表
面には上部が相対的に厚く、下部に至るほど薄くなる、
不均一な被覆膜が形成されるようになる。
糸膜の下方部においては被覆膜の厚みが薄すぎるために
所期の目的が達成されないという不具合が生じ、また中
空糸膜の下方部にも所定厚みの被覆膜を形成させようと
すれば、被覆膜形成用の酸化鉄微粒子をそれだけ余分に
使用しなければならない。しかし、被覆膜の形成に際し
、必要量の酸化鉄微粒子を含む被覆用酸化鉄微粒子水を
予め濾過室内の下部に比較的少量存在せしめ、しかる後
に満水操作を経て中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の被覆
膜を形成させる上述のような方法は、処理すべき原水中
に酸化鉄が存在せず、したがって被覆膜形成用の酸化鉄
微粒子を特別に用意しなければならない場合にも通用さ
れるが、このような場合は被覆膜形成に要する酸化鉄微
粒子の量が少ないほど経済的に有利であることは言うま
でもないことである。
性のよい酸化鉄微粒子の被覆膜を形成させ、しかる後に
当該被覆膜を介して原水の濾過を行う方法における上述
のような欠点を解決し1.必要最小限の酸化鉄微粒子を
用いて、必要な厚みの被覆膜を中空糸膜の表面に均一に
形成させることができ、よって剥離性のよい酸化鉄微粒
子の被覆膜を介しての良好な濾過処理を行うことのでき
る濾過方法を提供することを目的とするものである。
上部の処理水室と下部の濾過室とに区画する仕切板から
、中空糸膜を多数本束ねた中空糸モジュールを前記濾過
室内に懸垂してなる濾過塔を用い、不溶解性物質を含む
原水を前記濾過室から流して各中空糸膜の外側から内側
へ原水を通過させることにより前記処理水室から濾過水
を得る濾過操作の前に、剥離性のよい酸化鉄微粒子を含
む水を中空糸膜に通過させて各中空糸膜の表面に当該酸
化鉄微粒子の薄い被覆膜を形成させる濾過方法において
、各中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の被覆膜を形成させ
るに際し、前記濾過室内の下部に、被覆膜の形成に必要
な量の酸化鉄微粒子を含有する被覆用酸化鉄微粒子水を
予め存在せしめ、次いで当該被覆用酸化鉄微粒子水の水
面より上方の位置から濾過室内に水張り用水を前記酸化
鉄微粒子の大部分が濾過室内の下部に維持されるごとく
流入させることによって当該濾過室内を満水とし、しか
る後被覆膜形成用水を当該濾過室内にその下部より流入
させるとともに濾過室内の水を各中空糸膜に通過させる
ことによって各中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の被覆膜
を形成させ、その後当該被覆膜を介して原水の濾過を行
うことを特徴とする中空糸膜を用いる濾過方法である。
細に説明する。
断面図であり、第2図は本発明に用いる濾過塔の一例を
示すフロー説明図である。
μ〜0.3μの微細孔を有する外径0.3〜4謳、内径
0.2〜3fiの中空糸膜2を100〜50゜000本
前後、外筒3内に収納するとともに、当該中空糸膜2の
上端をその中空部を閉塞することなく上部接合部4で接
着し、各中空糸膜2の下端を閉塞して下部接合部5で接
着してなる、いわゆる片端集水型のものであり、また外
筒3の上方部、下方部にそれぞれ流通口6Aおよび6B
を設けるとともに、下部接合部5に開口部7を設け、さ
らに外筒3の下方にてスカート部8を設けたものである
。
は、第2図に示したごとく、濾過塔9の上方部に仕切板
10を設けて当該塔内を仕切板工0上方の処理水室11
と下方の濾過室12とに区画するとともに当該仕切板1
0から濾過室12内に多数本の中空糸モジュールl (
図では3本)を懸垂する。
配板14を貫通する気泡分配管15とからなるもので、
各中空糸モジュール1のスカート部8の直下に当該気泡
分配管15を配設した構成としである。
気流入管17Aの一端を連通し、また濾過塔9の下部に
原水流入管18の一端と圧縮空気流入管17Bの一端お
よびドレン管19の一端をそれぞれ連通し、更に前記仕
切板lOの直下の側胴部に空気抜き管20の一端を連通
ずる。また、当該空気抜き管20とは別に、仕切板10
の直下の側胴部に水張り用水流入管21の一端を連通ず
る。なお22ないし28はそれぞれ弁を示し、29はバ
ッフルプレートである。
化鉄等の不溶解性物質を含む復水を例にして以下に説明
する。
う。すなわち、外部から新たに供給するか、もしくは復
水濾過終了後の洗浄によって濾過室12内に得られる酸
化鉄微粒子を多量に含む洗浄排液の一部を残留させるか
して、被覆膜の形成に必要な量の酸化鉄微粒子を含む被
覆用酸化鉄微粒子水を予め濾過室12内の下部に、その
水面りが例えば第2図に点線で示したごとく濾過室12
内に懸垂された中空糸モジュール1の下端より下方とな
るように存在せしめ、この状態で弁28.25を開弁じ
て前記被覆用酸化鉄微粒子水の水面より上方の側胴部に
設けた前記水張り用水流入管21から濾過室12内に例
えば復水等の水張り用水を、前記酸化鉄微粒子の大部分
が中空糸モジュール1の下端より下方に維持されるごと
く、例えばなるべく緩やかに流入する。なお、本実施態
様のごとく濾過塔9内の下方に気泡分配機構13を有す
る濾過塔にあっては、当該気泡分配機構13が邪魔板の
役目をなすので、水張り用水をがなり急激に流入しても
被覆用酸化鉄微粒子水の層は乱されることがなく、酸化
鉄微粒子の大部分を中空糸モジュール1の下端より下方
に維持せしめることができる。当該水張り用水は、濾過
室12内に流入して当該室内を上昇し、その後仕切板l
o付近まで達したら側胴部の空気抜き管2oを経て濾過
塔9外へ流出する。この時点で濾過室12内が満水とな
るので、弁28および25を閉弁し水張りを停止する。
水流入管18を介して濾過塔1の下部から、すなわち被
覆用酸化鉄微粒子水の水面しより下方から流入させるの
ではなく、水張り用水を被覆用酸化鉄微粒子水の水面り
の上方から、かつ酸化鉄微粒子の大部分が中空糸モジュ
ールlの下方に維持されるごとく緩やかに供給するため
、濾過室12内が満水となった時点において当該被覆用
酸化鉄微粒子水中の酸化鉄微粒子の大部分を中空糸モジ
ュール1の下端より下方に存在せしめることができ、従
来のように酸化鉄微粒子の大部分が、濾過室12内の上
部に上昇してしまうということはなくなる。
して原水流入管18より復水を、被覆膜形成用水として
濾過室12内へ上昇流で流入するとともに、濾過室12
内の水を各中空糸膜2に通過させるようにする。なお、
当該被覆膜形成用水としては、復水の代わりに予め貯留
しておいた濾過塔9の濾過水や純水等の水を使用しても
よい。
微粒子は復水の上向きの流れによって濾過室12内を上
昇し、初めは各中空糸モジュール1の開口部7を介して
、あるいは各中空糸モジュール1の下方に位置する流通
口6Aを介して各中空糸モジュールl内に流入する。こ
の際、各中空糸モジュール1の上方に位置する流通口6
Bからは、被覆用の酸化鉄微粒子があまり含まれていな
い濾過室12内の水が各中空糸モジュール1内に流入す
る。そして、前記開口部7あるいは前記流通口6Aを介
して中空糸モジュール1内に流入した、被覆用酸化鉄微
粒子を多量に含む水は、当該中空糸モジュール1内を上
昇しながら各中空糸膜2の長さ方向のほぼ下半分の膜面
で濾過され、それに応じて各中空糸膜2のほぼ下半分の
膜面に酸化鉄微粒子の被覆膜が徐々に形成される。一方
、前記流通口6Bを介して中空糸モジュール1内に流入
した、酸化鉄微粒子があまり含まれていない水は、当該
中空糸モジュール1内を下降しながら各中空糸M2の長
さ方向のほぼ上半分の膜面で濾過される。なお、上述の
操作において各中空糸膜2の内側に得られる濾過水はい
ずれも各中空糸膜2の内側を上昇して仕切板10の上部
の処理水室11に集合され、処理水流出管16から流出
する。
らの上昇流での復水の流入に伴って濾過室12内の被覆
用酸化鉄微粒子も当該濾過室12内を次第に上昇し、遂
には中空糸モジュール1の上方に位置する流通ロ6B付
近に達するようになる。被覆用酸化鉄微粒子が流通口6
Bに達すると、今度は当該酸化鉄微粒子が流通口6Bを
介して中空糸モジュール1内に流入するようになる。一
方、この時点では中空糸モジュール1の下方に位置する
前記開口部7あるいは流通ロ6A付近に被覆用酸化鉄微
粒子がほとんど存在しない状態となり、当該開口部7あ
るいは当該流通口6Aからは被覆用酸化鉄微粒子がほと
んど含まれない復水が流入するようになる。
に流入した被覆用酸化鉄微粒子を含む水は、当該中空糸
モジュール1内を下降しながら各中空糸膜2の長さ方向
のほぼ上半分の膜面で濾過され、それに応じて各中空糸
膜2のほぼ上半分の膜面に酸化鉄微粒子の被覆膜が徐々
に形成されて行き、最終的には前記下半分への被覆膜の
形成と併せて各中空糸膜2の表面に、その長さ方向に対
して従来より均一に被覆膜を形成することができる。
在せしめた被覆用酸化鉄微粒子水の水面より下方から上
昇流で流入させて濾過室内を満水としていたので、被覆
用酸化鉄微粒子の多くが濾過室内の上方に移動し、濾過
室内の下方には被覆用酸化鉄微粒子がほとんど存在しな
い状態となっていた。したがって、その後濾過室内に被
覆膜形成用水を上昇流で流入させると、中空糸モジュー
ルの下方に位置する、第1図における開口部7あるいは
流通口6Aからは被覆用酸化鉄微粒子がほとんど流入せ
ず、被覆用酸化鉄微粒子の多くは第1図における流通口
6Aから中空糸モジュール内に流入することとなる。そ
のため、各中空糸膜の長さ方向のほぼ下半分の膜面には
被覆用酸化鉄微粒子がほとんど付着せず、逆に長さ方向
のほぼ上半分の膜面には被覆用酸化鉄微粒子が必要以上
に多く付着してしまうという結果になっていた。これに
対して、本発明方法によれば前述のごとく最初は中空糸
モジュールlの下方に位置する開口部7あるいは流通口
6Aから被覆用酸化鉄微粒子が流入して各中空糸膜2の
長さ方向のほぼ下半分の膜面に付着し、その後中空糸モ
ジュール1の上方に位置する流通口6Bから被覆用酸化
鉄微粒子が流入するようになって各中空糸膜2の長さ方
向のほぼ上半分の膜面に付着し、その結果各中学糸膜2
の表面に、その長さ方向に対して従来より均一に被覆膜
を形成させることができるのである。
通口を有する中空糸モジュールの場合を例にして説明し
たが、外筒の周囲上下方向にほぼ万遍なく多数の流通口
を設けた中空糸モジュールの場合は、被覆用酸化鉄微粒
子が被覆膜形成用水の上向きの流れによって濾過室内を
徐々に上昇しながら各流通口に次々に流入して各中空糸
膜の膜面に1頌次付着するようになる。したがって、こ
の場合も概ね中空糸膜の下から上に向かうようにして、
はぼ均一な厚みの被覆膜を形成させることができる。
行う。
から不溶解性物質を含む復水を流入する。
中空糸モジュール1の開口部7および流通口6A、6B
を介して各中空糸モジュール1の内部に流入し、前記被
覆膜を介して各中空糸膜2の外側から内側へ通過する。
によって捕捉され、前記被覆膜の上部に不溶解性物質が
付着することとなる。
11内に集合され、処理水流出管16から流出する。
圧が規定の値に達した際に濾過を中止して、以下の洗浄
を行う。
の濾過室12内に流入した復水を、また仕切板10の上
方の処理水室11内に濾過水を満たしたまま、弁24お
よび弁25を開口し、圧縮空気流入管17Bから圧縮空
気を流入する。当該圧縮空気は気泡となって濾過塔9内
を上昇し、気泡受け14の上方で一端受けられ、気泡受
け14の上部壁と気泡分配管15の下部先端間で空気層
を形成し、当該空気層および気泡分配管15の下部先端
を介して気泡は中空糸モジュール1のスカート部8内を
上昇し、次いで開口部7を介して各中空糸モジュールl
内に流入する。当該気泡の上昇により各中空糸膜2は振
動するとともに中空糸モジュール1内の水が攪拌され、
各中空糸膜2の表面に付着した被覆膜が剥離するととも
に、不溶解性物質も剥離される。なお気泡は中空糸モジ
ュール1の流通口6Bから当該モジュール1外に流出し
、次いで空気抜き管20から濾過塔9外に排出する。
開口したまま弁24を閉し、弁23を開口して、中空糸
膜2から剥離した主に酸化鉄を含む洗浄排液をドレン管
19から流出させるが、この際当該洗浄排液の一部を濾
過室12内に残留させ、この残留させた洗浄排液を剥離
性のよい酸化鉄微粒子を含む水として、次回の中空糸膜
2表面への被覆膜形成に使用する。
了した後、濾過室12内に残留させた洗浄排液中の酸化
鉄微粒子を利用した前述のような被覆膜の形成と、濾過
を行う。
て弁25および弁27を開口し、その他の弁を閉じて圧
縮空気流入管17Aから圧縮空気を流入し、処理水室1
工内に存在する処理水を当該空気圧で各中空糸膜2内を
逆流させ、各中空糸膜2の外表面に僅かに残留している
酸化鉄微粒子を洗い落とす操作を行ってもよい。
技術として述べたのと同じものを用いることができるが
、これを更に詳しく説明すると、中空糸膜2の表面に付
着しても前述の洗浄工程で容易に剥離し得る酸化鉄微粒
子全般を指し、例えば粒径1〜10μのα−Fe203
(ヘマタイト)、α−Fe203 (ゲータイト)およ
びF e、O,(マグネタイト)の微粒子を挙げること
ができる。
い被覆膜を形成しても、前記洗浄工程で極めて容易に剥
離することができる。なおこのような酸化鉄微粒子でも
1μ以下の微細な微粒子は剥離性が低下するので好まし
くなく、また10μ以上の粒径の大きい酸化鉄微粒子で
は、当該微粒子で被覆膜を形成しても、比較的粒子径の
小さい原水中の酸化鉄が当該被覆膜を通過してしまうと
いう問題がある。
ている不溶解性物質の大部分が酸化鉄である場合は、本
発明における剥離性のよい酸化鉄微粒子として当該原水
中に含まれている酸化鉄を利用することができることは
既に述べた通りである。
と、本発明は従来から行われている濾過支持体に濾過助
剤をプレコートする、いわゆるプレコート式濾過とは全
(技術思想を異にするものであり、プレコート式濾過の
場合と比較してその被覆膜の厚さを極めて薄くする。
コート層を形成して、当該プレコート層で不溶解性物質
を体積濾過で除去するものであり、したがって当該プレ
コート層は体積濾過が可能となるように例えばIOm前
後の比較的厚い層が必要とされているが、本発明は中空
糸膜面に剥離しにくい不溶解性物質が直接付着するのを
単に防止するものであるから、酸化鉄微粒子の厚みは極
めて薄くてよく、通常100μ以下で充分にその目的を
達し得る。当該被覆膜の厚みは中空糸膜の表面積1.(
あたり0.5〜10gの前記酸化鉄微粒子を付着させる
ことによりなし得ることができる。
表面に、その長さ方向に対して従来より均一な厚みで酸
化鉄微粒子の被覆膜を形成させることができるので、各
中空糸膜の全表面で当該被M膜を介しての均一な濾過を
行うことができ、従来のごとく中空糸膜の長さ方向のほ
ぼ下半分において被覆膜の厚みが薄くなり過ぎて、この
部分では被覆膜を形成させる所期の目的を達成できない
といったような問題は解消される。
モジュールに限らずいかなる構造の中空糸モジュールに
も適用することができ、例えば前述したごとく外筒の周
囲上下方向にほぼ万遍なく流通口を設けた中空糸モジュ
ールの場合も、あるいは各中空糸膜の両端を開口させて
各中空糸膜の内側に得られる濾過水を各中空糸膜の両端
から取り出すようにした構造の、いわゆる両端集水型の
中空糸モジュールの場合にも適用することができる。
び比較例を示す。
.7鶴、長さ2.0mの中空糸膜を直径25mの外筒内
に170本束ねて第1図に示したような中空糸モジュー
ルを形成し、当該中空糸モジュールを濾過塔に1本配置
して、第2図に示したフローに準じて小型実験濾過塔を
構成し、以下の実験を行った。
e2O2を分散した水(被覆用酸化鉄微粒子水)を、そ
の水面が前記中空糸モジュールの下端より下方となるよ
うに予め前記濾過塔の濾過室内下部に張り込んだ後、当
該被覆用酸化鉄微粒子水の水面より上方の位置から純水
を供給して濾過室内を満水としたところ、当該酸化鉄微
粒子の大部分は濾過室の下部にそのまま存在した。その
後、当該酸化鉄の被覆膜を各中空糸膜の表面に形成させ
るべく、濾過塔下部に連通させた原水流入管を介して濾
過室内に、被覆膜形成用水として純水を流入させ、当該
純水を濾過室から処理水室に向けて流すようにして被覆
膜の形成操作を行ったところ、中空糸膜の表面に第3図
に示したようなほぼ均一な酸化鉄微粒子の被覆膜が形成
された。なお、第3図において符号2は中空糸膜を、3
0は形成された被覆膜を示している。
に、実施例と同じ条件で被覆用酸化鉄微粒子水を予め張
り込んだ後、原水流入管を介して当該被覆用酸化鉄微粒
子水の水面より下方から上昇流で純水を供給して濾過室
内を満水としたところ、酸化鉄微粒子は濾過室内を上昇
してその大部分が当該′a過室内の上方部に移動した。
ころ、中空糸膜2の表面には明らかにその長さ方向にお
いて上部に酸化鉄微粒子が比較的厚く被覆され、下部に
は酸化鉄微粒子がほとんど被覆されず、その結果第4図
に示すような不均一な被覆Il!30が形成された。
断面図、第2図は本発明に用いる濾過塔の一例を示すフ
ロー説明図であり、第3図は実施例における中空糸膜表
面への酸化鉄微粒子の被覆膜の形成状態を示す模式断面
図、第4図は比較例における被覆膜の形成状態を示す模
式断面図である。 1・・・中空糸モジュール 2・・・中空糸膜3・
・・外筒 4・・・上部接合部5・・
・下部接合部 6・・・流通ロア・・・開口
部 8・・・スカート部9・・・濾過塔
10・・・仕切板11・・・処理水室
12・・・濾過室13・・・気泡分配機構
14・・・気泡分配板15・・・気泡分配室
16・・・処理水流出管17・・・圧縮空気流入
管 18・・・原水流入管19・・・ドレン管
20・・・空気抜き管21・・・水張り用水流
入管 22〜28・・・弁29・・・パンフルプレー
ト 30−・・被覆膜第2図 手続補正書 (自発) 平成3年10月23日 特許庁長官 深 沢 亘 殿 1、事件の表示 平成2年特許願第202584号 2、発明の名称 中空糸膜を用いる濾過方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 明細書中の下記事項を訂正願います。 1、第14頁6行目にrO,01μ〜0.3μ」とある
のをro、oiμ〜1.0μ」と訂正する。 2第21頁10行目に「流通口6AJとあるのを[流通
口6BJ と訂正する。 3、第31頁11行目に「15・・・気泡分配室」とあ
るのを「15・・・気泡分配管」と訂正する。 以上 〔連絡先〕 4、補正の対象 〒1 1. 3 東京都文京区本郷5丁目5番16号 オルガノ株式会社 法務特許部 電話番号03−5689−5115 明細書の発明の詳細な説明および図面の簡単な説明の欄
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、塔内を上部の処理水室と下部の濾過室とに区画する
仕切板から、中空糸膜を多数本束ねた中空糸モジュール
を前記濾過室内に懸垂してなる濾過塔を用い、不溶解性
物質を含む原水を前記濾過室から流して各中空糸膜の外
側から内側へ原水を通過させることにより、前記処理水
室から濾過水を得る濾過操作の前に、剥離性のよい酸化
鉄微粒子を含む水を中空糸膜に通過させて各中空糸膜の
表面に当該酸化鉄微粒子の薄い被覆膜を形成させる濾過
方法において、各中空糸膜の表面に酸化鉄微粒子の被覆
膜を形成させるに際し、前記濾過室内の下部に、被覆膜
の形成に必要な量の酸化鉄微粒子を含有する被覆用酸化
鉄微粒子水を予め存在せしめ、次いで当該被覆用酸化鉄
微粒子水の水面より上方の位置から濾過室内に水張り用
水を、前記酸化鉄微粒子の大部分が濾過室内の下部に維
持されるごとく流入させることによって当該濾過室内を
満水とし、しかる後、被覆膜形成用水を当該濾過室内に
その下部より流入させるとともに濾過室内の水を各中空
糸膜に通過させることによって各中空糸膜の表面に前記
酸化鉄微粒子の被覆膜を形成させ、その後形成された被
覆膜を介して原水の濾過を行うことを特徴とする中空糸
膜を用いる濾過方法。 2、原水に含まれる不溶解性物質の大部分が酸化鉄であ
る場合、当該酸化鉄を各中空糸膜の表面で濾過した後、
これを洗浄することによって得られる酸化鉄を多量に含
む洗浄排液を、濾過室内に予め存在せしめる被覆用酸化
鉄微粒子水として用いる請求項1に記載の中空糸膜を用
いる濾過方法。 3、被覆用酸化鉄微粒子水を、その水面が濾過室内に懸
垂した中空糸モジュールの下端より下方となるように濾
過室内に存在せしめる請求項1または2に記載の中空糸
膜を用いる濾過方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2202584A JP2871819B2 (ja) | 1990-08-01 | 1990-08-01 | 中空糸膜を用いる濾過方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2202584A JP2871819B2 (ja) | 1990-08-01 | 1990-08-01 | 中空糸膜を用いる濾過方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0490831A true JPH0490831A (ja) | 1992-03-24 |
JP2871819B2 JP2871819B2 (ja) | 1999-03-17 |
Family
ID=16459905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2202584A Expired - Lifetime JP2871819B2 (ja) | 1990-08-01 | 1990-08-01 | 中空糸膜を用いる濾過方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2871819B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000218110A (ja) * | 1999-01-28 | 2000-08-08 | Japan Organo Co Ltd | 発電所プラントにおける復水濾過装置の運転方法 |
CN111878921A (zh) * | 2020-07-28 | 2020-11-03 | 陈勇 | 一种节水型湿式空气净化设备 |
-
1990
- 1990-08-01 JP JP2202584A patent/JP2871819B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000218110A (ja) * | 1999-01-28 | 2000-08-08 | Japan Organo Co Ltd | 発電所プラントにおける復水濾過装置の運転方法 |
CN111878921A (zh) * | 2020-07-28 | 2020-11-03 | 陈勇 | 一种节水型湿式空气净化设备 |
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---|---|
JP2871819B2 (ja) | 1999-03-17 |
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