JPH049006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、往復移動しながらシヤワー水を噴出
するシヤワーノズルを備えた装置に関する。

【背景技術】

従来わが国においては、シヤワー装置は皮膚を
清潔に洗浄するためのものとして、入浴に代えて
簡便に用いることのできる手段と考えられてき
た。しかし、最近では入浴準備の手軽さ、節水、
省エネルギーなどの長所が認められ、小家族、単
身者を中心に本格的な入浴手段として利用される
ようになつてきており、次第に使用頻度も増大し
ている。一方、健康増進に対する社会的なニーズ
が高まるにつれ、シヤワーの噴射圧による皮膚刺
激と温熱効果とが注目されつつある。即ち、刺激
感のある温浴によつて血流量を増加させ、循環器
系、呼吸器系、自律神経系など健康と美容に深い
関係を持つ諸機能の活性化を図ることができ、心
身のリラツクスと疲労回復、美容に効果的である
ことが認められてきた。そして、これらの効果を
より大きくするためには、噴射水の湯温や水圧に
変化をつけて噴射水の刺激効果をできるだけ持続
させられるようにしたり、できるだけ身体に大量
の湯を前進にくまなく噴射させるなどの工夫が必
要になる。 そこで、本考案の出願人は、シヤワーノズルを
水圧で往復移動させられるようにして刺激効果を
増大させたシヤワー装置を特願昭61−148404号公
報として先に出願した。しかし、この先の出願に
かかるシヤワー装置は、シヤワーノズルから噴出
される市水の水圧によりシヤワーノズルを往復移
動させるものであり、水道から供給された市水の
水圧によりシリンダ内のピストンを往復運動さ
せ、ピストンと連動させてシヤワーノズルを往復
移動させ、ピストンを往復駆動させるのに使用さ
れた後の市水はシヤワーノズルから噴出させてシ
ヤワーの用を供していた。このように先の出願に
かかるシヤワー装置にあつては、市水の水圧によ
りピストンを往復移動させていたが、市水の水圧
は地域、設置場所により変動があるために、市水
の水圧によりシヤワーノズルを駆動させるとシヤ
ワーノズルのスライドスピードや駆動力等の性能
にばらつきを生じ、場合によつては動作不良を起
こす恐れがあつた。また、シヤワーノズルから噴
出させる水量を絞ると、ピストンを駆動させるだ
けの力が得られないためにシヤワーノズルの水量
を一杯に開いて使用しなければならず、水道水の
無駄が大きく、更にシヤワーノズルのスライドス
ピードや駆動力を調整することができなかつた。

【考案の目的】

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは地域や
設置場所によつて変動の大きな市水の水圧を用い
ることなくシヤワーノズルを駆動できるように
し、節水を行えるようにし、水道水のシヤワーノ
ズルのスライドスピードなどの調整も可能にする
ことにある。

【考案の開示】

本考案のシヤワー装置は、シリンダ１内のピス
トン２と連動して往復移動するシヤワーノズル３
を備え、シリンダ１内のピストン２の上下の上加
圧室４及び下加圧室５の駆動水を交互に注入もし
くは排水させるための駆動水配管６を前記上加圧
室４及び下加圧室５に接続し、前記駆動水配管６
に駆動水循環用の循環ポンプ７を設けると共に駆
動水の循環方向に切り替えるため切換え弁８を設
け、前記シヤワーノズル３が往復移動範囲の端に
達した時に前記切換え弁８を駆動させるための反
転機構９を設け、シヤワーノズル３に前記駆動水
配管６とは独立した給水配管１０を接続して成る
ことを特徴とするものである。しかして、循環ポ
ンプ７を駆動して駆動水をシリンダ１内の上加圧
室４または下加圧室５内に注排水することにより
ピストン２をスライドさせ、シヤワーノズル３を
移動させることができるものであり、更に切換え
弁８と反転機構９との働きによりシヤワーノズル
３を繰り返し往復移動させることができるもので
ある。しかも、市水の水圧によることなく、循環
ポンプ７で駆動水を循環させてシヤワーノズル３
を移動させているので、水圧の変動などの影響を
受けることがなくて一定の性能を維持することが
でき、シヤワーノズル３のスライドスピードなど
の調整も循環ポンプ７のパワーを調整することに
より行え、駆動水をシヤワーノズル３の水とは関
係なく繰り返し循環させて使用することにより水
道水を節水することができるものである。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。第３図に示すものはシヤワー装置の全体を示
す概略斜視図であり、上下に長いシヤワー装置本
体１１とスライド部１２とからなり、スライド部
１２はシヤワー装置本体１１に背面側から跨がせ
るようにしてシヤワー装置本体１１に昇降自在に
保持されており、スライド部１２の両側前面には
各々シヤワーノズル３が設けられている。シヤワ
ー装置本体１１内には、第１図に示すようにシリ
ンダ１が設けられており、シリンダ１内には上下
に摺動自在にピストン２が納入されており、ピス
トン２の上に上加圧室４が形成され、ピストン２
の下加圧室５が形成されている。シリンダ１の上
面および下面には夫々滑車１４，１５が設けられ
ており、シヤワー装置本体１１の背面に上下方向
に張られたワイヤー１６は上下の滑車１４，１５
に掛け回されてシリンダ１内へ入り、ピストン２
の上面及び下面に夫々両端を固定されている。ま
た、シリンダ１の下方には切換え弁８を配設して
あり、この切換え弁８は四方弁である。切換え弁
８は、第１図に示すように循環ポンプ７により加
圧された駆動水（水に限らず、凍結防止のための
不凍液やオイルなどでも良い。）を循環させる第
一配管１３の加圧側を接続される流入口１９と、
第一配管１３の帰還側を接続される流出口２１
と、第二配管１７によりシリンダ１の上加圧室４
に接続された第一切換え口２３と、第三配管１８
によりシリンダ１の下加圧室５に接続された第二
切換え口２４を有しており、切換えレバー２５の
一定角度の回動操作により流入口１９と第一切換
え口２３とを連通させると共に流出口２１と第二
切換え口２４とを連通させた状態と、流入口１９
と第二切換え口２４とを連通させると共に流出口
２１と第一切換え口２３とを連通させた状態との
間を切り替えることができるようになつている。
なお、切換えレバー２５が回動操作された場合に
は、バネの弾性力により瞬間的に切換え弁８が切
り替えられるようにしても良い。こうして第一配
管１３と第二配管１７と第三配管１８とにより、
駆動水配管６が構成されている。上記の如く第一
配管１３に接続されていて駆動水を強制的に循環
させるための循環ポンプ７は浴室やシヤワー室の
室外に設置されており、浴室やシヤワー室の壁に
は空気圧を利用したタツチスイツチなどの非電気
的なスイツチ２０を取り付けてあり、スイツチ２
０で循環ポンプ７を稼動ないし停止あるいはパワ
ーの調整を行えるようにしてあり、室内に電気機
器を持ち込まないので、感電の心配もなく安全性
の高いものである。ここで、循環ポンプ７のパワ
ーの調整方法としては、循環ポンプ７をインバー
タ制御することにより回転数を変化させたり、あ
るいはマイクロコンピユータなどを利用してプロ
グラム制御することによりシヤワーノズル３の駆
動制御することも可能である。ままた、シヤワー
装置本体１１の側面には上下方向に自由にスライ
ドできるようにスライダー２２が保持されてお
り、スライダー２２の上下には夫々止めねじ２６
を緩めることにより上下に位置を変えられるよう
になつたストツパー２７が設けられており、スラ
イド部１２が上昇するとスライド部１２の上面が
上のストツパー２７に当接してスライダー２２を
押しあげるようにすると共にスライド部１２が下
降するとスライド部１２の下面が下のストツパー
２７に当接してスライダー２２を押し下げるよう
にしてあり、スライダー２２の下端に設けられた
ラツク部２８を切換え弁８の切換えレバー２５の
外周に設けられた歯部２９に噛合させて反転機構
９を構成してあり、スライダー２２の昇降に伴い
切換えレバー２５を回動させて切換え弁８を切り
替えることができるようになつている。また、ス
ライド部１２に設けられているシヤワーノズル３
には、流量調整弁３０を介して給水配管１０によ
り市水道に接続されており、シヤワーノズル３か
らは駆動水とは別に市水が供給されるようになつ
ている。 しかして、第１図に示すように、切換え弁８の
流入口１９と第一切換え口２３とが連通し、流出
口２１と第二切換え口２４とが連通している場合
には、循環ポンプ７により駆動水が循環させられ
ると、駆動水は第一配管１３を通つて切換え弁８
の流入口１９から第一切換え口２３へ流れ、第二
配管１７からシリンダ１の上加圧室４内に圧入さ
れる。この結果上加圧室４に加圧された水圧によ
りピストン２が下降させられ、これに連動してシ
ヤワーノズル３を備えたスライド部１２が上昇す
る。同時に下加圧室５内の駆動水はピストン２の
下降に伴つて押し出され、第三配管１８を通つて
切換え弁７の第二切換え口２４から流出口２１を
経て第一配管１３の循環ポンプ７へ戻されて再び
循環させられる。こうしてシヤワーノズル３は、
上昇しながら市水道から供給されるシヤワー水を
噴出させられてシヤワーの用に供されるのであ
る。こうして、スライド部１２がシヤワーノズル
３からシヤワー水を吐出させながら上昇し、設定
範囲の上端に達すると上のストツパー２７に当た
つてスライダー２２を押し上げ、切換え弁８を第
２図のように切り替える。第２図のように切換え
弁８が切り替えられると、流入口１９が第二切換
え口２４と連通し、流出口２１が第一切換え口２
３と連通するので、循環ポンプ７により加圧され
た駆動水はシリンダ１の下加圧室５内へ供給さ
れ、ピストン２が押し上げられる。ピストン２が
押し上げられると、連動しているスライド部１２
は反転して下降し、ピストン２の上昇により上加
圧室４から押し出される駆動水は切換え弁８の第
一切換え口２３から流出口２１へ戻され、シヤワ
ーノズル３は下降しながらシヤワー水を吐出す
る。更に、スライド部１２が移動範囲の下端に達
すると下のストツパー２７に当接してスライダー
２２を押し下げ、切換えレバー２５を回動させて
切換え弁８を元の状態に切り替える。このように
して、シヤワーノズル３はシヤワー水を吐出しな
がら上下に往復移動するものである。 なお、スライド部１２もしくはシヤワーノズル
３の移動範囲はスライダー２２に取着されている
ストツパー２７の位置を上下に変えることにより
調整できるようになつている。 第４図に示すものは本考案の他例であり、駆動
水配管６の第一配管１３の循環ポンプ７と並列に
バイパス路３１を接続し、このバイパス路３１に
電動弁３２を取付け、室内の壁面に取り付けたコ
ントローラ３３により循環ポンプ７のオン、オフ
と電動弁３２の開度とをリモートコントロールで
きるようにしたものである。しかして、電動弁３
２をリモートコントロールすることにより駆動水
を任意の水圧に調整することができ、これにより
シヤワーノズル３の駆動速度を調整することがで
きるものである。なお、電動弁３２の代わりに室
内の壁面から操作できるように手動弁を設置して
も良く、また電動弁３２もしくは手動弁は循環ポ
ンプ７と直列に接続しても良い。

【考案の効果】 本考案は、叙述のごとく循環ポンプを駆動して
駆動水をシリンダ内の上加圧室または下加圧室内
に注排水することによりピストンをスライドさ
せ、シヤワーノズルを移動させることができるも
のであり、更に切換え弁と反転機構との働きによ
りシヤワーノズルを繰り返し往復移動させること
ができるものである。しかも、市水の水圧による
ことなく、循環ポンプで駆動水を循環させてシヤ
ワーノズルを移動させているので、水圧の変動な
どの影響を受けることがなくて一定の性能を維持
することができ、シヤワーノズルのスライドスピ
ードなどの調整も循環ポンプのパワーを調整する
ことにより行え、駆動水をシヤワーノズルの水と
は関係なく繰り返し循環させて使用することによ
り水道水を節水することができるという利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略断面図、
第２図は同上の四方弁を切り替えた状態を示す説
明図、第３図は同上のシヤワー装置の外観図、第
４図は本考案の他例を示す一部省略した概略図で
ある。 １……シリンダ、２……ピストン、３……シヤ
ワーノズル、４……上加圧室、５……下加圧室、
６……駆動水配管、７……循環ポンプ、８……切
換え弁、９……反転機構、１０……給水配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ内のピストンと連動して往復移動する
   シヤワーノズルを備え、シリンダ内のピストンの
   上下の上加圧室及び下加圧室に駆動水を交互に注
   入もしくは排水させるための駆動水配管を前記上
   加圧室及び下加圧室に接続し、前記駆動水配管に
   駆動水循環用の循環ポンプを設けると共に駆動水
   の循環方向を切り替えるため切換え弁を設け、前
   記シヤワーノズルが往復移動範囲の端に達した時
   に前記切換え弁を駆動させるための反転機構を設
   け、シヤワーノズルに前記駆動水配管とは独立し
   た給水配管を接続して成るシヤワー装置。