JPH0342092B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は浴室に設置するシヤワー装置に関する
ものである。

［背景技術］ 従来、わが国において、シヤワー装置は皮膚を
清潔に洗浄するために風呂に代わる簡便な入浴手
段と考えられてきた。しかしながら、最近では入
浴準備の手軽さ、節水、省エネルギーなどの長所
が認められ、小家族や単身者を中心に本格的な入
浴手段として利用される傾向にあり、使用頻度も
次第に増大している。一方、健康増進に対する社
会的な要求が高まるにつれて、シヤワーの噴出圧
力による皮膚刺激と温熱効果とが注目されつつあ
る。すなわち、刺激感を有した温浴により血流量
を増加させ、循環器系、呼吸器系、自律神経系等
の健康や美容に深い関係を持つ諸機能の活性化を
図ることができ、心身のリラツクスと疲労回復、
美容に効果的であることが認められている。

ところで、従来よりシヤワー装置としては、シ
ヤワーノズルを固定式のハンガーフツクに着脱自
在に取着できるようにしたものや、上下方向に走
るスライドバーにシヤワーノズルを取り付けてシ
ヤワーノズルの高さ位置を調節できるようにした
ものが提供されている。この種のシヤワー装置で
はシヤワーノズルを手に持つて操作せずに、位置
固定されたシヤワーノズルから噴出される噴射水
に向かつて身体を移動させることができるから、
身体を自由に動かせるという特長がある。しかし
ながらシヤワーノズルの位置を使用前に調節した
後、使用中にはシヤワーノズルの位置が固定され
ているものであるから、同一方向にのみ水が噴出
することになり、刺激感が次第に薄れて刺激感が
持続しないものである。

一般に上述したような健康増進効果や美容効果
を高めるには、噴出圧力を変化させたり、シヤワ
ーノズルを首振りさせることにより噴射水の刺激
効果をできるだけ持続させることが必要であるか
ら、従来のシヤワー装置では十分効果があるとは
言えないものであつた。

また、心身をリラツクスさせたり疲労を回復す
るには、自然界の波動現象のようになんらの意味
も持たず、生体にとつて心地よいゆらぎを含む刺
激を与えることが効果的であることがわかつてい
る。このような自然界の波動現象にはパワースペ
クトルがフーリエ周波数に逆比例する１／ｆゆら
ぎが含まれており、このゆらぎが生体に心地よい
刺激を与えるのである。

［発明の目的］ 本発明は上述の点に鑑みて為されたものであつ
て、その主な目的とするところは、シヤワーの噴
出圧力と噴出方向と噴出位置との少なくともいず
れか一要素を１／ｆゆらぎを含むように可変する
ことにより、刺激を持続させて健康や美容に良い
効果をもたらし、なおかつ心身のリラツクスや疲
労回復に効果があるシヤワー装置を提供すること
にある。

［発明の開示］ （構成） 本発明に係るシヤワー装置は、パワースペクト
ルがフーリエ周波数に逆比例する１／ｆゆらぎ信
号を発生する１／ｆゆらぎ発生手段と、シヤワー
ノズルを備え噴出圧力と噴出方向と噴出位置との
うちの少なくともいずれか一要素が１／ｆゆらぎ
発生手段に呼応して可変されるシヤワー本体とを
具備して成るものであり、噴出水により１／ｆゆ
らぎ刺激を生体に与えることができるようにした
ものである。

実施例 １ 第１図および第２図に示すように、白色雑音を
発生するランダム信号発生回路１と、周波数レス
ポンスが入力周波数に逆比例するフイルタ回路２
とにより１／ｆゆらぎ発生手段が構成されてお
り、ランダム信号発生回路１の出力である白色雑
音をフイルタ回路２に通すことにより１／ｆゆら
ぎ信号が得られるようになつている。すなわち、
ランダム信号発生回路１の出力は時間とともに周
波数や振幅が不規則に変化するとともに、パワー
スペクトルが略一定となつているのであり、一
方、フイルタ回路２の出力信号はパワースペクト
ルが周波数に逆比例する、いわゆる１／特性を
有するのである。ランダム信号発生回路１は種々
の実現方法があるが、マイクロコンピユータ（た
とえばMSXと称して市販されている）７を用い、
パラレルインターフエース８より得られるデジタ
ル信号をデジタル−アナログ変換回路（たとえば
AD558として市販されている集積回路）９に入
力してアナログ信号として取り出すことにより、
白色雑音を得るものである。

フイルタ回路２は同一の構成を有した部分フイ
ルタ回路２ａ，２ｂを２段接続して構成される。
各部分フイルタ回路２ａ，２ｂは、それぞれ固有
の周波数範囲で１／特性を有するように設定さ
れ、２段の部分フイルタ回路２ａ，２ｂを接続す
ることにより、フイルタ回路２全体としてのレス
ポンスが一直線につながるように設定される。こ
のようにて広い周波数範囲に亘つて１／特性を
有するフイルタ回路２が得られるのである。

フイルタ回路２の出力は電動弁駆動回路３によ
り増幅され、電動弁駆動回路３の出力により電動
弁４の絞り量が１／ｆゆらぎにより可変される。
電動弁４はシヤワーヘツド５を備えたシヤワー本
体への流路上に配置されており、これによつてシ
ヤワーノズルから噴出する噴出水の噴出圧力が
１／ｆゆらぎで変動するのであり、生体への刺激
圧が変化するのである。

実施例 ２ 実施例１では従来より提供されている通常のシ
ヤワーヘツド５への給水路上に電動弁３を配設す
ることにより、噴出圧力を１／ｆゆらぎで変化さ
せるものであつたが、シヤワー本体６として、第
４図および第５図に示すように水圧でシヤワーノ
ズルが首振りするものや、第６図および第７図に
示すように水圧でシヤワーノズルが上下に移動す
るものを用いれば、噴出方向や噴出位置を１／ｆ
ゆらぎで変化させることができる。

すなわち、第４図および第５図はシヤワー本体
６に設けたシヤワーヘツドであつて、実願昭60−
156701号（実開昭62−66757号公報）に開示され
たものである。このシヤワーヘツドは、固定側本
体１１と、固定側本体１１に回動自在に取り付け
たシヤワーノズル１２と、水流により回転する水
車１３と、水車１３とシヤワーノズル１２との間
に介装された減速歯車列１４と、シヤワーノズル
１２の回転方向を反転させる反転機構１５とを具
備したものである。しかるに、給水路から供給さ
れる水流によつて水車１３を回転させることによ
り、シヤワーノズル１２を首振りさせることがで
きるのであり、噴出方向を変化させることができ
るのである。しかも、電動弁４の絞り量が１／ｆ
ゆらぎで変動するから、首振りが一定速度ではな
く１／ｆゆらぎで噴出方向が変化するのであり、
生体に対して心地よい刺激を与えることができる
のである。

第６図および第７図に示すシヤワー本体６は、
特願昭61−148404号に開示されたものであつて、
支柱２０に上下移動自在に取り付けられたシヤワ
ーヘツド２１と、上下に移動自在なピストン２２
を備えたシリンダ２３と、水を供給する給水管２
４をピストン２２により仕切られたシリンダ２３
の上加圧室２５と下加圧室２６とのいずれか一方
に選択的に接続する切換弁２７と、シヤワーヘツ
ド２１が予め設定された移動範囲の端末位置に達
したときに切換弁２７を切換動作させる切換装置
２８とを備えている。シヤワーヘツド２１はピス
トン２２に連動している。切換装置２８は切換弁
２７を操作するシヤフト２９と、シヤフト２９上
に配設された一対のストツパ３０とにより構成さ
れており、ストツパ３０によりシヤワーヘツド２
１の移動範囲が規制される。すなわち、シヤワー
ヘツド２１が移動範囲の上端位置に達すると、上
側のストツパ３０を押し上げてシヤフト２９を上
方に移動させ、給水管２４が上加圧室２５に接続
されるように切換弁２７を切り換えるのである。
こうして、水圧によつてピストン２１が下方に移
動し下側のストツパ３０をシヤワーヘツド２１が
押し上げると、シヤフト２９が下方に移動して給
水管２４が下加圧室２６に接続されるように切換
弁２７を切り換えるのである。このような動作を
繰り返すことにより、シヤワーヘツド２１が上下
に往復移動するものである。したがつて、給水管
２４に供給される水圧を上記電動弁４で調節する
ことにより、シヤワーヘツド２１を１／ｆゆらぎ
変動させながら上下に移動させることができるの
であり、噴出位置を１／ｆゆらぎで変動させるこ
とができるのである。

以上のようにして、噴出圧力と噴出方向と噴出
位置とのいずれかをそれぞれ１／ｆゆらぎで変動
させることができるのであるが、これらを任意に
組み合わせてもよいのはもちろんのことである。

［発明の効果］ 本発明は上述のように、パワースペクトルがフ
ーリエ周波数に逆比例する１／ｆゆらぎ信号を発
生する１／ｆゆらぎ発生手段と、シヤワーノズル
を備え噴出圧力と噴出方向と噴出位置とのうちの
少なくともいずれか一要素が１／ｆゆらぎ発生手
段に呼応して可変されるシヤワー本体とを具備し
て成るものであり、シヤワーの噴出圧力と噴出方
向と噴出位置との少なくともいずれか一要素が
１／ｆゆらぎで変動するから、刺激が持続し、皮
膚の血行を促進して新陳代謝を促し、健康や美容
に良い効果をもたらすととともに、心身のリラツ
クスや疲労回復に高い効果を得ることができるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例１を示すブロツク図、
第２図は同上の一部具体回路図、第３図は本発明
の実施例２を示すブロツク図、第４図および第５
図は同上に使用するシヤワー本体に取り付けたシ
ヤワーヘツドの一例を示す斜視図と断面図、第６
図および第７図は同上に使用する他のシヤワー本
体の断面図と斜視図である。 １はランダム信号発生回路、２はフイルタ回
路、３は電動弁駆動回路、４は電動弁、５はシヤ
ワーヘツドである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パワースペクトルがフーリエ周波数に逆比例
   する１／ｆゆらぎ信号を発生する１／ｆゆらぎ発
   生手段と、シヤワーノズルを備え噴出圧力と噴出
   方向と噴出位置とのうちの少なくともいずれか一
   要素が１／ｆゆらぎ発生手段に呼応して可変され
   るシヤワー本体とを具備して成ることを特徴とす
   るシヤワー装置。