JPH0489623A

JPH0489623A - 垂直磁気記録媒体の製造法

Info

Publication number: JPH0489623A
Application number: JP19615390A
Authority: JP
Inventors: Masayoshi Shinoda; 篠田　正義; Hideo Ogawara; 大河原　英生; Noriyuki Kitaori; 典之北折; Hideo Takeda; 秀夫武田
Original assignee: Taiyo Yuden Co Ltd
Current assignee: Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date: 1990-07-26
Filing date: 1990-07-26
Publication date: 1992-03-23

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、垂直磁気記録方式による塗布型の磁気記録媒
体の製造法に関する。

〔従来の技術〕

近年、磁気記録媒体としては、短波長による記録、再生
に優れた高密度タイプの磁気記録媒体の開発が望まれて
いる。この点からすると、磁気テープの長手方向に磁性
体粒子を配向させた磁性層を有する磁気記録媒体を、リ
ングヘッドにより磁性層の面に平行に磁化する従来一般
に多く用いられている記録方式は、磁性層における磁性
体の充填密度を高めようとすると原理的に限界があるの
で、高密度記録に用いるには不利である。

そこで、高密度タイプの磁気記録媒体としては、いわゆ
る垂直磁気記録方式、すなわち磁性体粒子の磁化容易軸
を垂直に配向させた磁性層を有する垂直磁気記録媒体を
用いて、磁性層の垂直方向に磁化することにより記録を
行なう方式が注目され、その垂直磁気記録媒体が盛んに
研究されている。

この垂直磁気記録方式では、磁性層中に磁性体粒子を高
密度に充填できるのみならず、反磁場の影響が少ないの
で、リングヘッドに代わるＳＰＴヘソ］−を使用するこ
とができ、原理的にも短波長における記録、再生特性に
優れ、高密度記録に適していることが確認されている。

この垂直磁気記録媒体としては、Ｇｏ−Ｃｒ合金等の強
磁性金属の薄膜をスパッタリング法や蒸着法等により例
えばポリエチレンテレフタレートフィルム（ＰＥＴフィ
ルム）等の基材フィルム上に形成し、記録層とする方法
が研究されている。しかし、これらの方法により形成さ
れた金属薄膜の記録層は、磁気記録媒体として使用され
たときに磁気ヘットに擦られるときの走行耐久性や耐蝕
性に問題があるのみならす、磁気記録媒体としての生産
効率の点でも問題がある。

そこで、これらの問題が少なく、しかも磁性層の可撓性
に優れ、操作性が良く、磁気記録媒体として多年積み重
ねられた研究を活かすことができる、いわゆる塗装方式
により生産できる塗布型の垂直磁気記録媒体を作成する
ことが研究されている。この塗布型の磁気記録媒体とし
ては、例えば六角板状ハリウムフェライ）　（ＢａＦｅ
＋２０＋９）粉末や針状酸化鉄粉末を育機質バインター
等に分散させた磁性塗料を基材フィルムに塗布し、その
塗膜の乾燥前に磁場を塗布層の垂直方向に印加し、磁化
容易軸を塗布層の垂直方向に配向させる方法が検討され
ている。

これらの内、六角板状バリウムフェライト粉末を磁性体
に用いた磁気記録媒体は、飽和磁束密度（Ｂｓ）が低い
ため、低域で出力が不足する虞がある。

一方、形状異方性によって保持力１１ｃを生じている針
状磁性体粉末を磁性体に用いた塗布型の垂直磁気記録媒
体を作成する場合、磁性層の表面が粗くなるという問題
がある。この点、磁性体粒子を長手方向に配向させた磁
性層を有する磁気テープのように、磁性体粒子を磁性層
に平行に磁化して記録するタイプのものであれば、第３
図（イ）に示すように、ＰＥＴフィルム１上の塗布層２
の長手方向に磁性体３．３　・・の磁化容易軸、すなわ
ち長軸を配向させるので、同極の磁石を対向させて、そ
の間を未乾燥塗布層を形成したＰＥＴフィルムを通過さ
せると、磁性体粒子は未乾燥塗布層に平行に並び、塗布
層の表面が粗くなるという問題は少ない。

ところが、塗布型の垂直磁気記録媒体の場合には、第３
図（ロ）に示すように針状磁性体３．３・・の長軸を垂
直に立てた塗布層４を形成する必要があり、その方法に
ついては磁性学科の未乾燥塗布層に対する配向処理方法
として交流垂直配向処理方法及び直流配向処理方法等が
採用されている。具体的には、未乾燥塗布層を形成した
例えばＰＥＴフィルムを、対向させた異極の磁石の間を
通して未乾燥塗布層に対して垂直に磁界を印加する方法
が良く知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、例えばｆｆ−Ｆｅ２Ｏ３等の針状磁性体
をその長軸を効率良く垂直に立てて垂直配向を高めた磁
性層を得るには、形状異方性によって生じている磁性体
の保磁力Ｈｃよりも十分大きな磁界を未乾燥塗布層に垂
直に印加するので、対向する磁石のエツジの部分とその
中央部分では磁石間いたの磁界の強さや方向が同しでな
いため、塗布層の乾燥過程で反磁界により配向が乱れた
り、磁気凝集のためにその塗布層表層が印加磁界方向に
立ち上がる現象を生じ、垂直配向度が低いのみならず、
塗布層の表面に凹凸が生じて表面が粗れる、いわゆる表
面劣化を生じるという問題がある。

それのみならず、第４図に示すように風乾状態の未乾燥
塗布層５の針状磁性体粒子６．６　・・は異極磁石７ａ
、７ｂ間を通過するときに垂直に配向されても、その後
印加磁界の作用外になったときにもとの姿勢に戻ろうと
して回転あるいは倒れる、いわゆる「もどり」の現象を
生じ、それだけ針状磁性体粒子の垂直配向度が低下する
という問題も生じる。

なお、これらの問題については、Ａ、０ｈｔｕｂｏ、Ｙ
Ｓａｔｏｈ、　　　Ｔ、Ｍａｓｕｋｏ、Ｔ、Ｗａｔａｎ
ａｂｅ、ＩＥＥＥ　　’ｒｒａｎｓ、Ｍ八Ｇ−２３３１
へ９　（１９８７）及び佐藤雄二、大坪秋雄、桃井彦佳
小林俊夫、第１３回日本応用磁気学会学術講演概要２２
Ａ４　（１９８７）に報告されている。

上記のような、いわゆる表面劣化を生した塗布層からな
る磁性層は、例えば磁気記録甲テープとして使用したと
きに、磁気ヘットとフーープの間隔かばらついて、いわ
ゆるスペーシングロスを生し、再生出力の低下を招くこ
とがある。ごれは、特に短波長域で画像を記録しようと
する磁気記録媒体にとっては大きな問題となる。

そごで、これらの問題を解決するために、第５図に示す
ようなＬＩＰＳ配向装置が提案されている（例えばＹ、
５ａｔｏｈ、Ａ、０ｈｔｕｂｏ＋Ｔ、Ｍａｓｕｋ、ｏ、
Ｍ、ｋｕｒｅｍａｔｓｕ。

ＩＥＥＥ　Ｔｒａｎｓ、ＭＡＧ−２３，３１４９（１９
８８））。すなわち、対向したＮ、Ｓ極一対の磁石を複
数組設け、何組か毎にＮ、Ｓ　ｆｃ逆に配置し、磁気塗
料の塗布）−の表層を垂直磁気配向し、深層を長手配向
した磁性層を有するた磁気テープが提案されている。な
お、８は塗布装置、９はこの塗布装置の後は未乾燥塗布
層を有する基材フィルムである。

しかしながら、この方法によっても上記の問題点を解決
したとは言えず、その改良が望まれている。

本発明の目的は、塗布型の垂直磁気記録媒体の製造方法
において、表面の粗れが少なく、垂直配向度の高い磁性
層を有する垂直磁気記録媒体を得ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記課題を解決するために、非磁性支持体表
面に磁性塗料の未乾燥塗布層を形成した被処理体を相対
する異極の磁極の間を通過させて磁性体粒子の磁化容易
軸を塗布層主面に対して垂直に配向させる垂直配向処理
工程を有する垂直磁気記録媒体の製造法において、上記
非磁性支持体の裏面側に設けた磁極に強磁性金属板を設
け、この強磁性金属板を介して垂直配向磁場を形成する
ことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造法を提供する
ものである。

この際、相対する異極の磁極を互い違いにずらせて配置
すること、未乾燥塗布層の磁性体粒子をこの塗布層の長
手方向に配向させる処理を行った後垂直配向処理を行う
こと、垂直配向処理工程において磁性体粒子の垂直配向
を保持したまま未乾燥塗布層の強制乾燥処理を行うこと
が好ましい。

〔作用〕

非磁性支持体の裏面側に設けた磁極に強磁性金属板を設
け、これを通して垂直配向磁場を形成したので、磁場が
均らされる。未乾燥塗布層中の磁性体粒子を均らされた
磁場中で垂直配向処理すると、磁性体粒子の配向を一様
に行うことができる。

特に相対する異極の磁極を互い違いに位置をずらせて配
置すると磁場はより多く均らされる。

この際、磁性体粒子を塗布層の長手方向に配向する処理
を行った後垂直配向処理を行うと、さらに磁性粒子を乱
れることなく整然と垂直配向させることができ、それだ
け塗布層の表面も凹凸のない滑らかな面にすることがで
きる。この整然と垂直配向された状態を保持したまま塗
布層を乾燥すると、磁性体粒子を勅かないようにするが
できる。

〔実施例：次に本発明の詳細な説明する。

実施例１第１図に示ずように、ＰＥＴフィルム１１に図示省略し
たコー、′Ｊ−により下記の磁性塗料を塗布し、未乾燥
塗布層１２を形成する。

針状合金粉末　　　　　　　　　１００市量部塩化ビニ
ル系樹脂　　　　　　　　８重量部ウレタン系樹脂　　
　　　　　　　１２　Ｍ置部ポリイソンアネート　　　
　　　　６重量部ミリスチン酸　　　　　　　　　　３
市量部ｎ−ブチルステアレート　　　　　　ＩＭ量郡部
トルエン　　　　　　　　　　１３０Ｍ量部メチルエチ
ルケトン　　　　　　１３０重量部研磨剤（粒状α−Ａ
β２０３）　　　　　１２＠量部なお、上記針状合金粉
末としては、長軸０．２μｍ、短軸０．０３μｍ　、比
表面積（ＢＥＴ値）５２　ｃｄ７ｇ、保磁力１１ｃ９０
００ｅのものを使用した。

また、塗布条件は以下の通りである。

コーター：ダイレフＩ・グラビア方式なわち上記スペース１８ａ　、　１８ｂに相対するよう
に塗布層の厚さ＝３．０μｍ（乾燥塗膜）塗布速度：　
ｌＯｍ／ｍ１ｎＰＥＴフィルムの厚さ：１０　μｍついで、配向処理装置１３による処理を行う。すなわち
、この配向処理装置１３は、永久磁石１４．１５を同極
のＳ極を対向させて上下に配置するとともに、上側の永
久磁石１４にはスペース１６を介してこれと同し大きさ
の永久磁石＋７ａ　、１７ｂ　、　１７ｃを磁極の向き
を同しにし、すなわちＳ極を下側にし、かつ上記スペー
ス１６よりやや狭いこれら磁石の幅のスペース１８ａ　
、１８ｂを介して並設し、これら永久磁石１４．１７ａ
　＝１７ｃを多孔板２０に取付は固定する。一方、下側
の永久磁石１５に離間して永久磁石２１ａ　、２１ｂを
上記永久磁石１７ａ〜１７ｃに対し逆の極性、すなわち
Ｎ極を上側にして相対し、かつ永久磁石２１ａの左右エ
ツジと永久磁石１７ａ　、１７ｂの相対するエツジ、永
久磁石２１ｂの左右エツジと永久磁石１７ｂ　８１７ｃ
の相対するエツジが相対し、すト被覆した鉄板２２によ
り連結する。

この配向処理装置１３において、上記多孔板２１の穴及
びその先端側から６０〜８０°Ｃの熱風を吹き込んだ状
態で、上記未乾燥塗布層１２を形成したＰＥＴフィルム
１１を上記永久磁石１４．１５の間を通すと、磁界は水
平方向に向いているので、針状磁性体は塗布層の長手方
向、すなわちＰＥＴフィルムの主面に平行に配向され、
いわば水平配向処理を施される。

この段階では未乾燥塗布層１２中の磁性体粉末は自由に
動き比較的弱い磁界によっても水平配向される。

ついで、永久磁石１７ａ〜１７ｃと永久磁石２１ａ。

２１ｂの間に上記水平配向処理を施された未乾燥塗布層
を有するＰＥＴフィルムを通すと、今度は磁界が未乾燥
塗布層に対して垂直に向いているので、この未乾燥塗布
層中の磁性体粒子はその塗布層の乾燥度が進むにつれて
動き難くなるがなお動きの自由度を有するので、磁界の
強さにより磁性体粒子は垂直に配向するとともに、塗布
層の乾燥につれてその動きがバインダー樹脂により徐々
に抑制される。そして、永久磁石１７ｃの磁場を外れた
ときには、磁性体粒子はほぼ不動となり、その配向状態
が固定化される。

なお、上記配向条件は下記の通りである。

永久磁石：　Ｆｅ−５ｍ−Ｇｏ永久磁石配向磁界の強度
：永久磁石１４．１５間　２５００　Ｇ（同極対向）永久磁石１７ａ〜１７ｃと２１ａ、２１ｂの間（異極と相対）０００　Ｇ磁石長さ：永久磁石１４．１５　　各々４０ｎ永久磁石
１７ａ　”１７ａ全体２００ｆｉこのようにして垂直配
向処理を施され乾燥がある程度まで進み、磁性体粒子の
配向状態が固定された塗布層を有するＰＥＴフィルムは
、乾燥室２３に導かれ、ここで十分に乾燥され、さらに
硬化されて巻き取られ、磁気テープ用原反が得られる。

上記の磁気テープ原反を鏡面仕上げ（カレンダ処理）し
て裁断し乾燥塗膜３μｍの磁性層を有する磁気テープを
作成し、垂直方向の配向度を調べるために保磁力及び角
型比（いずれも垂直方向）の磁気特性を試料振動型磁束
計（理研電子株式会社製）で測定した。これらの結果を
表に示す。これらの値は大きい程垂直配向度が高いこと
を意味する。また、磁気テープの磁性層の表面粗度（表
面粗さ、すなわち凹凸の二乗平均値）を表面粗さ計を用
いて調べた。その結果を表に示す。その値が小さいほど
表面平滑性は優れている。なお、市販のＶＴＲテープの
表面粗度は０．０１５〜０．０２５　ｐｍである。

実施例２第２図に示すように、配向処理装置１３’　を設ける。

ずなわち、この配向処理装置１３゛　は第１図において
、下側の永久磁石２１ａ　、２１ｂを上側の永久磁石１
７ａ　、１７ｂの　それぞれと異極対向させ、さらに永
久磁石１７ｃに永久磁石２１ｃを異極対向させて設けた
ものである。

この装置を用いた以外は実施例１と同様にして磁気テー
プを作成し、これについても実施例１と同様に測定した
結果を表に示す。

比較例１実施例１において、鉄板２２を用いなかった以外は同様
にして磁気テープを作成し、これについても実施例１と
同様に測定した結果を表に示す。

比較例２実施例２において、鉄板２２を用いなかった以外は同様
にして磁気テープを作成し、これについても実施例１と
同様に測定した結果を表に示す。

なお、角型比は反磁場補正した値である。

上記結果から、実施例１の磁気テープは比較例１のもの
に比べ、実施例２のものは比較例２のものに比べ、磁気
特性に優れ、表面粗度も小さいことがわかる。

なお、Ｆｅ−Ｓｍ−Ｇｏ永久磁石のほかにＦｅ−Ｎｄ−
８磁石を用いることも好ましく、他の磁石も用いられる
。

また、多孔板の材質は金属、プラスチック等でも良い。

また、ＰＵＴフィルム等の非磁性支持体には下塗り層、
バックコート層を設けたものを使用しても良い。

また、針状合金粉末としては、Ｆｅ−Ｎｉ　、　Ｆｅ−
ＮｉＣｏ等の合金を使用できるが、この針状合金粉末の
代わりに１−Ｆｅ２Ｏ３、Ｃｏ含有ｒ−Ｆｅ２（１５、
ＣｒＯ２等の酸化物、窒化鉄、炭化鉄等も使用できる。

また、同極対向磁石はＮ極とＮ極を対向させても良く、
異極対向磁石も上側にＮ極、下側にＳ極を設けても良く
、これらの磁極の組み合わせや上下の磁石間の距離は磁
性体粒子の配向の乱れが許容できる範囲内であれば良く
、磁石の磁場強度とともに適宜変更して使用できる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、磁極に強磁性金属板を設け、この金属
板を通して磁場を形成したので、磁極のエツジ、中央部
等場所により一様でない磁場を均らすことができ、この
磁場のもとて未乾燥塗布層の磁性体粒子の垂直配向処理
を行ったので、磁性体粒子の配向度が場所によらず均ら
された状態の磁性層が得られ、その表面も平滑にするこ
とができる。特に磁極を互い違いに相対して設けるとそ
の効果を大きくすることができる。

また、非磁性支持体の主面に対して平行に磁性体粒子の
配向処理を行った後、垂直配向処理を行い、この垂直配
向処理中に塗布層を磁性体粒子の配向が乱れないように
乾燥させるようにしたので、より高い比率で垂直配向を
行うことができるとともに、表面粗さを小さくすること
がでる。

このようにして垂直方向の磁気特性に優れ、表面平滑な
磁気層を有する磁気記録媒体が得られ、記録波長が極め
て短い波長域にまで及ぶ垂直磁気記録方式に好適な垂直
方向の磁気特性を有する塗布型の磁気記録媒体を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の製造法に使用される装置の
一部の概略説明図、第２図はその他の実施例の装置の一
部の概略説明図、第３図（イ）は塗布層の主面に平行に
磁性体粒子を配向したときの説明図、同図（ロ）は塗布
層の主面に垂直に磁性体粒子を配向したときの説明図、
第４図は未乾燥塗布層中の磁性体粒子を垂直配向処理を
する際の１もどり」の現象を説明する説明図、第５図は
従来の垂直配向装置の概略説明図である。図中、１１は基材フィルムとしてのＰＥＴフィルム、１
２は未乾燥塗布層、１３．１３’　は配向処理装置、１
４．１５．１７ａ〜１７ｃ、２１ａ〜２１ｃは永久磁石
、２２は鉄板である。平成２年７月２６日第図ノ１ａ１ｂとＩＣ！Ｉ３図（イ）（ロ）

Claims

【特許請求の範囲】

（１）非磁性支持体表面に磁性塗料の未乾燥塗布層を形
成した被処理体を相対する異極の磁極の間を通過させて
磁性体粒子の磁化容易軸を塗布層主面に対して垂直に配
向させる垂直配向処理工程を有する垂直磁気記録媒体の
製造法において、上記非磁性支持体の裏面側に設けた磁
極に強磁性金属板を設け、この強磁性金属板を介して垂
直配向磁場を形成することを特徴とする垂直磁気記録媒
体の製造法。
（２）相対する異極の磁極は互い違いに位置をずらせて
配置したことを特徴とする請求項１記載の垂直磁気記録
媒体の製造法。
（３）未乾燥塗布層の磁性体粒子をこの塗布層の長手方
向に配向させる処理を行った後垂直配向処理を行うこと
を特徴とする請求項１又は２記載の垂直磁気記録媒体の
製造法。
（４）垂直配向処理工程において磁性体粒子の垂直配向
を保持したまま未乾燥塗布層の強制乾燥処理を行う請求
項１ないし３いずれかに記載の垂直磁気記録媒体の製造
法。