JPH048711A - 振動吸収性樹脂組成物、それを用いた塗料及び制振材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、振動吸収性樹脂組成物、塗料及び制振材に関
し、詳しくは広い温度範囲にわたって高い振動エネルギ
ー吸収する能力を持ち、基材に対して強固な接着力を持
つ振動吸収性樹脂組成物、それを用いた塗料及び制振材
に関する。

［従来の技術およびその課題］ 従来、各種の機械装置、電気装置、構造物等から発生す
る騒音や振動を抑制し、又は防止するために、粘弾性を
有する樹脂又は樹脂組成物が振動吸収材料として用いら
れてきた。

塩化ビニル共重合体−可塑剤系や酢ビ共重合体−可π剤
系などの樹脂組成物［Ｋｕｎｓｔｓｔ。

ｆｆｅ　　５５　６３４　（１９６５）］、酢酸ビニル
ーエチルアクリレートーエ、チレン共重合物［％公開４
５−３５６６２号公報コ、エチレン−酢酸ビニル共重合
物にスチレンとアクリロニトリルとの混合物をグラフト
させた共重合物［特公昭４６−１７０６４号公報〕及び
エチレン−酢酸ビニル共重合物に塩化ビニルをグラフト
させた共重合体組成物［特公昭５５−４６４２２号公報
］などが振動吸収性樹脂組成物として知られている。

［発明が解決しようとする課題］ しかるに近年ますます各種機械装置、電気装置等が、コ
ンパクト化されるにつれて軽量化、薄肉化の要求が高ま
り、形状も複雑化している。振動吸収材料も高性能化に
よる薄肉化及び装置からの発熱による雰囲気温度の広範
囲化に対応した適応可能温度範囲の拡大化した振動吸収
性樹脂組成物、しかも基材に塗布でき、接着力が強固な
振動吸収性樹脂組成物が求められている。

しかしながら従来品には、広い適用温度範囲において高
い振動吸収性を有し、かつ基材に塗布でき接着力が強固
な振動吸収性樹脂組成物及びそれを用いた塗料、制振材
は未だ見出されていない。

本発明者らは、こうした課題を解決する為、広い温度範
囲で高い振動吸収性を有しかつ基材に塗布でき接着力が
強固な樹脂組成物及びそれを用いた塗料、制振材につい
て、鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。

［課題を解決するための手段］ 即ち、本発明は、ビニルエステル含量が６０〜９５ｆｉ
ｊ１％であるビニルエステル・エチレン共重合体ノ存在
下、アクリル酸エステル、ビニルエステル、芳香族ビニ
ル及びシアン化ビニルから選ばれる一種又は二種以上の
ビニルモノマー（Ａ）　及びカルボン酸基含有ビニルモ
ノマー及びカルボン酸金属塩基含有ビニルモノマーから
選ばれる一種または二種以上のビニルモノマー（Ｂ）を
ラジカル重合することによって得られる改質ビニルエス
テル・エチレン共重合体から成る振動吸収性樹脂組成物
及びそれを用いた塗料、制振材、好ましくは、ラジカル
重合するビニルモノマー（Ａ）及び（Ｂ）からなるコポ
リマーのガラス転移温度が、０℃以上でかつ該ビニルエ
ステル・エチレン共重合体のガラス転移温度より高いこ
とを特徴とし、鱗片状無機質充填剤を配合することを特
徴とする振動吸収性樹脂組成物及びそれを用いた塗料、
制振材を提供するものである。

本発明の振動吸収性樹脂組成物及びそれを用いた塗料は
、高い振動吸収性と広い適用可能温度範囲を有しかつ基
材に塗布でき、強固な接着力が得られる。さらに本発明
の樹脂組成物は、無機質充填剤を多量に充填することが
出来るため、マイカ。

タルク等振動吸収性のある鱗片状無機質充填剤（フィラ
ー）を配合したり、水酸化アルミ、はう酸亜鉛等の難燃
性（無機質充填剤）フィラーを多量配合したりすること
が可能になる。これらの点は樹脂に対して無機充填剤は
一般に価格的に安価であるので経済的に有利である。

［発明の構成コ 本発明におけるビニルエステル・エチレン共重合体のビ
ニルエステル含量は、６０〜９５重量％、好ましくは７
５〜８５重量％であることが必須である。ビニルエステ
ル含量が６０重量％未満であると、パイブロンで測定さ
れるポリマー粘弾性に基づく転移点（ｔａｎδ）のピー
ク温度が０°Ｃ以下になり、実用温度である０℃から５
０℃でポリマーの転移状態に基づく振動エネルギーの熱
への転換が起こりに（くなるため振動吸収性が低下する
、又　特にビニルエステル含量が４０重量％以下である
とエチレンに基づ（結晶性が現れてゴム状態の特質であ
るフィラー充填性が低下する。ビニルエステル含量が９
５重量％を越えると、ｔａｎδのピーク温度が５０°Ｃ
以上となり振動吸収性が低下するばかりでなく、フィラ
ー充填性も低下する。

ここで用いるビニルエステル・エチレン共重合体は、ビ
ニルエステルとエチレンとの共重合によって得られるが
、重合法は塊状重合、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合
のいずれの方法によるものであってよい。ビニルエステ
ルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、ラウリル酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等が挙げられるが、酢酸ビニルが好
ましく用いられる。

ビニルエステル・エチレン共重合体の存在下でラジカル
重合されるビニルモノマー（Ａ）としては、メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、等のアクリル酸又はメ
タクリル酸及びそのエステル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル
等のビニルエステル、スチレン、ビニルトルエン等の芳
香族ビニル、アクリロニトリル等のシアン化ビニル；等
が挙げられる。

ビニルエステル・エチレン共重合体の存在下でラジカル
重合されるビニルモノマー（Ｂ）としては、アクリル酸
、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、桂皮酸等の
カルボン酸基含有ビニルモノマー　アクリル酸鉛、メタ
クリル酸亜鉛、マレイン酸カルシウム等のカルボン酸金
属塩基含有ビニルモノマーが挙げられる。該ビニルモノ
マー（Ｂ）成分は、改質ビニルエステル・エチレン共重
合体中に０．５重量％以上含まれることが好ましい。０
．５重量％未満であると基体に対する接着性が良好でな
い。

該ビニルモノマー（Ａ）及び該ビニルモノマー（Ｂ）は
、（Ａ）及び（Ｂ）からなるコポリマーのガラス転移温
度が０°Ｃ以上で、かつ該ビニルエステル・エチレン共
重合体のガラス転移温度より高いものとなるような組み
合わせをすることが振動吸収適用温度範囲拡大のため望
ましい。

ビニルエステル・エチレン共重合体とビニルモノマーと
の比率は９０　：　１０〜２０：８０（重量比）、特に
８０：２０〜５０：５０（重量比）が好ましい。ビニル
モノマーのグラフト重合は、溶液中で又は水媒体中で行
うことが出来るが、例えば次のように行われる。即ち、
溶液状態のビニルエステル・エチレン共重合体に該ビニ
ルモノマーを添加し、昇温しでラジカル開始剤により重
合することにより得られる。

更に、本発明の振動吸収性樹脂組成物は、鱗片状無機質
充填剤を配合するのが好ましい。鱗片状無機質充填剤と
しては、マイカ、タルク、グラファイト等が挙げられる
。又、振動吸収材料の強度保持、難燃性向上、経済性向
上のため、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー　
フェライト、水酸化アルミ、シリカ、等の各種無機質充
填剤を配合できる。該無機質充填剤の配合量は特に制限
されないが１０重量部以上、好ましくは、１００重量部
から３００重量部である。

本発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを配合し
てもよい。他のポリマーの例としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ＥＶＡＳ　ＳＢＲ。

ＡＢＳＳ　ＰＶＣ，塩素化ポリエチレン、ポリウレタン
、等のゴム、プラスチックが挙げられる。

更に、本発明における振動吸収性樹脂組成物及び塗料に
は、通常用いられている顔料、安定剤、滑剤、可塑剤、
難燃剤、導電剤、架橋剤、等を、加えることが出来る。

本発明の振動吸収性樹脂組成物または塗料を得るために
は、例えば、ミキサーにより溶剤中で混合する溶液法で
達成できるし、又、シート状等にする時などは、ロール
、ニーグー・バンバリー混練り、スクリ、−式押出機混
練りなど通常の混線方法で得ることもできる。シート状
或はフィルム状等の所望の形状に加工する場合には、押
出機法、カレンダー加工法など　通常の加工方法で達成
できる。その厚みは、好ましくは５０μｍ〜５ｍｍであ
る。

本発明の制振材は、振動吸収性樹脂組成物及び塗料（溶
剤との混合物）を基体、通常金属面に直接塗布して使用
するが、単独で金属などの上にシート状物等として貼り
つけても使用できる。又金属−振動吸収性樹脂組成物−
金属などの積層物の形で用いることもできる。基体とし
ては、金属のほかにプラスチックス、セラミック、木等
も使用できる。

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、こ
れらは例示的なものであり、これによって本発明が制限
されるものではない。尚、文中「部」及び「％」は、重
量基準である。

（振動吸収性の評価方法） 実施例中の樹脂組成物の評価は、東洋ボールドウィン株
式会社製レオパイブロンＤＤＶ−２を用いて測定した粘
弾性特性値（ｔａｎδ等）で行った。測定は周波数１１
０Ｈｚで一２０℃から１００℃の範囲で行った。又、実
用的な振動吸収性を示す鋼板との複合損失係数は、該測
定値を用いて次式により０℃から７０℃の範囲で求めた
。

η　８ Ｋ　”（１＋Ｄ　”）＋（Ｒｌ／Ｈ１２）”（ｋ　”＋
Ｋ　”Ｄ　”）１＋ Ｋ　（１＋（Ｒ２／Ｈ１２）″（ｋ’＋Ｋ　Ｍ　ｐ　り
　）］）＝ｔａｎδ：樹脂組成物の損失率 に＝Ｅ２Ｈ２／ＥＩＨＩ：伸長剛性比 に＝１＋Ｋ Ｒ１＝Ｈ１／　１２　：振動層の回転半径Ｒ２＝Ｈ２／
　　１２　：振動吸収吸収層の回転半径Ｈ１２＝　（Ｈ
１＋Ｈ２）／２ ＝２層の中立面までの距離 Ｅｌ振動層の弾性率（実施例２．１＊１０”ｄｙｎｅ／
ｃｍ″）Ｅ２：振動吸収層の弾性率 Ｈｌ：振動層の厚さ（実施例　０．０８ｃｍ）Ｈ２：振
動吸収層の厚さ（実施例　０．１５ｃｍ）実施例１ 改質ビニルエステル・エチレン共重合体として、酢酸ビ
ニル含量８３％の酢酸ビニル・エチレン共重合体６０部
とメチルメタクリレート３８部、メタクリル酸２部から
なるグラフト重合条件下で組み入れられたビニルモノマ
ー４０部とからなる共重合体を１００部を含むトルエン
／イソプロピルアルコール（５０１５０）溶液２００部
を用い、これにタルク（竹原化学制）１５０部をミキサ
ーで混合し、振動吸収性樹脂組成物溶液を得た。この振
動吸収性樹脂組成物溶液をテフロンシート上に塗布し、
室温で３時間、１００°Ｃで３時間乾固しテフロンシー
トをはがし、厚み２００μｍのシートとし、各試料につ
き粘弾性特性を測定し、又、複合材の損失係数を算出し
た。更に　実用的に意義がある損失係数が０．０５以上
になる温度範囲及び最大損失係数を０°Ｃから５０°Ｃ
の範囲で求めた。又、振動吸収性樹脂組成物溶液を、予
め脱脂した０、８ｍｍ厚鋼板上に乾燥後の厚みが１．５
ｍｍになるように塗布し、室温で３時間、１００℃で３
時間乾固し、各試料につき鋼板に対する接着性を評価し
た。接着性の評価は基盤の目評価法により行なった。即
ち、１ｍｍＸ　１ｍｍ単位の１００個の升目（１０ｍｍ
ｘ　ｌ　Ｏｍｍ）のうち剥離しなかった升目が９０個以
上の場合は合格とした。

結果を表−１、表−２に示した。

比較例１ 実施例１において、グラフト重合条件下で組み入れられ
たビニルモノマーとしてメチルメタクリレート４０部を
用いた以外は同様にして比較例１の結果を得た。

比較例２ 実施例１において、改質ビニルエステル・エチレン共重
合体として酢酸ビニル含量８３％の酢酸ビニル・エチレ
ン共重合体を９８部とメタクリル酸２部とから得られる
共重合体を用いた以外は同様にして比較例２の結果を得
た。

比較例３ 実施例１において、改質ビニルエステル・エチレン共重
合体のかわりに酢酸ビニル含量４０％のエチレン・酢酸
ビニル共重合体６０部とメチルメタクリレート３８部、
メタクリル酸２部とからえられる改質エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体を用いた以外は同様にして比較例３の結果
を得た。

実施例２ 実施例１において、メタクリル酸２部の代わりにアクリ
ル酸亜鉛２部を用いた以外は同様にして実施例２の結果
を得た。

実施例３ 実施例１において、グラフト重合条件下で組み入れられ
たビニルモノマーとしてブチルメタクリレート３８部、
アクリル酸２部を用いた以外は同様にして実施例３の結
果を得た。

比較例４ 比較例２において、酢酸ビニル含量８３％の酢酸ビニル
・エチレン共重合体のかわりに酢酸ビニル含ｊ１４０％
のエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いた以外は同様に
して比較例４の結果を得た。

実施例４ 実施例１において、改質ビニルエステル・エチレン共重
合体として酢酸ビニル含量７６％の酢酸ビニル・エチレ
ン共重合体７０部とスチレン２４゜５部、メタクリル酸
５．５部とから得られる共重合体を用いた以外は同様に
して実施例４の結果を得た。

実施例５ 実施例１において、タルク（竹原化学制）１５０部のか
わりに炭酸カルシウム（白石工業製）１５０部を用いた
以外は同様にして実施例５の結果を得た。

比較例５ 実施例１において、改質ビニルエステル・エチレン共重
合体のかわりにポリ酢酸ビニル重合体を用いた以外は同
様にして比較例５の結果を得た。

以上の結果を表−１、表−２に示した。

表−１ 実施例 樹脂組成物の ｔａｎδ温度”Ｃ３２ η＝０．０５を 示す温度 低温℃ 高温°Ｃ η＞０．０５の 温度範囲°Ｃ３４ ηの最大値、２１ ピーク温度”Ｃ２１ ，２１，１？　　　　、１８　　　．２０鋼板に対する 接着性 合格　合格　合格　合格　合格 樹脂組成物の ｔａｎδ温度℃ η＝０．０５を 示す温度 低温℃ 高温°Ｃ η＞０．０５の 温度範囲℃ ηの最大値　、２１ ピーク温度°Ｃ 表−２ 比較例 ．１８ ＜０　　　　　＜０　　　　４６ ５　　　　　＜０　　　　５０ ．０４ ．０１　　　．０６ ［発明の効果］ 本発明の樹脂組成物及び塗料は、従来技術のものと比べ
て高い損失係数（振動吸収特性）を保ちながら、広い振
動吸収適用可能温度範囲を持ち、しかも基材に対する接
着力が強固であることから、制振性を必要とする電気装
置、機械装置の防音、防振等に有用である。又、本発明
の該組成物からなる塗料は、制振を必要とする部分に塗
布等の簡単な方法で容易に防音、防振性を付与できる。

更に、本発明の制振材は、高い振動吸収特性、広い振動
吸収適用可能温度範囲を持つので、各種の防音、防振を
要するものに使用できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ビニルエステル含量が６０〜９５重量％であるビニ
   ルエステル・エチレン共重合体の存在下、アクリル酸エ
   ステル、ビニルエステル、芳香族ビニル及びシアン化ビ
   ニルから選ばれる一種又は二種以上のビニルモノマー（
   Ａ）及びカルボン酸基含有ビニルモノマー及びカルボン
   酸金属塩基含有ビニルモノマーから選ばれる一種または
   二種以上のビニルモノマー（Ｂ）をラジカル重合するこ
   とによって得られる改質ビニルエステル・エチレン共重
   合体から成る振動吸収性樹脂組成物。 ２、ラジカル重合するビニルモノマー（Ａ）及び（Ｂ）
   からなるコポリマーのガラス転移温度が、０℃以上でか
   つ該ビニルエステル・エチレン共重合体のガラス転移温
   度より高いことを特徴とする請求項１記載の振動吸収性
   樹脂組成物。 ３、鱗片状無機質充填剤を配合することを特徴とする請
   求項１及び２記載の振動吸収性樹脂組成物。 ４、請求項１記載の振動吸収性樹脂組成物を用いること
   を特徴とする塗料。 ５、請求項１記載の振動吸収性樹脂組成物を基体に積層
   して成る制振材。