JPH0479048B2

JPH0479048B2 -

Info

Publication number: JPH0479048B2
Application number: JP57110691A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Fujama; Toshimitsu Okutsu; Takahito Myoshi; Akira Ushimaru
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1982-06-29
Filing date: 1982-06-29
Publication date: 1992-12-14
Also published as: NL8302285A; DE3323441A1; US4612235A; JPS593723A; DE3323441C2

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は磁気記録媒体に関し、特にＳ／Ｎを低
下させることなく、摩擦係数を低下させ、走行耐
久性を向上させ且つテープの耳折れがなく、テー
プのバツク面のけずれなどのない優れた磁気テー
プに関する。一般に、オーデイオ用、ビデオ用あるいはコン
ピユーター用の磁気記録テープにおいて、感度
（特に、高周波領域での出力）を改善するために
磁気記録層の表面が平滑に仕上げられている。し
かし、このよな平滑な磁気記録テープは巻取り、
巻戻しの際に整然と巻き取られず、乱巻状態を起
こしやすい。このような磁気テープを使用する
と、張力変動などにより走行性が悪くなり、出力
が変動する。また、テープの変形、損傷も起こり
やすい。この欠点を防ぐために、磁気記録層と反
対側の支持体面にバツク層を設けた磁気記録テー
プが提案されている。しかしながら、従来より使用されているバツク
層は、けずれ、摩擦係数の増加、テープの折れな
どが生じやすく、更に改良の余地がある。また、一般に走行特性や走行耐久性を向上する
ことを目的として、バツク層を賦与すると磁気記
録媒体（特にテープ状のとき）がロール状に巻累
込まれたり、シート状で積み重ねられた場合、バ
ツク層の凹凸が磁性層表面に写り、磁性層の表面
性が損なわれ、このため磁性層媒体の電磁特性、
特にＳ／Ｎ特性が損なわれることが知られてい。
Ｓ／Ｎ特性が低下するのは、しばしばバツク層の
走行特性を重んじる余り、その表面状態が粗くな
り、このため磁性層媒体が巻き込まれたり、積み
重ねられたりした状態で保存または放置される
と、バツク層の凹凸が磁性層表面に写るからであ
る。上記のバツク層に基く欠点を改良するために本
発明者等は先に、バツク層の表面に高さ0.8〜5μ、
間隙200μ以上でスパイク粒子を設け、バツク層
の摩擦係数が0.25以上であることを特顛徴とする
磁気記録媒体を提案しているが（特開昭52−
102004号公報参照）、この先行技術では巻き端面
の揃い、巻きゆるみ、巻きずれの問題等がかなり
改善されているものの、Ｓ／Ｎ特性、耐久性の点
でまだ問題があつた。本発明の目的は、摩擦係数の増加しない、走行
耐久性の良い磁気記録媒体を提供するにある。更に本発明の別の目的は、磁性媒体のＳ／Ｎ特
性を損わないバツク層を有する磁気記録媒体を提
供するにある。本発明の上記の目的は、非磁性支持体の表面に
磁性層を有し、反対面に無機質粉末と結合剤を含
み且つ2μ以下の厚さのバツク層を有する磁気記
録媒体において、そのバツク層の無機質粉末が粗
粒子との微粒子からなり、バツク層の表面に高さ
0.05〜0.8μ、間〓50μ以上、50個／cm²以上５万
個／cm²以下の表面凸起を設けたことを特徴とする
磁気記録媒体。本発明の表面凸起は、配合される無機質粉末と
して、粗粒子と微粒子を混合、組合せることによ
つて形成される。無機質粉末としては、カーボン
ブラツク粉末、グラフアイト、二硫化タングステ
ン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、SiO₂、
CaCO₃、Al₂O₃、Fe₂O₃、TiO₂、MgO、ZnO、
CaOの如きものである。微粒子粉末と粗粒子粉末
は同じ種類でも異なる種類でもよいが、特に、異
る種類を用いることが望ましく、この場合、粗粒
子粉体としては、上記の中でもAl₂O₃、MaO、
ZnO、CaOが好ましく、特に好ましくは、Al₂O₃
であり、微粒子粉体としては、SiO₂、CaCO₃、
TiO₂が好ましく、特に好ましくは、CaCO₃であ
る。本発明の表面凸起は、例えば三次元表面粗さ測
定器サーフコム300B（商品名、東京精密(株)製）等
で容易に測定することができる。すなわち、倍率
は高さ５万倍、縦方向400倍、横方向100倍
（25μm間隔）とし、所定面積につき三次元粗さ曲
線を描き、高さ0.05〜0.08μであつて間〓50μ以上
のものの数を数える。本発明の結合剤としては、従来当業界で知られ
た結合剤、たとえば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂或いはこれらの混合物が使用され
る。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル―酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル―塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル―アクリロニトリル共重合体、ア
クリル酸エステル―アクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル―塩化ビニリデン共重合体、
アクリル酸エステル―スチレン共重合体、メタク
リル酸エステル―アクリロニトリル共重合体、メ
タクリル酸エステル―塩化ビニリデン共重合体、
メタクリル酸エステル―スチレン共重合体、ウレ
タンエラストマー、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリ
デン―アクリロニトリル共重合体、ブタジエン―
アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、繊維素系樹脂（セルロース
アセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス等）、スチレン―ブタジエン共重合体、ポリエ
ステル樹脂、クロロビニルエーテル―アクリル酸
エステル共重合体、アミノ樹脂、各種ゴム系樹脂
などである。熱硬化型樹脂又は反応型樹脂としては、フエノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキツド樹脂、
アクリル系反応樹脂、ポリイソシアネート、ポリ
アミンなどである。本発明のバツク層は、単位体積当りの記録密度
を上げるために、磁気記録媒体の総厚味（磁性層
＋支持体＋バツク層）をできる限り薄くする様に
選ばれている。この様なバツク層の厚さは好まし
くは0.3〜2μ、特に好ましくは0.5〜1μである。本発明によれば、前述した如き特性を持つ磁気
記録媒体が得られる。即ち、従来の技術によれ
ば、バツク層を薄くするとバツク層が破壊される
が（磁気記録媒体が走行するときバツク層が削れ
る）、本発明ではこの欠点は生じない。しかも、
本発明のバツク層を用いることにより、記録波長
1.3μの高密度記録においてもビデオＳ／Ｎが劣化
しない。本発明の磁気記録媒体は特開昭52−108804号に
記載の材料、製法などにしたがつて調製すること
ができる。次に本発明の実施例について説明する。実施例
中「部」は重量部を示す。実施例厚さ14μのポリエチレンテレフタレートベース
の表面に、コバルト含有γ―酸化鉄を含む磁性層
を、その反対側にバツク層を設けた。磁性層は、
乾燥後の厚みが5μになるように、バツク層は下
記組成物を用い、粉末粒子の組合せを変化させ、
乾燥後の厚さが0.7μになるように塗布した。ニトロセルロース 25部ポリウレタン商品名：ニツポラン2301、日本ポ
リウレタン(株)製造） 15部ポリイソシアネート商品名：コロネートＬ、日
本ポリウレタン(株)製造） 40部微粒子無機質粉末（平均粒子サイズ0.07μ）
100部粗粒子無機質粉末（平均粒子サイズは第１表）
第１表に示す量メチルエチルケトン 480部上記磁気記録テープの各試料について下記の各
種の試験を行ない、次表の結果を得た。試験方法１バージンテープとこれを100パス走行させた後
の走行耐久性を調べた。走行耐久性はVHSビデ
オデツキの回転シリンダ―入口テンシヨン（T₁）
と出口テンシヨン（T₂）を測定することによつ
て行なつた。更に、バージンテープとこれを100パス走行し
た後のテープの出力変動を調べた。試験方法２バージンテープと、これを100パス走行させた
テープを用いてステンレスポールの動摩擦係数
3.3cm／sec）T₂／T₁を磁性層側、バツクコート
側について調べた。試験方法３ VHSビデオデツキを100パス走行させた後のバ
ツクコート面の摩耗状態およびテープの損傷状態
を調べた。

【表】

【表】第１表から次のことが判る。バツク層の表面凸起のピツチが50μ以下（No.
６）では100パステープの出力変動が大になり好
ましくなく、また1500〜3000μ（No.２）となると、
表面凸起のない比較例（No.１）と特性があまり変
らなくなつてしまうので、50〜300μ付近が好ま
しい。表面凸起の個数が50個／cm²より少ないと、No.
１、No.２のように100パステープの出力変動が大
となり、摩擦係数が大となつて、テープの摩耗や
損傷が目立つてくるし、５万個／cm²より多くなつ
てくるとNo.６のように100パステープの出力変動
が大となつてくるので、50〜50000個／cm²程度が
好ましく特に2000〜12000個程度が好ましい。表面凸起の高さは0.05μ付近（No.７）、0.8μ付近
（No.10）になると、100パステープの出力変動や摩
耗状態、テープ損傷が大きくなつてくる傾向にあ
り、0.05〜0.8μ、好ましくは0.1〜0.5μの間にある
のがよい。すなわち薄いバツク層の磁気テープでは、その
バツク層充填剤に微粒子のものと、粗粒子のもの
を合せ用い、特許請求の範囲で特定された表面凸
起をバツク層表面に設けることにより、走行耐久
性が良好で特にバツクコートのけずれ、又、Ｓ／
Ｎ特性の良好なものを得ることができる。本発明
のようなバツク層は、最近の1/2インチビデオテ
ープ、メタルビデオテープ、蒸着ビデオテープ用
のバツク層として最適である。

Claims

【特許請求の範囲】

１非磁性支持体の表面に磁性層を有し、反対面
に無機質粉末と結合剤を含み且つ2μ以下の厚さ
のバツク層を有する磁気記録媒体において、その
バツク層の無機質粉末が粗粒子と微粒子からな
り、バツク層の表面に高さ0.05〜0.8μ、間〓50μ
以上、50個／cm²以上５万個／cm²以下の表面凸起を
設けたことを特徴とする磁気記録媒体。