JPH0477442B2 - - Google Patents

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JPH0477442B2
JPH0477442B2 JP62275830A JP27583087A JPH0477442B2 JP H0477442 B2 JPH0477442 B2 JP H0477442B2 JP 62275830 A JP62275830 A JP 62275830A JP 27583087 A JP27583087 A JP 27583087A JP H0477442 B2 JPH0477442 B2 JP H0477442B2
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resistor
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alkaline earth
molybdate
earth metal
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JP62275830A
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Kazuharu Onigata
Toshimitsu Pponda
Shoichi Tosaka
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
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  • Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、固定チツプ抵抗器あるいは回路配線
基板等に設けられる厚膜タイプの電気抵抗体、特
に非酸化性雰囲気中で焼成して得られることが可
能であり、かつ耐電圧特性を改善した電気抵抗体
及びその製造方法に関する。 従来の技術 電子機器の電気回路は、抵抗、コンデンサ、ダ
イオード、トランジスタ等の各種電気素子が回路
基板に実装されて構成されることが良く行われて
いるが、電子機器の小型化に伴つてこれらの電気
素子の実装密度をさらに高めることができる回路
基板が多く用いられるようになつてきた。 これらの回路基板に設けられる抵抗体には、抵
抗体材料ペーストを回路上に直接印刷して焼付け
ることにより形成した厚膜抵抗体、あるいは角板
状セラミツクチツプの両端に一対の電極を形成
し、双方の電極に跨がるように前記厚膜抵抗体を
形成した固定チツプ抵抗器等がある。 このような厚膜抵抗体を回路基板に設けるに
は、従来、例えば1500℃前後で焼成して得られた
アルミナ基板の表面にAgあるいはAg−Pd等の導
体材料ペーストを塗布し、焼付けした後、例えば
RuO2を抵抗体材料として含有するペーストをス
クリーン印刷等により塗布し、ついで750〜850℃
で焼付け、さらに必要に応じてトリミング等によ
り抵抗値の調整を行なうやり方が一般的である。 しかしながら近年、電子機器等に対する軽薄・
短小化、低コスト化の要求がさらに強まつてきて
おり、回路基板に対しても一層の小型化、低コス
ト化の検討が行われるようになつてきた。 前者の小型化のための具体的な対応としては、
第1に回路基板の多層化、第2に抵抗体の内装化
が行なわれている。回路基板を多層化した例とし
ては、AgあるいはAg−Pd系等の導体材料ペース
トを印刷したセラミツクグリーンシート(生シー
ト)を積層、圧着した後、大気中800〜1100℃で
同時焼成して得られる多層配線基板が挙げられ、
また、抵抗体を内装化した例としては、前記導体
材料ペーストを印刷したセラミツクグリーンシー
ト上にさらにRuO2系抵抗体材料ペーストを印刷
し、前記と同様に積層、圧着した後、同時焼成し
て得られる抵抗体内装多層配線基板等が知られて
いる。 また、後者の低コスト化のための具体的な対応
としては、AgあるいはAg−Pd系材料のような高
価な貴金属系の導体材料に代わつて、安価なNi
あるいはCu等の卑金属系の導体材料を用い、こ
れらを窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス中
等、その酸化による高抵抗化を避けることができ
るような中性あるいは還元性の非酸化性雰囲気
中、800〜1100℃でグリーンセラミツクと同時焼
成して得られる多層配線基板が実用化されてい
る。また、特開昭56−153702号公報に記載されて
いるように、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる
抵抗体材料を、銅(Cu)導体を有するアルミナ
基板上に塗布し、熱処理して得られる厚膜抵抗体
等も知られている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、回路基板の小型化と低コスト化
を同時に行なうようにすると、RuO2系抵抗体材
料は窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス雰囲気
中でグリーンセラミツクと同時焼成したときに還
元反応が起こり、抵抗値が低くなつて抵抗体とし
ての特性を示さなくなる。 また、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる抵抗
体材料を非酸化性雰囲気中でグリーンセラミツク
シートと同時焼成すると、両者の膨張率、収縮率
の相違によるずれにより焼成体に反りが生じた
り、MoSi2−TaSi2の分解反応によりガスが発生
して焼成体にふくれが生じ易いと云う問題点があ
る。これを改善するために、特開昭60−198703号
公報に記載されているように、MoSi2−弗化金属
塩(例えば弗化カルシウム)及びガラスよりなる
抵抗体材料を用いる例が知られており、これにつ
いては上記のような焼成時の反りやふくれは見ら
れない。 しかし、このMoSi2−弗化金属及びガラスより
なる抵抗体材料をグリーンセラミツクシートに塗
布し、同時焼成して得られた厚膜抵抗体は、95%
相対湿度中に1000時間放置すると、5〜10%の抵
抗値の増加が見られ、抵抗体としての所定の機能
を果たすことができない。 そこで、本発明者等はCu,Ni等の卑金属導体
ペーストを印刷したセラミツクグリーンシートと
ともに、非酸化性雰囲気中で800〜1100℃で焼成
して得られることが可能なアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩を含有する厚膜抵抗体を提案した。
これは上記のような高湿度下に長時間放置しても
抵抗値の増加はほとんど見られず、好ましい。 しかしながら、このアルカリ土類金属のモリブ
デン酸塩を含有する厚膜抵抗体を形成した素子や
回路基板、あるいはこれらの素子や回路基板を実
装した電子機器等を低温度、低湿度の条件下で取
り扱うと、これらの素子同士の摩擦あるいはこれ
ら素子や機器等を扱う作業者の衣服の摩擦等によ
り発生する高電圧の静電気等が厚膜抵抗体に印加
されることになり、この抵抗体の抵抗値を大きく
低下させるという問題点がある。この抵抗値の減
少は20〜50%にもなり、一旦減少すると元の抵抗
値には戻らず、その改善が望まれていた。 したがつて、本発明の第1の目的は、固定チツ
プ抵抗器あるいは一般の回路基板等に使用できる
のみならず、卑金属導体材料とともに積層して多
層基板に内装化することのできる電気抵抗体であ
つて、高湿度下長時間放置されても抵抗値の安定
な電気抵抗体を提供することにある。 本発明の第2の目的は、抵抗体材料を還元性雰
囲気中で焼成することによつても得られる優れた
特性を有する電気抵抗体を提供することにある。 本発明の第3の目的は、高電圧が印加されても
抵抗体としての機能を損なわない電気抵抗体を提
供することにある。 本発明の第4の目的は、回路基板の小型化、コ
ストの低減の両方を満足できる電気抵抗体を提供
することにある。 本発明の第5の目的は、前記電気抵抗体の特性
をより一層向上させることのできる製造法を提供
することにある。 問題点を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するために、アルカ
リ土類金属のモリブデン酸塩と、チタン酸塩を含
有する焼成体を有することを特徴とする電気抵抗
体を提供するものである。 また、本発明は、塊状粒子と、この塊状粒子に
付着又はこの塊状粒子の近傍に存在する針状粒子
と、ガラス層を有しチタン酸塩を含有する焼成体
であつて、上記塊状粒子がアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩を含有し、針状粒子が当該モリブデ
ン酸塩の還元生成物を含有することを特徴とする
電気抵抗体を提供するものである。 また、本発明は、主成分にアルカリ土類金属の
モリブデン酸塩及びその前駆体の内の少なくとも
一種と、チタン酸塩を含有する抵抗体材料を熱処
理し、この熱処理して得られた抵抗体材料を用い
て焼成し、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と
チタン酸塩を含有する焼成体からなる電気抵抗体
を得ることを特徴とする電気抵抗体の製造方法を
提供するものである。 本発明における電気抵抗体は、例えば第1図に
示すように、ガラスaに球状粒子bと針状粒子c
を分散させた構造が例示され、この例では針状粒
子は球状粒子に付着しているか、その近傍に存在
している。このような構造は、接触又は近傍に存
在する球状粒子と針状粒子を通して電流を流すこ
とができる。このような構造は、例えば抵抗体材
料の塊状粒子を焼成処理してその表面の生成物を
針状に成長させることによつて形成させることが
できるが、これについては後に詳述する。 このような抵抗体材料としては、アルカリ土類
金属のモリブデン酸塩を使用できるが、Meをア
ルカリ土類金属とすると、一般式MeMoO4
Me3MoO6,Me2MoO5,Me2Mo7,MeMo4O13
MeMo7O24,MeMo3O10,Me2MoO5,Me2Mo3
O11等で表されるものが好ましい。具体的には、
例えばMgMoO4,CaMoO4,SrMoO4
BaMoO4,BaMo2O7,BaMo4O13,BaMo7O24
BaMo3O10,Ca3MoO6,Sr3MoO6,Ba3MoO6
Ba2MoO5,Mg2Mo3O11等が挙げられる。 また、次の複合モリブデン酸塩も例示される。 (MgxCay)MoO4、但し、x+y=1, (CaxSry)MoO4、但し、x+y=1, (MgxBay)MoO4、但し、x+y=1, (MgxCayBaz)MoO4、但し、x+y+z=1, (CaxSryBaz)MoO4、但し、x+y+z=1, (MgxCaySrzBaw)MoO4、但し、x+y+z+
z=1, (CaxSry)MoO6、但し、x+y=3, (SrxBay)MoO6、但し、x+y=3, このようなアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
は、アルカリ土類金属の各々の金属酸化物の前駆
体となる物質と酸化モリブデン(MoO3)又はそ
の前駆体とを所定のモル比で混合し、熱処理する
ことにより合成することができる。例えばCaOの
前駆体となる、例えば炭酸カルシウム(CaCO3
又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と酸化モリ
ブデン(MoO3)又はその前駆体となる、例えば
モリブデン酸(H2MoO4)と所定モル比混合し、
熱処理する。このときの熱処理条件としては、
600〜1000℃、1〜3時間が挙げられる。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩は、
アルカリ土類金属酸化物と酸化モリブデン
(MoO3)の熱処理によつても合成することがで
きる。例えばCaOとMoO3を熱処理することによ
つてカルシウムのモリブデン酸塩が合成される
が、この場合MoO3が昇華し易いため、加圧しな
がら熱処理することが好ましい。他のアルカリ金
属についても同様である。 また、本発明で使用されるチタン酸塩は、Me
を金属としたとき、一般式MeTiO3で表され、
Meとしては例えばアルカリ土類金属が挙げられ
る。具体的にはペロブスカイト型酸化物の
MgTiO3,CaTiO3,SrTiO3,BaTiO3が好まし
い。 本発明においてはガラスを用いることが好まし
く、このガラスとしては一般に知られているガラ
スが用いられ、特定の組成のガラスに限定される
ものではないが、Pb3O4,Bi2O3,SnO2,CdOの
ような酸化物は、これらを含む抵抗体材料を非酸
化性雰囲気中で焼成するときに還元されて金属化
することがあり、この金属は抵抗値を変化させる
ので、このようなことが起こることが好ましくな
い場合にはこれらの酸化物を含有しないことが好
ましい。 ガラス成分としては、SiO2,B2O3,ZnO,
CaO,SrO,ZrO2などが好ましく、これらの酸
化物の組成比は、 SiO212〜33 重量% B2O320〜35 重量% ZnO又はSrO 13〜33 重量% CaO 10〜25 重量% ZrO215〜45 重量% が好ましい。 これら酸化物の組成物からガラスを製造するに
は、前記組成比になるようにそれぞれの酸化物を
秤量し、混合する。この混合物を坩堝に入れ、
1200〜1500℃に温度にて溶融した後、溶融液を例
えば水中に投入し、急冷させ、ガラス粗粉を得
る。この粗粉を例えばボールミル、振動ミルなど
の粉砕手段を用いて所望の粒度(例えば10μm以
下)になるまで粉砕すると、ガラス粉末が得られ
る。 前記は純粋の酸化物を混合して用いたが、これに
限らず結果的に各酸化物の混合物からなるガラス
になれば良く、各酸化物の前駆体をその一部又は
全部に用い、これを溶融してガラスにしても良
い。例えばCaO(酸化カルシウム)はCaCO3(炭
酸カルシウム)、B2O3(酸化硼素)ホウ酸(H3
BO3)の熱処理により得られるので、CaO,B2
O3の一部又はその全部の代わりにそれぞれ
CaCO3,H3BO3を用いることができる。その他
の成分の酸化物についても同様である。 前記のようにして得られるアルカリ土類金属の
モリブデン酸塩、ガラス粉末は混合され、この混
合組成物に対してチタン酸塩を添加してさらに混
合し抵抗体材料として用いても良いが、これを熱
処理して粉砕したものを抵抗体材料とすることが
これを焼成して得た抵抗体の抵抗温度特性の上で
好ましい。この熱処理温度としては、800℃〜
1200℃が好ましく、これより外れると抵抗体材料
を電気抵抗体に加工する各工程の作業条件等によ
る組成比の微妙な変動に対し、出来上がつた抵抗
体の抵抗値が影響を受け易く、所望の抵抗値を安
定して得ることが難しい。この熱処理は非酸化性
雰囲気が望ましく、窒素ガスその他不活性ガス、
あるいはこれらに水素ガスを含有させた混合ガス
を用いることが好ましい。 抵抗体材料の各成分の組成比は、アルカリ土類
金属のモリブデン酸塩30〜96重量%、ガラス粉末
4〜70重量%の組成物100重量部に対してチタン
酸塩0.01〜5.00重量部添加したものが好ましい。
この範囲よりアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
が少なく過ぎ、ガラスが多過ぎると、焼成して出
来上がつた電気抵抗体の抵抗値が高くなり過ぎ好
ましくない場合があり、また、逆に当該モリブデ
ン酸塩が多過ぎ、ガラスが少な過ぎると焼成時の
焼結性が悪くなり回路基板に安定に保持できない
ことがある。しかし、抵抗体を回路基板に積層し
て埋め込むような場合には当該元素のモリブデン
酸塩が上記範囲より多い場合のみならず、100%
でも良い。また、チタン酸塩の量が多すぎると温
度係数が絶対値の大きいマイナスになり、少な過
ぎると耐電圧性の点で好ましくない場合がある。 このようにして得られた抵抗体材料粉末から固
定チツプ抵抗器あるいは厚膜抵抗体のための抵抗
体を作成するには、例えばセラミツクグリーンシ
ートにこれらの抵抗体材料粉末を塗布し、焼成す
る。この際電気抵抗体本体となる例えば上記モリ
ブデン酸塩は球状、楕円、多角状体等の塊状粒子
にしてから使用することが好ましい。これは針状
粒子が成長する焼成の過程でその根源の母体が残
ることが好ましいからである。この抵抗体本体材
料を塊状粒子にするには、ガラス等の結合剤を使
用することもできる。 このようなモリブデン酸塩と例えばガラス等か
らなる抵抗体材料の塗布を行うためには例えばシ
ルクスクリーン印刷ができるようにこれら抵抗体
材料粉末にビヒクルが混合され塗液が調整され
る。このビヒルクは、焼成の前段階で焼失できる
ようなものが好ましく、このためには有機物ビヒ
クル、すなわち有機溶剤に樹脂を溶解又は分散さ
せ、必要に応じて可塑剤、分散剤等の各種添加剤
を加えたものが好ましい。この有機溶剤にはブチ
ルカービトールアセテート、ブチルカービトー
ル、テレピン油などが挙げられ、樹脂としてはエ
チルセルローズ、ニトロセルローズ等のセルロー
ズ誘導体、その他の樹脂が挙げられる。 この有機物ビヒクルと抵抗体材料粉末との使用
割合は使用する有機溶剤、樹脂等により変わる
が、有機溶剤と樹脂との使用割合は前者が20〜50
重量%、後者が80〜50重量%が適当である。これ
らの成分は例えば三本ロールミル、らいかい器な
どの混合手段を用いてペースト状にされる。 このようにして得られた抵抗体材料ペーストが
基板に塗布され、これがさらに後述の処理を施さ
れて抵抗体が作成されるが、この基板にはセラミ
ツクグリーンシートを導体材料や抵抗体材料とと
もに焼成して作成するもののみならず、予めセラ
ミツクグリーンシートを焼成し、これにさらに抵
抗体材料、導体材料を塗布した後焼成する方法で
も良い。これらは積層体を形成する場合にも適用
できる。 前記セラミツクグリーンシートとしては、例え
ば酸化アルミニウム(Al2O3)35〜45重量%、酸
化珪素(SiO2)25〜35重量%、酸化硼素(B2O3
10〜15重量%、酸化カルシウム(CaO)7〜13重
量%、酸化マグネシウム(MgO)7〜10重量%
等のセラミツク構成成分の酸化物混合物を有機物
ビヒクルとボールミル等で混合したスラリーをド
クターブレード等によりシート化したものが挙げ
られる。この際、アルカリ土類金属のモリブデン
酸塩にガラスを併用しないときは、前記セラミツ
クグリーンシートにガラス分を多く含ませガラス
を併用したと同様の効果を出すようにしても良
い。前記有機物ビヒクルには、アクリル酸エステ
ル等のアクリル樹脂、ポリビニルブチラール等の
樹脂、グリセリン、フタル酸ジエチル等の可塑
剤、カルボン酸塩等の分散剤、水、有機溶剤等の
溶剤から構成される。 前記抵抗体材料ペーストはセラミツクグリーン
シートに例えばシルクスクリーン印刷等の手段に
より塗布され、乾燥後、400〜500℃で熱処理され
て樹脂成分が分解・燃焼されるのが好ましい。 この際、同時にNiあるいはCu等の卑金属導体
材料あるいはAg又はAg−Pdの貴金属導体材料の
ペーストも抵抗体材料ペースト塗膜と同様にセラ
ミツクグリーンシートに塗布され、抵抗体材料ペ
ーストの塗布物と同様に処理される。 このNiあるいはCu等の卑金属導体材料あるい
はAg又はAg−Pdの貴金属導体材料のペースト組
成物としては、各々の金属粉末98−85重量%にガ
ラスフリツトを2〜15重量%添加したものが例示
される。 このようにしてセラミツクグリーンシートに抵
抗体材料及び/又は導体材料が組み込まれるが、
固定チツプ抵抗器の場合にはこの未焼成基板の表
面のみ、多層基板の厚膜抵抗体の場合には前記抵
抗体材料、導体材料を未焼成状態で組み込んだも
のをさらに積層して所定の回路を構成するように
してから焼成する。この焼成により導体材料及
び/又は抵抗体材料を基板と同時に焼成体にする
ことができる。 この場合、NiあるいはCu等の卑金属導体材料
が導体材料に用いられるときは、その酸化による
高抵抗値化を防止するために、非酸化性雰囲気中
で焼成することが好ましく、その焼成温度は、例
えば800℃〜1100℃,0.5時間〜2時間が例示され
る。非酸化性雰囲気としては、窒素ガスその他不
活性ガス、これらに水素ガスを含有させた混合ガ
スも用いれる。また、Ag又はAg−Pdの貴金属導
体材料を用いるときは空気等の酸化性雰囲気中で
焼成することもできる。 前記のようにして導体及び/又は抵抗体を組み
込んだ回路配線基板が出来上がるが、焼成基板と
導体の間は勿論のこと、焼成基板と抵抗体との間
にも焼成に伴つてクラツク、歪み、ふくれ等を生
じることがないとともに、高電圧パルスを印加し
てもその抵抗値が±10%以内の変化に抑制され、
さらに高温高湿度雰囲気中に1000時間以上放置さ
れてもその抵抗値が±2%以内の変化に抑制さ
れ、その高い信頼性を確保することができる。こ
れは抵抗体が導体及び焼成基板と良くマツチング
するためと、チタン酸塩添加による効果とが考え
られるが、その機構の詳細は明らかでない。な
お、X線回折分析により抵抗体中のモリブデン酸
塩を認めることができる。また、塊状粒子と針状
粒子を透過型電子顕微鏡により認めることができ
る。 本発明においては、上記の如くアルカリ土類金
属のモリブデン酸塩を用いても良いが、これらの
モリブデン酸塩の代わりに熱処理によりこれらの
モリブデン酸塩となる前駆体を一部又は全部用い
ることもできる。これらのいずれの場合もガラス
と混合して熱処理したものを粉砕し、抵抗体材料
とすることが好ましいが、この熱処理を行わず上
述の有機物ビヒクル等と混合して作成したペース
トを例えばグリーンセラミツクシートに塗布して
から、有機物除去の加熱処理を経て焼成し、直接
抵抗体を作成することもできる。 また、ガラスはこれを構成する酸化物の混合材
料がアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及びチタ
ン酸塩とともに結果的に焼成される状態におかれ
れば良く、これらの酸化物の前駆体をアルカリ土
類金属のモリブデン酸塩及び/又はその前駆体、
さらにはチタン酸塩とともにこの酸化物の一部又
は全部を上述したようにペースト状態にし、これ
を基板に塗布して有機物の燃焼、その後の焼成の
いずれの過程で上記のガラス成分からなるガラス
になり、これとアルカリ土類金属のモリブデン酸
塩及び/又はその前駆体、さらにチタン酸塩と焼
成されることにより抵抗体を作製できるものであ
れば良い。例えば、ガラスの材料の成分である
CaO(酸化カルシウム)はCaCO3(炭酸カルシウ
ム)の加熱、B2O3(酸化硼素)はホウ酸(H3
BO3)の加熱から得られるので、CaO,B2O3
一部又は全部の代わりにそれぞれCaCO3,H3
BO3を用いることができる。本発明における抵抗
体材料とはその処理の過程で結果的にアルカリ土
類金属のモリブデン酸塩とガラスとチタン酸塩を
主成分にするものであれば良い。 実施例 次に本発明の実施例を説明する。 酸化物に換算して表1に示される組成になるよ
うに各成分を秤量し、混合した。
【表】 表中、単位は重量%。 ガラスAの混合物をアルミナ坩堝中で1400℃で
溶融し、その溶融液を水中に投入し、急冷させ
た。この急冷物を取り出してエタノールとともに
ポツトミルの中に入れ、アルミナボールで24時間
粉砕し、粒径10μm以下のガラス粉末を得た。 また、酸化モリブデンと炭酸マグネシウムをモ
ル比が1:1になるように混合し、700℃で1時
間熱処理してマグネシウムのモリブデン酸塩を得
た。 次に、前記で得たガラスAの粉末とマグネシウ
ムのモリブデン酸塩とチタン酸塩を表2の各欄に
示す重量部になるように秤量し、混合した。 表2の各試料を窒素(N2)98.5vol%、水素
(H2)1.5vol%のガス雰囲気中、1000℃,1時間
熱処理し、しかる後にエタノールとともにポツト
ミルにて粉砕し、乾燥して10μm以下のガラスと
アルカリ土類金属のモリブデン酸塩とチタン酸塩
の熱処理粉末の抵抗体材料粉末を得た。 次に各試料の抵抗体材料粉末100重量部に有機
物ビヒクル(ブチルカービトール90重量部、エチ
セルローズ10重量部)25重量部を加え、ロールミ
ルで混合し、抵抗体材料ペーストを得た。 一方、Al2O340.0重量%,SiO235.0重量%,B2
O313.0重量%,CaO7.0重量%,MgO5.0重量%か
らなるセラミツク原料粉末100重量部にポリビニ
ルブチラール8重量部、フタル酸ジエチル8重量
部、オレイン酸0.5重量部、アセトン10重量部、
イソプルピルアルコール20重量部及びメチルエチ
ルケトン20重量部を加えてボールミルにより混合
してスラリーを作製し、脱泡処理した後にドクタ
ーブレード法により厚さ200μmの長尺のセラミツ
クグリーンシートを作製した。このセラミツクグ
リーンシートから縦9mm横9mmのグリーンシート
片と、縦6mm横9mmのグリーンシート片とを切り
抜いた。 次に第2図に示す如く、上記の縦9mm横9mmの
グリーンシート片1上に、銅粉末95重量部、ガラ
スフリツト5重量部に有機物ビヒクルとしてブチ
ルカルビトール20重量部、エチルセルロース5重
量部を加え、これらを三本ロールミルにより混合
した導体材料ペーストをシルクスクリーン印刷
し、125℃,10分間乾燥させて導体材料塗膜2を
形成した。次いで、上記で得た抵抗体材料ペース
トを上記グリーンシート片1に上記と同様にシル
クスクリーン印刷し、125℃,10分間乾燥させて
厚膜抵抗体用塗膜3を形成した。 次にグリーンシート片1上に前記で得た縦6mm
横9mmのグリーンシート上片4を図示鎖線で示す
ように重ね、100℃,150Kg/cm2で熱圧着する。次
いで、これを大気等の酸化性雰囲気中、400〜500
℃で加熱してグリーンシート片1,4、導体材料
塗膜2、抵抗体材料塗膜3のそれぞれの残留有機
物を分解・燃焼させる。 このようにして有機物を除去した後、N2
98.5vol%,H21.5vol%の混合ガス中で、950℃,
1時間焼成し、第3図に示すようにグリーンシー
ト片1の焼成体の磁器層1a、グリーンシート片
4の焼成体の磁器層4aの間に導体材料塗膜2の
焼成体の厚膜導体2a、抵抗体材料塗膜3の焼成
体の厚膜抵抗体3aを有する多層セラミツク基板
を完成させた。この多層セラミツク基板には、後
述する第4図、第5図に示されるような反り、ふ
くれは見られなかつた。 このようにして得られた焼成体の多層セラミツク
基板を層方向に研磨して抵抗体層を露出させ、こ
の露出した抵抗体層をX線回折(Cu K α線)
により分析した。得られた結果をNo.5試料につい
て第6図に示す。これによりマグネシウムのモリ
ブデン酸塩を確認することができた。 次にこの多層セラミツク基板3aの25℃におけ
る抵抗値(R25)と、125℃に加熱したときの抵
抗値(R125)をデジタルマルチメータで測定し、
抵抗の温度係数(TCR)を次式により求めた。 TCR=R125−R25/R25×10000(ppm/℃) 上記のR25の測定抵抗値及びTCRの計算値を表
2に示した。 また、上記で得られた多層セラミツク基板を60
℃,95%相対湿度のもとに1000時間放置した後の
25℃の抵抗値を測定し、その変化率を求めた結果
を表2に示す。 また、耐電圧性を測定した結果を表2に示す。
なお、この耐電圧性は、200pFのコンデンサーに
1KVの電圧で0.8秒充電した後に、上記の多層セ
ラミツク基板に0.8秒間放電する行程を3回繰り
返し行ない、電圧印加後の抵抗値の変化率を計算
する方法で行なつた。 実施例 2〜4 実施例1において、マグネシウムのモリブデン
酸塩の代わりにそれぞれカルシウムのモリブデン
酸塩、ストロンチウムのモリブデン酸塩、バリウ
ムのモリブデン酸塩を用いた以外は同様にしてそ
れぞれ表3,4,5に示す抵抗体材料から多層セ
ラミツク基板を作成し、実施例1と同様にR25
TCR、抵抗値変化率、耐電圧を求め、これらを
それぞれ3,4,5に示す。 なお、上記実施例1〜4においてチタン酸塩を
加えなかつた以外は同様にして作成した試料につ
いて同様に測定した結果について、それぞれの表
のNo.1〜No.4に示した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 比較例 1(MoSi2−TaSi2ガラス系抵抗体材
料) MoSi216重量部、TaSi29重量部の混合物を真
空中1400℃で加熱し、その生成物をエタノールと
ともにポツトミル中アルミナボールで24時間粉砕
し、乾燥させて10μm以下の微粉末を得た。この
ようにして得た微粉末25重量部に対し、BaO,
B2O3,MgO,CaO,SiO2からなるガラスフリツ
ト75重量部と、有機物ビヒクル(ブチルカルビト
ール20重量部、エチルセルロース5重量部)25重
量部とを加え、ロールミルで混合して抵抗体材料
ペーストを得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
と同様にして多層セラミツク基板を得た。 その結果、セラミツクグリーンシートに抵抗体
材料塗膜を形成し、これを加熱処理して有機物を
除去した後に同時焼成して得たものは、両者の焼
成体に膨脹率、収縮率が異なることにより第3図
に示すように反りが見られ、また、MoSi2
TaSi2の分解反応でSiO2気体が発生することによ
り第4図に示すようにふくれが生じ、実用に供す
ることができなかつた。なお、11aは上記磁器
層1a,14aは上記磁器層4a,13aは上記
厚膜抵抗体3aにそれぞれ対応する磁器層、厚膜
抵抗体である。 比較例 2(MoSi2−BaF2ガラス系抵抗体材
料) MoSi270重量部、BaF220重量部と、SiO2
ZnO,ZrO2,CaO,Al2O3からなるガラスフリツ
ト10重量部とをボールミルで混合し、得られた粉
末をアルゴン(Ar)ガス雰囲気中1200℃で熱処
理した後、これをエタノールとともにポツトミル
中アルミナボールで24時間粉砕し、乾燥させて
10μm以下の微粉末を得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
1と同様にして多層セラミツク基板を得た。この
多層セラミツク基板の厚膜抵抗体についても実施
例1と同様にして求めたR25,TCR及び抵抗値の
変化率を表6に示す。
【表】 上記結果より、実施例の多層セラミツク基板は
いずれも反り、ふくれがなく、抵抗値の変化率も
±2%以内であり、耐電圧性もチタン酸塩を加え
なかつたものより優れているのに対し、比較例1
の多層セラミツク基板は反りが見られ、比較例2
の多層セラミツク基板は抵抗値の変化率が4倍も
大きいことがわかる。 発明の効果 本発明によれば、アルカリ土類金属のモリブデ
ン酸塩とチタン酸塩を含有する電気抵抗体を提供
できるので、例えばアルカリ土類金属のモリブデ
ン酸塩、チタン酸塩及びガラスを主成分とする組
成の抵抗体材料を用いて、例えば卑金属導体材料
とともに非酸化性雰囲気中でセラミツクグリーン
シートとともに焼成することにより抵抗体を形成
するようにすると、焼成することにより焼成体に
反りやふくれが生じるようなことはなく、また、
抵抗体の特に高湿度下の経時変化を小さくできる
のみならず、耐電圧性を高めることができる。 また、塊状粒子に針状粒子を付着又は近接させ
た焼成体を有する電気抵抗体を提供できるので、
電気抵抗体本体材料の塊状粒子を含有する抵抗体
材料を例えば卑金属導体材料とともに非酸化性雰
囲気中でセラミツクグリーンシートとともに焼成
することにより電気抵抗体を形成するようにする
と、塊状粒子表面から針状粒子を成長させること
ができ過度の還元を避け適度の抵抗値を有する電
気抵抗体を提供できる。 これらにより、抵抗体を組み込んだ回路基板の
小型化、コストの低減の両方の要求を満たし、回
路基板の一層の性能の向上に寄与できる。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩を例
えばガラスと熱処理し、この熱処理した抵抗体材
料を焼成して抵抗体にすると、抵抗の温度変化係
数の絶対値を小さくすることができ、回路の性能
をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電気抵抗体の組織の模式図、
第2図は本発明の電気抵抗体を製造するときの焼
成前の抵抗体材料塗膜と導体材料塗膜を基板に形
成し、多層構造にしようとする状態の一例を示す
図、第3図はその焼成体の断面図、第4図は従来
の抵抗体材料を使用して多層構造にしたときの焼
成体の断面図、第5図はさらにその焼成体にガス
が発生した状態を示す説明図、第6図は本発明の
実施例1の試料No.5の電気抵抗体からマグネシウ
ムのモリブデン酸塩を検出したときのX線回折図
である。 図中、aはガラス、bは塊状粒子、cは針状粒
子、1,4はグリーンシート片、2は導体材料塗
膜、3は抵抗体材料塗膜、1a,4aは磁器層、
2aは厚膜導体、3aは厚膜抵抗体である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、チタ
    ン酸塩を含有する焼成体を有することを特徴とす
    る電気抵抗体。 2 焼成体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
    及びその前駆体の少なくとも1種と、チタン酸塩
    を主成分として含有する抵抗体材料から焼成され
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    電気抵抗体。 3 抵抗体材料の主成分はアルカリ土類金属のモ
    リブデン酸塩及びその前駆体の内の少なくとも1
    種を当該アルカリ土類金属のモリブデン酸塩に換
    算して30〜96重量%と、ガラス4〜70重量%とか
    らなる組成物と、該組成物100重量部に対して
    0.01〜5.0重量部のチタン酸塩を含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第2項記載の電気抵抗
    体。 4 塊状粒子と、この塊状粒子に付着又はこの塊
    状粒子の近傍に存在する針状粒子と、ガラス層を
    有しチタン酸塩を含有する焼成体であつて、上記
    塊状粒子がアルカリ土類金属のモリブデン酸塩を
    含有し、針状粒子が当該モリブデン酸塩の還元生
    成物を含有することを特徴とする電気抵抗体。 5 針状粒子は塊状粒子表面を還元して生成した
    還元生成物であることを特徴とする特許請求の範
    囲第4項記載の電気抵抗体。 6 主成分にアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
    及びその前駆体の内の少なくとも一種と、チタン
    酸塩を含有する抵抗体材料を熱処理し、この熱処
    理して得られた抵抗体材料を用いて焼成し、アル
    カリ土類金属のモリブデン酸塩とチタン酸塩を含
    有する焼成体からなる電気抵抗体を得ることを特
    徴とする電気抵抗体の製造方法。 7 熱処理前の抵抗体材料の主成分はアルカリ土
    類金属のモリブデン酸塩及びその前駆体の内の少
    なくとも一種を当該アルカリ土類金属のモリブデ
    ン酸塩に換算して30〜96重量%と、ガラス4〜70
    重量%とからなる組成物と、該組成物100重量部
    に対して0.01〜5.0重量部のチタン酸塩とからな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第6項記載の
    電気抵抗体の製造方法。
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