JPH0428123B2 - - Google Patents

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JPH0428123B2
JPH0428123B2 JP62045603A JP4560387A JPH0428123B2 JP H0428123 B2 JPH0428123 B2 JP H0428123B2 JP 62045603 A JP62045603 A JP 62045603A JP 4560387 A JP4560387 A JP 4560387A JP H0428123 B2 JPH0428123 B2 JP H0428123B2
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JP
Japan
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resistor
weight
glass
aluminum
molybdate
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JP62045603A
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Toshimitsu Honda
Tadahiko Yamada
Kazuharu Onigata
Shoichi Tosaka
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication of JPS63213304A publication Critical patent/JPS63213304A/ja
Publication of JPH0428123B2 publication Critical patent/JPH0428123B2/ja
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  • Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、固定チツプ抵抗器あるいは回路配線
基板等に設けられる厚膜タイプの電気抵抗体、特
に非酸化性雰囲気中で焼成して得られることが可
能な電気抵抗体及びその製造方法に関する。 従来の技術 電子機器の電気回路は、抵抗、コンデンサ、ダ
イオード、トランジスタ等の各種電気素子が回路
基板に実装されて構成されることが良く行われて
いるが、電子機器の小型化に伴つてこれらの電気
素子の実装密度をさらに高めることができる回路
基板が多く用いられるようになつてきた。 これらの回路基板に設けられる抵抗体には、抵
抗体材料ペーストを回路上に直接印刷して焼付け
ることにより形成した厚膜抵抗体、あるいは角板
状セラミツクチツプの両端に一対の電極を形成
し、双方の電極に跨がるように前記厚膜抵抗体を
形成した固定チツプ抵抗器等がある。 このような厚膜抵抗体を回路基板に設けるに
は、従来、例えば1500℃前後で焼成して得られた
アルミナ基板の表面にAgあるいはAg−Pd等の導
体材料ペーストを塗布し、焼付けした後、例えば
RuO2を抵抗体材料として含有するペーストをス
クリーン印刷等により塗布し、ついで750〜850℃
で焼付け、さらに必要に応じてトリミング等によ
り抵抗値の調整を行なうやり方が一般的である。 しかしながら近年、電子機器等に対する軽薄・
短小化、低コスト化の要求がさらに強まつてきて
おり、回路基板に対しても一層の小型化、低コス
ト化の検討が行われるようになつてきた。 前者の小型化のための具体的な対応としては、
第1に回路基板の多層化、第2に抵抗体の内装化
が行なわれている。回路基板を多層化した例とし
ては、AgあるいはAg−Pd系等の導体材料ペース
トを印刷したセラミツクグリーンシート(生シー
ト)を積層、圧着した後、大気中800〜1100℃で
同時焼成して得られる多層配線基板が挙げられ、
また、抵抗体を内装化した例としては、前記導体
材料ペーストを印刷したセラミツクグリーンシー
ト上にさらにRuO2系抵抗体材料ペーストを印刷
し、前記と同様に積層、圧着した後、同時焼成し
て得られる抵抗体内装多層配線基板等が知られて
いる。 また、後者の低コスト化のための具体的な対応
としては、AgあるいはAg−Pd系材料のような高
価な貴金属系の導体材料に代わつて、安価なNi
あるいはCu等の卑金属系の導体材料を用い、こ
れらを窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス中
等、その酸化による高抵抗化を避けることができ
るような中性あるいは還元性の非酸化性雰囲気
中、800〜1100℃でグリーンセラミツクと同時焼
成して得られる多層配線基板が実用化されてい
る。また、特開昭56−153702号公報に記載されて
いるように、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる
抵抗体材料を、銅(Cu)導体を有するアルミナ
基板上に塗布し、熱処理して得られる厚膜抵抗体
等も知られている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、回路基板の小型化と低コスト化
を同時に行なうようにすると、RuO2系抵抗体材
料は窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス雰囲気
中でグリーンセラミツクと同時焼成したときに還
元反応が起こり、抵抗値が低くなつて抵抗体とし
ての特性を示さなくなる。 また、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる抵抗
体材料を非酸化性雰囲気中でグリーンセラミツク
シートと同時焼成すると、両者の膨張率、収縮率
の相違によるずれにより焼成体に反りが生じた
り、MoSi2−TaSi2の分解反応によりガスが発生
して焼成体にふくれが生じ易いと云う問題点があ
る。これを改善するために、特開昭60−198703号
公報に記載されているように、MoSi2−弗化金属
塩(例えば弗化カルシウム)及びガラスよりなる
抵抗体材料を用いる例か知られており、これにつ
いては上記のような焼成時の反りやふくれは見ら
れない。 しかしながら、このMoSi2−弗化金属及びガラ
スよりなる抵抗体材料をグリーンセラミツクシー
トに塗布し、同時焼成して得られた厚膜抵抗体
は、95%相対湿度中に1000時間放置すると、5〜
10%の抵抗値の増加が見られ、抵抗体としての所
定の機能を果たすことができない。 本発明の目的は、固定チツプ抵抗器あるいは一
般の回路基板等に使用できるのみならず、卑金属
導体材料とともに積層して多層基板に内装化する
ことのできる電気抵抗体であつて、抵抗値の安定
な電気抵抗体を提供することにある。 また、本発明の他の目的は、前記電気抵抗体の
特性をより一層向上させることのできる製造法を
提供することにある。 問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解決するために、アル
ミニウムのモリブデン酸塩を含有する焼成体を有
することを特徴とする電気抵抗体を提供するもの
である。 また、本発明は、主成分主成分ににアルミニウ
ムのモリブデン酸塩及びその前駆体の内の少なく
とも一種を含有する抵抗体材料を熱処理し、この
熱処理して得られた抵抗材料を用いて焼成し、ア
ルミニウムのモリブデン酸塩を含有する焼成体か
らなる電気抵抗体を得ることを特徴とする電気抵
抗体の製造方法を提供するものである。 次に本発明に詳細を説明する。 本発明におけるアルミニウムのモリブデン酸塩
には、例えばAl2MO3O12等が例示される。 このようなアルミニウムのモリブデン酸塩は、
アルミニウムの酸化物と酸化モリブデン
(MoO3)の熱処理によつて合成することができ
るが、その前駆体を用いて熱処理することにより
合成することもできる。 本発明においてはバインダーを用いることが好
ましく、これにはガラスが挙げられが、このガラ
スとしては一般に知られているガラスが用いら
れ、特定の組成のガラスに限定されるものではな
いが、Pb3O4、Bi2O3、SnO2、CdOのような酸化
物は、これらを含む抵抗体材料を非酸化性雰囲気
中で焼成するときに還元されて金属化することが
あり、この金属は抵抗値を変化させるので、この
ようなことが起こることが好ましくない場合には
これらの酸化物を含有しないことが好ましい。 ガラス成分としては、SiO2、B2O3、ZnO、
CaO、SrO、ZrO2などが好ましく、これらの酸
化物の組成比は、 SiO2 12〜33重量% B2O3 20〜35重量% ZnO又はSrO 13〜33重量% CaO 10〜25重量% ZrO2 15〜45重量% が好ましい。 これら酸化物の組成物からガラスを製造するに
は、前記組成比になるようにそれぞれの酸化物を
秤量し、混合する。この混合物を坩堝に入れ、
1200〜1500℃に温度にて溶融した後、溶融液を例
えば水中に投入し、急冷させ、ガラス粗粉を得
る。この粗粉を例えばボールミル、振動ミルなど
の粉砕手段を用いて所望の粒度(例えば10μm以
下)になるまで粉砕すると、ガラス粉末が得られ
る。 前記は純粋の酸化物を混合して用いたが、これ
に限らず結果的に各酸化物の混合物からなるガラ
スになれば良く、各酸化物の前駆体をその一部又
は全部に用い、これを溶融してガラスにしても良
い。例えばCaO(酸化カルシウム)はCaCO3(炭
酸カルシウム)、B2O3(酸化硼素)はホウ酸
(H3BO3)の熱処理により得られるので、CaO、
B2O3の一部又はその全部の代わりにそれぞれ
CaCO3、H2BO3を用いることができる。その他
の成分の酸化物についても同様である。 前記のようにして得られるアルミニウムのモリ
ブデン酸塩、ガラス粉末は混合され、そのまま抵
抗体材料として用いても良いが、これを熱処理し
て粉砕したものを抵抗体材料とすることがこれを
焼成して得た抵抗体の抵抗温度特性の上で好まし
い。この熱処理温度としては、800℃〜1200℃が
好ましく、これより外れると抵抗体材料を電気抵
抗体に加工する各工程の作業条件等による組成比
の微妙な変動に対し、出来上がつた抵抗体の抵抗
値が影響を受け易く、所望の抵抗値を安定して得
ることが難しい。この熱処理は非酸化性雰囲気が
望ましく、窒素ガスその他不活性ガス、あるいは
これらに水素ガスを含有させた混合ガスを用いる
ことが好ましい。 抵抗体材料の各成分の組成比は、アルミニウム
のモリブデン酸塩50〜96重量%、ガラス粉末4〜
50重量%が好ましい。この範囲よりアルミニウム
のモリブデン酸塩が少な過ぎ、ガラスが多過ぎる
と、焼成して出来上がつた電気抵抗体の抵抗値が
高くなり過ぎ好ましくない場合があり、また、逆
にアルミニウムのモリブデン酸塩が多過ぎ、ガラ
スが少な過ぎると焼成時の焼結性が悪くなり回路
基板に安定に保持できないことがある。しかし、
抵抗体を回路基板を積層して埋め込むような場合
にはアルミニウムのモリブデン酸塩が上記範囲よ
り多い場合のみならず、100%でも良い。 このようにして得られた抵抗体材料粉末から固
定チツプ抵抗器あるいは厚膜抵抗体のための抵抗
体を作成するには、例えばセラミツクグリーンシ
ートにこれらの抵抗体材料粉末を塗布し、焼成す
るが、この塗布を行うためには例えばシルクスク
リーン印刷ができるようにこれら抵抗体材料粉末
にビヒクルが混合され塗液が調整される。このビ
ヒクルは、焼成の前段階で焼失できるようなもの
が好ましく、このためには有機物ビヒクル、すな
わち有機溶剤に樹脂を溶解又は分散させ、必要に
応じて可塑剤、分散剤その他の各種添加剤を加え
たものが好ましい。この有機溶剤にはブチルカー
ビトールアセテート、ブチルカービトール、テレ
ピン油などが上げられ、樹脂としてはエチルセル
ローズ、ニトロセルローズ等のセルローズ誘導
体、その他の樹脂が挙げられる。 この有機物ビヒクルと抵抗体材料粉末との使用
割合は使用する有機溶剤、樹脂等により変わる
が、有機溶剤と樹脂との使用割合は前者が20〜50
重量%、後者が80〜50重量%が適当である。これ
らの成分は例えば三本ロールミル、らいかい器な
どの混合手段を用いてペースト状にされる。 このようにして得られた抵抗体材料ペーストが
基板に塗布され、これがさらに後述の処理を施さ
れて抵抗体が作成されるが、この基板にはセラミ
ツクグリーンシートを導体材料や抵抗体材料とと
もに焼成して作成するもののみならず、予めセラ
ミツクグリーンシートを焼成し、これにさらに抵
抗体材料、導体材料を塗布した後焼成する方法で
も良い。これらは積層体を形成する場合にも適用
できる。 前記セラミツクグリーンシートとしては、例え
ば酸化アルミニウム(Al2O3)35〜45重量%、酸
化珪素(SiO2)25〜35重量%、酸化硼素(B2O3
10〜15重量%、酸化カルシウム(CaO)7〜13重
量%、酸化マグネシウム(MgO)7〜10重量%
等のセラミツク構成成分の酸化物混合物を有機物
ビヒクルとボールミル等で混合したスラリーをド
クターブレード等によりシート化したものが挙げ
られる。この際、アルミニウムのモリブデン酸塩
にガラスを併用しないときは、前記セラミツクグ
リーンシートにガラス分を多く含ませガラスを併
用したと同様の効果を出すようにしても良い。前
記有機物ビヒクルには、アクリル酸エステル等の
アクリル樹脂、ポリビニルブチラール等の樹脂、
グリセリン、フタル酸ジエチル等の可塑剤、カル
ボン酸塩等の分散剤、水、有機溶剤等の溶剤から
構成される。 前記抵抗体材料ペーストはセラミツクグリーン
シートに例えばシルクスクリーン印刷等の手段に
より塗布され、乾燥後、400〜500℃で熱処理され
て樹脂成分が分解・燃焼されるのが好ましい。こ
の際、同時にNiあるいはCu等の卑金属導体材料
あるいはAg又はAg−Pdの貴金属導体材料のペー
ストも抵抗体材料ペースト塗膜と同様にセラミツ
クグリーンシートに塗布され、抵抗体材料ペース
トの塗布物と同様に処理される。 このNiあるいはCu等の卑金属導体材料あるい
はAg又はAg−Pdの貴金属導体材料のペースト組
成物としては、各々の金属粉末98〜85重量%にガ
ラスフリツトを2〜15重量%添加したものが例示
される。 このようにしてセラミツクグリーンシートに抵
抗体材料及び/又は導体材料が組み込まれるが、
固定チツプ抵抗器の場合にはこの未焼成基板の表
面のみ、多層基板の厚膜抵抗体の場合には前記抵
抗体材料、導体材料を未焼成状態で組み込んだも
のをさらに積層して所定の回路を構成するように
してから焼成する。この焼成により導体材料及
び/又は厚膜抵抗体材料を基板と同時に焼成体に
することができる。 この場合、NiあるいはCu等の卑金属導体材料
が導体材料に用いられるときは、その酸化による
高抵抗値化を防止するために、非酸化性雰囲気中
で焼成することが好ましく、その焼成温度は、例
えば800℃〜1100℃、0.5時間〜2時間が例示され
る。非酸化性雰囲気としては、窒素ガスその他不
活性ガス、これらに水素ガスを含有させた混合ガ
スも用いられる。また、Ag又はAg−Pdの貴金属
導体材料を用いるときは空気等の酸化性雰囲気中
で焼成することもできる。 前記のようにして導体及び/又は抵抗体を組み
込んだ回路配線基板が出来上がるが、焼成基板と
導体の間は勿論のこと、焼成基板と抵抗体との間
にも焼成に伴つてクラツク、歪み、ふくれ等を生
じることがないとともに、抵抗体は高温高湿度雰
囲気中に1000時間以上放置されてもその抵抗値が
±2%以内の変化に抑制され、その高い信頼性を
確保することができる。これは低抗体が導体及び
焼成基板と良くマツチングするためと、アルミニ
ウムのモリブデン酸塩とガラスの焼成体からなる
抵抗体の独自の耐湿性に基づくものと考えられる
が詳細は明らかでない。なお、X線回折分析によ
り前記抵抗体中にアルミニウムのモリブテン酸塩
を認めることができる。 本発明においては、上記の如くアルミニウムの
モリブデン酸塩を用いても良いが、このアルミニ
ウム土類金属のモリブデン酸塩の代わりに熱処理
によりアルミニウムのモリブデン酸塩となる前駆
体を一部又は全部用いることもできる。これらの
いずれの場合もガラスと混合して熱処理したもの
を粉砕し、抵抗体材料とすることが好ましいが、
この熱処理を行わず上述の有機物ビヒクル等と混
合して作成したペーストを例えばグリーンセラミ
ツクシートに塗布してから、有機物除去の加熱処
理を経て焼成し、直接抵抗体を作成することもで
きる。 また、ガラスはこれを構成する酸化物の混合材
料がアルミニウムのモリブデン酸塩とともに結果
的に焼成される状態におかれれば良く、これらの
酸化物の前駆体をアルミニウムのモリブデン酸塩
及び/又はその前駆体とともにこの酸化物の一部
又は全部を上述したようにペースト状態にし、こ
れを基板に塗布して有機物の燃焼、その後の焼成
のいずれの過程で上記のガラス成分からなるガラ
スになり、これとアルミニウムのモリブデン酸塩
及び/又はその前駆体と焼成されることにより抵
抗体を作製できるものであれば良い。例えば、ガ
ラスの材料の成分であるCaO(酸化カルシウム)
はCaCO3(炭酸カルシウム)の加熱、B2O3(酸化
硼素)はホウ酸(H2BO3)の加熱から得られる
ので、CaO、B2O3の一部又は全部の代わりにそ
れぞれCaCO3、H2BO3を用いることができる。
本発明における抵抗体材料とはその処理の過程で
結果的にアルミニウムのモリブデン酸塩とガラス
とを主成分にするものであれば良い。 実施例 次に本発明の実施例を説明する。 実施例 1 酸化物に換算して表1に示される組成になるよ
うに各成分を秤量し、混合した。
【表】 表中、単位は重量%。
ガラスA、ガラスBのそれぞれの混合物を各別
にアルミナ坩堝中で1400℃で溶融し、その溶融液
を水中に投入し、急冷させた。この急冷物を取り
出してエタノールとともにポツトミルの中に入
れ、アルミナボールで24時間粉砕し、粒径10μm
以下のガラス粉末を得た。 また、酸化モリブデンとアルミニウムの酸化物
からアルミニウムのモリブデン酸塩を得た。 次に、前記で得たガラスA、ガラスBのそれぞ
れのガラス粉末と前記で得たアルミニウムのモリ
ブデン酸塩を表2に示す割合になるように秤量
し、混合した。
【表】
【表】 上記各試料を窒素(N2)98.5vol%、水素
(H2)1.5vol%のガス雰囲気中、1000℃、1時間
熱処理し、しかる後にエタノールとともにポツト
ミルにて粉砕し、乾燥して10μm以下のガラスと
アルミニウムのモリブデン酸塩の熱処理粉末の抵
抗体材料粉末を得た。 次に各試料の抵抗体材料粉末100重量部に有機
物ビヒクル(ブチルカービトール90重量部、エチ
ルセルローズ10重量部)25重量部を加え、ロール
ミルで混合し、抵抗体材料ペーストを得た。 一方、Al2O340.0重量%、SiO235.0重量%、
B2O313.0重量%、CaO7.0重量%、MgO5.0重量%
からなるセラミツク原料粉末100重量部にポリビ
ニルブチラール8重量部、フタル酸ジエチル8重
量部、オレイン酸0.5重量部、アセトン10重量部、
イソプルピルアルコール20重量部及びメチルエチ
ルケトン20重量部を加えてボールミルにより混合
してスラリーを作製し、脱泡処理した後にドクタ
ーブレード法により厚さ200μmの長尺のセラミ
ツクグリーンシートを作製した。このセラミツク
グリーンシートから縦9mm横9mmのグリーンシー
ト片と、縦6mm横9mmのグリーンシート片とを切
り抜いた。 次に第1図に示す如く、上記の縦9mm横9mmの
グリーンシート片1上に、銅粉末95重量部、ガラ
スフリツト5重量部に有機物ビヒクルとしてブチ
ルカルビトール20重量部、エチルセルロース5重
量部を加え、これらを三本ロールミルにより混合
した導体材料ペーストをシルクスクリーン印刷
し、125℃、10分間乾燥させて導体材料塗膜2を
形成した。次いで、上記で得た抵抗体材料ペース
トを上記グリーンシート片1に上記と同様にシル
クスクリーン印刷し、125℃、10分間乾燥させて
厚膜抵抗体用塗膜3を形成した。 次にグリーンシート片1上に前記で得た縦6mm
横9mmのグリーンシート片4を図示鎖線で示すよ
うに重ね、100℃、150Kg/cm2で熱圧着する。次い
で、これを大気等の酸化性雰囲気中、400〜500℃
で加熱してグリーンシート片1,4、導体材料塗
膜2、抵抗体材料塗膜3のそれぞれの残留有機物
を分解・燃焼させる。 このようにして有機物を除去した後、
N298.5vol%、H21.5vol%の混合ガス中で、950
℃、1時間焼成し、第2図に示すようにグリーン
シート片1の焼成体の磁器層1a、グリーンシー
ト片4の焼成体の磁器層4aの間に導体材料塗膜
2の焼成体の厚膜導体2a、抵抗体材料塗膜3の
焼成体の厚膜抵抗体3aを有する多層セラミツク
基板を完成させた。この多層セラミツク基板に
は、後述する第3図、第4図に示されるような反
り、ふくれは見られなかつた。 このようにして得られた焼成体の多層セラミツ
ク基板を層方向に研磨して抵抗体層を露出させ、
この露出した抵抗体層をX線回折(Cu K α
線)により分析し、得られた結果を第5図に示
す。これによりマグネシウムのモリブデン酸塩を
確認することができた。 次にこの多層セラミツク基板3aの25℃におけ
る抵抗値(R25)と、125℃に加熱したときの抵
抗値(R125)をデジタルマルチメータで測定し、
抵抗の温度係数(TCR)を次式により求めた。 TCR=R125−R25/R25×10000(ppm/℃) 上記のR25測定抵抗値及びTCRの計算値を表2
に示した。 また、上記で得られた多層セラミツク基板を60
℃、95%相対湿度のもとに1000時間放置した後の
25℃の抵抗値を測定し、その変化率を求めた結果
を表2に示す。 実施例 2 実施例1において、アルミニウムのモリブデン
酸塩及びガラス粉末の混合物について窒素(N2
98.5vol%、水素(H2)1.5vol%のガス雰囲気中、
1000℃、1時間の熱処理を行わなかつた以外は同
様にして表3に示す抵抗体材料から多層セラミツ
ク基板を作成し、実施例1と同様にR25、TCR、
抵抗変化率を求め、これらを表3に示す。
【表】 比較例 1 (MoSi2−TaSi2ガラス系抵抗体材料) MoSi216重量部、TaSi29重量部の混合物を真
空中1400℃で加熱し、その生成物をエタノールと
ともにポツトミル中アルミナボールで24時間粉砕
し、乾燥させて10μm以下の微粉末を得た。この
ようにして得た微粉末25重量部に対し、BaO、
B2O3、MgO、CaO、SiO2からなるガラスフリツ
ト75重量部と、有機物ビヒクル(ブチルカルビト
ール20重量部、エチルセルロース5重量部)25重
量部とを加え、ロールミルで混合して抵抗体材料
ペーストを得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
1と同様にして多層セラミツク基板を得た。 その結果、セラミツクグリーンシートに抵抗体
材料塗膜を形成し、これを加熱処理して有機物を
除去した後に同時焼成して得たものは、両者の焼
成体に膨張率、収縮率が異なることにより第3図
に示すように反りが見られ、また、MoSi2
TaSi2の分解反応でSiO2気体が発生することによ
り第4図に示すようにふくれが生じ、実用に供す
ることができなかつた。なお、11aは上記磁器
層1a,14aは上記磁器層4a,13aは上記
厚膜抵抗体3aにそれぞれ対応する磁器層、厚膜
抵抗体である。 比較例 2 (MoSi2−BaF2ガラス系抵抗体材料) MoSi270重量部、BaF220重量部と、SiO2
ZnO、ZrO2、CaO、Al2O3からなるガラスフリツ
ト10重量部とをボールミルで混合し、得られた粉
末をアルゴン(Ar)ガス雰囲気中1200℃で熱処
理した後、これをエタノールとともにポツトミル
中アルミナボールで24時間粉砕し、乾燥させて
10μm以下の微粉末を得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
1と同様にして多層セラミツク基板を得た。この
多層セラミツク基板の厚膜抵抗体についても実施
例1と同様にして求めたR25、TCR及び抵抗値の
変化率を表4に示す。
【表】 上記結果より、実施例の多層セラミツク基板は
いずれも反り、ふくれがなく、抵抗値の変化率も
±2%以内であるのに対し、比較例1の多層セラ
ミツク基板は反りが見られ、比較例2の多層セラ
ミシク基板は抵抗値の変化率が4倍も大きいこと
がわかる。 発明の効果 本発明によれば、アルミニウムのモリブデン酸
塩を含有する電気抵抗体を提供できるので、例え
ばアルミニウムのモリブデン酸塩、ガラスを主成
分とする組成の抵抗体材料を用いて、例えば卑金
属導体材料とともに非酸化性雰囲気中でセラミツ
クグリーシートとともに焼成することにより抵抗
体を形成するようにすると、焼成することにより
焼成体に反りやふくれが生じるようなことはな
く、また、低抗体の特に高湿度下の経時変化を小
さくできる。 これにより、抵抗体を組み込んだ回路基板の小
型化、コストの低減の両方の要求を満たし、回路
基板の一層の性能の向上に寄与できる。 また、アルミニウムのモリブデン酸塩を例えば
ガラスと熱処理し、この熱処理した抵抗体材料を
焼成して抵抗体にすると、抵抗の温度変化係数の
絶対値を小さくすることができ、回路の性能をさ
らに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電気抵抗体を製造するときの
焼成前の抵抗体材料塗膜と導体材料塗膜を基板に
形成し、多層構造にしようとする状態の一例を示
す図、第2図はその焼成体の断面図、第3図は従
来の抵抗体材料を使用して多層構造にしたときの
焼成体の断面図、第4図はさらにその焼成体にガ
スが発生した状態を示す説明図、第5図は本発明
の一実施例の電気抵抗体からアルミニウムのモリ
ブデン酸塩を検出したときのX線回折図である。 図中、1,4はグリーンシート片、2は導体材
料塗膜、3は抵抗体材料塗膜、1a,4aは磁器
層、2aは厚膜導体、3aは厚膜抵抗体である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルミニウムのモリブデン酸塩を含有する焼
    成体を有することを特徴とする電気抵抗体。 2 焼成体はアルミニウムのモリブデン酸塩及び
    その前駆体の内の少なくとも一種を主成分に含有
    する抵抗体材料から焼成されることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の電気抵抗体。 3 抵抗体材料の主成分はアルミニウムのモリブ
    デン酸塩及びその前駆体の内の少なくとも一種を
    当該アルミニウムのモリブデン酸塩に換算して50
    〜96重量%と、ガラス4〜50重量%とからなるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の電気
    抵抗体。 4 主成分にアルミニウムのモリブデン酸塩及び
    その前駆体の内の少なくとも一種を含有する抵抗
    体材料を熱処理し、この熱処理して得られた抵抗
    体材料を用いて焼成し、アルミニウムのモリブデ
    ン酸塩を含有する焼成体からなる電気抵抗体を得
    ることを特徴とする電気抵抗体の製造方法。 5 熱処理前の抵抗体材料の主成分はアルミニウ
    ムのモリブデン酸塩及びその前駆体の内の少なく
    とも一種を当該アルミニウムのモリブデン酸塩に
    換算して50〜96重量%と、ガラス4〜50重量%と
    からなることを特徴とする特許請求の範囲第4項
    記載の電気抵抗体の製造方法。
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