JPH0476968B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0476968B2
JPH0476968B2 JP58013077A JP1307783A JPH0476968B2 JP H0476968 B2 JPH0476968 B2 JP H0476968B2 JP 58013077 A JP58013077 A JP 58013077A JP 1307783 A JP1307783 A JP 1307783A JP H0476968 B2 JPH0476968 B2 JP H0476968B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dioxolen
ampicillin
dioxolene
methyl
drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58013077A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58150597A (ja
Inventor
Fumio Sakamoto
Shoji Ikeda
Goro Tsukamoto
Isamu Uchiumi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP58013077A priority Critical patent/JPS58150597A/ja
Publication of JPS58150597A publication Critical patent/JPS58150597A/ja
Publication of JPH0476968B2 publication Critical patent/JPH0476968B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はバイオアベラビリテイの改良された医
薬品の製造法に関する。さらに詳しくは医薬品の
プロドラツグ用修飾剤として有用な新規1,3−
ジオキソレン−2−オン誘導体を用いてバイオア
ベラビリテイの改良された医薬品を製造する方法
に関する。 医薬品の中には、高い薬理活性を有しながら、
化学的な不安定性や生物学的利用率(バイオアベ
ラビリテイー)の不良等のために、医薬品として
の有用性を充分に発揮し得ないもの例えばβ−ラ
クタム環を持つがあり、又このような欠点を改善
する方法の1つとして化学的修飾によるプロドラ
ツグがある。 例えば腸管吸収率の低い薬物を化学的に部分修
飾して腸管吸収を高め、生体内で化学的・生物学
的作用により元の薬物に復元せしめて、その薬物
本来の薬理活性を発現させるやり方である。 従来から、この目的のために種々の修飾基が提
案されているが、それらを用いたプロドラツグの
化学的安定性、体内での元の薬物への復元性、あ
るいは修飾基がもたらす副作用等の点で未だ満足
の域に達していない。 本発明は、医薬品のプロドラツグ用の修飾剤と
して有用かつ新規な一般式〔〕で示される1,
3−ジオキソレン−2−オン誘導体を用いて、バ
イオアベラビリテイの改良された医薬品を製造す
る方法を提供するものである。 すなわち、本発明は、カルボキシル基を有し且
つ経口投与によるバイオアベラビリテイが低い医
薬品を、下記式[] ここで、R1は水素原子、低級アルキル基又
はフエニル基を表わし、R2は水素原子である
か又はR2はR1と一緒になつて(―CH2)―3基を形
成していてもよく、そしてXはハロゲン原子を
表わす、 で表わされる1,3−ジオキソレン−2−オン誘
導体と反応せしめて該カルボキシル基をエステル
化せしめることを特徴とする該医薬品のプロドラ
ツグの製造法である。 一般式〔〕で示される1,3−ジオキソレン
−2−オン誘導体は、いづれも文献未記載の新規
化合物であり、具体例を挙げると4−クロルメチ
ル−1,3−ジオキソレン−2−オン、4−ブロ
メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン、4−
クロロメチル−5−メチル−1,3−ジオキソレ
ン−2−オン、4−ブロモメチル−5−メチル−
1,3−ジオキソレン−2−オン、4−ヨードメ
チル−5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−
オン、4−クロロメチル−5−フエニル−1,3
−ジオキソレン−2−オン、4−ブロモメチル−
5−フエニル−1,3−ジオキソレン−2−オ
ン、3−クロロ−1,2−カルボニルジオキシシ
クロヘキセン、3−ブロモ−1,2−カルボニル
ジオキシシクロヘキセン、3−ブロモ−1,2−
カルボニルジオキシシクロオクテン等である。 これら1,3−ジオキソレン−2−オン誘導体
は、いずれもカルボン酸類、チオカルボン酸類、
フエノール類等と容易に反応して対応するエステ
ル型化合物およびエーテル型化合物を生成する
が、これらエステル型化合物およびエーテル型化
合物は中性および酸性媒質中で安定であり、通常
の化学反応におけるアルカリ加水分解条件下では
容易に加水分解されるにかかわらず、腸液に相当
するアルカリ性媒質中では比較的に安定であつ
て、しかも生体内酵素の存在下では容易に加水分
解されて元の化合物に復元する。 例えば、カルボン酸基(カルボキシル基)を持
つペニシリン類と一般式〔〕で示される1,3
−ジオキソレン−2−オン誘導体を反応させると
対応するエステルが生成し、このエステルは胃液
および腸液内では安定であつて、腸管から容易に
吸収されると共に生体内で容易に加水分解されて
元のペニシリンに復元する。このように、一般式
〔〕で示される1,3−ジオキソレン−2−オ
ン誘導体は特に医薬品のプロドラツグ用修飾剤と
して有用である。なお、カルボン酸類およびフエ
ノール類と本発明の1,3−ジオキソレン−2−
オン誘導体から導かれるエステル類およびエーテ
ル類は、前述のとおり中性媒質および酸性媒質中
で安定であるが、通常のアルカリ加水分解条件下
では容易に加水分解を受けるので、該1,3−ジ
オキソレン−2−オン誘導体は化学反応における
保護基の導入試薬としても有用である。 以下に本発明方法に従つて製造されたエステル
化された医薬品の有用性を、アンピシリンを例と
して実験データによつて説明する。 〔経口投与時の血中濃度〕 1 供試化合物 A アンピシリン(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエス
テル塩酸塩(後述の実施例3に従つて、アンピ
シリン三水和物と4−ブロモメチル−5−メチ
ル−1,3−ジオキソレン−2−オンとから合
成した。) B アンピシリンフタリジルエステル塩酸塩(公
知のアンピシリンエステル、対照化合物) C アンピシリン三水和物(対照化合物) 2 試験方法 一夜絶食した4週令マウス(ddY系、体重約20
g、一群5匹)にアンピシリン換算50.0mg/Kg相
当の共試化合物(アンピシリン換算で濃度5mg/
mlの水溶液約0.2ml)を経口投与し、経時的に採
血して血清中のアンピシリン濃度をバイオアツセ
イ法によつて測定し、各供試化合物の血清中にア
ンピシリン濃度の相対比を求めた。 3 結果
〔酸性媒質(人工胃液に該当)中での加水分解〕
1 供試化合物 前記AおよびB 2 試験方法 1000ml中に食塩2.0g、10%塩酸2.4ml、ペプシ
ン3.2gを含む酸性媒質(PH1.2)に供試化合物を
溶解し、37℃に振盪しつつ経時的にサンプリング
して逆相分配カラムを用いた高速液体クロマト法
により、各供試化合物のピーク高の減少からその
加水分解率を求めた。 3 結 果
〔塩基性媒質(人工胃液に該当)中での加水分解〕
1 供試化合物 前記AおよびB 2 試験方法 1000ml中に燐酸二ナトリウム35.8g、10%塩酸
6.0ml、パンクレアチン2.8gを含む塩基性媒質
(PH7.5)中に供試化合物を溶解し、前記の酸性媒
質の場合と同様にして、各供試化合物の加水分解
率を求めた。 3 結 果
〔その他〕
前記Aの毒性〔LD50〕をマウス(4週令ddY
系)を用いて調べた結果は次のとおりである。 経口投与>5000mg/Kg、腹腔内投与1430mg/
Kg、静脈内投与557mg/Kg。 以上のとおり該1,3−ジオキソレン−2−オ
ン誘導体はカルボキシル基を有する医薬品のプロ
ドラツグ用修飾剤として極めて有用である。かか
る有用性は従来の知見からは全く予測し得ない。
すなわち、本発明で用いられる上記式()の化
合物の前駆物質である4−メチル−5−フエニル
−1,3−ジオキソレン−2−オン、4,5−ジ
メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン等がリ
ービツヒズ・アンナレン・デル・ヘミー、第764
巻、116〜124頁(1972年)、テトラヘドロン・レ
ターズ、1972年、1701〜1704頁および米国特許第
3020290号公報に開示されているが、これらの文
献にはそれらから導かれる一般式〔〕で示され
る該1,3−ジオキソレン−2−オン誘導体につ
いては何等の記載もない。又、リービツツヒズ・
アンナレン・デル・ヘミー、1977年、27〜32頁に
は、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソレン−
2−オンをブロム化することにより、重合体製造
用中間原料である4,5−ビス(ブロモメチル)
−1,3−ジオキソレン−2−オンが得られる旨
記載されているが、該1,3−ジオキソレン−2
−オン誘導体の製法に関しては具体的な記載がな
いし、又、その用途に関しても何らの示唆もな
い。 本発明において用いられる1,3−ジオキソレ
ン−2−オン誘導体は、一般式 〔式中、R1,R2は前記に同じ〕 で示される化合物に、室温もしくは一般に加熱条
件下のラジカル発生条件下で、好ましくは0.8〜
1.2モルハロゲン化剤を反応させることによつて
得られる。 出発原料である一般式〔〕の化合物は、例え
ばリービツヒズ・アンナレン・デル・ヘミー、第
764巻、116〜124頁(1972年)、テトラヘドロン・
レターズ、1972年、1701〜1704頁、および米国特
許第3020290号公報等に開示されている公知の方
法に従つて合成することができる。 ハロゲン化剤としては、例えば塩素、臭素、N
−ブロモフタル酸イミド、N−ブロモコハク酸イ
ミド、N−クロロフタル酸イミド、N−クロロコ
ハク酸イミド等がある。一般式〔〕で示される
原料とハロゲン化剤との反応を進めるために、反
応中紫外線を照射するか、或は反応液にα,α′−
アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル
のようなラジカル化剤を用いることが好ましい。
反応溶媒は、原料の性質等に応じて適当なものが
選択され、例えば塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、四塩化エチレン、ベンゼン等が挙げ
られる。又、一般式〔〕においてXが沃素原子
である化合物は、常法に従つて、一般式〔〕に
おいてXが臭素原子又は塩素原子である化合物に
沃化ナトリウム又は沃化カリリウムを作用させて
得ることができる。 以下実施例および参考例を挙げて本発明を具体
的に説明する。 参考例 1 4−ブロモメチル−5−フエニル−1,3−ジ
オキソレン−2−オンの製造; 4−メチル−5−フエニル−1,3−ジオキソ
レン−2−オン(リービツヒズ・アンナレン・デ
ル・ヘミー、第764巻、116〜124頁、1972年に従
つて合成した)2.4g(0.0136モル)を四塩化炭
素150mlに溶解し、これに2.9g(0.0162モル)の
N−ブロモコハク酸イミドおよび触媒量のα,
α′−アゾビスイソブチロニトリルを加え、90分間
加熱還流した。反応液を半量まで濃縮し不溶物を
別し、液を濃縮し残渣をベンゼンとシクロヘ
キサンの混液から再結晶し無色針状結晶、融点
90.5〜91.5℃の目的物2.3g(収率66%)を得た。 元素分析、分子式C10H7BrO3:理論値(%)
C、47.09:H、2.77:Br、31.33。実験値(%)
C、47.22:H、2.64:Br、31.29。IR(KBr、ν
cm-1):1825付近(カルボニル)。 NMR(CCl4)δ(ppm):4.35(−CH2Br、s)、
7.40(ベンゼン環、s)。 参考例 2 4−ブロモメチル−5−メチル−1,3−ジオ
キソレン−2−オンの製造; 4,5−ジメチル−1,3−ジオキソレン−2
−オン(テトラヘドロン・レターズ、1972年、
1701〜1704頁に従つて合成した)3.42g(0.03モ
ル)を四塩化炭素150mlに溶解し、これに5.34g
(0.03モル)のN−ブロモコハク酸イミドおよび
触媒量のα,α′−アゾビスイソブチロニトリルを
加え、15分間加熱還流した。反応液を半量まで濃
縮し不溶物を去した後、液を濃縮した。シラ
ツプ状の残渣を減圧蒸留し無色液体、沸点115〜
120℃/5℃mmHgの目的物4.2g(収率73%)を
得た。 元素分析、分子式C5H3BrO3:理論値(%)
C、31.12;H、2.61;Br、41.40、実験値(%):
C、31.30;H、2.49;Br、41.31、IR(ニート、
νcm-1):1825付近(カルボニル) NMR(CCl4)δ(ppm):2.10(−CH38)、4.10
(−CH2Br、s)。 参考例 3 4−ブロモメチル−1,3−ジオキソレン−2
−オンの製造 4−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン
(米国特許第3020290号に従つて合成した)8.6g
(0.086モル)を四塩化炭素200mlに溶解し、これ
に17.8g(0.01モル)のN−ブロモコハク酸イミ
ドおよび触媒量のα,α′−アゾビスイソブチロニ
トリルを加え90分間加熱還流した。以下参考例2
と同様に処理して無色液体、沸点94℃/3mmHg
の目的物5.2g(収率33.6%)を得た。 元素分析、分子式C4H3BrO3:理論値(%):
C、26.84:H、1.69:Br44.65、実験値(%):
C、26.94、H、1.66:Br、44.60。IR(ニート、
νcm-1):1830付近(カルボニル) NMR(CCl4)δ(ppm):4.10(−CH2Br、8)、
7.00(=CH−O−、s)。 参考例 4 3−ブロモ−1,2−カルボニルジオキシシク
ロヘキセンの製造: 1,2−カルボニルジオキシシクロヘキセン
(テトラヘドロン・レターズ、1972年〜1704頁に
従つて合成した)2.15g(0.015モル)を四塩化
炭素80mlに溶解し、これに2.3g(0.013モル)の
N−ブロモコハク酸イミド及び触媒量のα,α′−
アゾビスイソブチロニトリルを加え20分間加熱還
流した。反応液を冷後過し、液を低温で濃縮
し目的の粗生成物(淡褐色液体)3.2gを得た。
IR(ニート、νcm× 1):1825付近(カルボニル) NMR(CDCl3)δ(ppm):5.0 (
【式】m)、1.3〜3.0(環状水素、 m) この目的物の粗生成物は不安定であるので、単
離精製することなくアンピシリンと反応させてア
ンピシリンエステルを得た(実施例1参照)。 参考例 5 4−クロロメチル−5−メチル−1,3−ジオ
キソレン−2−オンの製造: 4,5−ジメチル−1,3−ジオキソレン−2
−オン11.4g(0.1モル)とN−クロロコハク酸
イミド16g(0.12モル)を400mlの四塩化炭素中
で紫外線の照射下に室温で100時間撹拌し反応さ
せた。 次に反応液から不溶物を別し、液を濃縮し
て得た残渣を減圧蒸留し無色シラツプ、沸点91〜
93℃/2mmHgの目的粉1.36gを得た。 IR(ニート、νcm-1):1820、1730(カルボニ
ル)、 NMR(CDCl3)、δ(ppm):2.18(3H,s,
CH3)、4.31(2H,s,CH2Cl)、 参考例 6 4−ヨードメチル−5−メチル−1,3−ジオ
キソレン−2−オンの製造: 4−クロロメチル−5−メチル−1,3−ジオ
キソレン−2−オン0.75g(0.005モル)と沃化
ナトリウム1.5g(0.01モル)を10mlのアセトン
に入れ24時間室温で撹拌した。 反応液から不溶物を別し、液を濃縮した後
50mlのエーテルを加えた。ここに析出する不溶物
を取し5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水芒硝で乾燥後減圧濃縮し
て淡黄色シラツプの目的物1.0gを得た。 IR(ニート、νcm-1):1820、1725(カルボニ
ル)、 NMR(CDCl3)、δ(ppm):2.08(3H,s,
CH3)、4.09(2H,s,CH2I)、 MS(m/e):240(M+)、 参考例 7 4−ヨードメチル−5−フエニル−1,3−ジ
オキソレン−2−オンの製造: 4−ブロモメチル−5−フエニル−1,3−ジ
オキソレン−2−オン1.3g(0.005モル)と沃化
ナトリウム1.5g(0.01モル)を10mlのアセトン
に入れ室温で13時間撹拌した。 不溶物を別し、液を濃縮後50mlのエーテル
を加えて析出する不溶物を取した。次にこれを
5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順
次洗浄し、無水芒硝で乾燥後減圧濃縮し、残渣を
ベンゼンから再結晶して黄色針状結晶、融点87〜
89℃の目的物0.66gを得た。 IR(KBr、νcm-1):1810付近(カルボニル)、 NMR(CCl4)、δ(ppm):4.33(2H,s,
CH2I)、7.45(5H,s,ベンゼン環プロト
ン)、 MS(m/e):302(M+)、 実施例 1 アンピシリン三水和物500gをジメチルホルム
アミド6mlに分散させ、これに重炭酸カリウム
125mgを加えて0℃に冷却し、更にベンズアルデ
ヒド0.25mlを加えて0℃で25時間撹拌した。次に
重炭酸カリウム125mgと3−ブロモ−1,2−カ
ルボニルジオキシシクロヘキサン250mg(参考例
4で得た粗生成物)加え更に0℃で3時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を氷水中に注そぎ込み、
析出する固型物を酢酸エチル30mlで抽出し、有機
層を水20mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、酢酸エチルを減圧下留去し黄色シ
ラツプを得た。 上記の様にして得られたシラツプ状残渣をアセ
トニトリル4mlに溶解し希塩酸でPH2.0に調整し
0℃で30分間撹拌した。これに水10mlを加え減圧
下アセトニトリルを留去し、水層を酢酸エチルで
くりかえし洗浄した後食塩を飽和させ析出する油
状物質を塩化メチレン50mlで抽出し、飽和食塩水
で洗浄した。塩化メチレン溶液を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した半量まで濃縮し、イソプロピルア
ルコール30mlを加え再び減圧濃縮すると炭黄色固
体が得られた。 この固体を取しイソプロピルアルコール、エ
ーテルで洗浄しアンピシリン(2,3−カルボニ
ルジオキシ−2−シクロヘキサン)エステル塩酸
塩の無色無定型固体256mgを得た。融点140℃(分
解)。IR(KBr、νcm-1):1830、1780、1750(カ
ルボニル)、1690(アミド)。 上記アンピシリンエステル塩酸塩を40%マウス
血液中で37℃で10分間インキユベートしたのちバ
イオオートグラフイーを実施したところ、該エス
テルは全てアンピシリンに転化している事が判つ
た。 実施例 2 実施例1と同様にして、アンピシリン三水和物
と4−ブロモメチル−5−フエニル−1,3−ジ
オキソレン−2−オンからアンピシリン(5−フ
エニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メチルエステル塩酸塩を得た。 収率46.4%、無色無定型固体、融点140℃(分
解)、IR(KBr、νcm-1):1830、1785、1760(カ
ルボニル)、1690(アミド)。このアンピシリン
(5−フエニル−2−オキソ−1,3−ジオキソ
レン−4−イル)メチルエステル塩酸塩を40%マ
ウス血液中で37℃に5分間インキユベートしたの
ちバイオオートグラフイーを実施したところ該エ
ステルは全てアンピシリンに転化している事が判
つた。 実施例 3 実施例1と同様にして、アンピシリン三水和物
と4−ブロモメチル−5−メチル−1,3−ジオ
キソレン−2−オンからアンピシリン(5−メチ
ル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチルエステル塩酸塩を得た。 収率50.6%、無色無定型固体。 融点141℃より着色し始め145℃で発泡する。 IR(KBr、νcm-1):1825、1785、1750(カルボ
ニル)、1690(アミド)。 このアンピシリン(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステ
ル塩酸塩を40%マウス血液中で37℃に5分間イン
キユベートしたのちバイオオートグラフイーを実
施したところ該エステルは全てアンピシリンに転
化している事が判つた。 実施例 4 アンピシリン三水和物と4−ブロモメチル−
1,3−ジオキソレン−2−オンを実施例1と同
様にして反応させ且つ処理してアンピシリン(2
−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メ
チルエステル塩酸塩を得た。 収率26%、淡橙色無定形固体、融点130℃(分
解)、 IR(KBr、νcm-1):1835、1790、1750(カル
ボニル)、1690(アミド)、 NMR(D2O)、δ(ppm):1.36(6H,s,2位
メチル基)、4.58(1H,s,3位プロトン)、
5.11(2H、s,
【式】)、5.23 (1H,s,ベンジジル基プロトン)、5.49
(1H,d,5位プロトン)、5.58(1H,d,
6位プロトン)、7.5(6H,m,
【式】ベンゼン環プロトン)、 実施例 5 ベンジルペニシリンカリウム塩10gを、ジメチ
ルホルムアミド50mlに分散させ、氷冷下、重炭酸
カリウム520mgおよび4−ブロモメチル−5−メ
チル−1,3−ジオキソレン−2−オン5.2gを
加え、0℃で4時間撹拌し反応せしめた。反応液
を氷水にあけ、析出する固体を取し、酢酸エチ
ルに溶解し、希重ソウ水にて洗浄し、氷水でくり
返し洗浄したあと、酢酸エチル層を乾燥し、減圧
下溶媒を留去した。淡黄色シラツプとしてベンジ
ルペニシリン(2−オキソ−5−メチル−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル12.5
gを得た。(収率94%)。 IR(KBr、νcm-1):1825、1785、1750(カル
ボニル)、1670(アミド)。 NMR(CDCl3)、δ(ppm):1.37及び1.42(6H,
s,2位メチル基)、2.13(3H,s,
【式】)、3.72(2H,s,− CH2−C6H5)、4.29(1H,s,3位プロト
ン)、4.80(2H,s,
【式】)、 5.3〜5.6(2H,m,5位および6位プロト
ン)、6.16(1H,d,NH)、7.14(5H,s,
ベンゼン環プロトン)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カルボキシル基を有し且つ経口投与によるバ
    イオアベラビリテイが低い医薬品を、下記式 [] ここで、R1は水素原子、低級アルキル基又
    はフエニル基を表わし、R2は水素原子である
    か又はR2はR1と一緒になつて(―CH2)―3基を形
    成していてもよく、そしてXはハロゲン原子を
    表わす、 で表わされる1,3−ジオキソレン−2−オン誘
    導体と反応せしめて該カルボキシル基をエステル
    化せしめることを特徴とする該医薬品のプロドラ
    ツグの製造法。 2 カルボキシル基を有し且つ経口投与によるバ
    イオアベラビリテイが低い医薬品がβ−ラクタム
    環を持つ医薬品である特許請求の範囲第1項に記
    載の方法。 3 カルボキシル基を有し且つ経口投与によるバ
    イオアベラビリテイが低い医薬品がβ−ラクタム
    環を持つペニシリン類である特許請求の範囲第1
    項又は第2項に記載の方法。
JP58013077A 1983-01-29 1983-01-29 バイオアベラビリテイの改良された医薬品の製造法 Granted JPS58150597A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58013077A JPS58150597A (ja) 1983-01-29 1983-01-29 バイオアベラビリテイの改良された医薬品の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58013077A JPS58150597A (ja) 1983-01-29 1983-01-29 バイオアベラビリテイの改良された医薬品の製造法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP55058510A Division JPS6019908B2 (ja) 1980-04-30 1980-04-30 1,3−ジオキソレン−2−オン誘導体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62190516A Division JPS63126873A (ja) 1987-07-31 1987-07-31 4−ブロモメチル−5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58150597A JPS58150597A (ja) 1983-09-07
JPH0476968B2 true JPH0476968B2 (ja) 1992-12-07

Family

ID=11823090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58013077A Granted JPS58150597A (ja) 1983-01-29 1983-01-29 バイオアベラビリテイの改良された医薬品の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58150597A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58150597A (ja) 1983-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0090344B1 (en) 1,3-dioxolen-2-one derivatives and process for production thereof
EP0084856B2 (en) 5,6,7-Trinor-4, 8-inter-m-phenylene prostaglandin I2 derivatives
US4389408A (en) Novel ampicillin esters and production thereof
EP0078413B1 (en) Process for producing brominated 1,3-dioxolen-2-ones
JPH0476968B2 (ja)
JPH0258271B2 (ja)
JPH026754B2 (ja)
EP0349217A2 (en) Novel process for the preparation of bronopol
JPS63126873A (ja) 4−ブロモメチル−5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン
JPS626552B2 (ja)
CA1238311A (en) 6-aminopenicillanic acid esters
JPS6056693B2 (ja) ハロゲン化プロピオン酸誘導体の製法
JPS5938954B2 (ja) アンピシリンエステルおよびその製造法
JP3777407B2 (ja) カルボン酸誘導体の製造法
KR100395231B1 (ko) 메틸 7-(3-하이드록시-5-옥소-1-사이클로펜텐-1-일)헵타노에이트
JPS58103379A (ja) α−アセチルラクトン類の製造方法
JPS6360980A (ja) (r,z)−5−テトラデセン−4−オリドの製法
JPS5855480A (ja) 4−アルコキシ−1,3−ジオキサン−5−カルボニトリル類
JPH038357B2 (ja)
JPS61103884A (ja) 13−置換−5−ケトミルベマイシン類およびその製造法
JPS6270336A (ja) シクロペンタン−1,3−ジオンの製造法
JPS6411019B2 (ja)
JPS6143144A (ja) 1−クロロアルキルカルボナ−ト類の製造方法
JPS6228791B2 (ja)
JPS61106533A (ja) 2−(4′−イソブチルフエニル)−プロピオン酸の製造法および新規なジオキソラン化合物