JPH0475833B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、マイクロカプセル現像粉をを普通
紙、フイルム等の記録媒体面上に付着せしめ、熱
ビームの照射によりマイクロカプセル現像粉の外
殻層を溶壊し、内部の液状着色印字材を記録媒体
に定着させて可視像を形成する光記録方式に関す
るものである。

従来の技術 従来、普通紙面上に、直接、可視像を形成する
方式として、例えば特公昭54−38502号に示され
た熱記録方式が提案されている。

この方式は、記録媒体である普通紙面上に熱可
塑性着色現像粉を付着し、この現像粉の付着面を
予備加熱するとともに画像情報に制御される熱ビ
ームによつて走査し、熱ビームの照射された部分
の現像粉を普通紙面に融着させ、非融着の現像粉
を除去して普通紙面に可視像を形成することを特
徴とするものである。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来を記録方式で
は、熱ビームによる現像粉の溶融に、高い熱エネ
ルギーを要して熱記録装置を経済的に実現できな
いという問題があつた。

本発明は、上記従来の問題点を解決するため、
熱可塑性の外殻層とこの外殻層の内部に充填され
た液状着色印字材とでなるマイクロカプセル現像
粉を用い、低エネルギーの熱ビームの照射により
マイクロカプセル現像粉の外殻層を溶壊し、内部
の印字材を記録媒体に定着させて可視像を形成す
る熱記録方式の提案を目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明による熱記録方式は、第１〜第５図に示
すように現像粉として熱可塑性の外殻層１と外殻
層１内に充填された芯物質としての液状着色印字
材２とでなるほぼ球形のマイクロカプセル現像粉
３（第１図）を用い、このマイクロカプセル現像
粉３を記録媒体４の面４ａ上に整列付着せしめ
（第２図）、次に文字、画像情報にて制御される熱
ビームＬによつてマイクロカプセル現像粉３を走
査し（第３図）、熱ビームＬにより外殻層１の被
照射部分を溶壊し、液状着色印字材２を記録媒体
４に浸透定着させてマイクロカプセル現像粉５を
得、非溶壊のマイクロカプセル現像粉３を除去し
（第４図）、記録媒体４に可視像を形成する（第５
図）ものである。

尚、マイクロカプセル現像粉３を予備加熱して
記録媒体４の面４ａに付着せしめるようにするこ
とは、低エネルギーの熱ビームＬにより外殻層１
を溶壊できる手段として有効であり、更に熱ビー
ムＬの走査の際に記録媒体４を予備加熱すること
もマイクロカプセル現像粉３の液状着色印字材２
を記録媒体４への浸透定着を早めるのに有効な手
段である。

作 用 マイクロカプセル現像粉３の外殻層１は、その
厚さｔをマイクロカプセル現像粉３の直径に比し
極めて小とし、更に融点の低い熱可塑性の物質で
形成する。このようなマイクロカプセル現像粉３
の外殻層の一部に第６図に示すように熱ビームＬ
を照射する。熱ビームＬの照射された外殻層１の
被照射部分１ａは、第７図に示すように熱ビーム
Ｌの熱エネルギーにより急速に温度上昇して溶壊
され、内部の液状着色印字材２が流出し、マイク
ロカプセル現像粉３は記録媒体４に浸透して定着
したマイクロカプセル現像粉５として得られる。

従つてマイクロカプセル現像粉３の外殻層１の
一部を熱ビームＬの照射により溶壊する場合の熱
エネルギーは、従来の熱可塑性現像粉全体を溶融
する熱ビームの熱エネルギーに比してはるかに小
なる熱エネルギーでよい。

尚、マイクロカプセル現像粉３を熱ビームＬで
照射する前段階で予熱すれば、外殻層１の温度は
上昇しているので外殻層１の被照射部分１ａを溶
壊する熱ビームＬによる熱エネルギーは更に小な
る熱エネルギーでよい。

更に、記録媒体４を予熱した状態で熱ビームＬ
を照射すれば、液状着色印字材２の定着性がよく
なり、記録媒体４の移送速度を早めることができ
る。

実施例 以下、本発明の熱記憶方式を具体化した装置の
一実施例を第８図により説明する。

第８図において第１〜７図との同一部分には同
一符号を付してある。

マイクロカプセル現像粉（以下現像粉と称す）
３の外殻層１はポリエチレンオキシドとカーボン
ブラツクとで、芯物質としての液状着色印字材２
はシリコンオイルとカーボンブラツクで夫々構成
され、この球形をなす現像粉３の直径は10〜40μ
ｍ、外殻層１の厚さｔは0.1〜1μｍ、また外殻層
１の融点は約60℃に形成されている。６はオルフ
イス型ホツパーで、内部に現像粉３が収容され、
その出口６ａより現像粉３が一定の流出速度で流
出するようになつている。

７は送りローラー８，９により矢印Ａ方向に回
転するベルトフイーダーで記録媒体である例えば
普通紙４の面４ａ上に現像粉３を一層に整列付着
すべく傾斜して配置され、普通紙４の幅と同様の
幅を有している。

更にこのベルトフイーダー７上の現像粉３を温
度上昇すべくベルトフイーダー７の裏面側よりヒ
ーター（図示せず）で予熱するようになつてい
る。

１０，１１，１２，１３は紙送りローラーで普
通紙４を矢印Ｂ方向に移送すると共に、折り返し
て矢印Ｂ方向とは反対側の矢印Ｃ方向に移送す
る。

Ｌは普通紙４の面４ａ上に一層に整列付着され
た現像粉３の外殻層１に文字、画像情報に制御さ
れて走査されるレーザービーム等の熱ビーム、５
は現像粉３の外殻層１が熱ビームＬの照射により
溶壊され普通紙４に液状着色印字材２の定着され
た現像粉、１４は現像粉５の普通紙４への定着性
をよくするために普通紙４をその裏面４ｂより予
備加熱するヒーターである。

１５は普通紙４に裏面４ｂより５〜100Hzの低
周波の弾性振動を与え、未溶壊の現像粉３を普通
紙４の面４ａより落下させる振動子、１６は普通
紙４の面４ａより落下した未溶壊の現像粉３を回
収するじようご状の回収ケース、１７は回収ケー
ス１６の出口１６ａより未溶解の現像粉３をエア
ー吸引ポンプ１９によりサイクロン１８に輸送す
るエアー輸送ホースである。

尚、サイクロン１８に輸送された未溶壊の現像
粉３は、その下部パイプ１８ａよりオルフエイス
型ホツパー６に再び供給されるようになつてい
る。

更に、普通紙４の面４ａに定着された現像粉５
の定着を更に確実にするため、ヒートローラ２０
が紙送りローラ１３に続いて設けられている。

次にこのように構成された装置の動作を説明す
る。

ホツパー６の内部に収容された現像粉３は、出
口６ａより一定の流出速度でベルトフイーダー７
上に落下する。ベルトフイーダー７は、現像粉３
を普通紙４の面４ａ上に付着すべく、傾斜して配
置され、かつ矢印Ａ方向に普通紙４の矢印Ｂ方向
への移送速度に合わせて回転しているので、ベル
トフイーダー７上の現像粉３は、順次、普通紙４
の面４ａ上に整列されて付着する。

この面４ａ上の現像粉３に文字、画像情報で制
御されて走査する熱ビームＬが照射され、熱ビー
ムＬの照射された現像粉３は、その外殻層１の熱
ビームＬの照射された部分が熱ビームＬの熱エネ
ルギーにより溶壊されて、内部の液状着色印字材
２が普通紙４に面４側より浸透して定着された現
像粉５に変換される。

尚、この場合、現像粉３の外殻層６の熱ビーム
Ｌの照射された部分は確実に溶壊されることを要
し、また熱ビームＬの熱エネルギーはできうる限
り小なることが望まれるものであるので、熱ビー
ムＬの照射前に、現像粉３の外殻層１の温度を周
囲温度より高く、かつ融点（溶融温度）と60℃よ
りわずかに低い例えば40〜50℃にすべく、例えば
ベルトフイーダー７の裏面側よりヒーター（図示
せず）で予備加熱されている。この現像粉３に対
する予備加熱はベルトフイーダー７を介する方法
の他に、直接熱ビームの照射で行なつてもよい。

更に、現像粉３の内部の液状着色印字材２が普
通紙４に定着しやすいので、普通紙４の裏面４ｂ
よりヒーター１４により予備加熱されている。

このようにして普通紙４の面４ａには、熱ビー
ムＬの照射により溶壊されて液状着色印字材１の
定着された現像粉５と光ビームＬの照射されない
未溶壊の現像粉３とが整列され、この状態で普通
紙４は紙送りローラ１０，１１，１２，１３の回
転により矢印Ｂ方向により矢印Ｃ方向に、面４ａ
を下面にして折返して移送される。

このように矢印Ｃ方向に移送された普通紙４
は、紙送りローラ１２，１３間の振動子１５低周
波の弾性波による振動を受ける。

この場合、未溶壊の現像粉３は単に普通紙４の
面４ａに付着しているだけであるので、普通紙４
の面４ａが紙送りローラー１２の外周から上面よ
り下面に変わると、未溶壊の現像粉３の一部は回
収ケース１６に落下し、更に振動子１５による普
通紙４の振動で残部も回収ケース１６に落下し
て、普通紙４より未溶壊の現像粉３が除去され
る。しかし現像粉５は普通紙４に定着されている
ので、普通紙４が振動しても落下することはな
い。

定着された現像粉５は、更にヒートローラー２
０により乾燥され、また外殻層１が普通紙４に融
着されて普通紙４への定着が更に確実となる。ま
たヒートローラー２０に替えて圧力ローラー（図
示せず）を用いてもよい。

また回収ケース１６に落下した未溶壊の現像粉
３は、エアー吸引ポンプ１９により出口１６ａよ
り輸送ホース１７を介してサイクロン１８に輸送
され、サイクロン１８の下部パイプ１８ａよりホ
ツパー６に供給されて、再使用される。

発明の効果 以上説明したように本発明によれば、マイクロ
カプセル現像粉を記録媒体面に付着せしめ、熱ビ
ームの照射されるマイクロカプセル現像粉の外殻
層の被照射部分を熱ビームの熱エネルギーにより
溶壊して、内部の液状着色現像材を記録媒体に浸
透定着させ、未溶壊のマイクロカプセル現像粉を
除去して、記録媒体に可視像を形成するようにし
たものであるから、熱ビームに要する熱エネルギ
ーは従来に比して大巾に少なくてすみ、消費電力
の少ない経済的な熱記録装置が実現できる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１〜７図は本発明による記録を示す説明図、
第８図は本発明による熱記録方式を具体化した装
置の一実施例の要部構成図である。 １……外殻層、２……液状着色印字材、３……
マイクロカプセル現像粉、４……普通紙、５……
溶壊されたマイクロカプセル現像粉、６……オル
フイス型ホツパー、７……ベルトフイーダー、
８，９……送リローラー、１０，１１，１２，１
３……紙送リローラー、１４……ヒーター、１５
……振動子、１６……回収ケース、１７……エア
ー輸送ホース、１８……サイクロン、１９……エ
アー吸引ポンプ、２０……ヒートローラー、Ｌ…
…熱ビーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱可塑性の外殻層とこの外殻層の内部に充填
   された液状着色印字材とでなるマイクロカプセル
   現像粉を記録媒体面に付着せしめ、上記記録媒体
   の上記マイクロカプセル現像粉の付着面を文字、
   画像情報にて制御される熱ビームによつて走査
   し、上記熱ビームによる外殻層の被照射部分を溶
   壊し、上記液状着色印字材を上記記録媒体に浸透
   定着させ、非溶壊の上記マイクロカプセル現像粉
   を除去して、上記記録媒体に可視像を形成するこ
   とを特徴とする熱記録方式。 ２ 上記マイクロカプセル現像粉を一定温度に保
   つた後に上記記録媒体面に付着せしめることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の熱記録方
   式。 ３ 上記マイクロカプセル現像粉が付着された記
   録媒体を予備加熱した状態で上記熱ビームにより
   走査するようにしたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の光記録方式。