JPH0473267A - 合成繊維布帛の撥水処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、合成繊維布帛の撥水処理方法に間する。更に
詳しくは、摩擦耐久性、洗濯耐久性に優れた高度の撥水
性能を合成繊維布帛に付与する撥水処理方法に関する。

（従来の技術） 合成繊維布帛は強度、耐摩耗性などの物性に優れており
、スポーツウェアあるいはカジュアルウエアなど衣料素
材として広範囲に亙って使用されているが、近年、衣料
素材の撥水加工において、高度の撥水性能と摩擦耐久性
および洗濯あるいはドライクリーニングに対する耐久性
が要求されるようになった。

従来より、合成繊維布帛の撥水処理法として弗素系撥水
剤、シリコーン系撥水剤なとの水分散液または有機溶剤
溶液を使用し、この液を布帛に塗布または含浸した後、
加熱処理する方法が知られている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、かかる従来の撥水処理方法では初期の撥
水性は比較的良好であるが、摩擦耐久性および洗濯耐久
性に乏しい欠点があった。

この欠点を改善するために種々の提案がなされており、
一つの手段として弗素系撥水剤溶液に各種の架橋剤を配
合した処理液を使用して撥水処理を施し、該架橋剤の作
用により撥水剤と繊維基材との接着性を向上させる方法
があるが、洗濯耐久性は向上するものの不充分であり、
とくに摩擦耐久性については殆と向上が認められず、従
来の方法では摩擦耐久性および洗濯耐久性には限度があ
った。

すなわち、従来の撥水処理方法にあっては、撥水処理液
を布帛に付与させた後、加熱処理を施す過程で、乾燥の
進行に伴い撥水処理液が布帛の表面に移行し、布帛の内
部とくにマルチフィラメントの内部には撥水剤が殆ど存
在せず、したがって撥水剤は布帛の表面のみに付与され
る結果、初期の撥水性は得られるが、摩擦や洗濯に対す
る耐久性に乏しいものであった。

本発明はかかる従来技術の問題点を解消するためになさ
れたものであり、特定のきわめて簡易な処方および加熱
処理によって合成繊維布帛に高度の撥水性能と摩擦耐久
性および洗濯耐久性を付与できる撥水処理方法を提供す
ることを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、合成繊維布帛に、融点が６０℃ないし１００
℃の疎水性高分子化合物を含有する弗素系撥水剤および
／またはシリコーン系撥水剤の有機溶剤溶液を塗布また
は含浸し、これを乾燥して溶剤を揮発させた後、次いて
該疎水性高分子化合物の融点より少なくとも１０℃高い
温度で加熱処理を施すことを特徴とする合成繊維布帛の
撥水処理方法である。

本発明に適用される合成繊維布帛としてはポリアミド繊
維、ポリエステル繊維なとの合成繊維を主体とする織物
、編物が挙げられる。

本発明に使用する疎水性高分子化合物は、高分子化合物
の主鎖および側鎖に極性基を有しないものであって、か
つ融点が６０℃ないし１００℃であれば任意のものが使
用でき、例えば、固形パラフィン、低分子ポリエチレン
、低分子ポリプロピレンなどを挙げることができる。そ
してその布帛に対する付着量は布帛を構成する合成繊維
の繊度や密度を考慮して選択する必要があるが、布帛に
対して０．１〜１０重量％とするのが適当である。

該化合物の付与量が０．１重量％より少ないと摩擦や揉
みに対する耐久性が乏しく、洗濯耐久性も不充分であり
、一方、付与量が１０重量％より多いと耐久性は向上す
るが、風合いが粗硬となり衣料素材として不適当である
。

なお、疎水性高分子化合物は撥水剤の有機溶剤溶液に配
合して処理液を調製するが、該疎水性高分子化合物は溶
解状邸であってもあるいは分散状態であっても良い。

本発明に使用する撥水剤としては通常の撥水処理に多用
されている弗素系撥水剤およびシリコーン系撥水剤の有
機溶剤溶液が何等の制限なく使用できる。撥水剤の使用
量は布帛に対して０．２〜４重量重量％対与できれば充
分である。なお、撥水剤溶液中には架橋剤、架橋促進剤
などを含有していても差し支えない。

本発明にあっては上記によって調製された処理液を合成
繊維布帛に付与するが、付与方法としては通常使用され
ている含浸法、コーティング法などを任意に使用するこ
とができる。

処理液を付与した合成繊維布帛は、熱風乾燥機などて加
熱して溶剤を揮発させた後、次いて配合された疎水性高
分子化合物の融点より少なくとも１０℃高い温度で加熱
処理を施す。

この加熱処理によって撥水剤が布帛表面に移行して固着
するとともに、疎水性高分子化合物は液状となって合成
繊維を構成するマルチフィラメントの内部にまで浸透し
てフィラメントを疎水化する。したがって、撥水剤の合
成繊維布帛との接着強度および疎水性高分子化合物のフ
ィラメントへの浸透度を考慮すれば加熱処理温度は高い
方が好ましく、１２０℃以上が望ましい。

（作用） 本発明の方法において、撥水剤は高温度の加熱処理によ
って布帛の表面に移行し、濃度を高めて布帛に固着され
るために高度の撥水性能を示す。

一方、疎水性高分子化合物は融点以上に加熱されて液状
となり、この界面張力によってマルチフィラメントの内
部にまで浸透し、フィラメント全体を疎水化するために
布帛の表面を摩擦したり揉んでも水は内部に浸透し難く
、洗濯に対しても撥水性能は殆と低下しない。

また、布帛表面が汚染されて撥水性能が低下した場合、
該高分子化合物の融点以上の温度に加熱すると撥水性能
を復元する作用効果も有する。

（実施例） 以下、本発明を実施例により説明するが、実施例中の部
は重量部を意味する。　なお、撥水性はＪＴＳＬ−１０
９２の規定により測定した。

実施例１ ポリアミド織物の２１０Ｄオツクスフオードに蜂蜜パラ
フィン（ピースワックス：融点７０℃）１０部、弗素系
撥水剤（デイックカーＦ’　Ｆ　−３２０部大日本イン
キ■製品）５部、トリクロロエタン１００部の組成の処
理液をナイフコーターを用いて約５０　ｇ／ｍ″′均一
に塗布し、６０℃で乾燥して溶剤を揮発させる。

次いて、１２０℃で１５分間熱処理を施し、撥水性の布
帛を得た。

この布帛の撥水性は、初期１００点、家庭洗濯２０回後
９０点て、洗濯２０回後アイロンを掛けると１００点に
復元した。

なお、布帛の表面に水を乗せて摩擦したり揉んだ場合に
も撥水性能は低下せず、また、表面汚染したものをアイ
ロンで加熱すると撥水性能は初期の性能まで復元した。

実施例２ ポリアミド織物の２１０Ｄオツクスフオートに低分子ポ
リエチレン（ＡＣポリエチレン：融点７５℃）１２部、
弗素系撥水剤くデイックカーＦ’　Ｆ−３２０）５部、
トリクロロエタン１００部の組成の処理液をナイフコー
ターを用いて約５０　ｇ／ｍ”均一に塗布し、６０℃で
乾燥して溶剤を揮発させる。

次いて、１２０℃で１５分間熱処理を施し、撥水性の布
帛を得た。

この布帛の撥水性は、初期１００点、家庭洗濯２０回後
９０点て、洗濯２０回後アイロンを掛けると１００点に
復元した。

なお、布帛の表面に水を乗せて摩擦したり揉んだ場合に
も撥水性能は低下せず、また、表面汚染したものをアイ
ロンで加熱すると撥水性能は初期の性能まで復元した。

比較例１ 実施例１て使用したと同じオックスフォードを使用し、
実施例１の処理液からピースワックスを除外した以外は
実施例１と同し処方の処理液をナイフコーターを用いて
約５０　ｚ／ｒａ”均一に塗布し、６０℃で乾燥して溶
剤を揮発させた後、１２０℃で１５分間熱処理を施して
撥水性の布帛を得た。

この布帛の撥水性は、初期１００点、家庭洗濯２０回後
５０点て、洗濯２０回後アイロンを掛けると７０点に復
元したにとどまった。

また、布帛の表面に水を乗せて摩擦したり揉んだ場合に
は水がフィラメント内部に浸透し、撥水性能は著しく低
下した。

（発明の効果） 本発明によれば、撥水剤が合成繊維布帛表面に移行して
固着するとともに、疎水性高分子化合物が合成繊維を構
成するマルチフィラメントの内部にまで浸透してフィラ
メントを疎水化することの相乗効果により、従来の処理
方法では得られなかった優れた撥水性能と摩擦耐久性お
よび洗濯耐久性を付与することができた。

また、布帛表面の汚れに対しても単にアイロンなとて加
熱するだけで容易に撥水機能を再生することができ、ス
ポーツウェア、カシュアルウエアなとの衣料素材として
きわめて有用である。

以上

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　合成繊維布帛に、融点が６０℃ないし１００℃の疎水
   性高分子化合物を含有する弗素系撥水剤および／または
   シリコーン系撥水剤の有機溶剤溶液を塗布または含浸し
   、これを乾燥して溶剤を揮発させた後、次いで該疎水性
   高分子化合物の融点より少なくとも１０℃高い温度で加
   熱処理を施すことを特徴とする合成繊維布帛の撥水処理
   方法。