JPH047264B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、外側のケーシング、内側のフレキシ
ブルな流体容器及び弁機構を通して流体を放出さ
せるために流体容器に圧力を加える手段を有する
種類の流体デイスペンサに係るものである。

流体が放出された時につぶれるようになつてい
るフレキシブルな流体デイスペンサは種々に用い
られている。この型のデイスペンサは、加圧した
過弗化炭化水素を推進剤として使用していて環境
的に受入れられないようなエアロゾルデイスペン
サに対して、比較的安価な代替として近年関心を
集めている。

最も普及している先行技術の容器では、デイス
ペンサの壁を手でしぼつて内容を流出させてい
る。

より複雑な先行技術デイスペンサでは、フレキ
シブルな容器が堅いケーシングの中に配置されて
いる。ケーシングの中には容器の壁及びその中の
流体に連続的に圧力を加える手段が設けられてい
る。容器の口には弁が設けられていて、流体を放
出させる時に付活される。推進力は流体容器を取
囲んでいる弾力性のスリーブによつて与えられ
る。

容器内の実質的に全ての内容を排出できるよう
にするために、容器は完全につぶれることができ
るような即ち実質的に内部空間が残らないような
形状を有していなければならない。初期の頃に
は、バツグはつぶれた状態で円板の形状に容易に
折たたまれるようにしてあつた。しかしそれでも
円板は比較的大きい直径を有しており、本質的に
その中に若干の残留物を残すのが常であつた。別
の方法は細長いバツグを用いるものであり、放出
用の弁を取付けてある開放端、閉じた端及びこれ
らの端の間に円筒形の壁を有している。この壁に
はひだが設けてあり、ひだは２つずつ互に折たた
むことができるように壁を幾つかの区分に分割し
ている。この配列は成功ではあつたが、全てのフ
レキシブル容器に共通の基本的な問題即ちバツグ
を折たたむ或はつぶす挙動を精密に制御できない
問題が未だに存在しているので、バツグの内容全
部を放出できなくするような無関係な折り目が作
られてしまうことが多い。

1983年６月14日付米国特許4387833号に開示さ
れているデイスペンサでは、エネルギスリーブが
軸方向に滑らないようにするために特別のスリー
ブが設けてある。スリーブは、半径方向に伸縮で
きるが軸方向には伸縮できないように織物材料で
作られている。しかし、このスリーブが容器の折
たたみ挙動を制御することはない。

本発明の目的は、バツグ内に詰められた流体の
全てが排出されるまで内部に収容されているフレ
キシブルバツグを制御された挙動でつぶすための
手段を有するデイスペンサを提供することであ
る。

別の目的は、比較的安価なデイスペンサを提供
することである。

別の目的は、前記デイスペンサを製造する方法
を提供することである。

本発明の他の目的及び長所は以下の本発明の説
明から明白になるであろう。

本発明による流体デイスペンサは：放出される
流体を容れるためのフレキシブルで実質的に膨張
できない材料で作られ、弁機構を取付けるように
なつている口と複数の軸（長手）方向のひだとを
有する管状のバツグ；及び前記バツグを実質的に
取囲んでいて、バツグが加圧流体で満たされた時
に半径方向外向きに膨張することができ、前記弁
機構を選択的に作動させた時に前記加圧流体を放
出させるように前記バツグに充分な外部圧力を加
える弾力性部材を備えている。このびだ付きバツ
グには、隣り合う壁がビードによつて橋絡されて
いるひだの谷を除いて薄い均一な被膜が形成され
るように、適当なラテツクスに浸す等の適当な方
法によつて被膜が施されている。

以下に添付図面を参照して本発明の実施例を説
明するが、これらの実施例は単なる例示に過ぎ
ず、本発明を何等限定するものではいことを理解
されたい。

加圧バツグ即ちバリヤバツグを有すうデイスペ
ンサは、典型的には外囲器１１の中に挿入される
バツグ組立体１０（第１図）を備えている。組立
体１０は、閉じた底端１４と口１６とを有する管
状のバツグ１２を含んでいる。金属キヤツプ１８
が口１６に取付けらてている。キヤツプ１８はキ
ヤツプ内部と通じている中央オリフイス２０を有
している。口１６の内側に、口１６と同心に弁組
立体２２が取付けられており、オリフイス２０を
通して付活されるとバツグ内に容れられている加
圧流体を解放するようになつている。このような
弁は前記特許4387833号に記載されている。バツ
グ組立体を外囲器１１内に挿入した後に、アクチ
ユエータ２３を頂部に取付ける。アクチユエータ
は中空のステム２５を有している。ステム２５は
オリフイス２０を通つて伸びており、アクチユエ
ータを下方に押圧すると流体を解放する。

バツグは、バツグの形状に順応する比較的薄く
且つ弾力的な被膜２４によつて取囲まれている。
被膜の詳細に関しては後述する。被膜されたバツ
グは、一般にエネルギ管と呼ばれている弾力性部
材２６内に配置される。部材２６は本質的にはバ
ツグ１２と同一の広がりを持つ。

必要形状を得るために、バツグは先ず第２図に
示すようなびんの形状に形成される。好ましく
は、バツグはフレキシブルではあるが非弾力性で
あつて、その内容に何等かの味或は匂いをつける
ことがないように比較的不活性な材料で作る。例
えばバツグはナイロン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル或はサラネツクス（SARANEX）のよう
なプラスチツク材料で作ることができる。この材
料は吹込み成形或は公知の類似方法によつて第２
図に示す形状に形成することができる。

次に、このびん形のバツグは第４図及び第５図
に示す形状にひだをつける。この形状では、バツ
グはトラフ即ち谷３０によつて分離されている峰
２８により限定された複数の長手（軸）方向のひ
だを有している。バツグがフレキシブルであるの
で、各ひだ２８の内壁３２が本質的に互に接触す
る即ち折たたまれるまで容易に圧縮することがで
きる。バツグがこのように圧縮される即ち折たた
まれると、バツグ内に残される空間はトラフ３０
によつて限定される比較的狭い管３４だけとな
る。

ひだ付きのバツグはひだに被膜を施してそれを
包むことによつて、製品を充填した後に極めて精
密に且つ制御された挙動で再び折たたまれるよう
にプログラム即ち束縛できることが分つた。好ま
しくは、バツグの外面にゴムラテツクス被膜を施
す。ラテツクスは、バツグに付着させた時にバツ
グに滑らかで、均一で、且つ伸縮自在の被膜を形
成し、第６図に３６で示すようにひだの谷３０の
底を満すビード即ちリブが得られるように選択し
たのである。ビードの寸法はラテツクスの密度及
び粘度に依存する。

幾つかの異なるゴム状ラテツクス材料を試みた
結果、予め加硫処理したゴム或は合成イソプレン
が被膜に最も適していることが分つた。

風船、手術用手袋等のような異なるゴム製品を
製造するのに用いられるものと類似のラテツクス
処方が適している。固体含有物及び粘度の両方或
は何れか一方を若干変える必要があるかも知れな
いが、これらの技術は当業界においては公知であ
る。

ラテツクスは室温においてゴム、増量剤を含み
水を基とするエマルジヨンである。第４図に示す
ような形状のバツグを浴に浸して引上げる。過多
なラテツクスを滴下させた後、被膜されたバツグ
を凝固剤に浸し、しずくを切り、そしてすすぎの
ために水に浸し、容器に影響を及ぼさない最高温
度まで炉内で加熱してバツグ上の固形の連続した
伸縮自在な表面被膜を形成させる。このように形
成された被膜はバツグに充分に付着して爾後の処
理に堪えるようになる。

これでバツグは最終組立ての準備が整つたこと
になる。弁組立体２２及びキヤツプ２０をバツグ
の口１６上に取付ける。次に弾力性部材２６を広
げて第１図に示す位置までバツグ上を引張る。好
ましくは、部材２６の内径を第４図に示す被膜し
たバツグの外径よりも小さくし、バツグのひだを
互に密着させ合うようにする。この操作の際、び
んを真空引きしてひだ状にし、組立てを容易にす
る。

前述のように、流体は圧力を加えてバツグ内に
供給し、第２図の形状になるように膨張させる。
弾力性部材２６は、バツグを加圧流体源から切離
した後もバツグを加圧し続けるのに充分な力を加
える。従つて流体は弁組立体２２を付活すること
によつて放出される。更に多くの流体がバツグか
ら引出される或は排出されると、バツグ内に容れ
られている流体が実質的に全て排出される最小
の、即ちつぶされた段階に縮小されるまで、バツ
グはひだの谷に存在する被膜のリブ即ちビードに
よつて滑らかに順序正しくひだの形状に折たたま
れて行くので、無関係なひだが形成されることは
ない。

膨張及び収縮サイクルの効果を３つの図面に示
してある。第８図は第７図の８−８矢視図であつ
て、1.9グラム公称乾重量ラテツクス被膜を有す
るバツグの断面を示している。第９図及び第１０
図はそれぞれ５グラム公称乾重量ラテツクス被膜
を有するバツグと、被膜を有していないバツグの
同じような図である。これらの公称重量とは公称
７液量オンスの容器に対するラテツクスの乾重量
である。より小さい及びより大きい容器は相応し
て異なる重量を持つことになる。

第８図及び第１０図を比較すると、被膜を有し
ていないバツグがでたらめに折たたまれて最後の
段階でも未だに多くの空隙を含み、ひだは識別で
きない。第８図のバツグ組立体は楕円に変形して
いるが、第１０図よりも空隙が少なく、ひだは容
易に識別できる。第９図は５グラムのラテツクス
を有するバツグが、最小の数の空隙を有しひだが
均一に折たたまれている形状に再形成されている
様を示している。

第８図乃至第１０図はバツグの再折たたみの制
御における本発明の有効性を示している。更に、
被膜が比較的滑りにくい表面を有しているので、
被膜したバツグをエネルギ管内に配置した時に充
分な摩擦力がバツグと管との間に発生し、膨張及
び収縮の際に管が軸方向に滑るのを防ぐ。従来の
形状では、もし管が軸方向に滑るとその若干の部
分が他の部分よりも膨張するので、収縮する際に
バツグに不均一な圧力が加わるからこのような滑
りは望ましくないことが分つている。滑りはバツ
グの外面を粗くすることによつても防ぐことはで
きるが、このような操作はバツグの構造に不当な
応力を加えることにもなり、バツグを弱くしてし
まう。

試験の結果、本発明に従つて製造されたデイス
ペンサは、加圧流体を容れたまま１年に亘つて棚
の上に貯蔵した後も適切に機能した。本発明に従
つて作られたバツグはまた90日間に亘つて49℃
（120〓）の温度にさらした後も適切に機能した。
これらの試験は産業界に受入れられる標準に従つ
たものである。

本発明はその範囲から逸脱することなく種々に
変形が可能であることは明白である。

【図面の簡単な説明】

第１図は外囲器内に挿入されたバツグ組立体を
示すものであり；第２図は成形によつて作られた
フレキシブルバツグを示すものであり；第３図は
成形後のバツグの底面図であり、第４図はひだを
付けられた後の第３図のバツグを示すものであ
り；第５図は第４図の底面図であり；第６図は被
膜を施したバツグの部分断面図であり；第７図は
本発明によるバツグ組立体を示すものであり；第
８図は第７図の８−８矢視断面図であつて、再折
たたみ後の1.9グラム被膜を有するバツグ組立体
を示すものであり；第９図は第７図の８−８矢視
断面図であつて、５グラム被膜を有するバツグ組
立体を示すものであり；そして第１０図は第７図
の８−８矢視断面図であつて、被膜を施してない
バツグ組立体を示すものである。 １０……バツグ組立体、１１……外囲器、１２
……バツグ、１４……バツグ底端、１６……バツ
グの口、１８……キヤツプ、２０……オリフイ
ス、２２……弁組立体、２３……アクチユエー
タ、２４……被膜、２５……ステム、２６……弾
力性部材（エネルギ管）、２８……ひだの峰、３
０……ひだの谷（トラフ）、３２……ひだの内壁、
３４……ひだの谷により形成される管状空間、３
６……ビード（リブ）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加圧流体を収容し及び放出させるための容器
   において、 拡張及び収縮が可能で閉鎖端及び開放端をもつ
   筒状のバツグを有し、 該バツグは長手方向の複数のひだをもち、該ひ
   だがバツグ外面側において複数の峰と谷とを規定
   しており、該谷には前記バツグとともに拡張及び
   収縮が可能な長手方向のリブが設けられており、
   該リブは少なくとも部分的に前記谷を埋めており
   前記バツグからの流体開放の際のバツグ収縮時に
   前記ひだのおりたたみを制御することができるも
   のであり、 前記バツグの開放端には該バツグの内容物を選
   択的に開放するための弁手段が接続されており、 前記バツグをエネルギ管が囲んでおり、該エネ
   ルギ管は拡張及び収縮が可能で該収縮の力により
   前記バツグ及びその内容物を外側から加圧してい
   る、 ことを特徴とする、加圧流体容器。 ２ 前記長手方向のひだが前記バツグの開放端の
   近傍から閉鎖端の近傍まで延びている、特許請求
   の範囲第１項に記載の加圧流体容器。 ３ 前記複数の長手方向のリブがバツグの被膜に
   より形成され、該被膜が前記ひだの谷の底部を埋
   めてリブを形成している、特許請求の範囲第１項
   に記載の加圧流体容器。 ４ 前記長手方向のリブがラテツクス、予め加硫
   処理した天然ゴムまたは合成イソプレンである、
   特許請求の範囲第１項に記載の加圧流体容器。 ５ 前記バツグを収容せる外囲器を有する、特許
   請求の範囲第１項に記載の加圧流体容器。 ６ 前記エネルギ管の自由状態での最収縮時の内
   径が前記バツグの最収縮時のひだの頂部により規
   定される最収縮時バツグ外径よりも小さい、特許
   請求の範囲第１項に記載の加圧流体容器。 ７ 加圧流体を収容し及び放出させるための容器
   において、 外囲器を有し、 該外囲器内には拡張及び収縮が可能で閉鎖端及
   び開放端をもつ筒状のバツグが収容されており、
   前記開放端は流体通過用の開口を規定しており、
   該バツグは前記開口の近傍から前記閉鎖端の近傍
   まで延びている複数のひだをもち、該ひだが流体
   導入の際の前記バツグの収縮状態から拡張状態ま
   での変形を可能ならしめており、前記ひだがバツ
   グ外面側において複数の峰と谷とを規定してお
   り、該谷のそれぞれの底部には前記バツグととも
   に拡張及び収縮が可能な長手方向のリブが設けら
   れており、該リブは少なくとも部分的に前記谷を
   埋めており前記バツグからの流体排出の際のバツ
   グ収縮時に前記ひだのおりたたみを制御すること
   ができるものであり、 前記開口にはキヤツプが取付けられており、該
   キヤツプは中央にオリフイスをもち、 前記キヤツプの中央のオリフイスには前記加圧
   流体を選択的に排出させるための弁手段が設けら
   れており、 前記バツグの開口の近傍から閉鎖端の近傍まで
   をエネルギ管が囲んでおり、該エネルギ管は前記
   バツグ及びその内容物を外側から加圧している、
   ことを特徴とする、加圧流体容器。 ８ 前記長手方向のリブが前記バツグをラテツク
   ス中に浸漬させることにより被膜として形成され
   たものであり、該リブが前記ひだの谷の底部を満
   たしている、特許請求の範囲第７項に記載の加圧
   流体容器。 ９ 前記被膜がラテツクス材料からなる、特許請
   求の範囲第８項に記載の加圧流体容器。 １０ 前記ラテツクス材料が５グラム乾重量ラテ
   ツクスである、特許請求の範囲第９項に記載の加
   圧流体容器。