JPH047091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は密閉容器に係り、湿気、塵埃その他
の外気の影響を避けるため、外気と遮断された状
態で、液体、粒体、粉体その他を内部に収容させ
る容器の上端開口部を確実に閉塞すると共に、上
下方向での多段積を可能とさせる密閉容器に関す
るものである。

［考案の技術的背景とその問題点］ 従来から、理化学、医療、業務用厨房その他の
分野において、湿気、塵埃その他の外気の影響か
ら保護すべく、密閉させた状態で各種の液体、粒
体、粉体その他を収容する密閉容器が種々に使用
されている。この密閉容器は、通常、密閉性に富
む金属を素材として有底筒状に形成して上端開口
部を大きく開口させると共に、その開口部は種々
の封緘装置によつて閉塞されるものとなつてい
る。

そのため、従来から種々の封緘装置が提供され
ている。ところが、この種の従来の封緘装置は、
耐圧性を有することを主眼としているのみであ
り、収納、運搬、保管に際し、その効率性を考慮
して多段状に積重ねる場合は、蓋上面に凹所が形
成されていても、この凹所には径が小さなものし
か載置できず、また、確実な封緘を図るための締
付バンドがその構造によつては蓋の上面から側面
に架けられていることで、上方へ積重ねるには極
めて不安定となり、危険な場合もあつた。

［考案の目的］ そこで、この考案は、上述した点に鑑み案出さ
れたものであり、容器の開口部における密封性を
確実にすると共に、同径の容器を多段状に安定し
て積重ねることができ、また、不要な場合には上
方へ出張らせずに安全なものとなし、取扱いも容
易なものとした密閉容器を提供せんとするもので
ある。

［考案の概要］ そのため、この考案にあつては、上端開口部外
周面に略フランジ状の係止突条を設けた有底筒状
の密閉容器本体と、密閉容器本体の開口部端面に
おける係止突条の部分まで覆うべく施蓋される蓋
体と、密閉容器本体の開口部端面で、蓋体との間
に介在されるパツキン材と、施蓋した蓋体の周
縁、密閉容器本体の係止突条の両者を囲繞挟着す
る断面略溝形状の囲繞枠に開閉自在な締付バンド
を付設すると共に、締付バンドを閉じた状態で密
閉容器本体底部を嵌合支持可能な内周を有する支
持枠を囲繞枠の一方の端縁に連設して成る封緘体
とから構成したことに存し、こうすることで、密
封の確実性、多段状に積重ねたときの安定性、取
扱いの容易性を得ることができたものである。

［考案の実施例］ 以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説
明すると次の通りである。

図において示される符号１は、ステンレスその
他の金属にて形成された有底筒状で上端に開口部
２を有するの密閉容器本体であり、その上端を外
方へ向つて巻回形成することで全周にわたつて上
端開口部２外周面に略フランジ状の係止突条２ａ
が形成してある。

そして、密閉容器本体１の開口部２には、密閉
容器本体１と同効材にて形成された蓋体３が施蓋
されるものとなつており、その大きさは密閉容器
本体１の開口部２端面における係止突条２ａの部
分まで覆う大きさとし、この蓋体３自体は、開口
部２縁に嵌合する断面略溝形に折曲形成すること
により補強を兼ねた嵌合溝４を周縁に有すること
で、上面には凹所５が凹設されている。図示にあ
つての嵌合溝４は、その内側壁は直立状で、上側
壁は水平状で、外側壁は外方に行くに従い次第に
低くなつた傾斜状であり、外側壁は前記開口部２
縁と上下方向で対応合致位置とされ、また、内側
壁は開口部２内方に位置されている。

このような蓋体３と開口部２周縁との間には、
NBR樹脂、シリコンゴム等にて形成されたドー
ナツ状のパツキン材６が介在される。すなわち、
第２図、第３図に示すように、その断面形状は、
前記嵌合溝４の内側壁内面、上側壁内面、外側壁
内面に夫々当接する内面、上面、外面を有し、底
面は内方から外方へ至るに伴ない次第に高くなる
傾斜状となし、開口部２縁上に載置セツトされた
ときでの圧締状態にあつて、開口部２周縁内外に
わたつて弾性的に変形し、しつくりと密着するよ
うにしてある。

図示にあつてのパツキン材６には、その上面に
密着溝７が凹設されており、この密着溝７によつ
て、パツキン材６自体が開口部２周縁上で載置圧
締されるとき、パツキン材６の開口部２の縁に沿
つての内外方向での弾性伸展を図り、密封性を一
層向上させることができる。

パツキン材６を介在させての蓋体３と開口部２
周縁との圧締は、封緘体８によつて得られる。こ
の封緘体８は、施蓋した蓋体３、密閉容器本体１
の開口部２周縁に設けた係止突条２ａの両者を囲
繞挟着する断面略溝形状の囲繞枠９に開閉自在な
締付バンド１０を付設すると共に、締付バンド１
０を閉じた状態で密閉容器本体１底部を嵌合支持
可能な内周を有する支持枠１２を囲繞枠９の一方
の端縁に連設して成るものである。

囲繞枠９自体は、前記嵌合溝４における外側壁
外面と係止突条２ａ下面とに当接するよう、開口
がやや開放され、且つ、好ましくは上下壁が共に
嵌合溝４における外側壁に密着する台形状を呈す
る断面形状を有している。図示にあつては、適位
置で分割して側方揺動式で開閉される締付バンド
１０が付設され、また、締付後の開放復帰を阻止
する安全のためのロツク機構１１が設けられる。

また、支持枠１２は上方に段積みすべき密閉容
器本体１底部外径に比し小さくはない内径を有
し、その内部に嵌合支持された密閉容器本体１が
倒立されない程度の高さを有しており、通常は、
支持枠１２と囲繞枠９とは一体に形成される。

この考案は以上のように構成されており、これ
が使用に際しては上方に他の密閉容器本体１を積
み重ねるときは、第２図に示すように、開口部２
周縁端面及び係止突条２ａと蓋体３との間にパツ
キン材６を介在させると共に、支持枠１２を上方
に位置させて蓋体３、係止突条２ａの周囲を囲繞
した封緘体８における囲繞枠９を締付バンド１０
にて圧締し、支持枠１２内に他の密閉容器本体１
を嵌合支持させるものである。また、他の密閉容
器本体１を積重ねる必要がないときは、第３図に
示すように、開口部２縁と蓋体３との間にパツキ
ン材６を介在させると共に、支持枠１２を下方に
位置させて蓋体３、開口部２縁の周囲を囲繞した
封緘体８における囲繞枠９を締付バンド１０にて
圧締すればよいものである。

［考案の効果］ したがつて、上方への段積みを行うか否かによ
つて封緘体８における支持枠１２を上方、下方の
いずれかに向けて囲繞、圧締すればよく、上方に
突出配置された支持枠１２内に密閉容器本体１を
嵌合することで、極めて安定性よく多段状に支持
できもので安全であり、しかも、下段のそれと上
段のそれとは同一大きさとなし得るから、保管、
収納、運搬その他に多数の密閉容器をコンパクト
に纏めることができる。また、段積みを必要とし
ないときは支持枠１２を下方に向けて配置させれ
ばよく、その際は、蓋体３上方への突出部分はな
いから、作業者その他にとつての危険性はなく安
全である。

これは、封緘体８が、締付バンド１０を閉じた
状態で密閉容器本体１底部を嵌合支持可能な内周
を有する支持枠１２を囲繞枠９の一方の端縁に連
設してあるからであり、また、この支持枠１２自
体は、従来から一般に使用されている囲繞枠９に
若干の改良を施すことで得られるから、構成的に
も簡単で安価に得られるものである。

また、密閉においても、密閉容器本体１を、上
端開口部２外周面に略フランジ状の係止突条２ａ
を設けた有底筒状に形成し、蓋体３を、密閉容器
本体１の開口部２端面における係止突条２ａの部
分まで覆うべく施蓋されるように形成し、そし
て、密閉容器本体１の開口部２端面で、蓋体３と
の間にパツキン材６を介在させ、締付バンド１０
を閉じて、施蓋した蓋体３の周縁、密閉容器本体
１の係止突条２ａの両者を断面略溝形状の囲繞枠
９にて囲繞挟着するから、簡単な操作で密封を確
実に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は分解斜視図、第２図は使用状態での要部断面
図、第３図は他の使用状態での要部断面図であ
る。 １……密閉容器本体、２……開口部、２ａ……
係止突条、３……蓋体、４……嵌合溝、５……凹
所、６……パツキン材、７……密着溝、８……封
緘体、９……囲繞枠、１０……締付バンド、１１
……ロツク機構、１２……支持枠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上端開口部外周面に略フランジ状の係止突条
   を設けた有底筒状の密閉容器本体と、密閉容器
   本体の開口部端面における係止突条の部分まで
   覆うべく施蓋される蓋体と、密閉容器本体の開
   口部端面で、蓋体との間に介在されるパツキン
   材と、施蓋した蓋体の周縁、密閉容器本体の係
   止突条の両者を囲繞挟着する断面略溝形状の囲
   繞枠に開閉自在な締付バンドを付設すると共
   に、締付バンドを閉じた状態で密閉容器本体底
   部を嵌合支持可能な内周を有する支持枠を囲繞
   枠の一方の端縁に連設して成る封緘体とから構
   成したことを特徴とする密閉容器。 ２ パツキン材には、その上面に密着溝が凹設さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   密閉容器。