JPH0470691B2

JPH0470691B2 -

Info

Publication number: JPH0470691B2
Application number: JP60266876A
Authority: JP
Inventors: Chiaki Abe; Hiroyuki Kanai; Setsu Takeuchi; Akira Ishikawa
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1985-11-27
Filing date: 1985-11-27
Publication date: 1992-11-11
Also published as: JPS62125530A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明は磁気記録媒体に関する。詳しくは、耐
久性に優れた磁気記録媒体に関する。〔従来の技術及び問題点〕磁気記録媒体は、一般にポリエステルフイルム
などの基体上に、磁性粉末、結合剤樹脂、有機溶
剤及びその他の必要成分からなる磁性塗料を塗着
して作られるが、中でもフロツピーデイスクは記
録再生時に、磁気ヘツドやジヤケツトライナー等
と激しく摺接するために、磁性層が摩耗されやす
いので、磁性層の摩耗が少なくて耐久性に優れた
ものが要求される。このため、磁性層の耐摩耗性を改善する一方策
として磁性層中に種々の潤滑剤を混入することが
行われている。従来から使用されている潤滑剤としては脂肪
酸、オレイン酸オレイル、ステアリン酸ブトキシ
ド、脂肪酸アミド、流動パラフイン、ワツクス等
がある。しかしながら、これらの潤滑剤は性能面
では満足されるものとは言い難いのが現状であ
る。例えば、オレイン酸オレイル、ステアリン酸
ブトキシド等は媒体の耐久性向上に対して不十分
であり、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸や
流動パラフイン等の炭化水素系の潤滑剤は、耐久
性の向上には有効であるがバインダーとの相溶性
が悪く、多量に用いると磁性層表面からブリード
しヘツドを汚しやすい等の欠点がある。〔問題点を解決するための手段〕本発明者らは、良好な潤滑性が付与されて、幅
広い使用環境下でも大幅に耐久性が改善された磁
気記録媒体を得るべく鋭意研究の結果本発明に到
達した。即ち、本発明は、非磁性支持体上に磁性層を有
する磁気記録媒体において、前記磁性層が、次の
一般式（）｛式中、R₁及びR₂は炭素数１〜25（ただしR₁と
R₂の炭素数の和は22〜34である）の直鎖又は分
岐を有する飽和アルキル基、R₃は炭素数７〜29
の直鎖又は分岐を有する飽和又は不飽和アルキル
基である。｝で表されるエステル化合物と、炭素数８〜30の脂
肪酸を含有することを特徴とする磁気記録媒体を
提供するものである。〔作用〕本発明の磁気記録媒体は、磁性層中に、前記一
般式（）で表されるエステル化合物と、炭素数
が８〜30の脂肪酸を含有するものである。これら
を併用すると、優れた潤滑性が付与されて、磁気
記録媒体としての耐久性が向上するのであるが、
その詳細な理由については明らかではない。本発明に使用される前記一般式（）で表され
るエステル化合物は、例えば分岐型アルコールと
脂肪酸のエステル化反応によつて得ることができ
る。この分岐型アルコールは、その合成方法から
ゲルベアルコールと呼ばれるものである。又、本発明に使用される脂肪酸の中でも、炭素
数が８〜24の飽和、不飽和、直鎖あるいは分岐を
有するものが好ましい。具体的な脂肪酸を例示す
ると、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸、12−ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、エルカ酸等がある。また、前記のエステル化合物と脂肪酸の合計の
使用量は、磁性粉に対して１〜15重量％程度であ
り、両者の使用比率は、通常エステル化合物／脂
肪酸＝95／５〜10／90（重量比）、好ましくは、エ
ステル化合物／脂肪酸＝95／５〜50／50程度であ
る。本発明に係わる磁性粉としては針状形の微細な
γ−Fe₂O₃、Fe₃O₄、CrO₂のような金属酸化物、
またCo被着γ−Fe₂O₃、Coドープγ−Fe₂O₃のよ
うな加工処理を施したγ−Fe₂O₃、鉄メタル粉、
微小板状のバリウムフエライト及びそのFe原子
の一部がTi，Co，Zn，Ｖ，Nb等の１種又は２種
以上で置換された磁性粉、Co，Fe−Co，Fe−
Ni等の金属又は合金の超微粉などが挙げられる。
これらのうち鉄メタル粉は特に化学的安定性が悪
いからこの改良のためニツケル、コバルト、チタ
ン、ケイ素、アルミニウムなどを金属原子、塩及
び酸化物の形で少量加えたり表面処理されること
があるが、これらを用いることもできる。鉄メタ
ル粉は又その安定化のため弱い酸化性雰囲気の中
で表面に薄い酸化皮膜を作らせることがあるがこ
のように処理されたメタル粉を用いることもでき
る。本発明において用いることができるバインダー
の例としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、
ポリアクリロニトリル、ニトリルゴム、エポキシ
樹脂、アルキツド樹脂、ポリアミド、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニリ
デン、塩化ビニリデン共重合体、硝化綿、マレイ
ン酸変性塩化ビニル／酢酸ビニル共重合体、エチ
ルセルロースなどが挙げられる。これらは単独で
用いてもよいが、通常２種類以上混合して用いら
れる。また、樹脂の硬さを調節するため可塑剤や
硬化剤を加えて使用することもできる。また、バインダーの配合量は一般に磁性粉100
重量部に対して15〜60重量部である。最も大きな
結合力を有するバインダーであつても15重量部よ
り少ないときは磁性塗膜の強度が弱く、また基板
と磁性塗膜の接着力が不足となる。また60重量部
より多いときには磁性塗膜中の磁性粉濃度が小さ
くなつて再生出力が低下して不利である。また塗
膜特性が低下することもある。〔実施例〕以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例１〜６表１に示す種類と量のエステル化合物及び脂肪
酸を潤滑剤として用い、下記に示す組成の混合物
を調製した。 Co被着γ−Fe₂O₃ 100重量部塩ビ／酢ビコポリマー^*1 30 ポリウレタン樹脂1^*2 27 ポリウレタン樹脂2^*3 ５カーボンブラツク８ α−Al₂O₃ ４トルエン 67 メチルエチルケトン 67 シクロヘキサノン 100 注）＊１米国ユニオンカーバイド社製の商品名
VAGH ＊２日本ポリウレタン工業社製の商品名
N2301 ＊３日本ポリウレタン工業社製の商品名
N2304 次いで、上記混合物をサンドミルで５時間混練
し、その後潤滑剤を添加し、ボールミルで10時間
混練する。更に、これにポリイソシアネート化合
物（住友バイエルウレタン社製の商品名N3200）
を5.4重量部加えて合計６種類の磁性塗料を調製
した。次いでこれらの塗料を厚さが75μのポリエ
チレンテレフタレートフイルム上に、乾燥膜厚が
1.5μになるように塗布し、乾燥後カレンダー処理
を行つた。更に、これを60℃で４日間放置して硬
化反応を行つた後、円盤状に打ち抜き、表面研磨
して磁気デイスクを製造した。これらのデイスクをフロツピーデイスク加速耐
久性試験ドライブ中に装填し、再生出力が初期出
力の70％になるまでの走行時間を５℃及び25℃に
おいて測定することにより、各々の磁気デイスク
の耐久性を判定した。その結果を表１に示す。

【表】

【表】比較例１〜４実施例で用いた潤滑剤の代わりに、表２に示す
種類と量の潤滑剤を用い、その他の成分とその量
は実施例と同一にして、実施例の方法に準じて合
計４種類の磁性塗料を調製した。これらの塗料を
用いて、実施例と同じ方法で磁気デイスクを製造
し、これらデイスクの耐久性を調べた。その結果
は表２に示す。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１非磁性支持体上に磁性層を有する磁気記録媒
体において、前記磁性層が次の一般式（）｛式中、R₁及びR₂は炭素数１〜25（ただしR₁と
R₂の炭素数の和は22〜34である）の直鎖又は分
岐を有する飽和アルキル基、R₃は炭素数７〜29
の直鎖又は分岐を有する飽和又は不飽和アルキル
基である。｝で表されるエステル化合物と、炭素数８〜30の脂
肪酸を含有することを特徴とする磁気記録媒体。