JP2774314B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に関し、詳しくは耐久性に優れ
た磁気記録媒体に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
磁気記録媒体は、記録再生時に磁気ヘッドやパッドな
どと激しく摺動し、磁性層が摩耗されやすいため、磁性
層の摩耗が少なく耐久性に優れたものが望まれている。
このため、磁性層の耐摩耗性を改善する方策として、
磁性層中に種々の潤滑剤を混入する内添法、あるいは磁
性層表面に潤滑層を形成するトップコート法等が行われ
ている。
従来から使用されている潤滑剤としては、高級脂肪酸
およびそのエステル、脂肪酸アミド、流動パラフィン、
シリコーンオイル等がある。しかしながら、これらの潤
滑剤は性能面では満足されるものとは言い難いのが現状
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、良好な潤滑性が付与され大幅に耐久性
が改善された磁気記録媒体を得るべく鋭意研究の結果本
発明に到達した。
即ち本発明は、非磁性支持体上に磁性層を有する磁気
記録媒体において、該磁性層が、下記一般式(1)で表
されるエーテル化合物を保持していることを特徴とする
磁気記録媒体を提供するものである。
(式中、R1は炭素数4〜32の炭化水素基を表し、nは0
又は1を表す。) 本発明に係わる前記一般式(1)で表されるエーテル
化合物(以下エーテル化合物(1)と略記する)におい
てR1の炭素数は4〜32であるが、なかでも10〜24が好ま
しい。またこのR1は直鎖であっても分岐鎖を有していて
もよく、更に飽和であっても不飽和であってもよい。
エーテル化合物(1)は市販の1,2−エポキシアルカ
ンを出発原料として、例えばCA,67,747456(1967)、特
開昭56−39033号公報等に記載の公知の方法に準じた方
法により合成することによって得られる。
本発明におけるエーテル化合物(1)の磁気記録媒体
への添加量は、磁性材料100重量部あたり0.05〜15重量
部が好ましい。また必要に応じて他の汎用潤滑剤、例え
ばブチルステアレートのようなエステル、オレイン酸の
ような脂肪酸、スクアランのような炭化水素と併用して
用いても良い。
本発明におけるエーテル化合物(1)は、塗料中にあ
らかじめ混入するか、又は磁性塗膜形成後にイソプロパ
ノール、ヘキサン等の汎用溶剤の溶液を塗布、乾燥する
ことにより、塗膜に含浸して用いることができる。
また、スパッタあるいは蒸着法により非磁性支持体上
に磁性層を形成して成る媒体に対しても、同様な方法で
塗布して用いることができる。
本発明の磁気記録媒体に使用される磁性粉としては針
状形の微細なγ−Fe2O3,Fe3O4,CrO2のような金属酸化
物、またCo被着γ−Fe2O3,Coドープγ−Fe2O3のような
加工処理を施したγ−Fe2O3、金属鉄粉末、微小板状の
バリウムフェライト及びそのFe原子の一部がTi,Co,Zn,
V,Nb等の1種又は2種以上で置換された磁性粉、Co,Fe
−Co,Fe−Ni等の金属又は合金の超微粉などが挙げられ
る。これらのうち金属鉄粉末は特に化学的に安定性が悪
くこの改良のためニッケル、コバルト、チタン、ケイ
素、アルミニウムなどを金属原子、塩及び酸化物の形で
少量加えたり表面処理されることがあるが、これらを用
いることもできる。金属鉄粉末は又その安定化のため弱
い酸化性雰囲気の中で表面に薄い酸化被膜を作らせるこ
とがあるが、このように処理された金属粉を用いること
もできる。また前述の磁性粉を2種以上混合して用いて
もよい。
本発明において用いられる、磁性粉を分散させて磁性
層を形成させるための結合剤の例としては、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、
ポリアクリルニトリル、ニトリルゴム、エポキシ樹脂、
アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、塩化ビニリデン、硝化綿、マレイン
酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチルセルロ
ースなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種
以上混合して用いてもよい。また樹脂の硬さを調節する
ため可塑剤や硬化剤を加えて使用することもできる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には以上の成分の他、
この分野で通常、使用される研磨剤、帯電防止剤等の添
加剤を加えることができる。
また、本発明の磁気記録媒体を製造する最に用いられ
る非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート
のようなポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン;セルローストリアセテート、セル
ロースジアセテート等のセルロース誘導体;ポリカーボ
ネート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;芳香族ポリアミ
ド等のプラスチック;Al,Cu等の金属;紙等が使用され
る。形態はフィルム、テープ、シート、ディスク、カー
ド、ドラム等いずれでもよい。また支持体表面はコロナ
放電、放射線、紫外線等で処理されていても、あるいは
適当な樹脂でプレコートされていてもよい。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明がこれら実施例に限定されるものではないことは言
うまでもない。
実施例1〜4 金属鉄粉末 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体*1 11重量部 ポリウレタン樹脂*2 11重量部 カーボンブラック(帯電防止剤) 2重量部 Cr2O3(研磨剤) 10重量部 トルエン 71重量部 メチルエチルケトン 71重量部 シクロヘキサノン 107重量部 注) *1:ユニオンカーバイド社製商品名VAGH *2:日本ポリウレタン社製商品名N−2301 上記組成物をサンドミルにて10時間混合した後、フィ
ルタを通して取出し、更に塗布直前に硬化剤を4.4重量
部添加して撹拌した。この塗料を32μ厚のポリエチレン
テレフタレートフィルム上に、乾燥後の磁性層厚みが4
μになるようにして両面に塗布し乾燥し巻き取った。こ
れをカレンダー処理後硬化をしてから円盤状に打ち抜
き、表1に示される潤滑剤の2.0重量%イソプロパノー
ル溶液を、表1に示される潤滑剤の塗布量が600mg/m2
なるように塗布して試料ディスクを作製した。
比較例1〜4 実施例1〜4で用いた潤滑剤の代わりに、表2に示す
各種潤滑剤を用いた他は、実施例1〜4と全く同様にし
て試料ディスクを作製した。
試験例 実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた試料ディス
クについて、耐久性を調べるため、各試料ディスクを不
織布を裏打ちしたシェルに収納し、記録再生装置に装填
し、同一トラック上でヘッドを連続走行させた。このと
きの周速は7m/secである。
一定パス回数後の試料ディスクの磁性層の傷つきを目
視で評価した。傷のまったく無い状態を◎とし、以下傷
の少ない順に○、△、×として評価した。
この結果を表3に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に磁性層を有する磁気記録
    媒体において、該磁性層が、下記一般式(1)で表され
    るエーテル化合物を保持していることを特徴とする磁気
    記録媒体。 (式中、R1は炭素数4〜32の炭化水素基を表し、nは0
    又は1を表す。)
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JP4750872B2 (ja) * 2008-07-24 2011-08-17 伊藤 昭久 並列指定式信号入力装置

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