JPH0469303B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動変速機の作動油中に混入したごみ
等の異物を除去するオイルフイルターに関するも
のである。

自動変速機は作動油を媒体として自動変速作用
を行うが、作動油中に異物が混入していると、各
種バルブにステイツクを生じる等トラブルの原因
となる。従つて、通常各種バルブに作動油を供給
するオイルポンプの吸入部や、ガバナ回路中にオ
イルフイルターを設け、各種バルブを一とまとめ
に収納したバルブボデーに向かう作動油から異物
を除去する対策が講じられている。

しかして、この対策ではオイルフイルターをバ
ルブボデーの外部に設置しているだけのため、該
オイルフイルターを通過した微小異物がバルブボ
デー内に侵入し、これに収納した各種バルブをス
テイツクさせる等の問題が懸念される。この懸念
は、ソレノイドを多数バルブボデーに具える電子
制御式自動変速機の場合、該ソレノイドが混入異
物による影響を受け易いため、特に顕著となる。

そこで、バルブボデーの各種バルブ間を連絡す
る油路中にもオイルフイルターを設ければ上記の
懸念が解消されるとの観点から、この種オイルフ
イルターをバルブボデーに設けた自動変速機が一
部の車両に実用されている。この種オイルフイル
ターは、バルブボデーが例えばアツパバルブボデ
ーとロアバルブボデーとの合体により構成され、
又これらバルブボデーの相互合せ面に夫々相互に
連通するよう開口させて形成した油路により各種
バルブ間を連絡していることから、該油路の開口
間で濾過機能を果たすよう両バルブボデー間に介
在させるべく例えば第３図に示すように構成する
ことが考えられる。

即ち、第３図中ａはアツパバルブボデー、ｂは
ロアバルブボデー、ｃ，ｄは夫々バルブボデー
ａ，ｂの相互合せ面に開口させて相互に連通する
よう開口させて形成した各種バルブ連絡用の油
路、ｅはオイルフイルターを夫々示す。オイルフ
イルターｅは中空円錐形のフレーム本体ｆを具
え、このフレーム本体に油路ｃ，ｄを通る作動油
が通過する通油開口部ｇを形成すると共に、これ
を覆う網状濾過体ｈを設ける。このオイルフイル
ターｅは、フイルターフレームｆの底端フランジ
部ｉをバルブボデーａ，ｂ間に係止すると共に、
フランジ部ｉに隣接する円筒部ｊを油路ｄの開口
部に密嵌シールして取付ける。

しかるにかかるオイルフイルターでは、フイル
ターフレームｆが円筒部ｊにおいて油路ｃ，ｄ間
を仕切り、作動油を開口部ｇに導く構成上、円筒
部ｊを油路ｄの開口部に密嵌シールされるよう高
精度に加工しなければならず、高価になると共
に、円筒部ｊを通油開口部として利用できず、そ
の分オイルフイルターが長大になつて、油路ｄが
長い場合、すなわちバルブボデーケースの高さが
非常に大きい場合にしか、実用不可能である。一
方、アツパバルブボデーとロアバルブボデーとの
相互合せ面の溝に円盤状のフラツトなオイルフイ
ルターが挿入されただけのものもあるが、これで
はフイルター面積が充分とれないばかりでなく、
密嵌されていないので、すき間から微小異物入つ
てくることもあつた。

本発明はバルブボデーの相互合体時フイルター
フレームが油路の開口部周縁に向けシール下に弾
力で押付けられるよう構成すれば、上述の問題を
一挙に解決し得るとの観点から、この着想を具体
化した自動変速機のオイルフイルターを提供しよ
うとするもので、この目的のため本発明オイルフ
イルターは、一方のバルブボデーに形成した前記
油路内に収納されたフイルターフレームを具え、
該フイルターフレームの一端に、前記一方のバル
ブボデーにおけ油路に着座する弾性舌片を一体成
形し、該弾性舌片により前記フイルターフレーム
の他端面を他方のバルブボデーに形成した前記開
口の開口周縁に全周に亘りシール接触させ、フイ
ルターフレームの通油開口部を濾過体で覆つて構
成したものである。

以下、図示の実施例により本発明を詳細に説明
する。

第１図及び第２図は本発明一実施例の態様を示
し、これら図中１はアツパバルブボデー、２はロ
アバルブボデー、３はセパレートプレート、４，
５は夫々バルブボデー１，２の相互合せ面に開口
させて相互に連通するよう形成したバルブ間連絡
用の油路で、これら油路４，５の開口部間を連通
するようセパレートプレート３に開口３ａを形成
する。

本例のオイルフイルター６は例えば油路５の開
口部に挿置して油路４から油路５に向かう作動油
又は逆向きに流れる作動油中の異物を濾過するの
に用いるよう構成する。この目的のため本例のオ
イルフイルター６はフイルターフレーム７を具
え、これを矩形頂板８と、一対の対向側板９とで
構成する。フイルターフレーム７を例えばプラス
チツク等の合成樹脂で一体成形し、矩形頂板８の
中心に矩形開口８ａを形成する。頂板８の上面８
ｂから遠い側に一対の対向側板９を突設し、これ
ら側板９を矩形頂板８の両端に配置して、側板９
間に開口８ａと通ずる通油開口部１０を設定す
る。なお、この通油開口部１０は網状濾過体１１
で覆い、濾過体１１を上面開放の箱形とする。濾
過体１１はその上面開口縁を矩形開口８ａの内縁
に沿わせてこれらに接着すると共に、側板９に沿
う面をこれら側板に接着してフイルターフレーム
７に取付ける。

両側板９の下面には夫々、上下方向に弾性を有
する形状にして一体成形した舌片９ａを突設し、
これで弾性手段１２を構成する。なお、これら舌
片９ａを好ましくは側板９の下側から距離突出さ
せるのが良いが、いずれにしてもこれら舌片の突
出量を十分なものとし、これにより舌片９ａの自
由状態ではこれら舌片が油路５の肩部５ａ上にお
いて矩形頂板８を油路５の開口縁より上方に突出
させるようにする。

上述の構成になる本例のオイルフイルター６を
油路４，５の開口部間に介在させるに当つては、
先ず該オイルフイルターを油路５に挿入し、舌片
９ａを肩部５ａ上に載せる。ここで両バルブボデ
ー１，２を両者間にセパレートプレート３を介在
して合体させると、アツパプレート１はセパレー
トプレート３を介して舌片９ａを弾性変形させな
がら、フイルターフレーム７を油路５内に図示の
位置まで押込む。以上により本例のオイルフイル
ター６は油路４，５の開口部間に挿置されるが、
この状態で舌片９ａはその弾性反力により矩形頂
板８の上面８ｂをセパレートプレート開口３ａの
周縁（セパレートプレート３がない場合油路４の
開口部周縁）に対し押付けてシールする。

従つて、油路４，５間に往来する作動油は全て
通油開口部１０を覆う網状濾過体１１に通過し、
この間に作動油中の異物を除去することが出来
る。

かくして本発明オイルフイルター６は上述の如
く、一方のバルブボデー２に形成した油路５内に
収納されたフイルターフレーム７を具え、その一
端に、上記一方のバルブボデー２における油路５
に着座する弾性舌片９ａを一体形成し、この舌片
によりフイルターフレーム７の他端面８を他方の
バルブボデー１に形成した油路４の開口の開口周
縁に全周に亘りシール接触させ、フイルターフレ
ーム７の通油開口部１０を濾過体１１で覆う構成
にしたから、該他方のバルブボデーに形成する油
路４の開口が小さくてよく、その分バルブボデー
合せ面の油路形成面積が大きく犠牲になるのを回
避し得るし、上記シールを得るべきフイルターフ
レーム７の面８ｂが作動油流を横切る平面でよ
く、嵌合によつて上記のシールを行う場合のよう
に厳密な寸法精度を全く要求されず、安価に造る
ことができる。又、同様の理由から本発明オイル
フイルター６は十分広いフイルター面積を確保し
ながら作動油流方向に長大とならず、極端な話、
作動油流を横切る方向に扁平な構成にさえするこ
とができ、これを収納する油路５の開口部が短い
場合でも難なく実用可能である。

更に、弾性舌片９ａがフイルターフレーム９に
一体であることから、部品点数が少ないのに加え
て、両バルブボデー１，２に形成する油路４，５
の開口に対するフイルターフレーム９の配置に起
因して本発明オイルフイルターは自動変速機に対
する組付作業性が頗る良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明オイルフイルターを自動変速機
のバルブボデーに挿置した状態で示す正面図、第
２図は同じくその側面図、第３図は従来のオイル
フイルターを示す正面図である。 １，２…バルブボデー、３…セパレートプレー
ト、４，５…油路、５ａ…肩部、６…オイルフイ
ルター、７…フイルターフレーム、８…頂板、８
ａ…頂板開口、８ｂ…シール用上面、９…対向側
板、９ａ…弾性舌片、１０…通油開口部、１１…
網状濾過体、１２…弾性手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バルブボデー相互の合せ面に夫々相互に連通
   するよう開口させて形成した油路の該開口間で濾
   過機能を果たすよう両バルブボデー間に介在させ
   て用い自動変速機のオイルフイルターにおいて、 一方のバルブボデーに形成した前記油路内に収
   納されたフイルターフレームを具え、 該フイルターフレームの一端に、前記一方のバ
   ルブボデーにおける油路に着座する弾性舌片を一
   体成形し、 該弾性舌片により前記フイルターフレームの他
   端面を他方のバルブボデーに形成した前記開口の
   開口周縁に全周に亘りシール接触させ、 フイルターフレームの通油開口部を濾過体で覆
   つてなる自動変速機のオイルフイルター。