JPH046914B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、負荷時タツプ切換器の試験装置、特
に、ライン端により取り付けられている負荷時タ
ツプ切換器の絶縁状態を試験する試験装置に関す
るものである。

一般に、油入埋込形負荷時タツプ切換器の切換
開閉器内では、負荷切換開閉に伴う絶縁油の劣化
や絶縁油の分解ガスの発生は不可避である。

しかしながら、例えば、単巻変圧器の巻線のタ
ツプ切換では、古くからタツプ巻線構造上の理由
により、一般に線路端に負荷時タツプ切換器が設
けられてきた。

このような負荷時タツプ切換器において、分割
接点部が常時高電圧にさらされる場合には、その
悪条件を考えると、現在まで負荷時タツプ切換器
の地絡事故が伝えられていないとは云え、品質保
証上の立場から、実使用状態に可能な限り等価で
あつて且つ簡便な検証装置の出現が望まれてい
た。

本発明は、上記のような要請に応えるためにな
されたものであつて、できるだけ実使用状態に近
い状態の下に、しかも、簡便な試験装置を提供す
ることを目的とするものである。

本発明は、この目的を達成するために、試験の
対象の負荷時タツプ切換器の切換開閉器とほぼ同
様の構造を有する供試切換開閉器を設け、その頭
部ケースに活線状態において切換開閉器の負荷開
閉接点部に充電される電圧に見合つた試験電圧を
印加し、また、負荷開閉接点部は接地し、更に、
上記供試切換開閉器を、絶縁油が満たされた試験
槽中に完全に浸漬するように構成したことを特徴
とするものである。

以下、本発明をその一実施例を示す添付図面第
１図に基づいて説明する。なお、添付図面第２図
は試験の対象である負荷時タツプ切換器、特に、
その切換開閉器の部分構造を示すものであつて、
符号２ａは頭部ケース、４ａは切換開閉器油槽、
５ａは負開閉接点部、６ａは絶縁油、７ａは上部
カバー、７ｂは側板、８ａは絶縁油を示す。

図において、符号１は絶縁油を満たした試験
槽、２は上面に管３を有し、下側に切換開閉器油
槽４を有する負荷時タツプ切換器の切換開閉器の
頭部ケース、５は切換開閉器油槽４内に設けられ
た切換開閉器の負荷開閉接点部、６は切換開閉器
油槽４に満された絶縁油であつて、負荷開閉接点
部５が浸漬されている。また、符号７は、一部を
上記頭部ケース２に取り付けられ、負荷時タツプ
切換器が実際の変圧器に埋め込まれた状態を示す
第２図の変圧器タンクの上部カバー７ａ及び側板
７ｂに相当する形状、寸法に形成された模擬電極
である。このように構成された頭部ケース２、切
換開閉器油槽４、負荷開閉接点部５及び絶縁油６
は、いずれもこの試験の対象である第２図に示す
切換開閉器１０ａとほぼ同様に形成且つ構成さ
れ、供試切換開閉器１０を構成しており、この供
試切換開閉器１０は試験槽１の絶縁油８中に浸漬
されている。

また、符号１１は、課電試験用高電圧発生装置
１２から供試切換開閉器１０の頭部ケース２の管
３に電圧を印加する架線、１３は負荷切換開閉試
験用電源変圧器１４及び負荷電流設定用リアクト
ル１５と切換開閉器の負荷開閉接点部５とを接続
する給電線であつて、その一部を接地している。

本発明は、上記のように構成されているので、
本発明によれば、次に示すような効果がある。す
なわち、 (1) 本発明装置で使用する負荷開閉試験電源変圧
器１４、給電線１３及び負荷電流設定用リアク
トル１５によつて形成される回路と、課電試験
用高電圧発生装置１２及び架線１１によつて形
成される回路とは、全く分離されているので、
負荷開閉試験及び課電試験の条件を完全に独立
して設定することができる。

(2) 切換開閉器の負荷開閉接点部５が接地されて
いるので、負荷開閉試験用電源装置は従来公知
のものと同程度の対地絶縁強度のものでよく、
特に設備を新設する必要はない。

(3) 頭部ケース２を含む負荷時タツプ切換器の切
換開閉器全体が油面下に浸漬されているので、
露出している場合に比べて試験空間が小さくて
よい。

(4) 頭部ケース２に管３が設けられているので、
負荷切換により発生する分解ガスが大気に放出
され、圧力上昇を防止でき、また、この管３に
印加線をつなぐことができるために、別個に端
子を設けなくてもよい。

(5) 実変圧器のタンクを模擬した模擬電極７を頭
部ケース２の下部に設けているので、実電界と
の等価性を改善できる。

以上のとおり、本発明によれば、簡便に等価性
の高い活線負荷開閉試験を実施することができる
試験装置を得ることができるという効果を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す説明概略縦断
面構成図、第２図は試験の対象である負荷時タツ
プ切換器が実変圧器に埋め込まれた状態の説明概
略縦断面構成図である。 １……試験槽、２，２ａ……頭部ケース、３…
…管、４……切換開閉器油槽、５，５ａ……切換
開閉器の負荷開閉接点部、６，６ａ……切換開閉
器油槽内の絶縁油、７……模擬電極、７ａ……変
圧器タンクの上部カバー、７ｂ……側板、８，８
ａ……絶縁油、１０……供試切換開閉器、１０ａ
……切換開閉器、１１……架線、１２……課電試
験用高電圧発生装置、１３……給電線、１４……
負荷切換開閉試験用電源変圧器、１５……負荷電
流設定用リアクトル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 油入埋込形の負荷時タツプ切換器の切換開閉
   器に対して活線状態のもとに負荷切換開閉試験を
   行なう試験装置において、上記切換開閉器とほぼ
   同様の構造を有する頭部ケース、切換開閉器油槽
   及び切換開閉器油槽内の絶縁油並びに切換開閉器
   油槽内の絶縁油に浸漬されている切換開閉器の負
   荷開閉接点部を有している供試切換開閉器を備え
   ていると共に、上記頭部ケースに、活線状態にお
   いて切換開閉器の負荷開閉接点部に充電される電
   圧に見合つた試験電圧を印加し、また、切換開閉
   器の負荷開閉接点部を接地し、更に、上記供試切
   換開閉器を絶縁油が満された試験槽の油面下に上
   記頭部ケースを含む供試切換開閉器全体が浸漬さ
   れるように構成されていることを特徴とする負荷
   時タツプ切換器の試験装置。 ２ 切換開閉器とほぼ同様の構造を有する頭部ケ
   ースは、その上部に、頭部ケース内の空間と試験
   槽油面上空間とを連通する管が設けられていると
   共に、上記管の上記油面上の開放端に印加される
   試験電圧を印加する架線を接続している特許請求
   の範囲第１項記載の負荷時タツプ切換器。 ３ 切換開閉器とほぼ同様の構造を有する供試切
   換開閉器が、実使用時切換開閉器を取りまく接地
   電極に相当する形状・寸法の模擬電極を頭部ケー
   スに取り付けて構成されている特許請求の範囲第
   １項又は第２項記載の試験装置。