JPH0468981B2 - - Google Patents

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JPH0468981B2
JPH0468981B2 JP58212247A JP21224783A JPH0468981B2 JP H0468981 B2 JPH0468981 B2 JP H0468981B2 JP 58212247 A JP58212247 A JP 58212247A JP 21224783 A JP21224783 A JP 21224783A JP H0468981 B2 JPH0468981 B2 JP H0468981B2
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JP
Japan
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boric acid
column
tower
adsorption zone
resin
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Masao Kosuge
Junji Fukuda
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Mitsubishi Kasei Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、改良された、ホウ素同位体分離濃縮
方法に関するものである。さらに詳しくは、遊離
アミン形において、特定媒体中で特定温度で加熱
処理された陰イオン交換樹脂を用いることを特徴
とするホウ素同位体の分離濃縮方法に関するもの
である。
ホウ素は天然にホウ素10(10B)が約20%、ホ
ウ素11(11B)が約80%の割合で存在し、このう
10Bは原子核反応等により生成する中性子の吸
収材として秀れた特性を有し、各種の原子炉にお
いて制御棒等の中性子吸収材として使用され、原
子力産業において必要不可欠の物質である。
然るに10Bは上記の如く、天然存在比が20%で
残りは中性子吸収能力の殆んどない11Bであるた
め、原子炉等において効率的に中性子吸収を行な
つてこれを制御するためには、10Bと11Bの同位体
混合物である天然ホウ素から10Bを分離濃縮して
用いる必要がある。
ホウ素同位体の分離方法に一つにイオン交換樹
脂を充填した複数のイオン交換塔を用いて、イオ
ン交換クロマトグラフイーにより、分離を行なう
方法が知られているが、中でもホウ酸に対し高い
選択性を示すアミノポリオール類を官能基として
有するスチレン系のキレート性陰イオン交換樹脂
はホウ素同位体の分離に対し、 α10 11=(イオン交換樹脂中の10Bのモル濃度)/(イ
オン交換樹脂中の11Bのモル濃度)/(溶液中の10Bのモ
ル濃度)/(溶液中の11Bのモル濃度)……〔〕 で表わされる同位体の分離係数(α10/11)が他の
通常の強塩基性陰イオン交換樹脂や弱塩基性陰イ
オン交換樹脂のそれと比較して高いため、興味あ
る方法である。(フランス特許第1520521号)。然
しながらこの種の樹脂は一般にホウ酸の吸脱着反
応速度が遅く、更に、ホウ素同位体分離におい
て、10Bと11Bの同位体交換反応速度が遅く、通常
の陰イオン交換樹脂による方法に比べ、下記
〔〕式で表わされるHETP(Height Equivalent
of a Theoretical Plate、同位体交換反応速度
を表わす尺度として使用)の値が大きく、これが
ために該陰イオン交換樹脂を用いるホウ素同位体
の分離は、通常の陰イオン交換樹脂によるホウ素
同位体の分離方法に比べ特に秀れた法とは云えな
かつた。
HETP=(L2−L1)logα1011/logR2/R1 ……() (但し、R1,R2はホウ素同位体濃縮帯の位置
L1とL2の同位体比) 本発明は、上記欠点を排除して、分離係数が高
く、ホウ酸の吸脱着反応速度が早く、そして
HETPの低い、改良された、ホウ素同位体分離
濃縮方法を提供することを目的とするものであ
る。
すなわち本発明は、ホウ素同位体を含有するホ
ウ酸溶液をイオン交換樹脂に吸着させ、酸溶液で
展開するホウ素同位体の分離濃縮方法において、
該イオン交換樹脂として、一般式〔〕 〔但し、式中、nは1ないし6の整数を示し、
Rは水素原子、炭素数1ないし5のアルキル基ま
たは−CH2〔―CH(OH)〕n――CH2OH(式中mは0、
1ないし6の整数を示す)を示す〕 で表わされるアミノポリオール基を官能基として
有し、かつ、遊離アミン形において、水、アルカ
リ性溶液、(ポリ)アルキレングリコール類、ア
ルコールアミンまたグリセリンから選ばれる媒体
中で、60℃以上200℃以下の温度で加熱処理され
たものを使用することを特徴とするホウ素同位体
の分離濃縮方法をその要旨とするものである。
本発明に使用する、改良された陰イオン交換樹
脂は、まず、ハロメチル基を有する架橋共重合体
を製造し、ついでこれを特定のアミンと反応さ
せ、次いで特定条件下に加熱処理することにより
製造される。
ハロメチル基を有する架橋共重合体は、公知の
方法により、たとえば、スチレンのようなモノビ
ニル芳香族モノマーとジビニルベンゼンのような
ポリビニル芳香族モノマーとを、モノマーを溶解
し、かつ、生成した架橋重合体を膨潤させる溶
媒、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロルベンゼン、四塩化炭素、テトラクロルエタ
ン、トリクロルエチレン等を、モノマーに対して
0〜200重量%程度加えて共重合を行ない、得ら
れるゲル状若しくは多孔性の共重合体をクロロメ
チルメチルエーテルと反応させる方法、あるいは
上記モノマーを共重合させる際にポリスチレンの
ような芳香族線状ポリマーを、モノマー全量に対
して0〜50重量%程度加えて共重合を行つた後、
該線状ポリマーを溶媒により抽出除去して得られ
るゲル状若しくは多孔性の共重合体をクロロメチ
ルメチルエーテルと反応させる方法、あるいは、
上述のモノマーは溶解するが、生成した架橋共重
合体は溶解しない溶媒(沈澱溶媒)たとえばn−
ペンタン、i−オクタン、n−プタン等をモノマ
ー全量に対し0〜120重量%程度加えて重合を行
い、生成したゲル状若しくは多孔性の共重合体を
前述の法によりハロメチル化する方法等によつて
製造される。
上記方法で用いられるモノビニル芳香族モノマ
ーとしては、スチレンの外にビニルトルエン、エ
チルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタ
リンのような芳香族ビニル化合物が有用である。
またポリビニル芳香族モノマーとしては、ジビニ
ルベンゼンの外にジビニルエチルベンゼン、ジビ
ニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキ
シレン、ジビニルエーテル、エチレングリコール
ジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジビニルケトンポリアリルエーテル等が
有用であり、その使用量は広い範囲で変え得るが
好ましくは全モノマーに対し2〜50重量%の範囲
を挙げることができる。
共重合は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、アゾビスイソブチロニトリルのような重合触
媒をモノマーに対し0.1〜10重量%加え、60〜90
℃に於いて6〜20時間反応させることによつて行
われる。該重合方法としては、懸濁重合法、塊重
合法等の公知の方法を採用することができる。
芳香族架橋共重合体のハロメチル化は公知の方
法、たとえば、クロルメチルメチルエーテルを用
いて塩化亜鉛のようなフリーデルクラフト触媒の
存在下で、20〜60℃に加温して行なわれる。クロ
ロメチルメチルエーテルの量は芳香族架橋共重合
体100gに対し広い範囲で変え得るが好ましくは
80g〜500gの範囲を挙げることができる。
上述の方法の外、ハロメチル基を有しる多孔性
芳香族架橋重合体はクロルメチルスチレンのよう
なハロメチル化された芳香族モノビニル化合物
と、ジビニルベンゼンのようなポリビニル化合物
とを前述の方法に従つて架橋共重合する方法によ
つても製造することができる。
上記ハロメチル基を有する架橋共重合体とを反
応させる特定のアミンとしては、下記一般式
〔〕 (式中、nおよびRは前記一般式〔〕と同一
の意義を有す) で表わされるものである。
上記特定のアミンとしては、具体的には、N−
グルカミン、N−ガラクタミン、N−マンノサミ
ン、N−アラビチルアミン、N−メチル−グルカ
ミン、N−エチル−グルカミン、N−メチル−ガ
ラクタミン、N−エチル−ガラクタミン、N−メ
チル−マンノサミン、N−エチル−マンノサミ
ン、ジ−アラビチルアミン等を挙げることができ
る。
前述の方法で得られたハロメチル基を有する架
橋重合体と上記特定のアミンとの反応は適当な溶
媒の存在下において20〜100℃の温度で2〜20時
間加温下で行なわれる。溶媒としては水、の他に
ジオキサンのようなエーテル系溶媒、アセトン、
メチルエチルケトンのようなケトン系溶媒、クロ
ロホルム、ジクロルエタン、クロルベンゼンのよ
うなハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン、トル
エンのような芳香族炭化水素系溶媒、メタノー
ル、エタノールのようなアルコール系溶媒が挙げ
られる。また、この際反応を促進させる為にヨウ
化カリ、水酸ナトリウム等を添加することができ
る。
これらの樹脂は、三菱化成工業株式会社および
米国ローム・アンド・ハース社から、各々ダイヤ
イオン CRB02およびアンバーライトIRA−743
(商品名)として市販されている。
さらに、本発明に使用する陰イオン交換樹脂と
しては、フエノール類に上記一般式〔〕のアミ
ン類を反応させた後、アルデヒド類と縮合して得
られるアミノポリオール型陰イオン交換樹脂を挙
げるとができる。
以上のようにして製造された陰イオン交換樹脂
は、該樹脂の官能基アミンをアルカリ溶液で処理
して遊離アミン形とし、次いで加熱処理される。
遊離アミン形とする際に使用する薬剤として
は、一般に使用するアルカリ溶液、たとえば、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金
属水酸化物、あるいは、水酸化アンモニウム等の
水溶液を挙げることができる。
遊離アミン形とされた樹脂は、次いで加熱処理
されるが、この加熱処理は、水、水酸化ナトリウ
ム等のアルカリ性溶液、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール等
の(ポリ)アルキレングリコール類、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミ
ン等のアルコールアミン類又はグリセリンの媒体
中でおこなわれる。これらの媒体は単独で使用し
ても混合状態で使用してもよい。
加熱処理方法としては、上述により得られた遊
離アミン形樹脂を上記媒体中で、60℃以上200℃
以下の温度、好ましくは、100℃以上150℃以下の
温度で処理する方法が採用される。加熱処理に要
する時間は、加熱温度により異なり、たとえば
100℃以上150℃以下の温度範囲で、0.1ないし50
時間が適当である。
加熱処理に要する時間は、加熱処理の方法によ
り異なり、たとえば、該樹脂を上記媒体中に浸漬
する所謂バツチ処理の法で、100〜150℃の温度で
0.5〜20時間が適当で加熱温度が高い程時間は短
かくて良い。
一方該樹脂をイオン交陰塔に充填し、これに上
記媒体を流しながら加熱処理する所謂流通方法に
おいては装置の耐熱温度の問題等から60〜10℃の
温度で20〜100時間が適当であり、この場合も温
度が高い程熱処理に要する時間は短かくて良い。
本発明に使用する上記陰イオン交換樹脂は、ア
ミノポリオール基を反応基として有するため、一
般に言われているキレート性を示すものである。
本発明のホウ素同位体分離濃縮は、上述の方法
で得られた陰イオン交換樹脂を充填した塔に、ホ
ウ酸溶液を通過させて、該樹脂にホウ酸を吸着さ
せ、次いで酸溶液によつて該ホウ酸吸着帯を展開
させる所謂カラムクロマトグラフイーによつて行
なわれる。
本発明の上記熱処理を施した陰イオン交換樹脂
を用いてホウ酸吸着帯を形成させる際のホウ酸濃
度としては、0.2〜2.0M/の範囲を挙げること
ができる。一方展開に使用する酸としては、塩
酸、硫酸等の酸を挙げることができる。また該展
開に使用する酸の濃度としては0.2〜2.0M/の
範囲を挙げるとができる。
ホウ素同位体分離の操作温度は、高い程同位体
交換反応速度が上昇し、分離操作時のイオン交換
塔の圧力損失が溶液粘の低下により低下するため
に好ましい。又使用する樹脂の長時間使用におけ
る耐熱性等から40〜100℃の範囲が好ましい。
展開中のホウ酸溶液の濃度、即ち、鉱酸溶液中
の鉱酸によつて置換された結果形成されるホウ酸
溶液の濃度は、これが低い程ホウ素同位体の分離
係数が大となつて有利である。このホウ酸溶液の
濃度は、展開温度が高い程、低くなる傾向にあ
る。また、展開に用いる鉱酸の濃度を低下するこ
とによつても低くすることができるが、鉱酸濃度
の余分な低下は、展開に必要な鉱酸溶液量の増大
となるので必ずしも有利ではない。
従つて、鉱酸の濃度と展開温度とは、前述の範
囲内から、展開中のホウ酸溶液の濃度が0.2〜
2M/の範囲となるように選択するのが経済的
である。
これらの陰イオン交換樹脂の粒径としては、ホ
ウ素同位体分離における同位体交換反応速度や酸
展開時のホウ酸と、展開に用いる酸との吸脱着速
度および該樹脂を充填したイオン交換塔圧力損失
等を考慮して決められるが、上明ホウ酸濃度およ
び操作温度範囲においては、該樹脂の平均子直経
として50〜300μmの範囲を挙げることができる。
さらに上記条件下で該樹脂を充填したイオン交
換塔を用いたホウ酸吸着帯の酸による展開の速度
は、該樹脂の同位体交換反応速度やイオン交換塔
の圧力損失を考慮して決められるが、展開速度が
遅いホウ素同位体の分離濃縮物の生産性が低下
し、速いと展開液の線速も速いため、イオン交換
塔の圧力損失が大きくなりすぎたり、酸による展
開の終了したイオン交換塔の樹脂の再生に支障を
きたすこと等から上記ホウ酸濃濃度および操作温
度範囲においては、ホウ酸吸着帯の流速(LV)
として0.2〜20m/hrの範囲が望ましい。
次に、本発明のキレート性陰イオン交換樹脂を
充填したイオン交換塔を用たホウ素同位体の分離
濃縮方法について説明すると、本発明に使用する
分離濃縮方法としては、以下に説明するように、
逆ブレークスルー法、置換展開法および逆
ブレークスルー法と置換展開法を併用した方法を
挙げることができる。
逆ブレークスルー法(Bull.Chem.Soc.、
JPN、53巻7号1860頁) 第1図により逆ブレークスルー法を使用した
本発明法の1例を説明する。第1図のC1から
C7は前述の本発明に使用する陰イオン交換樹
脂を充填したイオン交換塔である。この塔内温
度は、供給液を加温し、かつ塔にジヤケツトを
設け温水等を循環するか、断熱材を設けること
により一定に保たれる。V11からV16は塔に液
を供給するための溶液切替バルブであり、V21
からV26は塔から排出される液の仕分けを行な
うための溶液切替バルブで、M1からM6はホウ
酸吸着帯監視用検出器を示す。
先ずC1からC6の各イオン交換塔を水酸化ナ
トリウム、水酸化アンモニウム等のアルカリ溶
液で再生し、次いで脱塩水で水洗後、C1から
C6をシリーズに接続し、V26から排液しつつ、
V11からホウ酸溶液を供給して該樹脂に平衡に
なる迄ホウ酸溶液を供給する。然る後にV11
ら酸溶液で該樹脂に吸着しているホウ酸を展開
しながらV26から排液する。酸による展開を続
けホウ酸吸着帯後端界面がC2塔へ移つた所で
酸の供給をV12に切り替え酸吸着形となつたC1
塔はV11からアルカリ溶液を供給してV21から
排液することにより再生し、次いでV11から脱
塩水を供給し、V21から排液して洗浄し、次い
で、V11からホウ酸溶液を供給し、V21から排
液してC1塔内樹脂に平衡となる量のホウ酸を
通液する。このC1塔の再生、水洗、ホウ酸吸
着の工程は、酸で展開しているホウ酸吸着帯の
後端界面がC2塔からC3塔に移るまでに終了す
るように行ない、ホウ酸吸着帯後端界面がC2
塔に移つた時点で酸の供給をV13に切り替え、
V26をV11に連結し、ホウ酸吸着帯の展開の排
液をV21から行なつてホウ酸吸着帯の酸による
展開を続ける。ここでC3塔は先のC1塔と同様
に再生、水洗、ホウ酸吸着を行なう。この方法
を繰り返すことにより、ホウ酸吸着帯の後端界
面に10Bが濃縮される。10B濃縮度が所望の濃度
に到達した時点で例えば10B濃縮界面がイオン
交換塔下部の排液バルブから抜出すことにより
10B濃縮物の生産が行なわれる。
置換展開法(J.Am.Chem.Soc.,77巻6125
頁) 上述の逆ブレークスルー法と同様の陰イオ
ン交換樹脂及び装置を使用し、第1図により説
明する。例えばC1からC6のイオン交換塔を水
酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で再生後脱塩
水で水洗しC1塔からC3塔までシリーズに連結
してV11からホウ酸溶液を供給し、V23から排
液して完全に平衡状態となるまでホウ酸溶液を
通液する。次いでC1塔からC5塔まで連結して
V11から酸溶液を供給してホウ酸吸着帯の置換
展開を行なう。ホウ酸吸着帯の後端界面がC2
塔に移つた時点で酸の供給をV11からV12に切
り替え同時にC6塔を連結して排液をV25から
V26へ切り替え置換展開を続行する。一方酸に
よる展開が終了したC1塔はV11からアルカリ溶
液を供給しV21から排液して再生し、同様に次
いで水洗し、次の展開に備える。このC1塔の
再生、水洗の操作はホウ酸吸着帯の後端界面が
C3塔に移る迄に終了するように行なう。ホウ
酸吸着帯の後端界面がC3塔に移つた時点で酸
の供給をV12からV13に切り替えC6塔の次にC1
塔を連結して排液をV21から行なつて置換展開
を続行する。この間にC2塔は再生、水洗を行
なう。この方法を繰り返すことによりホウ酸吸
着帯の前端界面に11Bが後端界面に10Bが濃縮
され、各々が所望の濃縮度に到達した時に、例
えば各々の界面がイオン交換塔下部の排液バル
ブを通過する際に抜出し、その抜出量に見合う
モル数のホウ酸をイオン交換塔上部のホウ酸給
液バルブからホウ酸吸着帯中の原料ホウ酸と同
位体組成比的に同一の所がそのバルブを通過す
る際にホウ酸給液を供給する方法により10B濃
縮物の生産と原料ホウ酸の供給が行なわれる。
逆ブレークスルー法と置換展開法を併用した
方法。
この方法の1例について同じく第1図を用い
て説明する。例えばC1からC6のイオン交換塔
を水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で再生
し、次いで脱塩水で洗浄後、C1塔からC4塔ま
でシリーズに連結して、V11からホウ酸溶液を
供給してV24から排液して完全に平衡状態とな
るまでホウ酸溶液を通液する。次にの逆ブレ
ークスルー法と同様にV11から酸溶液で該樹脂
に吸着しているホウ酸を展開しながら、V24
ら排液する。この時C5塔にはV15からホウ酸溶
液を供給してV25から排液してC5塔に完全に平
衡になるまでホウ酸溶液を通液する。V11から
酸を供給して展開を続け、ホウ酸吸着帯後端界
面がC2塔へ移つた所で酸の供給をV11からV12
へ切り替え、同時にC4塔の後にC5塔を接続し
てV25から排液することで展開を行なう。ここ
でホウ酸吸着帯後端界面がC2塔を進行する間
に、C6塔にV16からホウ酸溶液を供給しV26
ら排液してC6塔へのホウ酸吸着を行ない、展
開が終了して酸吸着形となつたC1塔はV11から
アルカリ溶液を供給してV21から排液して再生
し、次いで脱塩水で洗浄する。次いで酸による
ホウ酸吸着帯展開の後端界面がC3塔に移つた
所で酸の供給をV13に切り替え、C5塔の後にC6
塔を接続しV26から排液して展開を続け、この
時C1塔はホウ酸の吸着そしてC2塔は再生、水
浄を行なう。このような操作を繰り返すことで
ホウ酸吸着帯の後端界面に10Bが濃縮されてく
る。10Bが目的濃度ないしはその近傍まで濃縮
された時点でホウ酸吸着帯を酸により、シリー
ズに展開しているイオン交換塔の前のイオン交
換塔へのホウ酸吸着帯を停止し、イオン交換塔
を4塔シリーズから5塔シリーズに切り替えて
の置換展開を行なう。ホウ酸吸着帯の置換展
開と展開済の塔の再生、水洗を繰り返し、ホウ
酸吸着帯の後端には更に10B濃縮が進行し、前
端界面に置換置換展開に切り替えてから後端界
面に蓄積した10Bの濃縮に見合う11Bが濃縮し
てくる。この後適当な間隔で例えばホウ酸吸着
帯の前端および後端界面が各々塔下部の排液バ
ルブを通過する際に11B濃縮物および10B濃縮
物を抜出しその抜出モル数に見合うモル数の原
料ホウ酸をイオン交換上部のホウ酸溶液給液バ
ルブからホウ酸吸着帯中の原料ホウ酸と同位体
組成比的に同一の所が、そのバルブを通過する
際にホウ酸溶液を供給する方法により、10Bお
よび11B濃縮物の生産と原料ホウ酸の供給を行
なう。この方法は10B濃縮物特に高濃縮物の生
産に適した方法である。
本発明に使用する、あらかじめ加熱処理された
陰イオン交換樹脂がホウ素同位体の分離濃縮に有
効である理由については、今のところ明確に解明
されていないが、次のように考えられる。
すなわち、前述のハロメチル化された共重合体
を、同じく前述の一般式〔〕で表わされる特定
のアミン(アミノポリオール類)と反応させて陰
イオン交換樹脂を製造する際に、該アミンが特定
の確合で二次架橋を生起し、これにより高塩基度
を示す所謂、中性塩分解能を示す部分として樹脂
中に存在し、ホウ酸の吸脱着反応速度を遅くして
いるものと考えられる。そして、これら二次架橋
を生起している部分を、加熱処理することによ
り、低塩基度のアミン基に実質的に変化させるこ
とができ、これにより、ホウ酸の吸脱着反応速度
を高めるものと考えられる。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明
は、以下の実施例により限定されるものではな
い。
実施例 1 一般式〔〕で示される基を有する市販の陰イ
オン交換樹脂のダイヤイオンCRBO2(遊離アミン
形)の平均粒径が100μmであり、均一係数1.3で
ある陰イオン交換樹脂1000mlを2のガラス容器
に脱塩水1000と共に入れ、このガラス容器をオ
ートクレーブに入れ、120℃に8時間保持して熱
処理した。
次いでオートクレーブから取り出した樹脂を常
法に従つてコンデイシヨニングを施して、最終的
に遊離アミン形とし、これを内径10mm長さ1000mm
のジヤケツト付ガラスカラム6塔に各々75ml樹脂
を充填し、これをシリーズに接続して、ジヤケツ
トに60℃の恒温水を通してカラム内を60℃に保
ち、逆ブレークスルー法によりホウ素同位体分離
を行なつた(第1図)。すなわち、まず、第1塔
目から60℃に予熱した0.6M/ホム酸水溶液2.0
を流速(LV)1m/hrで通液し、第6塔目から
排液して6塔の樹脂にホウ酸を吸着した。次いで
第1塔目から60℃に予熱した0.6N塩酸水溶液を
流速(LV)1m/hrで通液して吸着しているホウ
酸の展開を行なつて、第6塔目から流出するホウ
酸水溶液を5mlずつ分取し、ホウ酸濃度を分析し
た所0.32M/であつた。0.6N塩酸水溶液よる展
開開始から、第6塔目が破過(break through)
して展開が終了するまでに要した時間は11時間
で、ホウ酸吸着帯後端界面の移動速度は52cm/hr
であつた。
次た分取したホウ酸水溶液のホウ素同位体比を
バリアンマツトCH−5型固体質量分析計で測定
した所、ホウ酸吸着帯最後端の10B濃度は、最初
に吸着させた天然組成の原料ホウ酸中の10B濃度
19.85%に対し、25.8%であり、約55cmの長さに
わたつて10Bがホウ酸吸着帯後端界面に濃縮され
ていた。
これから計算される分離係数は1.018であり、
HETPは16mmであつた。
比較例 1 実施例1と同一の装置を用いて、熱処理をして
いないダイヤイオンCRBO2(平均粒径100ミクロ
ン、均一係数1.3)の遊離アミン形樹脂を6塔の
カラムに各75mlずつ充填して、実施例1と同一の
条件でホウ素同位体の分離を行ない、第6塔目の
カラムから流出してくるホウ酸水溶液を5mlずつ
分取してホウ酸濃度を分析した所0.48M/であ
つた。この時6塔のカラムの展開に要した時間は
10.9時間でホウ酸吸着帯後端の界面移動速度は
52.5cm/hrであつた。
次に分取したホウ酸水溶液のホウ素同位体比を
測定した所、ホウ酸吸着帯最後端の10B濃度は
24.1%あり、約65cmの長さにわたつて10Bがホウ
酸吸着帯の後端界面に濃縮されていた。
これから計算される分離係数は1.016であり、
HETPは42mmであつた。
実施例 2 スチレン70部、55%ジビニルベンゼン29部に分
子量17000の線状ポリスチレン45部、トルエン150
部を添加して重合した架橋共重合物をクロロメチ
ルメチルエーテルでクロロメチル化を行なつて、
これにN−メチル−D−グルカミンを官能基とし
て導入したキレート性陰イオン交換樹脂(酸吸着
容量2.34/g−樹脂水分56.5%)の平均粒径が
100ミクロンであり、均一係数1.2の樹脂を遊離ア
ミン形とし、この500mlを2のガラス容器に5
%水酸化ナトリウム1000mlと共に入れ、オイルバ
スを用いて100℃で48時間保持して熱処理を行な
つた。熱処理後の樹脂は常法によりコンデイシヨ
ニングを施して、遊離アミン形とし、実施例1で
用いたジヤケツト付ガラスカラム3塔に各75mlず
つ充填し、これをシリーズに接続し、ジヤケツト
に60℃の恒温水を通してカラム内を60℃に保ち、
逆ブレークスルー法によりホウ素同位体の分離を
行なつた。すなわち、先ず第1塔目から60℃に予
熱した0.2M/ホウ酸水溶液1500mlを流速
(LV)1m/hrで通液し、第3塔目から排液して、
3塔の樹脂にホウ酸を吸着した。次いで第1塔目
から60℃に予熱した0.4N塩酸溶液を流速(LV)
1m/hrで通液した樹脂に吸着しているホウ酸の
展開を行なつて第3塔目から流出するホウ酸水溶
液を3mlずつ分取しホウ酸濃度を分析した所
0.21M/であつた。この時ホウ酸吸着帯の展開
に要した時間は2.4時間でホウ酸吸着帯後端界面
の移動速度は118cm/hであつた。
次に分取したホウ酸水溶液のホウ素同位体比を
測定した所、ホウ酸吸着帯最後端の10B濃度は24
%であり、約40cmの長さにわたつて10Bがホウ酸
吸着帯の後端界面に濃縮されていた。
これから計算される分離係数は1.020で、
HETPは21mmであつた。
比較例 2 実施例2と同一の装置を用いて、実施例2で用
いたキレート性陰イオン交換樹脂の熱処理をして
いないものを遊離アミン形で3塔のジヤケツト付
ガラスカラムに各75ml−樹脂充填し、これをシリ
ーズに接続して、ジヤケツトに60℃の恒温水を通
して、カラム内を60℃に保ち、実施例2と同様に
逆ブレークスルー法でホウ素同位体分離を行なつ
た。すなわち第1塔から60℃に予熱した0.2Mホ
ウ酸水溶液1500mlを流速(LV)1m/hrで通し第
3塔目から排液してホウ酸の吸着を行ない、次い
で第1塔目から60℃に予熱した0.3N塩酸水溶液
を流速1m/hrで通液して樹脂に吸着しているホ
ウ酸の展開を行なつて、第3塔目から流出するホ
ウ酸水溶液を5mlずつ分取しホウ酸濃度を分析し
た所0.2M/であつた。この時ホウ酸吸着帯の
展開に要した時間は3.8時間でホウ酸吸着帯後端
界面移動速度は75.5cm/hrであつた。
次に分取したホウ酸水溶液のホウ素同位体比を
測定した所、ホウ酸吸着帯最後端の10B濃度は
22.2%で約70cmの長さにわたつて10Bホウ酸吸着
帯後端界面に濃縮されていた。
これから計算される分離係数は1.019でHETP
は75mmであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施するためのイオン交換
樹脂塔、その配管及びバルブを示す概念図であ
る。 C1〜C6:陰イオン交換塔、V11〜V16:バルブ、
V21〜V26:バルブ、M1〜M6:検出器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ホウ素同位体を含有するホウ酸溶液をイオン
    交換樹脂に吸着させ、酸溶液で展開するホウ素同
    位体の分離濃縮方法において、該イオン交換樹脂
    として、 一般式〔〕 〔但し、式中、nは1ないし6の整数を示し、
    Rは水素原子、炭素数1ないし5のアルキル基ま
    たは−CH2〔―CH(OH)〕n――CH2OH(式中mは0、
    1ないし6の整数を示す)を示す〕 で表わされるアミノポリオール基を官能基として
    有し、かつ、遊離アミン形において、水、アルカ
    リ性溶液、(ポリ)アルキレングリコール類、ア
    ルコールアミン類またはグリセリンから選ばれる
    媒体中で、60℃以上200℃以下の温度で加熱処理
    されたものを使用することを特徴とするホウ素同
    位体の分離濃縮方法。
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