JPH046866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は管路内面の清掃装置に関する。

従来技術とその問題点 従来管路内面の清掃装置として、正、逆牽引移
動自在なスクレーパを用い、正牽引操作時には、
スクレーパに備えられたブレードにより管路内面
より錆などの付着物を研削除去し、逆牽引操作時
にはブレードを管路内面より実質的にフリーとな
した状態でスクレーパを所定位置まで戻し、この
ような正、逆牽引操作の繰返しにより管路内面の
清掃を行う方式のものが提案されている。

このような方式の清掃装置は、管路が一部に錆
管を含み、この錆管を集中的に清掃するような用
途に適用して便利であるが、次の通りの尚解決す
べき問題点を有していた。

正牽引と逆牽引の２台の牽引装置の使用を必
要とし、構造並びに操作が複雑となる。

管路内面より研削除去された錆などが管内で
堆積し、スクレーパの正、逆牽引操作を妨げる
とがある。

管内の堆積物を別工程で管外に排出しなけれ
ばならず面倒である。

本考案はこのような従来の問題点を一掃するこ
とを目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、管路内を正、逆牽引移動され、正牽
引操作時には管路内面より錆などの付着物を研削
除去し、逆牽引操作時には管路内面より実質的に
フリーとなる複数枚のブレードを具備するスクレ
ーパ、該スクレーパを管路外より正牽引操作する
ための正牽引装置、上記スクレーパの逆牽引方向
側に連設されていて、正牽引方向に向けて高圧ジ
エツト水を噴射し、噴射反力によつて上記スクレ
ーパを適宜逆牽引移動せしめる高圧ジエツトノズ
ル、及び上記管路外より上記ノズルに対し高圧ジ
エツト水を供給するための高圧ジエツトポンプ、
を具備していることを特徴とする管路内面の清掃
装置に係る。

実施例 以下に本考案の一実施例を添附図面にもとづき
説明すると次の通りである。

図に於て、１は正、逆牽引移動自在なスクレー
パであつて、該スクレーパ１は、正牽引操作時に
は、管内面より錆などの付着物を研削除去し、逆
牽引操作時には管内面より実質的にフリーとなる
複数枚のブレード２を備えている。

ブレード２は第２図の拡大図に示されるよう
に、矢符３で示された逆牽引方向に向けて傾斜さ
れ、中央高さの位置に関節部４を有している。関
節部４より上方の上部ブレード部２ａは、矢符５
で示された正牽引方向に関節部４を支点として回
動自在であり、通常はその尾部２a₁を下部ブレー
ド部２ｂ背面に対し押付けている板バネ６によ
り、180°に開かれた状態を保持している。更に上
部ブレード２ａは、正牽引方向に向けて屈曲さ
れ、屈曲部２a₂の先端は、関節部４の回動中心を
基準にして、これと略々一致するか或はこれより
若干正牽引方向側に於て、管内面に当接され、必
要時に板バネ６に抗して正牽引方向側に自由に回
動し得るようになつている。下部ブレード２ｂは
クツシヨン性を得るために、板バネ６から構成し
てもよい。

上記ブレード２はスクレーパ１の外周部に、例
えば前後２列に備えられ、各列に於て、複数枚の
ブレード２が外周方向に適当な間隔を隔てて列設
され、前列に於けるブレード２，２間の間隔は、
後列に於ける各ブレード２によりカバーされ、前
後２列でもつて、360°全範囲に亘つて管内クリー
ニングできるような構成になつている。

第２図に示されるように、正牽引操作時に於て
は、ブレード２の先端が管a₁の内面に鋭角に当接
し、正牽引移動につれ錆などの付着物ｂを研削除
去する。

一方第３図に示されるように逆牽引操作時に於
ては、ブレード２は管内抵抗を受けると、その上
部ブレード２ａが関節部４を回動支点として管内
抵抗を消去する方向に回動するので、逆牽引操作
時には、管内面から実質的にフリーとなり、殆ん
ど無負荷の状態で管内を移動される。

第１図に示されるように、上記スクレーパ１を
管路ａ内で正牽引移動するために、その外部、例
えば作業台車７上に、正牽引装置８が設置され
る。正牽引装置８は例えばモータ（図示せず）駆
動される巻取りドラム８ａを具備し、該ドラム８
ａにより牽引ロープ８ｂを巻取ることにより、該
ロープ８ｂの先端に固結されたスクレーパ１を正
牽引できるようになつている。

上記スクレーパ１の逆牽引方向側に正牽引方向
に向けて高圧ジエツト水を噴射する高圧ジエツト
ノズル９が導管９ａを介して連結され、このノズ
ル９の噴射反力がスクレーパ１の逆牽引力として
利用されるようになつている。

上記ノズル９に対し高圧ジエツト水を供給する
ための高圧ジエツトポンプ１０が上記台車７上に
設置される。該ポンプ１０は、導管１０ａ、スイ
ベル１１、上記ドラム８ａの中心中空軸８a₁、ホ
ースを兼ねる上記牽引ロープ８ｂを順次経て、ノ
ズル９に付属する導管９ａに連結され、ノズル９
に高圧ジエツト水を供給し得るようになつてい
る。

上述の構成を有する本考案清掃装置は、例えば
第１図に示されるように、路管ａに含まれる錆管
a₁を集中的に管内清掃する用途に使用される。

管内清掃に際しては、管路ａ内に設置されたス
クレーパ１及びノズル２が、該ノズル２より正牽
引方向に向けて噴射される高圧ジエツト水の噴射
反力を利用して管路ａ内を逆牽引移動され、逆牽
引移動されるに従い巻取りドラム８ａから牽引ロ
ープ８ｂが繰出されて行く。逆牽引移動中、スク
レーパ１は管内抵抗を受けるが、第３図に示すよ
うに、ブレード２の上部２ａは管内抵抗を受ける
と回動してこれを消去するので、スクレーパ１は
管路ａ及び錆管a₁内をスムーズに通過できる。

巻取りドラム８ａに付設の荷重計、距離計（図
示せず）などにより、スクレーパ１の錆管a₁内通
過が確認された後は、ノズル９よりの高圧ジエツ
ト水の噴射を継続しつつ、ドラム８ａを強制回転
してスクレーパ１を正牽引移動すると、該スクレ
ーパ１に備付けのブレード２群が第２図に示され
るように錆管a₁内面より錆などの付着物ｂを研削
除去して行く。一方研削除去物は管路ａ，a₁内を
正牽引方向に流れる高圧ジエツト水に随伴されて
管路ａ外に排出されて行き、管路ａ，a₁内に堆積
することがないので、スクレーパ１は研削除去物
に妨げられることなく、管路ａ，a₁内をスムーズ
に正牽引移動できる。

正牽引移動によりスクレーパ１が錆管a₁内を通
過した後は、ドラム８ａの強制回転を停止し、該
ドラム８ａより牽引ロープ８ｂを繰出して行く
と、スクレーパ１はノズル９よりの噴射反力によ
り再び逆牽引移動され、再び元の位置に戻る。

このようなスクレーパ１の正、逆牽引移動を繰
返し行うことなより、管路ａのうちの錆管a₁のみ
を集中的に管内クリーニングできる。

効 果 本考案によれば、スクレーパ１の逆牽引移動を
高圧ジエツトノズル９の噴射反力を利用して行う
よう構成したので、逆牽引用装置の設置を省略で
き、その分構造並びに操作を簡潔化できると共
に、上記ノズル９より噴出されるジエツト水によ
つて研削除去を管外に排出できるので、管路内清
掃を牽引不能などのトラブルの発生なしに、また
別工程による研削除去物の管路外排出などの面倒
さを伴うことなしに作業能率良く実施できる特徴
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例及びその一施工状況
を示す縦断側面図、第２図はスクレーパの正牽引
移動時の状況を示す縦断面図、第３図は同逆牽引
移動時の状況を示す縦断面図である。 図に於て、１はスクレーパ、２はブレード、４
は関節部、６は板バネ、７は作業台車、８は正牽
引装置、９は高圧ジエツトノズル、１０は高圧ジ
エツトポンプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管路内を正、逆牽引移動され、正牽引操作時に
   は管路内面より錆などの付着物を研削除去し、逆
   牽引操作時には管路内面より実質的にフリーとな
   る複数枚のブレードを具備するスクレーパ、該ス
   クレーパを管路外より正牽引操作するための正牽
   引装置、上記スクレーパの逆牽引方向側に連設さ
   れていて、正牽引方向に向けて高圧ジエツト水を
   噴射し、噴射反力によつて上記スクレーパを適宜
   逆牽引移動せしめる高圧ジエツトノズル、及び上
   記管路外より上記ノズルに対し高圧ジエツト水を
   供給するための高圧ジエツトポンプ、を具備して
   いることを特徴とする管路内面の清掃装置。