JPH046529Y2

JPH046529Y2 -

Info

Publication number: JPH046529Y2
Application number: JP1988166188U
Authority: JP
Priority date: 1988-12-22
Filing date: 1988-12-22
Publication date: 1992-02-21
Also published as: JPH0287434U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、培養瓶に使用するキノコの人工栽培
において、培養瓶から生育するキノコの形を整形
し且つ収穫に便なるようにした収穫キヤツプに関
する。

（従来の技術と問題点）キノコの人工栽培は、培養瓶の中に培基を詰め
種菌を植え付け瓶口内の菌床部から発芽させ瓶口
の上部に向けて生育させるものである。

このようにして成長させたキノコを収穫する場
合、従来は手作業で行なつていたが、毎日多数の
瓶を手作業で処理するのは人手や時間の点で極め
て不利である。特に本しめじの場合組織が密で瓶
口内にかなりの強い力で付着するので、キノコの
いしずきを培基から外し且つ瓶口内壁から外す収
穫作業はかなりの力を要し、キノコが損傷するこ
とが多く、また収穫処理量が多いとけん症炎など
の職業病の問題も生じていた。

このため、収穫キヤツプなるものが考案され、
瓶口の外から把持できる上部フランジと、瓶口内
壁に内接する筒部より成るものが使用されてい
た。たしかにかかる収穫キヤツプを用いれば、脱
離にかなりの力を要するキノコの瓶口内周壁への
付着を外す必要がなく、培基の菌床面からキノコ
のいしずきを外すだけなので、それほどの力を要
しないから、かかる収穫キヤツプを使用しての収
穫作業はかなり楽になると期待されていた。

しかし、かかる収穫キヤツプは、瓶口に強く嵌
めたのでは、収穫時に手で除去することが困難と
なるため、瓶口にゆるく嵌めて使用するのが通常
である。

しかし、キノコの成長時の上方への力は予想外
に強く、キノコの成長につれてキヤツプ自体が持
ち上がり、収穫キヤツプの用を為さない場合が多
い。その持ち上がりは、各培養瓶において成長の
あらゆる過程に生じ、キノコの姿態の不ぞろい、
奇形化、商品価値の劣化などの問題があることが
分つた。

（問題点を解決するための手段）本考案は、以上の問題点を解決し、収穫作業が
楽であるだけでなく、型のそろつた商品価値の高
いキノコが収穫できるようにした収穫キヤツプを
提供することを目的とするものであり、また、装
着と脱離を機械的に処理することを可能にした収
穫キヤツプを提供することを目的とするものであ
る。

その要旨とするところは、上下に開口してお
り、上開口部に逆ハの字状に外開きに傾斜させた
周面を形成し、下開口部に培養瓶の瓶口を内外か
ら挟さんで保持する外周壁と内周壁とからなる嵌
合部を設けたことを特徴とする培養瓶に冠着する
収穫キヤツプである。

以下これを説明すると、本考案に係る収穫キヤ
ツプは、キノコの培養瓶の瓶口に被嵌され、上下
に貫通した筒状のキヤツプである。培養瓶で栽培
されるキノコの種類に限定はなく、しめじ、えの
きなどいずれも応用可能であるが、内壁への付着
力の強い本しめじに適している。

かかるキヤツプの上開口部には、断面が逆ハの
字となつた上開き傾斜面を有する周面を形成す
る。内部から外部への立ち上がり角度は、30〜60
度程度が妥当であるが、キノコの種類によつて生
育の際の扇開する状態が異なり、また包装などの
問題があり、この範囲に限定されるものではな
い。

下開口部には、培養瓶の瓶口の厚みに等しい間
隔を開け培養瓶の口縁に内外から嵌合する内周壁
と外周壁が形成されている。

内周壁と外周壁との間隔は、原則的には培養瓶
の瓶口の肉厚にほぼ等しい溝にし、瓶口周囲は内
外周壁により挟まれ、両者がややきつく嵌合する
ようにする。瓶口にフランジが形成されている場
合には、そのフランジを含めた幅に等しい間隔と
し、外周壁の内側に瓶口と強嵌する凸条を形成す
る。

キヤツプを培養瓶へ自動的に装着する装着装置
にかける場合には、キヤツプの外周壁の下端は内
周壁の下端より下にするのが望ましい。

（作用）本考案は以上のように構成されているので、キ
ノコ培養瓶の培基に種菌を植え付けた後、本考案
にかかるキヤツプを培養瓶にセツトする。すなわ
ち、下開口部の嵌合部の溝を、キノコ培養瓶の瓶
口に嵌合する。嵌合状態では、キヤツプの嵌合部
の内周壁は瓶口の内壁に内接し、その外周壁は瓶
口の外壁に外接している。瓶口にフランジが形成
されている場合には、そのフランジを含めた幅に
等しい溝が内外壁の間に形成される一方、外周壁
の内側に瓶口と強嵌する凸条をが形成されている
ので、その凸条が瓶口を押圧し嵌合が保持され
る。この状態で瓶口内の菌床からキノコが生育す
ると、キノコはキヤツプの下開口部内を通り上開
口部に及び更に上開口部の上開きの周面に沿つて
末広がりに成長していく。

瓶口の内壁は、収穫キヤツプの嵌合部の内周壁
で被覆されているのでキノコが直接瓶口の内壁に
付着することはなく、付着しても一部に留まる。
また、本考案に係るキヤツプの培養瓶への挿脱で
あるが、嵌合部外周壁を内周壁より低くするある
いは長く延ばすことにより、複数本収納したコン
テナ毎処理する自動キヤツプ装着装置が使用可能
であり、また、嵌合部外周壁が、瓶口の外に張出
すため、その段部を利用して自動キヤツプ取り外
し装置によつてコンテナ毎処理できる。

（実施例）以下図面の実施例について説明すると、１は、
本考案にかかる収穫キヤツプ、２は、収穫キヤツ
プ１が取り付けられる培養瓶、３は、培養瓶２の
中に充填された培基、４は、培基３から成長しキ
ヤツプ１の上方に伸びたキノコである。

収穫キヤツプ１は上下に開口しており、５は、
収穫キヤツプ１の上開口部であり、この上開口部
５には、上外方に開いた傾斜した周面６が形成さ
れている。

収穫キヤツプ１の下方の下開口部７には、培養
瓶２の瓶口８に嵌合する嵌合部９が形成され、嵌
合部９は、中間に溝１０を有し、瓶口８の内壁１
１に接する内周壁１２と、瓶口８の外壁１３に接
する外周壁１４によつて構成されている。

（効果）以上のように、本考案においては、上開口部に
傾斜した周面が形成されているので、キヤツプ内
を通過したキノコはその外側をこの傾斜周面に沿
つて成長し、最終的には姿のよい商品価値の高い
キノコが収穫できる。

一方、その下開口部には、間に溝を有する内外
の周壁からなる嵌合部が形成され、培養瓶の内壁
は、キヤツプの内周壁で覆われるので、成長した
キノコが瓶口内壁に強く付着することはなく、キ
ヤツプの取り外しはキヤツプが瓶口に嵌まりこれ
を保持する力を破るだけの力を加えれば足りる。
特に、従来の収穫キヤツプは機械的大量処理のこ
とを全く考えていなかつたが、本考案において
は、嵌合部の内周壁でキノコの瓶口内壁への付着
を阻止して、人手でも機械でも少ない力で除去で
きるようにしたでけではなく、培養瓶を収納した
コンテナを走行させておき、その上からキヤツプ
の下開口を斜めにして各培養瓶の瓶口に係合させ
そのままローラなどで押圧する装置を利用し、ま
た、コンテナに複数の培養瓶を入れたままで、キ
ヤツプの嵌合部の外周壁に適宜の部材を係合させ
上方に持ち上げる装置を利用することにより、本
収穫キヤツプの挿脱が機械的大量処理に適するも
のとなつたものでありその実用的価値は著大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本収穫キヤツプの斜視図、第２図は
培養瓶の側面図、第３図は、本収穫キヤツプを装
着した培養瓶の中央断面側面図、第４図は、キヤ
ツプ上にキノコが成長している状態の側面図、第
５図は本収穫キヤツプの中央断面側面図である。１……収穫キヤツプ、２……培養瓶、３……培
基、４……キノコ、５……上開口部、６……周
面、７……下開口部、８……瓶口、９……嵌合
部、１０……溝、１１……内壁、１２……内周
壁、１３……外壁、１４……外周壁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上下に開口しており、上開口部に逆ハの字状に
外開きに傾斜させた周面を形成し、下開口部に培
養瓶の瓶口を内外から挟さんで保持する外周壁と
内周壁とからなる嵌合部を設けたことを特徴とす
る培養瓶に冠着する収穫キヤツプ。