JPH046411B2 - - Google Patents

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JPH046411B2
JPH046411B2 JP61095950A JP9595086A JPH046411B2 JP H046411 B2 JPH046411 B2 JP H046411B2 JP 61095950 A JP61095950 A JP 61095950A JP 9595086 A JP9595086 A JP 9595086A JP H046411 B2 JPH046411 B2 JP H046411B2
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water
membrane
alcohol
membranes
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JP61095950A
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Toshihiro Hirotsu
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Agency of Industrial Science and Technology
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は水とアルコールの混合溶液から水を効
率良く透過分離してアルコールを濃縮するための
新規な分離膜の製造方法に関するものである。
従来の技術 分離精製工程への膜の利用に対する関心が最近
一層高まつている。これは省資源・省エネルギー
に対応する技術であるためであるばかりでなく、
膜を用いることによつて熱で変性し易い物質の分
離精製や蒸留のみでは分離の困難な異性体の分離
への適用の可能性が期待されるためである。
膜分離が実用化されている例としては、現在の
ところ逆浸透膜を用いた海水の淡水化や半導体製
造用に用いられる超純水の製造、限外濾過膜を用
いた人工透析や血液の成分への分離等、ガス分離
膜による空気からの酸素の富化等が挙げられる。
これに対して、水−アルコール分離など液体分離
は現在のところ実用の域には至つていない。これ
は分離に好適な膜の開発が出来ていないためであ
る。
しかしながら膜を用いた溶液分離への期待は大
きく、例えば水−アルコール分離が可能となれば
従来の蒸留に代り、より効率的にアルコールの生
産が出来ると期待される。すなわち、膜分離は低
温プロセスであるために、省エネルギー的に、か
つ、アルコールの連続生産も可能となるはずであ
る。この様な目的を達成するためには、分離性能
の優れた分離膜が必要なことは言うまでもない。
こうした膜の開発が急がれている。
水−アルコール混合溶液から水を選択的に透過
分離させるには、水と親和性の高い膜素材を用い
ればよい。そして、これまでに再生セルロース
膜、ポリビニルアルコール膜、セルロースアセテ
ート膜、ナフイオン膜、ポリアクリロニトリル−
ポリビニルピロリドンブレンド膜、マレイミド−
アクリロニトリル共重合膜、アクリル酸−アクリ
ロニトリル共重合膜などで水−アルコール分離が
検討され、水が優先的に透過分離することが確認
されている。
水との親和性を更に高めるためには膜をイオン
化した構造にすることが一層効果的である。こう
して検討された膜として、ナフイオン膜(ジヤー
ナル・オブ・メンブラン・サイエンス誌、第24
巻、第101頁(1985)、CMV膜およびAMV膜
(同上誌、第22巻、第333頁(1985))などのイオ
ン交換膜、コポリ(1−ブチル−4−ビニルピリ
ジニウムアイオダイド−アクリロニトリル)膜
(高分子予稿集、第34巻、第3号、第401頁)など
の共重合膜、あるいは多孔性高分子膜へアクリル
酸等をグラフト重合させたのち、アルカリ処理に
よりイオン化した構成の膜(特願昭60−269951号
特開昭62−129112号公報)があり、水の選択透過
性が認められている。
しかしながら実用的にはこれらの膜はそれぞれ
以下の様な欠点を有し、必ずしも満足し得るもの
とは言えない。
まず、イオン交換膜は架橋の密度が高く、また
膜が比較的厚いために一般の透過の速度が遅い。
通常のイオン交換膜は本来分子径の小さい無機イ
オンや金属イオンへ適用出来るように構造設計が
為されており、水−アルコール分離膜としては必
ずしも適しているものではない。
共重合膜は各種のイオン性基を持つ単量体を用
いて種々の割合で作成した高分子を構成出来ると
いう特徴がある。しかしながら、このようなイオ
ン性の基は水との親和性が高いために、イオン性
基の密度を高くすると溶解したり、あるいは膜が
破損するといつたことが生じる恐れがある。すな
わち、イオン性基を導入出来る密度はせいぜい数
パーセント止まりである。このために水−アルコ
ール分離の性能向上には限界がある。
多孔膜上へ親水性単量体をグラフト重合させた
構造の分離膜は、力学的強度を基質多孔膜に、ま
た分離性をグラフト重合層に持たせた所にその特
徴がある。しかしながら多孔膜上の孔がすべてグ
ラフト重合層で被覆されていないと混合溶液が素
通りして成分への分離は出来ない。すなわち、グ
ラフト重合過程での処理の制御が十分に為されな
ければならない。このことは実験室的には比較的
容易であつても、より大規模な処理は簡単ではな
い。
本発明が解決しようとする問題点 本発明はこの様な従来方法が持つ欠点を克服
し、水とアルコールの混合溶液から水を選択的に
透過分離する新規な分離膜の製造方法を提供する
ことを目的としている。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の目的を達成するために、鋭
意研究を重ねた結果、架橋ポリビニルアルコール
膜にレドツクス触媒の存在下でアクリル酸又はメ
タクリル酸を所定の量までグラフト重合せしめた
のち、このグラフト重合層をアルカリ処理により
中和イオン化した膜が、水−アルコール混合溶液
からより効率的に水を透過分離することを見出し
た。すなわち、本発明は基質ポリビニルアルコー
ルの持つ力学的安定性に加え、グラフト層による
分離性の向上せしめられた新しい分離膜を提供す
るものである。
本発明方法においては、グラフトさせる単量体
としてアクリル酸又はメタクリル酸を用いるが、
所望ならばこれらにアクリルアミドやメタクリル
アミドなどの水溶性単量体を所望の物性がそこな
われない範囲で加えてグラフト共重合させること
もできる。
グラフト重合の方法としてはこれまでに多くの
方法が知られている(例えば、大津、木下著「高
分子実験法」化学同人、等)が、本発明において
はこれらの中から任意に選択して用いることが出
来る。
本発明方法においては、アクリル酸又はメタク
リル酸を2〜10%水溶液としてグラフト重合を行
うことが適当である。グラフト重合開始用触媒と
してはレドツクス触媒が用いられる。レドツクス
触媒であればいずれでも構わないが、その中で特
にセリウム塩が適当である。グラフト重合におけ
る処理温度、処理時間は特に限定されるものでは
ないが、基質の架橋ポリビニルアルコールル膜へ
の影響や、不飽和カルボン酸単量体のホモポリマ
ー化を出来るだけ抑制するためには、30℃〜60℃
の温度で0.5〜6時間処理することが適当である。
要は水−アルコール選択分離に活性な一定量以上
のグラフト重合層を形成せしめることにあり、こ
のためには基質ポリビニルアルコール膜の単位面
積当りのグラフト層の重量で1.0〜10mg/cm2、よ
り好ましくは2.0〜6.0mg/cm2のグラフト重合層を
形成せしめてやれば良い。グラフト重合層の中和
イオン化は、通常良く行われるアルカリ処理によ
り容易に行うことが出来る。例えば、水酸化ナト
リウムないしは水酸化カリウムの2〜5%水溶液
に室温で30〜60分間浸漬しておくことによつてイ
オン化が出来る。これより以上のアルカリ濃度、
あるいは高温での処理は、分離膜を劣化させる恐
れがあり、これを避けた方が無難である。以上の
様にして目的とする水−アルコール分離膜を作成
することが出来る。
水−アルコール分離操作には浸透気化法が用い
られる。浸透気化法は公知であつて、例えば沸点
の近接した液体混合物の分離、蒸留では困難な異
性体混合物の分離に有効である。この方法は、膜
を介して一方に分離対象物を溶液として供給し、
他方を真空に吸引して、透過してきた成分を冷却
トラツプして分離するものである。
物質の分離の程度は、分離係数αを用いて示さ
れる。この分離係数は、以下の様な方法で求めら
れる指標である。
今、2つの成分A,Bの混合物から、一方の成
分Bの透過分離を考えることにする。膜を介して
供給側のA,B各成分の濃度をXA,XB、また、
透過側のA,B各成分の濃度をYA,YBとすれば、
Bの分離係数αB/Aは、つぎの式で与えられる。
αB/A=(YB/YA)/(XB/XA) このαの値が大きければ大きいほど選択分離性
が優れていることを示す。
本発明方法により得られる分離膜では、水の選
択分離性が基質の架橋ポリビニルアルコール膜に
比し、αで最高30倍程度まで向上することが認め
られ、水とアルコールの分離に有効なことを示し
ている。アルカリ処理により中和イオン化する前
の単なるグラフト重合処理膜では分離性に顕著な
差は見られず、中和イオン化が、水の選択分離に
強く利いていることを示している。すなわち、グ
ラフト重合層のイオン化した−COO-基が−
COOH基よりも水との親和性がはるかに高く、
膜内に水を取り込み易くなつて透過分離の効率を
上げていると考えられる。
本発明方法により得られる分離膜の水−アルコ
ール分離性能は、既存の分離膜と比較して遜色が
ないと共に、特にアルコールの低濃度域での高い
透過速度を示すところに特色がある。
発明の効果 本発明方法により得られる分離膜は以下の示す
ような特徴を有する。
1 基質膜として架橋性ポリビニルアルコール膜
を用いているために力学的強度が有ること。
2 架橋性ポリビニルアルコール膜が、既に一定
の水−アルコール分離性を保持しており、これ
を加工しているために重合の程度にかかわら
ず、水−アルコール混合溶液が分離することな
く素通りするといつた欠陥の生じる恐れが全く
ないこと。
3 中和イオン化したグラフト層により高い水−
アルコール選択分離性が得られていること。
4 特にアルコールの低濃度領域で高い透過速度
が得られること。
従つて、本発明方法により得られる水−アルコ
ール用分離膜は、例えば発酵液からあらかじめ水
を透過分離してアルコールを効率的に濃縮する目
的等で使用することが出来る。
実施例 次に、実施例によつて本発明を更に詳細に説明
する。
実施例 1 架橋性ポリビニルアルコールフイルム(6×6
cm2)を、5%アクリル酸水溶液20mlに浸し、これ
に硝酸セリウムアンモニウム0.1モル/水溶液
0.5mlを加え、17℃の室温下に2時間処理した。
水洗、乾燥後、0091gの重量増加が認められた。
これはフイル面積当り2.52mg/cm2のグラフト率に
当たる。このフイルムを2%の水酸化ナトリウム
水溶液20mlに室温で30分間浸漬処理してグラフト
重合層の中和イオン化を行つた。
このフイルムを用い、40℃のもとで水−エタノ
ール混合溶液を供給して浸透気化法による分離を
試み、次の様な結果を得た。
エタノール濃度がそれぞれ7.9,16.8,44.7,
63.8,84.9%のとき、透過速度は1.55,1.39,
0.88,0.33,0.15Kg/m2・hrであり、またエタノ
ールに対する水の分離係数は37.0,25.5,30.1,
30.0,10.9であつた。
実施例 2 架橋性ポリビニルアルコールフイルムを、5%
アクリル酸水溶液20mlに浸し、これに硝酸セリウ
ムアンモニウム0.1モル/水溶液0.5mlを加え、
17℃の室温下に4時間処理した。水洗、乾燥後、
秤量し、5.21mg/cm2のグラフト収率が認められ
た。このフイルムを2%の水酸化ナトリウム水溶
液で中和イオン化を行つた。
このフイルムを用いて30℃のもとで浸透気化法
による分離を行い、次の様な結果を得た。
エタノール濃度がそれぞれ16.7,48.6,69.2,
88.3%の水溶液を供給したとき、透過速度は
4.14,1.40,0.62,0.04Kg/m2・hrであり、また
エタノールに対する水の分離係数αは8.7,37.1,
90.5,120.3であつた。
参考例 1 実施例2で用いた分離膜で35℃のもとで浸透気
化実験を行い、以下の結果を得た。
エタノール濃度がそれぞれ16.7,48.6,69.2%
の水溶液を供給したとき、透過速度は4.24,
1.47,0.69Kg/m2・hrであり、またエタノールに
対する水の分離係数は30.1,279.7,849.7であつ
た。
参考例 2 実施例2で用いた分離膜で40℃のもとで浸透気
化実験を行い、以下の結果を得た。
エタノール濃度がそれぞれ16.7,48.6,69.2,
88.3%のとき、透過速度は4.63,1.83,0.76,0.06
Kg/m2・hrであり、エタノールに対する水の分離
係数は14.6,324.0,230.3,378.6であつた。
実施例 3 実施例2で用いた分離膜で50℃のもとで浸透気
化実験を行い、以下の結果を得た。
エタノール濃度がそれぞれ16.7,48.6,69.2,
88.3%のとき、透過速度は5.54,2.08,0.88,0.09
Kg/m2・hr、分離係数αは18.3,324.0,937.4,
314.8であつた。
実施例 4 架橋性ポリビニルアルコールフイルムを、5%
メタクリル酸水溶液20mlに浸し、これに硝酸セリ
ウムアンモニウム0.1モル/水溶液0.5mlを加え
て40℃の恒温槽で4時間処理しグラフト重合を行
つた。水洗、乾燥後、秤量して2.20mg/cm2のグラ
フト収率が得られた。このフイルムを2%の水酸
化ナトリウム水溶液で処理し、中和イオン化を行
つた。
このフイルムを用い、40℃のもとで浸透気化実
験を行い、次の結果を得た。
エタノール濃度がそれぞれ19.2,48.0,72.0,
88.8%の水溶液を用いたとき、透過速度は3.48,
1.20,0.50,0.10Kg/m2・hrであり、エタノール
に対する水の分離係数αは13.0,32.0,45.2,
27.0であつた。
比較例 1 架橋性ポリビニルアルコールフイルムを用いて
40℃のもとで浸透気化実験を行い、以下の結果を
得た。
エタノール濃度がそれぞれ14.2,44.4,66.1,
84.0%のとき、透過速度は0.98,0.64,0.29,0.09
Kg/m2・hr、エタノールに対する水の分離係数α
は22.4,21.8,29.4,18.9であつた。
比較例 2 架橋性ポリビニルアルコールフイルムにアクリ
ル酸を2.52mg/cm2グラフト重合させた分離膜を用
い、40℃で浸透気化実験を行い、以下を得た。
エタノール濃度がそれぞれ8.5,15.8,44.6,
66.3,86.7%の水溶液を供給したとき、透過速度
は1.42,1.26,0.81,0.41,0.13Kg/m2・hrであ
り、水の分離係数αは20.4,12.2,19.8,32.0,
21.2であつた。
比較例 3 架橋性ポリビニルアルコールフイルムにアクリ
ル酸を5.21mg/cm2グラフト重合させた分離膜を用
い、50℃のもとで浸透気化実験を行つた結果、以
下を得た。
エタノール濃度が18.4,49.3,67.3,91.3%の
水溶液を供給したとき、透過速度は2.56,1.43,
0.90,0.74Kg/m2・hrであり、エタノールに対す
る水の分離係数αは、14.8,14.4,10.3,4.8であ
つた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 架橋性ポリビニルアルコール膜にレドツクス
    触媒の存在下でアクリル酸又はメタクリル酸をグ
    ラフト重合させ、その表面に1.0〜10mg/cm2のグ
    ラフト重合層を形成させたのち、アルカリで中和
    処理することを特徴とする水−アルコール分離膜
    の製造方法。
JP9595086A 1986-04-25 1986-04-25 水―アルコール用分離膜の製造方法 Granted JPS62250906A (ja)

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JPS62250906A JPS62250906A (ja) 1987-10-31
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5015268A (en) * 1988-10-13 1991-05-14 Exxon Research And Engineering Co. Polymeric membrane and process for separating aliphatically unsaturated hydrocarbons
KR100263419B1 (ko) * 1998-06-10 2000-08-01 김충섭 물/알콜 분리용 분리막
JP6038622B2 (ja) * 2012-12-06 2016-12-07 次世代型膜モジュール技術研究組合 ガス分離膜

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5840104A (ja) * 1981-08-31 1983-03-09 Kuraray Co Ltd 混合液体の分離方法

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